JPS6140004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、H₁型ハロゲンバルブの後端部にア
ダプタを備えてなる前照灯ユニツトに関するもの
である。

従来、H₁型ハロゲンバルブを使用した前照灯
ユニツトは、一般に第１図に示すように構成され
ている。すなわち、同図において、前照灯ユニツ
ト１は、灯具本体２の背面頂部に例えばピン等に
より固定されるバルブベース３を有し、このバル
ブベース３の中央に設けられた挿通孔３ａ内には
H₁型ハロゲンバルブ４が挿通されている。前記
バルブベース３は略円盤状に形成され、前記挿通
孔３ａの両側には１対のフツク部３ｂおよび後述
する係止部材３ｃを固定するピン穴３ｄが対向し
て設けられている。

前記H₁型ハロゲンバルブ４は、その後端寄り
の位置にフランジ部４１が設けられ、このフラン
ジ部４１は前記挿通孔３ａより大なる径を有し、
一方の外被電極５と電気的に導通されている。

また、前記H₁型ハロゲンバルブ４の後端面に
は、後方に向つて突設されて他方の極を構成する
後端電極６が設けられている。

前記挿通孔３ａ内に灯具本体２の後方からその
先端が挿通されるH₁型ハロゲンバルブ４は、フ
ランジ部４１がバルブベース３に当接される状態
においてばね７により支持される。すなわち、こ
のばね７は略々コ字状に折曲形成された導電性の
線材からなり、折曲部分７ａが前記フツク部３ｂ
に引掛けられ、中央部分７ｂが前記フランジ部４
１の上面に当接され、前記バルブベース３にピン
８等により固定される係止部材３ｃの両袖部３ｅ
にその他端部７ｃが引掛けられることにより、前
記ばね７は弾性変形され、その反力が前記H₁型
ハロゲンバルブ４の押圧支持力とされる。前記係
止部材３ｃは導電性部材によつて形成され、その
中央にはバルブベース３に固着された際に前記後
端電極６と対向する電極相当部３ｆが設けられて
いる。

以上述べたように組立てられた前照灯ユニツト
１には、絶縁性を有するゴム製のカバー９が被冠
され、このカバー９に形成された一対のスリツト
９ａから前記後端電極６および係止部材３ｃの電
極相当部３ｆが外部に突出され、これらの後端電
極６および電極相当部３ｆに外部電源と電気的に
導通している車体側のコネクタ（図示せず）が接
続されるようになつている。

しかしながら以上のような構造においては前照
灯ユニツトが金属製の灯具本体を用いている場
合、灯具本体２がハロゲンバルブ４の「−」電極
である外被電極５と係止部材３ｃ及びピン８を介
して電気的に接続し、ボデイアースされているた
め、外部コネクタを前記ハロゲンバルブ４にまち
がつて逆組付けした場合にはボデイアースと
「＋」側端子部が接触してシヨートするという不
都合があつた。

本考案は上述した欠点に鑑みてなされたもの
で、ハロゲンバルブの電極片に接続されるアダプ
タに逆組み付け防止用突片を設けるという極めて
簡単な構成により、該アダプタに接続される外部
コネクタの逆組み付けを防止するようにした前照
灯ユニツトを提供するものである。

以下図面に示す実施例に基づいて本考案の詳細
を説明する。

第２図は本考案に係る前照灯ユニツトの一実施
例を示す分解斜視図で、符号１０で示すものは金
属製の灯具本体、１１はこの灯具本体１０の後端
開口部周縁にかしめ付け固定された円筒状の金属
製バルブベースで、このバルブベース１１の基部
１１１の中央部１１１ａは略キヤツプ状に隆起形
成されており、この中央部１１１ａにはバルブ挿
通孔１１１ｂおよびバルブ位置決め用孔１１１ｃ
が穿設されている。また、バルブベース１１の周
縁部１１２には、差し込み孔１１２ａ、係合孔１
１２ｂが相対向して穿設されており、この差し込
み孔１１２ａにはプレートスプリング（取付けス
プリング）１２の差し込み片１２１が挿入され、
また前記係合孔１１２ｂには該プレートスプリン
グ１２の係合片１２２が係合するごとく構成され
ている。

前記プレートスプリング１２はH₁型ハロゲン
バルブ１３をバルブベース１１に固定するもの
で、その構成を詳述すれば、プレートスプリング
１２は、H₁型ハロゲンバルブ１３の後端部が貫
通するごとく形成された孔１２３ａを有し、かつ
この孔１２３ａの周縁両端部にはH₁型ハロゲン
バルブ１３のフランジ部１３１のバルブベース１
１の中央部１１１ａの面に押圧するごとく下方に
折曲形成された押え片１２３ｂが設けられたリン
グ状の本体部１２３と、この本体部１２３の一側
部に連設され、かつその先端部両側には差し込み
孔１１２ａの周縁部に当接するストツパ片１２１
ａを有する差し込み片１２１と、この差し込み片
１２１と対向する本体部１２３の一側部に連設さ
れかつその途中位置をほぼ波状に屈曲することに
よつて弾性を付与された係合片１２２とから構成
されている。

また、H₁型ハロゲンバルブ１３について詳述
すれば、このH₁型ハロゲンバルブ１３の後端部
寄りの周面にはフランジ部１３１が嵌合固定され
ており、このフランジ部１３１の表面には前記位
置決め用孔１１１ｃ内に係入する位置決め突起１
３１ａ（第４図ａ参照）が突設されている。ま
た、H₁型ハロゲンバルブ１３の後端には該バル
ブの軸線方向に延在し、「＋」端子を構成する平
板状の第１の電極片１３２と、この第１の電極片
１３２の基部を囲繞する如く箱形に形成され
「−」端子を構成する第２の電極片１３３とが設
けられており、これらの電極片１３２，１３３は
ハロゲンバルブ１３の軸線方向にずれて設けら
れ、かつ互いに絶縁材１３４によつて絶縁されて
いる。

１４は、前記H₁型ハロゲンバルブ１３の第１
の電極片１３２と第２の電極片１３３に接続固定
されるアダプタで、このアダプタ１４は、第３図
にその詳細を示すごとく絶縁材により一体に形成
されることにより、円柱状に形成され軸方向に平
行に並設された一対の端子溝１４１ａ，１４１ｂ
とこれら端子溝１４１ａ，１４１ｂの一側方に直
交する如く設けられた疑似端子溝１４１ｃとを有
し、しかもこれら端子溝１４１ａ，１４１ｂ、疑
似端子溝１４１ｃの上部にはそれぞれ外側に向け
てストツパ溝１４２が設けられた基台１４１と、
前記端子溝１４１ａ，１４１ｂおよび疑似端子溝
１４１ｃにそれぞれ差し込まれかつそれぞれ中間
部付近には前記ストツパ溝１４２に係合するごと
く切起された弾性を有するストツパ片１４３が設
けられた第１、第２の端子片１４４，１４５およ
び逆組み付け防止用突片を構成する疑似端子片１
４６とから構成されている。これをさらに詳述す
るに、前記基台１４１の背面１４１ｄは後述する
カバー体１５のスリツト１５１と第１、第２の端
子片１４４，１４５および疑似端子片１４６間の
隙間を閉塞できるごとく平坦面に形成されてい
る。前記第１の端子片１４４は良導体によつてほ
ぼクランク状に形成されて、その下端両面側には
それぞれ略「Ｃ」字状に屈曲されることにより弾
性を有する１対の接触子部１４４ａが一体に形成
され、これら接触子部１４４ａによつて前記H₁
型ハロゲンバルブ１３の第１の電極片１３２を該
バルブ１３の軸線方向と直交する方向より弾性的
に挾持している。また、第１の端子片１４４の中
間部に切起しによつて設けたストツパ片１４３が
基台１４１のストツパ溝１４２内に係合すること
により、第１の端子片１４４は基台１４１内に強
固に保持固定されている。そして第１の端子片１
４４の上端部１４４ｂは車体側コネクタ（外部コ
ネクタ）１６と接合する外部接続用端子部を構成
している。同様に、第２の端子片１４５もほぼク
ランク状に形成されており、その接触子部１４５
ａは前記H₁型ハロゲンバルブ１３の第２の電極
片１３３を該バルブの軸線方向と直交する方向よ
り弾性的に挾持するごとくほぼ「Ｃ」字状に形成
され、またその中間部のストツパ片１４３が基台
１４１のストツパ溝１４２内に係合することによ
つて基台１４１に強固に保持固定されている。な
お、前記第１の端子片１４４を基台１４１に組付
けた状態においてその接触子部１４４ａと第２の
端子片１４５の接触子部１４５ａとは第４図ａに
示すようにハロゲンバルブ１３の軸線方向に離間
して位置される。そして、第２の端子片１４５の
上端部１４５ｂは前記第１の端子片１４４の上端
部、すなわち外部接続用端子部１４４ｂとはハロ
ゲンバルブ１３の軸線方向と直交する方向に離間
して車体側コネクタ１６と接合する外部接続用端
子部を構成している。疑似端子片１４６も前記第
１および第２の端子片１４４，１４５と同様にそ
の中間部のストツパ片１４３がストツパ溝１４２
内に係合することによつて基台１４１に強固に保
持固定されており、その上端部１４６ｂは前記第
１および第２の端子片１４４，１４５の外部接続
用端子部１４４ｂ，１４５ｂと同様に基台１４１
の背面１４１ｄより図において上方に突出してい
る。この疑似端子片１４６は前記第１および第２
の端子片１４４，１４５の一側方に該端子片１４
４，１４５と直交するよう取付けられており、前
記車体側コネクタ１６をアダプタ１４に接続する
際の逆組み付けを防止する役目を果している。第
４図ａ，ｂは前記第１および第２の端子片１４
４，１４５の位置関係を示す。

また、１５で示すカバーはゴム材により帽子状
に形成されており、このカバー１５はその前端部
１５２が灯具本体１０の背面に確実に密着できる
ようにヒレ状に形成されており、また背面部１５
３と前端部１５２との間に位置する中央部１５４
には、その内側に灯具本体１０とバルブベース１
１に当接するごとく形成された突条部（図示せ
ず）が設けられている。さらに、前記上面部１５
３には前記アダプタ１４の第１および第２の端子
片１４４，１４５および疑似端子片１４６が貫通
する３個のスリツト１５１（１５１ａ〜１５１
ｃ）が設けられており、平行な状態にあるスリツ
ト１５１ａ，１５１ｂの一端側にはその平坦面１
７１がスリツト１５１ａ，１５１ｂと直交するご
とく形成された突出部１７が突設されている。こ
の突出部１７は取外し時における摘みを兼用する
と共に、その内部には一端がカバー１５の内部に
臨み、かつ他端がカバー１５の外部に臨んでいる
空気抜き用の孔（図示せず）が設けられている。
また、車体側コネクタ１６は一般に用いられる前
照灯ユニツト用コネクタであつて、前記第１およ
び第２の端子片１４４，１４５の外部接続用端子
部１４４ｂ，１４５ｂおよび疑似端子片１４６の
上端部１４６ｂがそれぞれ嵌入する３つの端子孔
１６１ａを有し、かつ前記突出部１７の平坦面１
７１と対向する面を平坦面１６１ｂとした絶縁性
の基台１６１と、前記端子孔１６１ａ内に装着さ
れた端子片（図示せず）とから構成されており、
車体側コネクタ１６を前記外部接続用端子部１４
４ｂ，１４５ｂおよび上端部１４６ｂに正しく組
付けたときに、車体側コネクタ１６の平坦面１６
１ｂと突出部１７の平坦面１７１とは対接し、か
つ逆方向に組付けたときは車体側コネクタ１６の
基台１６１の平坦面１６１ｂと相対する位置にあ
る曲面部１６１ｃが突出部１７の平坦面１７１の
上端部に当接して車体側コネクタ１６の挿入を阻
害するごとく構成されている。

次に以上のように構成された灯具ユニツトの組
立て作業について説明するに、まず、バルブベー
ス１１を灯具本体１０の後端開口部周縁にかしめ
付ける。そして、バルブベース１１の中央部１１
１ａに設けられたバルブ挿通孔１１１ｂから灯具
本体１０内にH₁型ハロゲンバルブ１３の照明部
１３ａを挿入する。このとき、H₁型ハロゲンバ
ルブ１３のフランジ部１３１の前面に設けられた
位置決め突起１３１ａはバルブベース１１の位置
決め用孔１１１ｃに嵌入し、これによつて、H₁
型ハロゲンバルブ１３の回転を規制している。次
に、プレートスプリング１２の差し込み片１２１
をバルブベース１１の差し込み孔１１２ａに差し
込むと同時に、本体部１２３の孔１２３ａをH₁
型ハロゲンバルブ１３の後端部に嵌入させ、しか
る後係合片１２２を屈曲せしめてその係合部１２
２ａを係合孔１１１ｂ内へ係入させれば、前記プ
レートスプリング１２は蓄勢されてその反撥力が
H₁型ハロゲンバルブ１３の押圧支持力となる。
これによつて、H₁型ハロゲンバルブ１３の灯具
本体１０への固定作業は完了する。次に、H₁型
ハロゲンバルブ１３の後端部からあらかじめ第１
および第２の端子片１４４，１４５並びに疑似端
子片１４６を保持固定してなるアダプタ１４をハ
ロゲンバルブ１３に接続する。この時、第１の電
極片１３２は第１の端子片１４４の接触子部１４
４ａによつて第２の電極片１３３は第２の端子片
１４５の接触子部１４５ａによつてそれぞれ弾性
的に挾持される。この状態を第４図ａ，ｂに示
す。この後バルブベース１１、H₁型ハロゲンバ
ルブ１３、プレートスプリング１２およびアダプ
タ１４を覆うごとくカバー１５を被冠してその下
部１５２を灯具本体１０の面に固着する。このと
き、アダプタ１４の第１および第２の端子片１４
４，１４５の外部接続用端子部１４４ｂ，１４５
ｂおよび疑似端子片１４６の上端部１４６ｂはカ
バー１５の上面部１５３のスリツト１５１ａ〜１
５１ｃを通つて外方に突出し、またアダプタ１４
の基台１４１の背面１４１ｄはカバー１５の前面
に密着する。この密着状態により、スリツト１５
１ａ〜１５１ｃと、前記外部接続用端子部１４４
ｂ，１４５ｂおよび疑似端子片１４６の上端部１
４６ｂとの間隙は完全に閉塞され、これによつて
灯具ユニツトの組立て作業は完了する。次にこの
灯具ユニツトに車体側コネクタを接続する場合
は、車体側コネクタ１６の平坦面１６１ｂがカバ
ー１５に設けられた突出部１７の平坦面１７１と
対接するごとくして前記第１および第２の端子片
１４４，１４５および疑似端子片１４６に組付け
ていけばよく、これにつて図示しない外部電源と
H₁型ハロゲンバルブ１３とが電気的に導通され
る。

なお、上述した実施例のアダプタ１４において
基台１４１は絶縁材により一体に形成してある
が、別にこれに限定されることなく第５図に示す
ごとく形成してもよい。すなわち、このアダプタ
１４は、第５図ａに示すごとく基台１４１の上部
周囲に立上げ部１４１ｅを設けると共に平坦面部
１４１ｆには第１および第２の端子片１４４，１
４５および疑似端子片１４６がそれぞれ差し込ま
れる端子孔１４１ｇが設けられている。そして、
これら端子孔１４１ｇ内に前記各端子片１４４，
１４５，１４６を差し込んだ後に、絶縁材料１８
を第５図ｂに示すごとく前記立上げ部１４１ａ内
に充填することによつて各端子片１４４，１４
５，１４６間の絶縁性を保ち、アダプタ１４の端
子孔１４１ｇから侵入する水を完全に防いでい
る。このような構造のアダプタを採用しても上述
した実施例と同等な効果が得られることは明らか
である。

以上説明したように本考案に係る前照灯ユニツ
トは一端がハロゲンバルブの各電極片と電気的に
夫々接続される２個の端子片を備えたアダプタに
逆組み付け防止用の突片を設け、このアダプタに
外部コネクタを接続するようにしたので、前記突
片により外部コネクタの逆組み付けを確実に防止
することができる。また外部コネクタは前記２個
の端子片および突片と接続して３点支持されるの
で、外部コネクタの接続が安全かつ確実であるな
ど、その実用的効果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の前照灯ユニツトの分解斜視図、
第２図は本考案に係る前照灯ユニツトの一実施例
を示す分解斜視図、第３図はアダプタの分解斜視
図、第４図ａ，ｂは電極片と端子片の電気的接続
を示す側面図および平面図、第５図ａ，ｂは他の
実施例としてのアダプタを成形する際の説明図で
ある。 １０……灯具本体、１１……バルブベース、１
２……プレートスプリング（取付けスプリン
グ）、１３……H₁型ハロゲンバルブ、１３２……
第１の電極片、１３３……第２の電極片、１４…
…アダプタ、１４１……基台、１４４……第１の
端子片、１４４ａ，１４５ａ……接触子部、１４
４ｂ，１４５ｂ……外部接続用端子部、１４５…
…第２の端子片、１４６……疑似端子溝（逆組み
付け防止用突片）、１６……外部コネクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハロゲンバルブ１３の軸線方向に向つて突設さ
   れた第１の電極片１３２と、この電極片１３２の
   基部を囲繞するように設けられた第２の電極片１
   ３３とを備えた前記ハロゲンバルブ１３を、灯具
   本体１０のバルブベース１１上に取付けスプリン
   グ１２によつて固定した前照灯ユニツトにおい
   て、前記両電極片１３２，１３３にアダプタ１４
   を接続してなり、このアダプタ１４は、ハロゲン
   バルブ１３の軸線方向と直交する方向より前記第
   １の電極片１３２を挾持する接触子部１４４ａと
   前記軸線方向に延在する外部接続用端子部１４４
   ｂとを一体に有する第１の端子片１４４と、前記
   軸線方向と直交する方向より前記第２の電極片１
   ３３を挾持する接触子部１４５ａを前記軸線方向
   に延在する外部接続用端子部１４５ｂとを一体に
   有する第２の端子片１４５と、前記両接触子部１
   ４４ａ，１４５ａがハロゲンバルブ１３の軸線方
   向に離間し、かつ前記両外部接続用端子部１４４
   ｂ，１４５ｂが前記軸線方向と直交する方向に離
   間するように前記第１および第２の端子片１４
   ４，１４５を保持する基台１４１と、この基台１
   ４１に設けられ前記両外部接続用端子部１４４
   ｂ，１４５ｂの一側方に位置する逆組み付け防止
   用突片１４６とで構成されていることを特徴とす
   る前照灯ユニツト。