JPS6116463B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固定子と回動子とから成るロータリ
ーソレノイドにより発射杆を回動駆動するパチン
コ機に関するものである。

従来から知られているパチンコ機の打球発射装
置としては手動式のもの、モータを利用した電動
式のものとが有る。手動式のものは、スプリング
の附勢に抗して発射レバーを操作するので指先が
疲労し易いし、電動式のものはモータ、回転カ
ム、ローラなどを使用して発射杆を回動させてい
るので構造が大型化及び複雑化するばかりでな
く、回転カムやローラが破損したり摩耗するなど
の機械的故障が多い。また、モータの電源を入れ
る操作部は同時に発射杆の発射スプリングを牽引
して打球の飛距離を調節するので、大きな操作力
を必要とし、長時間の遊技では手首が疲労し、し
かも打球の飛距離の微調整が難かしい。更に斯る
打球発射装置は上記発射スプリングの振動や回転
カムとローラの摩耗などにより打球の供給が不安
定となり易いのでムラ飛びが発生し易い。

本発明は上記に鑑み提案されたもので、発射準
備位置に待機する第１状態と打球を発射する第２
状態とに状態変換する発射杆をロータリーソレノ
イドにより第１状態から第２状態に回動駆動する
ようにした発射機構部と、球案内路の傾斜下端部
に、球を制止する流下制止部と該流下制止部に連
設した球受部と該球受部の球が発射位置へ流出す
るのを阻止する供給規制部とから成る球送り機構
部を分け、発射杆が第１状態から第２状態の回動
するときに発射杆側との縁が切れて、球受部上の
球を供給規制部から解除して発射位置へ流下させ
る伝動機構部によつて前記発射機構部と球送り機
構部とを係脱可能に接続することにより、ロータ
リーソレノイドの回動力の全てを直接打発力とし
て使用することができて無駄が無く、発射杆の回
動も極めて円滑となるとともに、発射杆が回動す
る度に伝動機構部によつて球送り機構部を安定し
た状態で作動させて、球を一個宛確実に、しかも
円滑に発射位置に供給することができるパチンコ
機を提供しようとするものである。

以下に本発明を図示の実施例について説明する
と、パチンコ機の遊技盤表面に設けたガイドレー
ル１の発射位置２にはパチンコ機表面に設けた受
皿３に打球を入れたとき、該打球が導出樋４、球
送り機構部５を介して供給される。球送り機構部
５の上流側には回動自在な制御枠６を有し、該制
御枠６に形成した球案内路７の傾斜上端に設けた
ストツパー８を導出樋４の傾斜下端の開口部に臨
ませる。そして球案内路７の傾斜下端に固定部９
を設け、球送り機構部５として球を制止する流下
制止部１０と、流下制止部１０に連設した球受部
１１と、球受部１１の球が発射位置へ流下するの
を阻止する供給規制部２０とを順次形成し、流下
制止部１０、球受部１１を先端に設けた回動杆１
２の後端には重錘１３を取り付けて流下制止部１
０、球受部１１が上昇する状態に附勢する。この
ため球受部１１は供給規制部２０より上方に位置
している。また制御枠６にも重錘１４を取り付け
て球案内路７が上昇するとともにストツパー８が
導出樋４の開口部を開放するように附勢する。

一方、前記した回動杆１２の側面には受ピン１
５を突設し、該受ピン１５上に倒Ｌ字状の揺動可
能なカム片１６の一端を係合させると共にカム片
１６の他端を発射杆１７のロツド１８に臨ませて
伝動機構部を構成する。

発射杆１７は、後述するロータリーソレノイド
や弾球調整操作部等と共に発射機構部を構成する
部材であり、通電により回動するロータリーソレ
ノイドにより上端の発射部１９がガイドレール１
の発射位置２から外れている発射準備位置に待機
する第１状態（第１図実線）と、発射部１９が発
射位置２に回動して打球を発射する第２状態とに
変換できるように回動可能に設けられている。

したがつてパチンコ遊技の開始に際して受皿３
に打球を入れると、該打球は一列となつて導出樋
４を流下し、最先の球が開放している開口部から
球案内路７に落下する。球案内路７は打球が載る
と制御枠６は球の自重で傾動し、ストツパー８が
導出樋４の開口部を閉じて後続球の流入を防ぐと
ともに、球案内路７上の打球が傾斜にしたがい流
下して固定受部９に載り流下制止部１０により制
止されている。このとき発射杆１７が第１状態に
変換されていてロツド１８がカム片１６を傾動さ
せて受ピン１５を押し下げ、回動杆１２を下傾さ
せているので流下制止部１０、球受部１１は固定
受部９と同一高さより下方に位置している。した
がつて流下制止部１０により固定受部９上に載る
打球はそのまゝ球受部１１に移り載り、前記球送
り機構部５の供給規制部２０により発射位置２へ
流出するのを阻止されている。そして球案内路７
の打球が固定受部９に移ると同時に制御枠６は重
錘１４によつて戻り回動し、ストツパー８が導出
樋４の開口部を開放するので次の打球が球案内路
７に落下する。これにより再び制御枠６は下傾し
て打球が球案内路７を流下し、該打球が固定受部
９に移り載る。固定受部９上の打球は球受部１１
上に打球に接して静止している。そして球案内路
７の打球が固定受部９に移れば制御枠６は戻り回
動し、導出樋４の最先打球を球案内路７に受け入
れる。この打球は球案内路７を流下して傾斜下端
に達しても、固定受部９上の打球で静止されるの
で制御枠６が戻り回動しない。

したがつて球送り機構部５には発射準備球とし
て３個の打球が存在し、流下制止部１０、球受部
１１が降下した状態においては、球受部１１上の
打球は供給規制部２０等に当接して待機する。そ
して発射杆１７が発射位置２に向つて急激に回動
し、ロツド１８がカム片１６から離脱すると、換
言すれば発射杆１７が第２状態に変換してカム片
１６を解放すると、該カム片１６は回動杆１２の
重錘１３の作用によりロツド１８の動きから僅か
に遅れて戻り回動し、カム片１６の先端部を上昇
する。この機械的遅れ動作が、発射球と供給打球
の衝突しない供給タイミングを採る。

カム片１６の先端部と係合する受ピン１５が解
放されると、回動杆１２が自身の重錘１３により
先端に設けた流下制止部１０、球受部１１を上昇
する方向に戻り回動し、発射杆１７は上記の第２
状態に変換する。この第２状態のときロツド１８
とカム片１６が完全に離脱するので、ロータリー
ソレノイドの回動力のすべてが打発力となり一定
化される。

このように回動杆１２が戻り回動することによ
り球受部１１上の打球が上昇すると、該打球は、
供給規制部２０を載り超えて送出口を通つてガイ
ドレール１上に落下し、発射位置２に供給され
る。なおこの時、流下制止部１０も上昇するの
で、固定受部９上に待機している次の打球は、こ
の流下制止部１０により制止されたままなので、
未だ流下しない。

そして発射杆１７が前記の第１状態に復帰する
と、ロツド１８がカム片１６をゆつくり押圧して
回動杆１２を回動するので、前記と同様に、流下
制止部１０による制止を解除された打球が安定し
た状態で球受部１１に確実に移送された球受部１
１上で待機する。

以下この繰り返しによつて発射杆１７が発射動
作する度に発射位置２に一個宛打球が供給され
る。

前記しこ発射杆１７は下方を支持軸２１に固定
し、該支持軸２１はパチンコ機内部に設けた支持
枠２２に回転自在に支持する。支持枠２２は例え
ば数枚の板材を並列にしたもので、パチンコ機の
前面板裏面の基板に交換自在に固定する。

上記した支持枠２２には支持軸２１と接続され
るロータリーソレノイド２３を取り付ける。この
ロータリーソレノイド２３は第３図及び第４図で
示すように固定子として機能する筒状ステータ２
４の内部に回転子として機能する磁気感応性ロー
タ２５を設け、ロータ２５の回転軸２６をステー
タ２４の両端に設けた軸承部２７，２７で支持し
たものである。

ステータ２４には図面の実施例では上下に電磁
コイルによる磁極発生部２８，２８を有し、コイ
ルに電流が流れたとき磁極発生部２８が磁極が発
生してロータ２５を吸引回転させる。そしてロー
タ２５の回転軸２６と前記した発射杆１７の支持
軸２１とは接続部材２９で連結してロータ２５の
回転を発射杆１７に伝える。この場合、ロータリ
ーソレノイド２３に通電されていないとき発射杆
１７は第１状態で、ロータリーソレノイド２３が
通電されたとき第２状態となるように設定する。
接続部材２９は第１図、第２図の実施例のではゴ
ム、合成樹脂などからなる弾性有る筒材３０で、
該筒材３０の各々の端部に支持軸２１の一端と回
転軸２６の一端とを嵌着し、締着バンド３１など
で強固に締め付けたものである。したがつてロー
タリーソレノイド２３が通電されていない常態の
とき発射杆１７は自重により第１状態で静止す
る。そしてロータリーソレノイド２３に通電する
と磁極発生部２８に磁極が発生してロータ２５が
急激に回転し、この回転が回転軸２６、接続部材
２９を伝わつて発射杆１７を第２状態に急激回動
させる。このため発射位置２に打球が供給されて
いれば発射部１９によりこの打球を発射し、また
球受部１１の上面の球が供給規制部２０を載り超
えて次の打球として発射位置２に供給される。

又、ロータリーソレノイド２３への通電が止ま
ると回転軸２６は戻り回転するので、接続部材２
９を介して発射杆１７が第１状態に戻り回動す
る。これにより流下制止部１０、球受部１１は下
降して固定受部９と同一高さより下方方に移動す
ることにより制止が解除され、固定受部９の打球
が球受部１１に移るとともに球案内路７の先端の
打球が固定受部９に移り、制御枠６が回動して導
出樋４の最先の球が球案内路７の先端に導かれ
る。

なおロータリーソレノイドは第３図、第４図の
ものに限定されず、例えばロータ２５側に電磁コ
イルによる磁極発生部２８を設けるとともに筒状
コアーの内面上下に磁気感応性板材を設け筒状コ
アーが回動するものでよく、また図面で２極のも
のを示したが３極でも４極のものでもよい。

ロータリーソレノイド２３に通電して発射杆１
７を作動させるため、パチンコ機の表面には弾球
調整操作部３２を設け、弾球調整操作部３２には
機械的又は電気的に調整部３３、回路部３４を接
続し、回路部３４を電気的にロータリーソレノイ
ド２３に接続する。そして弾球調整操作部３２に
手が接触したり或いは操作して回動させると回路
部３４の回路が働いてパルス電力をロータリーソ
レノイド２３に流し、前記した発射機構部の発射
杆１７を間歇的に作動させてパチンコ遊技するの
である。

回路部３４は主としてスイツチング部、周期制
御部、電力可変部及び電源部を有し、弾球調整操
作部３２によつてスイツチング部をON、OFFに
するとともに、ONとなつたとき周期制御部の自
走マルチ回路により一定周期のパルス（例えば最
大100回／min）を発生させ、トランジスタのス
イツチング作用により電力可変部のトランジスタ
増巾回路を働かせてロータリーソレノイド２３に
瞬間電圧を作用させ、発射杆１７を作動させてパ
チンコ遊技できるようにするのである。そして、
弾球調整操作部３２を回して調整部３３内の抵抗
値を変えたとき、上記した自走マルチ回路の抵抗
変化によつてパルス周期を変え、ロータリーソレ
ノイド２３の作動間隔を変えて発射杆１６による
打球の発射間隔を変化することができる。更に弾
球調整操作部３２により調整部３３内のトルク制
御部の抵抗を変化させたとき、この変化を回路部
３４内の電力可変部における瞬間電圧値に影響を
与え、ロータリーソレノイド２３に印加するパル
ス電力を変えてロータ２５や回転軸２６の回転力
を調整することができる。回転軸２６の回転力が
変化すると発射杆１７による打球の飛距離を調整
することができる。

したがつて弾球調整操作部３２の操作によつて
打球の発射間隔、即ち単位時間内における打球数
と、打球の飛距離とを電気的手段で自由にコント
ロールできるものである。そしてロータリーソレ
ノイド２３が作動する回転軸２６が一定角度だけ
急激に回転し、接続部材２９を介して発射杆１７
が第１状態から第２状態に急激に回動し、ロータ
リーソレノイド２３が作動が停止すると回転軸２
６が戻り回転して発射杆１７が第２状態から第１
状態に戻り回動する。この一作動はロータリーソ
レノイド２３にパルス電力が入るごとに繰り返さ
れ、発射杆１７によつて発射位置２の打球を発射
するとともに伝動機構部が作用して球送り機構部
５を作動させて導出樋４からの打球を発射位置２
にタイミングよく供給するのである。なお、例え
ば固定受部９の下面に球が有るときONとなるス
イツチを臨ませてロータリーソレノイド２３の電
気回路に接続すれば、打球が有るときしかロータ
リーソレノイド２３が作動しなくて無駄な電力消
費を防止できる。また、実施例における球案内路
７は回動自在な制御枠６に設けているが導出樋４
の開口部から固定受部９までを一体的な流路を形
成して、流路の傾斜下端部に球送り機構部５が臨
むようにしてもよい。

更に、実施例における弾球調整操作部３２は、
電気的に打球の飛距離調整を行なうようにしてい
るが、電気的なもの以外の例えば発射杆１７の回
動量を操作部３２により加減して機械的に行なう
ようなものでもよい。

また、球送り機構部５は、流下制止部１０と球
受部１１と供給規制部２０とが各々の機能を発揮
するものであれば、いずれを可動にしてもよい。

以上説明したように本発明によれば、固定子と
回動子から成り、通電にもとづいて回動するロー
タリーソレノイドにより発射杆を回動駆動するの
で、発射杆を附勢する長尺な発射スプリングや回
転カム等の部材を取付ける必要がなく、発射機構
部の小型化、簡略化を図ることができるし、発射
杆をロータリーソレノイドが直接回動するので機
械的ロスがないばかりか無理な負荷が掛らないの
で、発射杆の回動状態を従来のものより円滑にで
き、安定した打球の発射を行なうことができる。

また、本発明は、球案内路の傾斜下端部に、球
を制止する流下制止部と該流下静止部に連設した
球受部と該球受部の球が発射位置へ流出するのを
阻止する供給規制部とからなる球送り機構部を設
け、発射杆が常態の第１状態から第２状態に回動
するときに発射杆側との縁が切れる伝動機構部に
より上記球送り機構部の発射機構部とを係脱可能
に接続したので、打球を打発した発射杆が常態に
復帰したときには既に次に供給する球の供給準備
が確実に完了しており、この球を発射位置に流下
させるには伝動機構部の縁を切つて供給規制部を
解除するだけでよい。このため、ロータリーソレ
ノイドの回動力の全てを発射杆の回動力、既ち打
発力として使用することができ、駆動源の小型化
を図れるとともに、球送り機構部での球の送給状
態を常に一定として適正な球供給タイミングを採
りながら、供給された球が発射位置へ落ち着く時
間を長くとれるようにして、所謂“球のすわり”
を確実とし、打球の発射方向及び打発力を安定化
することができる。更に、発射杆の振動が球送り
機構部に伝わらないので、球の送給状態がスムー
スに行なわれて、球の供給タイミングを採り易
く、発射杆が回動する度に発射位置に球を一固宛
確実に、しかも円滑に供給することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので第１図は発
射機構部と伝動機構部の斜視図、第２図は一部を
欠截した発射機構部の側面図、第３図はロータリ
ーソレノイドの縦断正面図、第４図は同上の縦断
側面図、第５図は第１状態における発射杆の正面
図、第６図は第２状態における発射杆の正面図で
ある。 １……ガイドレール、２……発射位置、７……
球案内路、１０……流下制止部、１１……球受
部、１７……発射杆、２０……供給規制部、２３
……ロータリーソレノイド、２５……ロータ、２
６……回転軸、２８……磁極発生部、３２……弾
球調整操作部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガイドレールの発射位置に発射部を臨ませ、
   発射位置から外れている発射準備位置に待機する
   第１状態と発射位置へ回動したとき打球を打発す
   る第２状態とに状態変換する発射杆を、固定子と
   回動子からなり通電により回動するロータリーソ
   レノイドにより第１状態から第２状態に回動駆動
   するようにし、表枠側に回動可能に保持されて遊
   技者が操作することのできる弾球調整操作部の操
   作によりスイツチング部を電気的に開閉させ、電
   気的に閉じたとき間歇的電力を印加して前記ロー
   タリーソレノイドを間歇的に回動させて前記発射
   杆を打発回動し、かつ、弾球調整操作部の操作に
   より発射杆による打球の飛距離を調整することが
   できるようにした発射機構部と、 球案内路の傾斜下端部に、球を制止する流下制
   止部と該流下制止部に連設した球受部と該球受部
   の球が発射位置へ流出するのを阻止する供給規制
   部とから成り球送り機構部を設け、 前記発射杆が常態の第１状態のとき流下制止部
   による球の制止を解放して球受部に球を受け入れ
   て該球を供給規制部によつて待機させ、発射杆が
   第１状態から第２状態に回動するときに発射杆側
   との縁が切れて、球受部上の球を供給規制部から
   解除して発射位置へ流下させる伝動機構部によつ
   て前記発射機構部と球送り機構部とを係脱可能に
   接続し、 ロータリーソレノイドによる発射杆の弾発回動
   に関連して球送り機構部が球を発射位置に一個宛
   確実に供給するようにしたことを特徴とするパチ
   ンコ機。 ２ スイツチング部は、遊技者が弾球調整操作部
   に接触することにより電気的に開閉する機能を有
   するものである特許請求の範囲第１項に記載のパ
   チンコ機。