JPS6015615Y2 - ビレツトスカルパ−装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビレットスカルパー装置に関する。

鋳造時ビレットの外表面に造成される黒皮や、偏析合金
層をスカルピングダイを含むグイ装置と、加圧部材との
協働でスカルピングするビレットスカルパー装置は既知
である。

このビレットスカルピング作業は、金属ビレットの流れ
が改善されて良品質の製品を得ることが可能な間接押出
プレスにあっては不可欠な作業のひとつであり、又、直
接押出プレスにあっても航空機器材のように製品品質が
とくに要望されるものにあっては不可欠な作業のひとつ
であり、このため、スカルパー専用機、押出プレスに組
込んだ所謂スカルパー装置付の押出プレスが各種提案さ
れている。

而して、スカルパー専用機、スカルパー装置付の押出プ
レスの如何を問わず、スカルパー装置として最近要望さ
れていることは、スカルピング精度を損うことなく、チ
ップを如何にハンドリングするかにある。

即ち、チップはその形状が不定でかつ比較的嵩高である
ためそのハンドリングは困難を伴い、特に、スカルピン
ググイにチップが付着すれば、後続ハンドリングは至難
となるのは勿論、効率のよいスカルピング及びプレスサ
イクルの短縮化が期し難いものとなっている。

又、スカルピングダイに黒皮その他の異物が付着すれば
、これを清掃することが必要であるし、グイ交換も必要
となるが、このグイ装置が従来では固定形式で機中心に
あることからして清掃困難、交換困難となり、特に重筋
労働者の過度な労働が余儀なくされていた。

本考案は以上のような実状に鑑み案出されたもので、ス
カルパー専用機、スカルパー装置の如何を問わずチップ
スカルピンググイより簡単かつ確実に離脱可能であり、
又、スカルピングダイを含むグイ装置の清掃、交換を容
易としたビレットスカルパー装置の提供を目的とする。

以下、図面を参照して本考案の実施例のいくつかを詳述
する。

第１図乃至第５図は本考案の第１実施例を示し、ベース
架台１の前後に対向フレーム２，３を立設せしめ対向フ
レーム２，３を対角線配置としたコラム４を介して剛結
することでラーメン構造体を構成している。

対向フレーム２のスカルピング中央には貫通孔５を有腰
この対向フレーム２の後端面、即ち対向フレーム３との
対接側には貫通孔５と共軸心関係のスカルピングダイ６
を含むグイ装置７が設けである。

一方、他の対向フレーム３のスカルピング中央、即ち、
スカルピングダイ６の軸心線上には加圧装置８が設けて
あり、該加圧装置８はシリンダ９、これに油密に嵌合さ
れたピストンラム１０及びピストンラム１０の先端に設
けたクロスヘッド１１を介して設けられた加圧体１２と
から戒り、加圧体１２とスカルピングダイ６との間にビ
レットＢがチャージされると加圧装置８の伸長動作によ
り加圧体１２を介してビレットＢをスカルピングダイ６
に対して加圧可能であり、又、スカルピング後は加圧装
置８の縮少動作により加圧体１２を旧位に復帰可能とし
ており、加圧体１２の前記進退動作の正確さを確保する
ため本例ではクロスヘッド１１をベース架台１に設けた
左右一対の摺動案内装置１３を介して案内すべく構成さ
れている。

第５図で特に詳細に示す如くグイ装置７は対向フレーム
３に設けた上下一対のグイホルダガイド１４、該ホルダ
ガイド１４に嵌合されたグイホルダ１５、該ホルダ１５
にダイバツカ１６を介して嵌合されたスカルピングダイ
６から戊り、スカルピングダイ６の端面６Ａにはチップ
１７を所謂渦巻状に案内形成する凹状の弧面とされた渦
巻成形部が形成されている。

つまり、この渦巻成形部は剥離されたチップ１７を径外
方向に案内しつつ求心方向に巻込んで渦巻状とするもの
である。

スカルピングダイ６の外周にはチップエジェクタ１８が
本例では内周縁１８Ａを環形状として套嵌されており、
このチップエジェクタ１８をスカルピンググイ端面６Ａ
より加圧装置８側に向って軸方向に往復動する左右一対
の駆動体１９が設けである。

本例では駆動体１９は対向フレーム３に固設されたシリ
ンダ２０とこれに油密に嵌合されたピストンラム２１と
から戒り、ピストンラム２１のエンドがチップエジェク
タ１８に連結されているのである。

その他、第１図乃至第４図において、２２はチップ排出
シュートを示している。

次に、前述第１実施例の作動を説明すると、図外ビレッ
ト搬入部材を介してビレットＢがスカルピングダイ６と
加圧体１２の間に搬入されると、加圧装置８に伸長方向
の液圧（油圧）を作用させもって加圧体１２を介してビ
レットＢをグイ６に向って押付け、第１図及び第５図で
示す如くビレットＢの外皮をその軸方向全体にわたって
スカルピングするのであり、そのチップ１７は第５図に
示す如く端面６Ａの渦巻成形部により渦巻状とされ、こ
の渦巻状チップがダイ６の外周面より径外方向に突出し
た状態で当該端面に６Ａに付着している場合がある。

そこで、第２図で示す如く加圧体１２を後退させた後、
第５図の鎖線で示す如く駆動体１９を本例では伸長させ
ることにより、チップエジェクタ１８を端面６Ａを超え
て移動することで端面６Ａに付着していたチップ１７は
ここに離脱され、第３図に示す如（シュート２２を介し
て機外に排出されるのである。

而して、チップエジェクタ１８は駆動体１９の縮少動作
を介して旧位に復帰し、次の作業に待期するのである。

次に、第６図を参照して本考案の第２実施例を示す。

この第２実施例を示す第６図は第１実施例の第４図と対
応するものであり、共通部分は共通符号で示す。

第６図で明らかな如くダイホルダ１５はＵ字形であり、
ダイ抑え２３を介してスカルピングダイ６を支持すると
ともにダイホルダガイド１４の摺動案内面１４Ａ（第４
図参照）を加圧軸心と直交して形成して該案内面１４Ａ
をしてダイ６及びホルダ１５等をスカルピングとこれよ
り外れた位置との相互間において移動自在となし、その
駆動体２４として、本例では伸縮シリンダ装置を設けた
ものである。

従って、この第２実施例にあってはチップエジェクタ１
８はそのまま残置せしめた状態でダイ６及びホルダ１５
等を第６図鎖線のように機外に移動させることで、ダイ
６の清掃、交換等の付帯作業を機外において容易かつ正
確に実施できるのであり、ここに第１実施例の利点をそ
のまま確保してより改善されたことになる。

第７図、第８図は本考案の第３実施例（付加実施例）で
あり、第１実施例又は第２実施例の加圧体１２の先端で
かつセンターに先鋭突起体２５を取付けたものであり、
本例では該突起体２５を螺子構造で着脱自在に取付けた
ものである。

この第３実施例によれば、スカルピング作業に際し、先
鋭突起体２５にてビレツ）Ｂの軸心を加圧体１２及びシ
ェービングダイ６の軸心に正しく姿勢保持することが可
能となり、ここにスカルピング作業をその軸長全体にわ
たって均一かつ正確にできる。

第９図及び第１０図は本考案のスカルパー装置をプルパ
ック形押出プレスＰに採用したものである。

第９図及び第１０図において、２６は固定プラテンであ
り、この固定プラテン２６を挾んで前後に配置された可
動プラテン２７．２８を対角配置としたタイロッド２９
で剛結して戒る。

固定プラテン２６と可動プラテン２７の間に上下一対の
押出力量発生装置３０が設けられ、該発生装置３０は固
定プラテン２６に取付けた主シリンダ３１とこれに油密
に嵌合されて可動プラテン２７に取付けられた主ラム３
２とから戒る。

固定プラテン２６のプレス中心には貫通孔３３が形成さ
れ、該貫通孔３３の前方（押出方向）にはこれを閉止解
放自在な閉止ブロック３４がプレス中心とプレス外との
相互間においてガイド３５を介してプレス軸心と直交方
向に図外シリンダ装置により摺動自在とされている。

［プラテン２６と可動プラテン２８の間にコンテナ装置
３６が設けられ、３７はその締付はシリンダ装置を示し
ている。

又、３８はダイステムであり、プレス中心にあって可動
プラテン２８に取付けである。

而して、固定プラテン２６の後端面に第６図で例示した
スカルピングダイ装置７を設け、主シリンダ３１にスカ
ルパーフレーム３９を設け、該フレーム３９に加圧体１
２を有するビレット加圧装置８、ビレット挿入シリンダ
４０等を設けたものであり、前述したダイ装置７の構成
は第１実施例〜第３実施例と同様であり、従って共通部
分は共通符号で示す。

なお、第９図において、４１はビレットローダを示して
いる。

この第９図及び第１０図に示す実施例ではビレットロー
ダ４１を介して加圧体１２とスカルピングダイ６との間
のプレス中心に搬入し、その後、加圧体１２を介してビ
レットをダイ６を介してその軸長全体にわたって皮むき
するのであり、スカルピングされたビレットは貫通孔３
３に保留される。

スカルピングによるチップ１７は駆動体１９の伸長を介
してエジェクタ１８をプレス方向に移動することで前述
通りダイ６の端面より離脱される。

又、ダイ６の交換、清掃等ダイ装置７のメンテナンスを
するには駆動体２４を伸長させることで第１０図鎖線の
如くプレス外にて容易に実施できるのである。

なお、皮むきされたビレットは挿入シリンダ４０を介し
てコンテナ装置３６にチャージされ、そのコンテナ孔を
閉止ブロック３４で閉塞するとともにコンテナ装置３６
を締付シリンダ装置３７で保持した状態で押出力量発生
装置３０に圧媒を供給し、本例では第９図において可動
プラテン２７．２８を左方に移動することでグイステム
３８を介して押出（図右方）成形されるのである。

この第９図に示す実施例ではビレットスカルパー装置が
押出プレスに設けてあり、所謂スカルパー処理と押出プ
レスサイクルを関係づけることができ、従って、プレス
サイクルを短縮できるし、又、部材も押出プレスの部材
を共用できる点で有利となる。

以上、要するに本考案によれば、ビレットスカルパー装
置として、スカルピンググイ６に付着残存し易いチップ
１７をエジェクタ１８にて確実容易に離脱することが可
能で、チップエジェクタ１８はこれが軸方向に作動する
ので、剥離は確実でしかも、スカルピング作業に一切支
障なく設けることができる利点がある。

すなわち、エジェクタ１８はグイ６の外周面に套嵌され
てグイ端面６Ａより前方に退逃されているので、グイ６
と加圧体１２によるスカルピング作動中に該エジェクタ
１８が邪魔となることもない。

しかも、グイ端面６Ａの渦巻成形酸部によって形成され
た渦巻状チップがエジェクタ１８に絡むおそれも少ない
。

更に、グイ端面６Ａには剥離されたチップ１７を径外方
向に案内しつつ求心方向に巻込んで渦巻状とする凹状の
渦巻成形部を有することから、剥離されたチップ１７が
無差別にグイ近傍に散在したり、付着したりすることも
少なく、しかも、渦巻状となるから比較的嵩低しくて後
処理も容易とできる。

また、渦巻状チップはこれがグイ端面６Ａに付着してい
るときは、環形状とされたエジェクタ１８を退逃位置か
らグイ端面６Ａを超えて進出させることで除去でき、こ
のさい、エジェクタ１８は環形状であることから、チッ
プ１７のすべてを端面６Ａより正確に除去できる。

又、スカルピングダイ６を含むグイ装置７をスカルパ中
心と機外相互間で移動自在にする付加実施例による場合
は、グイ交換、清掃等グイ装置７のメンテナンスが極め
て軽労働の下で安全迅速に実施できるし、更に、加圧体
１２に先端突起体２５を取付けた付加例によれば、スカ
ルピング中のビレット振れがなく正しい姿勢保持が可能
となり、ここに皮むきを均斉に小力量の下で実施できる
し、又、グイ装置７等スカルパー装置を押出プレスＰに
装備することにより、プレスサイクルの短縮下を図りつ
つ所期目的を遠戚できたのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図乃至第３図は作動
順を併せて示す側断面図、第４図は第２図Ａ−Ａ線の断
面矢示図、第５図は要部の拡大断面図、第６図は第４図
と対応する第２実施例の断面矢示図、第７図は第３実施
例の側断面図、第８図は第７図の部分拡大図、第９図は
第４実施例を示すプレス全体を示す側断面図、第１０図
は第９図Ｂ−Ｂ線の断面矢示図である。 ６・・・・・・スカルピングダイ、７・・・・・・グイ
装置、８・・・・・・加圧装置、１２・・・・・・加圧
体、１８・・・・・・チップエジェクタ、１９・・・・
・・１８の駆動体、２４・・・・・・７の駆動体、２５
・・・・・・先鋭突起体、２６・・・・・・固定プラテ
ン、２７．２８・・・・・・可動プラテン、２９・・・
・・・タイロッド、３０・・・・・・押出力量発生装置
。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ スカルピングダイ６を含むグイ装置７と；スカルピ
   ングダイ６の軸心線上にあってビレットＢをスカルピン
   グダイ６に対して加圧する進退自在な加圧体１２を含む
   加圧装置８と； を備えたビレットスカルパーであって
   、前記スカルピングダイ６はその端面６Ａに剥離された
   チップ１７を径外方向に案内しつつ求心方向に巻込んで
   渦巻状とする凹状の渦巻成形部を有しており、前記スカ
   ルピングダイ６の外周に内周縁を環形としたチップエジ
   ェクタ１８が軸方向に移動自在に套嵌されており、該エ
   ジェクタ１８をダイ端面６Ａより前方の套嵌退逃位置か
   らグイ端面６Ａより後方の加圧装置８側に向う進出位置
   間の軸方向に往復動する駆動体１９が設けられているこ
   とを特徴とするビレットスカルパー装置。 ２ スカルピングダイ６を含むグイ装置７を、スカルピ
   ングとこれより外れた位置との相互間において軸方向直
   交方向に移動する駆動体２４を設けたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のビレットスカルパ
   ー装置。 ３ 加圧体１２の先端でかつそのセンターに先鋭突起体
   ２５を取付けたことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のビレットスカルパー装置。 ４ 中央に配置された固定プラテン２６、該固定プラテ
   ン２６の前後に配置されタイロッド２９で結合された可
   動プラテン２７．２８および固定プラテン２６に設けら
   れた押出力量発生装置３０を含むプルバック形押出プレ
   スの前記固定プラテン２６にスカルピングダイ６を含む
   グイ装置７がプレス軸心とプレス外との相互間において
   軸方向直交方向に移動自在に設けられたことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のビレットスカル
   パー装置。