JPS6140432B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、打球を１個宛遊技盤面上の遊技部
に発射するパチンコ機の発射装置に関するもので
ある。

従来の電動式のパチンコ機においては、パチン
コ機の右下部に発射装置が設けられており、この
発射装置は、パチンコ機の内部に取り付ける駆動
モータ、このモータによりカムを介して回動する
発射杆、発射杆を付勢するバネ機構など多数の構
成部品により複雑に構成されている。そして、こ
れらを個々に、しかも各構成部品の機能を互いに
関連させてパチンコ機の前面板の裏面に取り付け
なければならないので、組立作業及び調整作業が
極めて面倒であつた。特に、上記した各構成部品
や発射杆とガイドレールとの位置を正確にしなけ
れば打球のムラ飛びの原因となるし、また、駆動
源が故障しても簡単に交換できなかつたので発射
装置の簡素化が要望されていた。

また、従来は、球供給機構や上タンクの球がこ
ぼれて発射杆の軸受部に詰まつたり、発射杆の弾
発部と発射レールの発射位置との位置調整作業や
保守、点検、修理作業中に工具等が発射杆等の部
品に当つて、発射杆の位置を狂わせたり、他の部
品を破損したりするトラブルが生じた。

本発明は上記に鑑み提案されたもので、パチン
コ機の前面板の裏面に取り付けるベース板に、該
ベース板との間に所定の間隔を形成して固定板を
着脱可能に装着し、上記間隔の上方に位置するガ
イドレールの発射位置に上端の弾発部を臨ませた
発射杆の基部を支持軸に固定し、上記間隔内に、
ベース板に設けた発射杆の停止位置を規制するス
トツパと、上記支持軸に設けた発射杆と連動して
回動する作動部材とを配設し、該作動部材に球供
給機構を作動させて球を一個宛発射位置に供給す
る連動部材の連係端部を係脱連動するように臨ま
せ、上記固定板の外面に装着した駆動源の駆動力
を上記間隔内において伝導部材を介して発射杆に
伝導させて、駆動源によつて回動される発射杆に
よつて発射位置に待機する球を弾発するととも
に、発射杆と連動して回動する作動部材と係脱し
て作動する連係端部によつて球供給機構を作動さ
せて球を１個宛発射位置に供給するようにして、
装置を構成する各稼動部を上記ベース板と固定板
とによつて形成する間隔内に集約的に配設し、外
側に位置する固定板によつて、駆動源の着脱交換
を容易ならしめるとともに、これら稼動部をガー
ドすることができ、前記欠点を確実に解消できる
パチンコ機の発射装置を提供しようとするもので
ある。

以下本発明を図面の実施例にもとづいて説明す
る。

パチンコ機の額縁状前面板１の窓部を裏側から
塞ぐようにして設けた遊技盤２表面に設けたガイ
ドレール３の発射位置４にはパチンコ機表面に設
けた受皿５に打球を入れたとき、該打球が導出樋
６、球供給機構７を伝わつて供給される。球供給
機構７は回動自在な制御枠８を有し、該制御枠８
に形成した球の流路９の傾斜上端に設けた流下規
制部１０を導出樋６の傾斜下端の開口部に臨ませ
る。そして流路９の先端に固定受部１１と昇降受
部１２とを連設し、昇降受部１２を先端に設けた
回動杆１３には後端に重錘１４を取り付けて昇降
受部１２が常に上昇するように付勢する。また制
御枠８にもウエイト１５を取り付けて流路９が上
昇するとともに流下規制部１０が導出樋６の開口
部を開放するように付勢する。

一方、前記した回動杆１３の側面には受ピン１
６を突設し、倒Ｌ字状の連動部材１７を受ピン１
６に上から係合させる。連動部材１７は屈曲部を
枢着して回動自在に支えられ、下方には発射杆１
８から延設した鉤形ロツド状の作動部材１９を連
動部材１７の連係端部と係脱連動可能に臨ませ
る。

発射杆１８は上端の弾発部２０が発射位置４に
突入する第１位置（第１図鎖線）と、弾発部２０
がガイドレール３の発射位置４から離れている第
２位置（第１図実線）との間を回動することがで
き、この回動範囲はゴム等からなる第１ストツパ
２１ａ、第２ストツパ２１ｂにより規制される。

したがつて、パチンコ遊技の開始に際して受皿
５に打球を入れると、発射杆１８が第１位置に位
置して、打球は一列となつて導出樋６を流下し、
最先の球が開放している開口部から流路９に落下
する。流路９に打球が載ると制御枠８は球の自重
で傾動し、流下規制部１０が導出樋６の開口部を
閉じて後続球の流入を阻止するとともに、流路９
上の打球が傾斜にしたがい流下して固定受部１１
に載る。流路９の打球が固定受部１１に移ると同
時に制御枠８はウエイト１５によつて戻り回動
し、流下規制部１０が導出樋６の開口部を開放す
るので次の打球が流路９に落下する。これにより
再び制御枠８が下傾して打球が流路９を流下し、
該打球が固定受部１１の打球と接して制御枠８を
その状態に維持する。このとき発射杆１８が第２
位置に回動すると作動部材１９が連動部材１７を
傾動させて受ピン１６を押し下げ、回動杆１３を
下傾させるので、昇降受部１２は固定受部１１と
同一高さに位置する。したがつて固定受部１１に
載る打球はそのまま昇降受部１２に移り載り、阻
止片２２により発射位置４に転動するのを阻止さ
れる。固定受部１１の打球が昇降受部１２に移る
と、同時に制御枠８が戻り回動するので、次の打
球が流路９に落下し、固定受部１１に移り載る。
このようにして固定受部１１上に載つた打球は、
昇降受部１２上の打球に接して静止する。そして
流路９の打球が固定受部１１に移れば制御枠８は
更に戻り回動し、導出樋６の最先球を流路９に受
け入れる。この球は流路９を流下して傾斜下端に
達しても固定受部１１上の球で静止されるので制
御枠８が戻り回動しない。発射杆１８が第１位置
に復帰する弾発時に、作動部材１９が連動部材１
７の傾動を解除することにより受ピン１６、回動
杆１３が順次元の状態に復帰するとともに、回動
杆１３の昇降受部１２上の球は阻止片２２をのり
越えて発射位置４へ転動する。

前記した発射杆１８は、ベース板２５に設けた
軸受により回転自在に軸支されている支持軸２３
にその下方の基部を固定して回動する。支持枠２
４は、前面板１の裏面に取り付ける上記ベース板
２５と、柱状スペーサ２６…によりベース板２５
に対して所定間隔Ｄを配して固定された固定板２
７とからなる枠体であり、上記ベース板２５と第
１固定板２７ａとの所定間隔Ｄ内に支持軸２３を
回転自在に支承するとともに該間隔Ｄ内に連動部
材１７、発射杆１８、作動部材１９、及び第１、
第２ストツパ２１ａ，２１ｂなどの稼動部を配設
する。そして第２固定板２７ｂの外面に、駆動源
としてロータリーソレノイド２８を取り付け、第
１固定板２７ａと第２固定板２７ｂとの間隔内に
突出させたロータリーソレノイド２８の出力軸２
９と前記支持軸２３の一端とを伝導部材３０によ
り接続する。なお、伝導部材３０を前記所定間隔
Ｄ内に位置させて駆動源を第１固定板２７ａの外
面に設けるようにしてもよい。ロータリーソレノ
イド２８は、第３図及び第４図で示すように筒状
ステータ３１の内部に磁気感応性ロータ３２を設
け、ロータ３２の出力軸２９をステータ３１の両
端に設けた軸承部３３，３３で支持したものであ
る。ステータ３１には図面の実施例では上下に電
磁コイルによる磁極発生部３４を有し、コイルに
電流が流れたとき磁極発生部３４に磁極が発生し
てロータ３２を急激に吸引回転する。しかし、コ
イルに電流が流れていないときロータ３２は、発
射杆１８の付勢手段によつて磁極発生部３４から
離れた位置で静止する。即ち、磁極発生部３４を
励磁、消磁することにより、ロータ３２は回転位
置が変更される。そしてこの場合、ロータリーソ
レノイドに通電されていないとき発射杆１８が第
１ストツパ２１ａに当接して第１位置で静止し、
ロータリーソレノイド２８が通電されたとき発射
杆１８の弾発部２０が発射位置４から離隔した第
２位置となるように設定する。したがつて、ロー
タリーソレノイド２８が通電されていないとき、
発射杆１８は、発射方向に付勢するバネ４２によ
り第１位置で静止し、固定受部１１上の打球が昇
降受部１２の側部により昇降受部１２へ移り載る
ことができない。そしてロータリーソレノイド２
８に通電すると、磁極発生部３４に磁極が発生し
てロータ３２が急激に回転し、この回転力が発射
杆１８を上記バネ４２の付勢に抗して第２位置へ
急激回動する。このため、昇降受部１２が下降し
て固定受部１１と同一高さとなり、固定受部１１
の球が昇降受部１２に移るとともに流路９の先端
の球が固定受部１１に移り、制御枠８が回動して
導出樋６の最先の球が流路９の先端に導かれる。

また、ロータリーソレノイド２８への通電が止
まると、発射杆１８がバネ４２の付勢により戻り
回動するので、発射位置４に打球が供給されてい
れば弾発力２０によりこの打球を発射するととも
に第１ストツパ２１ａにより発射杆１８の余分の
回動を受け止め、また昇降受部１２の上面の球が
阻止片２２を載り越えて次の打球として発射位置
４に供給される。

なお、駆動源は、前記したロータリーソレノイ
ド２８に限定されるものではない。例えば、ロー
タ３２内に電磁コイルによる磁極発生部３４を埋
設状に設けるとともに筒状コアの内面上下に磁気
感応性板材を設けたものでもよいし、または固定
板２７の外面に適宜モータ等を構成してもよい。

そして、駆動源がモータの場合にはカムとロー
ラーから成る伝導部材により発射杆１８を回動さ
せるようにし、発射杆に設けられて該発射杆の回
動と一体的に作動する作動部材により連動部材を
介して球供給機構を作動させるようにすればよ
い。

パチンコ機の前面にはダイヤル形の操作部３５
が設けられ、この操作部３５にはスイツチ３６を
操作する押ボタン３７が備わる。上記スイツチ３
６は回路部３８を介してロータリーソレノイド２
８に接続される。また、操作部３５の軸にはワイ
ヤ等の牽引線３９を巻き取る巻取りプーリ４０が
装着され、上記牽引線３９は２個のガイドプーリ
４１，４１に掛けられた後、発射杆１８を発射方
向に付勢する前記バネ４２の先端に調整板４３を
介して接続される。この操作部３５の回動操作に
対応してバネ４２の付勢力が増減し、発射杆１８
の第２位置への傾動量が変化することにより打球
の飛距離を調整する。

回路部３８は主として、毎分100回程度のパル
スを発生するパルス発生器と電力増幅部等を具備
し、上記スイツチ３６のオンにもとづき上記パル
ス発生器及び電力増幅部より発生されるパルス電
流により間欠的に上記ロータリーソレノイド２８
を励磁駆動する構成となつている。したがつて、
スイツチ３６をオンとする間において、発射杆１
８が連続的に打球を弾発することになる。

以上要するに本発明は、前面板の裏面に取付け
るベース板と固定板との間隔内に発射杆、作動部
材、ストツパ等の各稼動部を集約的に配設するの
で、発射装置全体をコンパクトに構成することが
できるばかりでなく、本発明に係る発射装置を組
立てる場合には、ベース板を基準にして各部品を
ベース板に順次取付けることにより各部品の位置
関係が正確に合わさり、１つのユニツトとして組
立てることができる。したがつて、パチンコ機の
組立て作業前に発射装置を予めユニツトとして組
立てておくことができるし、またパチンコ機の組
立て工程においては発射装置の組み付け作業を大
幅に簡略化することができる。このため生産工程
の合理化に著しく寄与する。

そして、組立て後においては、パチンコ機の前
面板の裏面が整然となり、しかも固定板が発射杆
等のガードとして機能するので、組立工場におけ
る発射杆の弾発部と発射レールの発射位置との位
置調整作業や、パチンコ店における修理作業中に
工具等が当つて発射杆等の部品の位置を狂わせた
り破損するトラブルを未然に防止することができ
るし、これらの作業性を良くすることができる。

しかも、パチンコ機においては0.6秒毎に打球
を発射するので、発射杆により打球を発射した直
後にガイドレールの発射位置に打球を供給して打
球のすわりを安定させ、安定した打球を発射杆で
発射しなければ打球の跳びにむらが生じ、ガラス
が破損したり、或いは打球が遊技者の思う位置に
到達しなくて遊技の興趣を損なうが、本発明によ
れば発射杆に設けられて該発射杆の回動と一体的
に作動する作動部材に球供給機構を作動させて球
を一個宛発射位置に供給する連動部材の連係端部
を係脱連動するように臨ませてあるので、発射杆
による打球の発射直後に次の打球を発射位置に供
給することができ、打球のむら跳びによるガラス
の破損、遊技の興趣低減等の上記した欠点を確実
に解消することができる。

更に本発明は、固定板の外面に駆動源を装着す
るので、駆動源の取付け位置が正確になるし、間
隔的に配設した発射杆等との係合関係も正確にす
ることができ、球供給動作及び弾発動作を確実に
円滑ならしめる。

また、本発明はベース板と固定板との間隔の上
下が開放するので、間隔内に落下した球等がその
まま間隔内を通過して抜け出るし、ゴミ等が蓄積
しない。更には、固定板を着脱可能にしたので、
駆動源等が万一の故障の際にはベース板を前面板
裏面に装着したまま固定板を取り外して、修理又
は部品交換を簡単に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
はパチンコ機に取り付けた状態における斜視図、
第２図は側面図、第３図及び第４図はロータリー
ソレノイドの断面図、第５図は斜視図である。 １は前面板、３はガイドレール、４は発射位
置、７は球供給機構、１８は発射杆、１９は作動
部材、２０は弾発部、２１はストツパ、２３は支
持軸、２５はベース板、２７は固定板、２８はロ
ータリーソレノイド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パチンコ機の前面板の裏面に取り付けるベー
   ス板に、該ベース板との間に所定の間隔を形成し
   て固定板を着脱可能に装着し、ベース板に設けた
   軸受に支持軸を回転自在に軸支し、該支持軸に、
   上記間隔の上方に位置するガイドレールの発射位
   置に上端の弾発部を臨ませ、第１位置と第２位置
   との間を往復回動可能に発射杆の基部を固定し、
   上記間隔内に、ベース板に設けた発射杆の停止位
   置を規制するストツパと、上記支持軸に設けた発
   射杆に設けられて該発射杆の回動と一体的に作動
   する作動部材とを配設し、発射杆の回動により該
   発射杆と一体的に作動する作動部材には、球供給
   機構を作動させて球を一個宛発射位置に供給する
   連動部材の連係端部を係脱連動するように臨ま
   せ、上記固定板の外面に装着した駆動源の駆動力
   を上記間隔内において伝導部材を介して発射杆に
   伝導させて、駆動源によつて回動される発射杆に
   よつて発射位置に待機する球を弾発するととも
   に、発射杆の回動により該発射杆と一体的に作動
   する作動部材と係脱して作動する連係端部を有す
   る連動部材によつて球供給機構を作動させて球を
   一個宛発射位置に供給するようにしたことを特徴
   とするパチンコ機の発射装置。