JPS6142649Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、間接押出プレス、特にルーズドダイ
を用いる間接押出プレスにおいて、コンテナ内面
をクリーニングする部分と押出材の形状を決定す
る部分を分離したダイ組立体を採用すると共に、
機外ポジシヨンにおいて押出中に除去されたコン
テナシエルを直ちに取除き、ダイステム先端に清
掃されたルーズドダイを再度装着し、同一ダイの
連続再使用を可薊としたものに関する。

間接押出プレスにおいては、押出中のメタルフ
ローが改善させ、均一な押出材が得られる点で有
利であるが、金属材料によつては、例えば高力系
アルミ合金等の間接押出では、表面品質を確保す
るため、押出後、コンテナ内面に付着したシエル
を除去することが必須とされる。このコンテナシ
エルの除去手段としては各種の手段であるが、ダ
イステムの端面に所謂２段ダイス（レーズドダ
イ）を装着するものが、押出中にダイス一部によ
つてコンテナ内面をクリーニングし、内面に生じ
るシエルを除去できるので、プレスサイクルタイ
ムの短縮上有利である。しかしこの手段ではダイ
スに付着したシエルを除去する作業を、プレスド
ライサイクルタイム中に実施する事が困難であ
り、このため２個以上のダイスを交互に押出に使
用し、１個が押出に使用されている間に、他の１
個をプレス機外において付着シエルの除去作業を
行う必要が生じる。このことは同一形状のダイス
を２個以上製作することになり、ダイコストが掛
ると共に、厳密な公差の要求される押出材等で
は、寸分の狂いもない同一ダイスの製作が困難で
ある点において問題点がある。

本考案はかかる問題点を解決するためになされ
たものであつて、その特徴とする処は、固定プラ
テン前面に位置するダイステムと、該ステム先端
に着脱自在にかつ間隔を置いて直列状に装設した
製品形状を決めるルーズドダイとコンテナ内面ク
リーニング用シヤーリングとから成るダイ組立体
に対し、ビレツトコンテナを往復動自在に対置す
るとともに、前記ダイステムの略先端位置に、プ
レス機内および機外の少なくとも２つのポジシヨ
ンへの移動手段と、プレス軸線と平行する移動手
段とを備え、前記機外ポジシヨン位置にコンテナ
シエルのノツクアウト機構を備えた前記ルーズド
ダイおよびシヤーリングのハンドリング装置を設
けた点にある。

以下図示の実施例に基いて本考案を詳述する
と、第１図乃至第７図は、本考案間接プレスの要
部のみをプレス作動順に示したものであり、第１
図は押出状態を示しているが、同図において、コ
ンテナ１は図示省略しているが、既知の間接押出
プレスと同様、コンテナホルダ並びに移動手段に
よつて、プレス軸線と同心に往複動自在に設けら
れ、固定プラテン２５の前面に支持されたダイス
テム２に向つて進退する。押出材８の通過孔を中
心に有するダイステム２の先端には図示のように
小径部２６が形成され、該小径部６にはコンテナ
１の内面をクリーニングするためのシヤーリング
６がプレス軸方向に挿脱自在に外嵌され、かつ小
径部２６後端の段部２７によつて係止される。小
径部２６の前端面にはダイベアリング部５ａを有
するルーズドダイ５が、該ベアリング部５ａの中
心をプレス中心として着脱自在に装着されるので
あり、このダイステム２、コンテナクリーニング
用シヤーリング６およびルーズドダイ５によつ
て、本考案のダイ組立体２８が構成されることに
なり、前記シヤーリング６とルーズドダイ５の間
には軸方向の間隔２９が形成されることになる。
その他第１図において３は加圧ステム、４はダミ
ーブロツクであり、これらはこの種間接押出プレ
スにおいて既知の部材である。また１０は前記ダ
イステム２の小径部２６の前端面に設けられたル
ーズドダイ５の位置決め確認用のノツクピンであ
つて、ダイ５側にはノツクピン１０の係合孔３０
が設けられる。

更に本考案においては、第３図乃至第５図に例
示するように、前記したダイステム２の略先端位
置に、前記ルーズドダイ５およびシヤーリング６
のためのハンドリング装置１３が配設される。同
ハンドリング装置１３は、第３，４図に示すよう
に、プレス機外に設置されたベースフレーム３１
等に設けた支持ブラケツト１６，１７間に、プレ
ス中心軸線と平行して直線的に往復動自在である
とともに、軸回りに往復回動自在に架設した移動
軸１５に支持され、同移動軸１５の直線往復移動
と同行してプレス中心軸線と平行して移動可能で
あるとともに、また移動軸１５の軸回りの往復回
動によつて、第３・４図のようにプレス機内のプ
レス中心軸線に、同装置１３の一端に設けたルー
ズドダイ５およびシヤーリング６のクランプ１４
が同心に位置し、また第５図示のように装置１３
の全体がコンテナ１その他のプレス機材と干渉し
ないプレス機外に位置するように、プレス機内、
機外における少なくとも２つのポジシヨンに移動
可能に設けるのである。１８はこれら移動軸１５
のための前記移動を行う駆動部材として油圧シリ
ンダを示しているが、勿論これは１例を示すに止
まり、移動軸１５の直線的な往復移動や軸回りの
往復回動のための駆動部材乃至機構は自由に採用
でき、また移動軸１５以外の手段によるも同効で
ある。また第５図に例示するように、本考案では
前記ハンドリング装置１３がプレス機外に避退す
る機外ポジシヨンに、シヤーリング６に付着して
いるコンテナシエル９を除去するためのシエルノ
ツクアウト１９を、例えば回動乃至揺動自在なス
イング軸２０に支持させて配置するのである。

本考案による間接押出プレスの押出サイクルに
ついて述べると、第１図は先にも述べたように押
出状態を示しており、図示のようにコンテナ１加
圧ステム３は矢印のようにダイステム２に向つて
移動し、ルーズドダイ５によつてコンテナ１内の
ビレツト７は押出材８として押出成形され、ダイ
ステム２内に通過して固定プラテン２５側に排出
され、この間接押出中に、ルーズドダイ５の後方
に位置した小径部２６上のシヤーリング６によつ
て、コンテナ１内面のシエル９が除去され、リン
グ６とダイ５間の間隔２９によるスペース内に保
留されてゆく。続いて第２図に示すように押出が
終了すれば、デイスカード１１およびダミーブロ
ツク４は既知のようにコンテナ１の図に向つて右
方に突き出され、デイスカード１１部分が既知の
シヤー１２の矢印に示すような前進動作によつて
押出材８と分離切断され、加圧ステム３は矢印の
ように後退する。次いで第３図に示すように、コ
ンテナ１が矢印のように図向つて左方に若干再移
動して、ダイステム２の小径部２６に設けられて
いるルーズドダイ５およびシヤーリング６がコン
テナ１の図に向つて右端外に露出するとともに、
ハンドリング装置１３はプレス機外のポジシヨン
より移動軸１５の回動を介してプレス機内のポジ
シヨンに移動し、同装置１３の一端に設けたクラ
ンプ１４がプレス中心軸線と同心状に位置して、
前記露出したルーズドダイ５並びにシヤーリング
６を、確実かつ強固に把持することになる。この
さいシヤーリング６側にはコンテナ内面のクリー
ニングによつて除去したコンテナシエル９が付着
し、ダイ５との間隔１２によるスペース内に保留
された状態である。続いて第４図に示すように、
移動軸１５のプレス中心軸線と平行する図に向つ
て右方への直線的移動によつて、ルーズドダイ５
シヤーリング６およびコンテナシエル９は固定位
置に留まるダイステム２の小径部２６上から抜き
取られる事になる。このさいルーズドダイ５およ
びシヤーリング６の両者は、清掃後の再使用にさ
いして位置ズレを生じないように、クランプ１４
による強固な保持を期することが必要である。こ
の第４図の状態から、ハンドリング装置１３を移
動軸１５の反対方向への回動によつて、プレス機
外のポジシヨンに移動させるのであり、第５図の
状態となつて、機外ポジシヨンに配置したシエル
ノツクアウト１９を作動し、ルーズドダイ５およ
びシヤーリング６間の間隔１２内に装入して回動
乃至揺動させ、シヤーリング６側に付着したコン
テナシエル９を除去し、また場合によつてはこれ
とともにダイ５およびシヤーリング６の清掃、手
入れを行うこともできる。この間コンテナ１は矢
印のように移動して、新しいビレツトの装填に備
えるのである。

このようにしてコンテナシエル９の除去、更に
は必要な清掃手入れを終了したルーズドダイ５と
シヤーリング６とは、第５図の機外ポジシヨンよ
り移動軸１５の回動を介して再び機内ポジシヨン
に戻り、続いて移動軸１５のプレス中心軸線と平
行する第６図の矢印方向への直進移動により、図
示のようにダイステム２の小径部６側に再び装着
されることになる。このさいシヤーリング６は小
径部２６の段部２７に係止され、またルーズドダ
イ５はノツクピン１０と係合されることによつ
て、位置決めと確認が得られるのである。これと
ともに新しいビレツト２１はビレツトローダ２２
に介して、コンテナ１の前面に搬入される。従つ
てクランプ１４の解放とハンドリング装置１３の
プレス機外ポジシヨンへの移動、コンテナ１の移
動と新しいビレツト２１のコンテナ内への装填を
介して、第７図に示す状態が得られ、ビレツト２
１端へのダミーブロツクローダ２４による新しい
ダミーブロツク２３の配置、加圧ステム３の起動
によつて、新しいビレツト２１に対する押出サイ
クルが再開反復されるのである。

即ち本考案間接プレスによれば、ダイステム
２、ルーズドダイ５およびシヤーリング６による
ダイ組立体２８を使用して、ビレツト７の押出し
後、コンテナ１の図向つて右端においてのデイス
カード１１の切断、コンテナ１からのルーズドダ
イ５およびシヤーリング６の露出、プレス機内お
よびプレス機外の２ポジシヨンを移動するハンド
リング装置１３によるダイ５シヤーリング６の機
外への取出し、機外ポジシヨンにおけるシエルノ
ツクアウト１９によるコンテナシエル９の除去、
コンテナ１の新ビレツト装填のための移動を利し
ての、ダイステム２への清掃済みルーズドダイ５
シヤーリング６の再装着、同一ダイによる押出加
工の再開という一連のプレスサイクルがきわめて
容易に可能となり、同一ダイの連続再使用、サイ
クルタイムの短縮と効率化が得られることにな
る。この種押出加工に当つては、その寸法精度の
バラツキを防止するためには、毎押出サイクル中
の同一ダイスの使用が重要なキーポイントとなる
のであるが、本考案ではこれをきわめて容易に可
能とするのであり、ダイ組立体２８とシエルノツ
クアウト機構を具備して機内・機外の２ポジシヨ
ンを移動し、かつプレス軸線方向に移動可能なハ
ンドリング装置１３とにより、コンテナシエルの
排出、除去から清掃、再使用まで、一連のダイス
リサイクル動作はきわめて短時間で押出サイクル
中に充分に行え、同一ダイスの連続再使用、均一
な押出材の生産によつて作業性と品質の向上が容
易であり、同一形状ダイスを複数個使用する必要
もなく、またハンドリング装置１３自体の運動も
きわめて簡単であり、必要機構も著しく簡単化で
き、間接押出プレスにおける１つの問題点を解決
したものとして優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案プレス実施例の押出状態を示す
側断面図、第２図は同押出終了状態の側断面図、
第３図は同ダイハンドリング装置駆動状態の側断
面図、第４図は同ダイ、シヤーリング抜取状態、
第５図は同シエル除去状態、第６図は同ダイ、シ
ヤーリング再装着状態の各側断面図、第７図は同
ビレツト押出直前状態の側断面図である。 １……コンテナ、２……ダイステム、３……加
圧ステム、５……ルーズドダイ、６……シヤーリ
ング、７……ビレツト、９……コンテナシエル、
１３……ハンドリング装置、１９……シエルノツ
クアウト、２８……ダイ組立体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定プラテン前面に位置するダイステムと、該
   ステム先端に着脱自在にかつ間隔を置いて直列状
   に装設した製品形状を決めるルーズドダイとコン
   テナ内面クリーニング用シヤーリングとから成る
   ダイ組立体に対し、ビレツトコンテナを往復動自
   在に対置するとともに、前記ダイステムの略先端
   位置に、プレス機内および機外の少なくとも２つ
   のポジシヨンへの移動手段と、プレス軸線と平行
   する移動手段とを備え、前記機外ポジシヨン位置
   にコンテナシエルのノツクアウト機構を備えた前
   記ルーズドダイおよびシヤーリングのハンドリン
   グ装置を設けたことを特徴とする間接押出プレ
   ス。