JPS6143072B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は往復動電気かみそりの外刃の製造方
法、詳しくは外刃基体の側縁部に取付部材兼用の
補強板を固定する方法の改良に関するものであ
る。

周知のように、この種外刃は、多数の毛導入孔
を配列した金属製の箔状外刃基体とこの外刃基体
の側縁部に固定される取付部材兼用の補強板とか
らなり、この補強板によつて電気かみそりへの装
着状態における緊張に耐えるようにしてある。

従来、上記、補強板は金属板で構成してあり、
外刃基体に止着する方法として、一般に別途用意
された止着ピンでかしめ止めする手段や、あるい
は補強板を外刃基体とともに、金型内に装入した
のち、上記基体および補強板に形成された切欠部
に樹脂を充填して成形された止着ピン部で一体的
に固定する手段が採用されている。

しかるに、前者では、止着ピンを別途用意しな
ければならず、しかもこの止着ピンを外刃基体お
よび補強板のピン挿入孔に挿入する工程や、止着
ピンのかしめ工程における作業上の手間で生産性
に劣る欠点があり、また後者においては、かしめ
止め手段のような手間は省けるけれども、補強板
そのものを予め用意することには変わらないし、
外刃基体の側縁部に補強板を位置決めして樹脂を
充填させないと、補強板がずれて固定されるおそ
れがある。

この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、
外刃基体の側縁部に沿つて射出圧緩衝帯を形成し
たのち、上記外刃基体の側縁部に射出成形で補強
板を形成することにより、補強板の成形と同時に
この補強板を外刃基体に固定することができ、製
造が容易で、部品点数が削減されしかも電気かみ
そりに対して適正な曲率で装着し得る復動電気か
みそりの外刃の製造方法を提供することを目的と
する。

以下、この発明の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図はこの発明の製造方法で得られた外刃を
示し、同図において、１はステンレス鋼薄板もし
くはニツケル電鋳板等からなる金属製の箔状外刃
基体、２はこの外刃基体１に形成された多数の毛
導入孔、３，３は上記外刃基体１の両側縁部４，
４にそれぞれ固着された合成樹脂製の補強板で、
各補強板３には電気かみそりへの取付用の係止部
５が形成されている。

つぎに、上記外刃の製造方法を工程順に説明す
る。

まず、プレス法、エツチング法もしくは電鋳法
のような周知の手段で、第２図に示すように、多
数の毛導入孔２を有する金属製の箔状（厚さ50〜
90μｍ程度）の外刃基体１を製作する。この時、
上記外刃基体１の両側縁部３，３に樹脂流通孔６
を形成するとともに、上記毛導入孔２の配列領域
Ｓと上記両側縁部４，４との間に、上記各側縁部
４に沿つて、陥没部で構成された射出圧緩衝帯
７，７を形成する。

しかる後、上記外刃基体１を、第３図に示すよ
うに、この外刃基体１の両側縁部４，４に対応し
た凹状部Ma，Ma′を有する射出成形金型Ｍ，
M′内に装入する。この状態で、上記金型Ｍ，
M′の樹脂注入孔Ｎから熱可塑性合成樹脂を上記
金型Ｍ，M′内に射出させれば、第４図のように
この合成樹脂により、上記外刃基体１の両側縁部
４，４をモールドした状態で、取付用係止部５
（第１図）を有する補強板３が形成されると同時
に、上記樹脂流通孔６内に充填さた上記合成樹脂
で上記補強板３は外刃基体１に一体的に固定され
る。上記熱可塑性合成樹脂としては、ポリアセタ
ール樹脂のような機械的強度の高いものが好まし
い。

このように、補強板３を射出成形で形成すると
同時に外刃基体１に固着することにより、外刃と
して電気かみそりへの装着状態における緊張に耐
えさせることができることは勿論、外刃基体１を
射出成形金型Ｍ，M′内に設定するだけでよいか
ら、製造が容易になり、さらに金属製の補強板
や、この補強板固着用の止着ピンを別途用意する
必要もないから部品点数が削減される。

ところで、上記外刃基体１の両側縁部４，４が
平坦なままで上記射出成形がなされると、成形金
型Ｍ，M′同士の合せ面の精度誤差のために、上
記樹脂が射出圧を受けて、上記合せ面からはみ出
し、第５図のように外刃基体１の中央部位に向う
ばり３ａが形成され、その分だけ補強板２の固着
力が弱められるばかりか、電気かみそりへの装着
状態での曲率がばらつくおそれがある。ところ
が、上記のように、外刃基体１の両側縁部４，４
に沿つて射出圧緩衝帯７を形成することにより、
上記合せ面からはみ出そうとした樹脂３ａが上記
緩衝帯７に落ち込んで外刃基体１の中央部位に向
つて延出するのが防止され、補強板２の固着力が
堅固に確保されるとともに、装着状態での曲率が
ばらつくおそれも解消される。

なお、上記実施例では、射出圧緩衝体を陥没部
７で構成したものであるが、第６図のように上記
外刃基体１の各側縁部４に沿つて隊列状に配列さ
れた多数の小孔７０で構成した場合でも、第７図
のように上記小孔７０に射出成形時の合成樹脂が
落ち込むために前記実施例と同様の効果を奏する
ことができる。

以上のように、この発明にしたがえば、外刃基
体の両側縁部と毛導入孔の配列領域との間に上記
各側縁部に沿つた射出圧緩衝帯を形成したのち、
射出成形で上記両側縁部に熱可塑性合成樹脂の補
強板をモールド形成することにより、補強板の固
着が簡単に行なえ、部品点数も削減されて生産コ
ストの低減化が図れ、しかも電気かみそりに対し
て適正な曲率をもつて装着することができる外刃
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の製造方法で得られた往復動
電気かみそりの外刃の一例を示す斜視図、第２図
は同外刃に供される外刃基体の斜視図、第３図は
同製造方法に用いられる射出成形金型を示す断面
図、第４図は同外刃基体に射出圧緩衝体を形成し
て補強板を形成した外刃の要部断面図、第５図は
同外刃基体に射出圧緩衝体を形成しない場合を上
記第４図と比較して示す外刃の要部断面図、第６
図および第７図は射出圧緩衝体の変形例を示す外
刃基体の斜視図および外刃の要部断面図である。 １……箔状外刃基体、２……毛導入孔、３……
補強板、４……側縁部、７，７０……射出圧緩衝
体、Ｓ……毛導入孔２の配列領域。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数の毛導入孔２が形成された金属製の箔状
   外刃基体１の両側縁４，４と上記毛導入孔２の配
   列領域Ｓとの間に、上記各側縁部４に沿つて延び
   る射出圧緩衝帯７，１０を形成したのち、射出成
   形法による熱可塑性合成樹脂からなる取付部材兼
   用の補強板３で上記外刃基体１の両側縁部４，４
   をモールドしてなる往復動電気かみそりの外刃の
   製造方法。