JPS6145794Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインの穀粒回収装置に関し、
詳しくは、脱穀装置の揚穀装置によつて、脱穀処
理された穀粒を、穀粒貯留用のタンクに供給貯留
すべく構成したコンバインの穀粒回収装置に関す
る。

上記回収装置においては、穀粒貯留量を多くし
てタンクに貯留した穀粒の搬出頻度を少くし、作
業能率を向上させるべく穀粒貯粒用タンクを極力
大きくすることが望まれるのであるが、タンクを
機体横一側方に配設していたために、貯留穀粒の
増加に伴い、機体の重心位置がタンク側に移行
し、特に軟弱地においては、タンク下方に位置す
る走行装置が地中に沈み込み、斜行を生じるもの
であつた。

本考案は、かかる点に着目し、貯留穀粒量を多
くして作業能率を向上させながらも、タンク内へ
の穀粒供給に伴う機体の左右重量バランスの崩れ
を極力抑制して安全を走行作業を行えるようにす
ることを目的とする。

次に、本考案の実施の態様を例示図に基づいて
詳述する。

クローラ走行装置１を装備する走行機体に脱穀
装置２を搭載し、走行機体の前部に、圃場の植立
茎稈を引き起してその株元を切断し、刈取つた茎
稈を前記脱穀装置２に供給する刈取前処理部３と
操縦部４を並設すると共に、操縦部４の後方に穀
粒回収装置５を配備してコンバインを構成してあ
る。

前記穀粒回収装置５を構成するに、第２図及び
第３図に示すように、前記脱穀装置２の横側部
に、脱穀装置２からの穀粒を貯留する主タンク６
を設けると共に、この主タンク６の上部に、前記
脱穀装置２上方に位置する副タンク７を横軸芯
X₁周りで上下揺動自在に連結し、一端が脱穀装
置２の一番物回収用スクリユーコンベア８に連通
接続し、脱穀装置２からの搬出穀粒を前記主副両
タンク６，７に供給する揚穀装置９を、主副両タ
ンク６，７の中間で、かつ主タンク６上部の傾斜
面６ａを貫通させて設けてある。そして前記揚穀
装置９の上端に、穀粒吐出口１０ａを形成した筒
体１０を縦軸芯Y₁周りで回動自在に取付けると
共に、揚穀装置９の外壁に設けた電動モータ１１
と前記筒体１０とをギア伝動機構１２を介して連
動連結してある。そして、機体フレームに取付け
た左右重量バランス検出装置１３と前記電動モー
タ１１とを、一定時間ごとに正逆転切換を行うタ
イマー回路１４を介して接続してある。もつて、
前記検出装置１３の検出結果に基づいて、前記吐
出口１０ａの向きを変更して穀粒を主タンク６あ
るいは副タンク７に択一供給し、機体の左右重量
バランスを極力一定になるように構成してある。
尚、前記左右重量バランス検出装置１３として
は、重力式に機体の左右傾斜を検出する手段や、
機体フレームに作用する左右偏荷重を歪計などを
用いて電気的に検出する手段、等、種々のものが
考えられる。

前記主タンク６には、主タンク６内の穀粒を外
部に搬出する装置１５が装備してあり、以下の如
く構成されている。

即ち、前記主タンク６の下端部に、その一端が
主タンク６外方に突出する状態で第１スクリユー
コンベア１６を設け、この突出端に、スクリユー
コンベアを内装した揚穀筒１７を横軸芯X₂周り
で回動固定自在に取付けると共に、この揚穀筒１
７の上端に、その遊端側に穀粒吐出口１８ａを備
え、スクリユーコンベアを内装した搬送筒１８を
縦軸芯Y₂周りに旋回自在に連設してある。もつ
て、主タンク６内の穀粒を前記搬出装置１５によ
り機外に搬出すると共に、主タンク６と副タンク
７間に介装した油圧シリンダ１９を伸縮させ、副
タンク７を上方に姿勢変更して副タンク７内の穀
粒を主タンク６に移しかえ、順次搬出できるよう
に構成してある。

尚、副タンク７内の穀粒を主タンク６に移しか
える機構２０として、第４図に示すように、副タ
ンク７を一体連設した主タンク６を横軸芯X₂周
りで揺動自在に設け、副タンク７内の穀粒が主タ
ンク６内に入り込むのを規制するシヤツター２６
を固着した横軸２１を、主タンク６上部の前後壁
に亘つて架設し、この横軸２１に連設したアーム
２２と脱穀装置２とに亘つて油圧シリンダ１９を
設けると共に、主タンク６前壁上部に形成した長
孔２３に、間欠的に正逆転回動する揚穀装置９の
上部に連設した出退自在な穀粒吐出口１０ａ挿入
し、もつて吐出口１０ａを回動させることによつ
て穀粒を機体一側方に片寄らせることなく両タン
ク６，７に分散供給すると共に、穀粒搬出時にお
いては、前記吐出口１０ａをタンク外方に位置さ
せて、前記シリンダ１９の初期操作でもつてシヤ
ツター２６を開放し、前記アーム２２が主タンク
６外壁に突設したストツパー２５に接当させ、シ
リンダー１９の終期操作で主タンク６が横軸芯
X₂周りで揺動させるて揚穀筒１７を介して機外
に放出させるように構成するもよい。

又、主タンク６及び副タンク７夫々に穀粒を択
一的に供給する手段としては、種々のものが考え
られるものであつて、例えば、揚穀装置９から主
副両タンク６，７夫々に電磁式シヤツターを備え
た穀粒供給筒を延設し、主タンク６下部に設けた
機体左右重量バランス検出装置１３の検出結果に
基づいて前記電磁式シヤツターを作動させるよう
に構成してもよく、それらを切換機構２７と総称
する。

以上要するに、本考案による穀粒回収装置は、
脱穀装置２の横側部に穀粒貯留用の主タンク６を
配備するとともに、脱穀装置２の上部に副タンク
７を設け、脱穀装置２からの搬出穀粒を揚上する
揚穀装置９を主副両タンク６，７の中間に設け、
その上端に揚上穀粒を主タンク６もしくは副タン
ク７に切換え供給する供給方向切換え機構２７を
設けるとともに、機体の左右重量バランス検出装
置１３の検出結果に基づいて前記供給方向切換え
機構２７を作動させるように連動し、且つ主タン
ク６には穀粒搬出装置１５を装備するとともに、
副タンク７を姿勢変更して貯留穀粒を主タンク６
に移しかえる機構２０を設けてあることを特徴と
する。

即ち、機体の左右重量バランス検出装置１３の
検出結果に基づいて、脱穀装置２の横側部と上部
夫々に設けた主副両タンク６，７に穀粒を供給す
る揚穀装置９の穀粒供給方向を切換えるようにし
てあるので、機体の重心位置の移行を抑制しなが
ら穀粒の回収作業を行うことができ、その結果、
冒記したように、機体重心の移動に伴う機体の斜
行を生じさせることなく、安定に走行できるよう
になつた。

又、副タンク７を姿勢変更して穀粒を主タンク
６に移しかえるようにしてあるので、副タンク７
からの穀粒搬出装置を設けることなく、主タンク
６に装備した搬出装置１５で貯粒穀粒を機外に搬
出でき、しかも、副タンク７内の穀粒を主タンク
６内へ移しかえながら搬出することによつて、急
激に機体の左右重量バランスが崩れるといつたこ
とを回避でき、安定した穀粒搬出作業が行えるよ
うになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバソンの穀粒回収装置
の実施の態様を例示し、第１図はコンバインの全
体平面図、第２図は第１図の−線断面図、第
３図は要部断面図、第４図は変形構造を示す要部
断面図、第５図は第４図の−線断面図であ
る。 ２……脱穀装置、６……主タンク、７……副タ
ンク、１３……バランス検出装置、１５……搬出
装置、２０……移しかえ機構、２７……切換機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置２の横側部に穀粒貯留用の主タンク６
   を配備するとともに、脱穀装置２の上部に副タン
   ク７を設け、脱穀装置２からの搬出穀粒を揚上す
   る揚穀装置９を主副両タンク６，７の中間に設
   け、その上端に揚上穀粒を主タンク６もしくは副
   タンク７に切換え供給する供給方向切換え機構２
   ７を設けるとともに、機体の左右重量バランス検
   出装置１３の検出結果に基づいて前記供給方向切
   換え機構２７を作動させるよう連動し、且つ主タ
   ンク６には穀粒搬出装置１５を装備するととも
   に、副タンク７を姿勢変更して貯留穀粒を主タン
   ク６に移しかえる機構２０を設けてあることを特
   徴とするコンバインの穀粒回収装置。