JPS6119504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、構造簡易にして、バルブとフレキシ
ブルプリント基板との電気的接続を確実に行ない
得るようにした灯具のバルブ取付構造に関するも
のである。

従来、自動車等の車輌に取付けられている灯具
のバルブは通常第１図に示すように組立てられて
いる。すなわち、１は合成樹脂によつて形成され
たバツクカバーで、その内面の所定箇所には円筒
状のソケツトホルダー２が一体に突設されてソケ
ツト本体３が圧入固定されている。ソケツト本体
３にはバルブ４のバルブ口金４ａが該ソケツト本
体３およびバルブ４に設けられた従来周知のＪス
ロツト（図示せず）と突起４ｂから成る結合機構
により着脱自在に嵌合されており、このバルブ口
金４ａとアース用コード８とが前記ソケツト本体
３を介して電気的に接続されている。そして、前
記ソケツト本体３内には更にインシユレータ５が
上下移動自在に嵌挿されて、これをスプリング６
で常時上方に付勢することにより、その表面に設
けられたコンタクト７がバルブ口金４ａの下端面
に突設されたプラス端子１０に接触されている。
なお、９はコードである。

しかるに、斯かる従来のバルブ取付構造にあつ
てはソケツトホルダー２内にソケツト本体３をは
じめとしてスプリング６、インシユレータ５、コ
ード９等の部品を収納配置する必要があるので、
部品点数が増加し、またコード９はコンタクト７
に半田付けされなければならないので、組立作業
に手間がかかりコストアツプの要因となるほか、
接続不良を起す虞れもあつた。

本考案は上述したような従来の欠点に鑑みてな
されたもので、バツクカバーにフレキシブルプリ
ント基板を配設すると共に中央部に弾性を有する
押圧片が、両側端に係合爪が形成されたコンタク
トを着脱自在に配設し、前記押圧片でフレキシブ
ルプリント基板をバルブの端子に圧接するという
極めて簡単な構成により、安価にしてバルブとフ
レキシブルプリント基板との電気的接続が確実に
行なえ、信頼性の高い灯具のバルブ取付構造を提
供するものである。

以下、本考案を図面に示実施例に基づいて詳細
に説明する。

第２図は本考案に係る灯具のバルブ取付構造の
一実施例を示す分解斜視図、第３図はその組立状
態を示す側面図である。なお、図中第１図と同一
構成部材のものに対しては同一符号を以つて示
し、その説明を省略する。バツクカバー１の内面
所定箇所にはコンタクト取付部１１とソケツト取
付部１２が近接して一体に設けられている。前記
コンタクト取付部１１は所定の高さを有する立上
り壁１１Ａと、この立上り壁１１Ａの両端に連続
して設けられた１対の相対向する鉤形折曲片１１
Ｂ，１１Ｃとから構成されることにより、断面形
状が略〓形に形成されて、前記立上り壁１１Ａの
内面と鉤形折曲片１１Ｂ，１１Ｃの内面とで構成
される案内溝１３を有し、この案内溝１３に後述
するコンタクト１４が着脱可能に挿入されるよう
になつている。一方、前記ソケツト取付部１２は
逆Ｌ字状に形成されて前記コンタクト取付部１１
と直交する方向に長く延在する左右１対の鉤形片
１２Ａ，１２Ｂとで構成されることにより、これ
らの鉤形片１２Ａ，１２Ｂと前記バツクカバー１
の内面とで挿入溝１５を形成しており、この挿入
溝１５に前記立上り壁１１Ａとは反対側の開放端
からソケツト本体３の下部に一体に設けられた脚
部１６が挿入されるようになつている。また、前
記バツクカバー１の内面には図に示す如く斜面を
有する１対のストツパー片１７ａ，１７ｂが前記
ソケツト取付部１２に近接して突設されており、
これらのストツパー片１７ａ，１７ｂによつて前
記脚部１６の挿入溝１５からの抜けを防止してい
る。そして、前記バツクカバー１の内面には絶縁
性に優れた合成樹脂材料によつてシート状に形成
されることにより可撓性を有するプリント基板１
８が配設されている。このフレキシブルプリント
基板１８の前記コンタクト取付部１１、ソケツト
取付部１２およびストツパー片１７ａ，１７ｂに
対応する箇所にはそれぞれ矩形の孔１９，２０が
形成されており、これらの孔１９，２０より前記
コンタクト取付部１１、ソケツト取付部１２およ
びストツパー片１７ａ，１７ｂがフレキシブルプ
リント基板１８の表面側に突出されている。ま
た、フレキシブルプリント基板１８の表面には２
本の「＋」側導電部２１ａ，２１ｂと、１本の
「−」側導電部２１ｃとが配線されており、前記
「＋」側導電部２１ａ，２１ｂの一端は前記孔１
９の一側よりコンタクト取付部１１方向に長く延
在する舌片部２２の先端にまでそれぞれ延長され
ている。この場合、前記フレキシブルプリント基
板１８に形成される「＋」側導電部はバルブ４の
プラス端子１０の数に対応して形成されるもの
で、ダブルフイラメントの場合には１対のプラス
端子１０が設けられるため、２本の「＋」側導電
部が、そしてシングルフイラメントの場合には１
本の「＋」側導電部が配線される。また、前記舌
片部２２は立上り壁１１Ａの内面下部において屈
曲され、該立上り壁１１Ａに沿つて上方に延在さ
れている。一方、前記「−」側導電部２１ｃの一
端は前記コンタクト取付部１１を構成する一方の
鉤形折曲片、例えば１１ｃの前方に位置して前記
案内溝１３に臨んでいる。

前記コンタクト１４は導電性のよい金属板をプ
レス加工することにより、図に示す如く略コ字状
に形成されたコンタクト本体１４Ａと、略コ字状
に折曲されて上端が前記コンタクト本体１４Ａの
内側上縁に連設された弾性を有する押圧片２５
と、前記コンタクト本体１４Ａの両側部にそれぞ
れ形成された鋸歯状の係合爪２６ａ，２６ｂと、
前記コンタクト本体１４Ａの一方の脚部下端に連
設されたアース接続片２７と、前記コンタクト本
体１４Ａの中央部および前記押圧片２５の一部を
前方に切起して形成されたバルブアース接続片２
８と前記コンタクト本体１４Ａの上端部を後方に
略90度折曲して形成された取付部２９とから構成
されている。前記アース接続片２７およびバルブ
アース接続片２８は前方にほぼ水平に折曲げられ
てその中央部が下方に彎曲されている。なお、３
１はＪスコツト、３２はアース切欠き固定部、３
３は直射タイプのレンズである。

次に、上記構成によるバルブの組立て手順につ
いて説明すると、先ずコンタクト１４をコンタク
ト取付部１１の案内溝１３に上方から差込む。こ
の時、係合爪２６ａ，２６ｂが鉤形折曲片１１
Ｂ，１１Ｃの内側面に喰い込むため、コンタクト
１４はコンタクト取付部１１に固定され、アース
接続片２７がフレキシブルプリント基板１８の
「−」側導電部２１ｃの一端に接触する。前記コ
ンタクト１４の挿入に際して、フレキシブルプリ
ント基板１８の舌片部２２はコンタクト１４の前
方に位置され、その裏面が前記コンタクト１４の
押圧片２５に接続する。

次に、あらかじめバルブ４が取付けられたソケ
ツト本体３の脚部１６を挿入溝１５に挿入して前
記ソケツト本体３をソケツト取付部１２に取付け
る。この時、バルブ口金４ａの背面に突設された
１対のプラス端子１０が前記舌片部２２を介し
て、押圧片２５を押圧して弾性変形させ、その反
力がバルブ口金４ａを介してソケツト本体３に作
用する。したがつて、ソケツト本体３は常時前方
への付勢力を受け、脚部１６が１対のストツパー
片１７ａ，１７ｂに当接係止されることにより、
安定に固定される。また、前記押圧片２５は舌片
部２２を押圧するため、該舌片部２２に延在され
ている「＋」側導電部２１ａ，２１ｂの端部が前
記バルブ口金４ａのプラス端子１０にそれぞれ圧
接され、これによつて導通が計られる。更に、前
記ソケツト本体３がソケツト取付部１２に取付け
られるとコンタクト１４のバルブアース接続片２
８がバルブ口金４ａの周面に接触してその先端部
がソケツト本体３のアース切欠き固定部３２に係
入される。この結果、アース端子を構成している
バルブ口金４ａと前記「−」側導電部２１ｃと
が、コンタクト１４を介して接続され、もつてバ
ルブの組立てが完了する。

かくして、このようなバルブ取付構造によれ
ば、バルブ本体３とコンタクト１４をバルブ取付
部１２とコンタクト取付部１１にそれぞれ取付け
ることにより、バルブ４とフレキシブルプリント
基板１８とを電気的に接続することができるの
で、組立て作業が極めて簡単かつ容易でしかも第
１図に示した従来構造に比べてスプリング、イン
シユレータ等の部品わ必要としないので、コスト
低減を計ることができる。また、舌片部２２を押
圧片２５で押圧しているので、プラス端子１０と
の電気的接続が確実で導通不良を起す虞れがな
い。さらに、フレキシブルプリント基板１８はバ
ツクカバー１の内面に接着配置されるだけである
ので、従来のプリント基板のようにカシメ付けた
り、止めねじで固定する必要がなく、取付けが簡
単である。加えて、バルブ４は灯具内に横設され
るので、灯具全体の厚さを薄くすることができ、
したがつて灯具の小型軽量化を計ることができ
る。

なお、コンタクト１４をコンタクト取付部１１
から取外す場合には、取付部２９を手で引張つて
抜き取ればよい。

第４図は本考案の他の実施例を示す断面図であ
る。この実施例においては、バツクカバー１の内
面に円筒状のソケツト本体４０が一体に突設され
て、その一部周面に切欠部４１が形成されてい
る。また、前記バツクカバー１の表面でかつ前記
ソケツト本体４０に対応する部分には第５図にも
示すとおり方形状のコンタクト取付部４２が突出
形成されており、その一側面、すなわち前記切欠
部４１と反対側の側面にコンタクト挿入口４３が
形成されている。このため前記ソケツト本体４０
の内部は前記コンタクト挿入口４３を介してバツ
クカバー１の外部に連通されている。一方、バツ
クカバー１の内面に配設されるフレキシブルプリ
ント基板１８の前記ソケツト本体４０に対応する
部分にはＣ字状溝４４と、このＣ字状溝４４に囲
まれた舌片部４５が形成されている。前記Ｃ字状
溝４４からは前記ソケツト本体４０が突出され前
記舌片部４５は前記切欠部４１からソケツト本体
４０内に挿入されており、この舌片部４５の表面
に「＋」側導電部２１ａ，２１ｂの一端がそれぞ
れ延長されている。そして、「−」側導電部２１
ｃはその一端部が前記Ｃ字状溝４４の外周縁に沿
つて彎曲され、前記切欠部４１と反対側に延長さ
れている。

前記コンタクト挿入口４３よりコンタクト取付
部４２内に収納されるコンタクト４６は、第２図
に示したコンタクト１４と異なり単に前記舌片部
４５をプラス端子１０に押圧するだけの機能を有
するもので、このため第６図に示すようにコンタ
クト本体４６ａと、押圧片４７と、１対の係合爪
４８ａ，４８ｂおよび取付部４９を一体に備えて
構成される。したがつて、第２図に示したアース
接続片２７およびバルブアース接続片２８に相当
するアースコンタクト５０がコンタクト４６とは
別個に準備され、その一端が前記ソケツト本体４
０とバルブ口金４ａとの間に挿入され、他端が前
記「−」側導電部２１ｃの一端に接触される。

このような構成においても、押圧片４７の弾性
により舌片部４５がプラス端子１０に圧接される
ので、プラス端子１０と「＋」側導電部２１ａ，
２１ｂとの確実な電気的接続が得られることは明
らかであろう。また、前記実施例と同様、部品点
数が少なく、組立作業もきわめて容易で、安価に
製造できるなどの利点を有している。なお、この
場合にはコンタクト４６を絶縁材料で形成しても
よいことは勿論である。

以上説明したように、本考案に係る灯具のバル
ブ取付構造によれば、バツクカバーに設けたコン
タクト取付部に着脱可能に取付けられるコンタク
トによつてフレキシブルプリント基板の舌片部を
押圧し、バルブのプラス端子と前記プリント基板
の導電部とを電気的に接続するように構成したの
で、構造が極めて簡単で部品点数が少なく、組立
作業を容易に行なうことができる。また、電気的
接続が確実で、従来のように半田付け作業を一切
必要とせず、大幅なコスト低減を計ることができ
るなど、多くの実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の灯具におけるバルブ取付構造の
一例を示す縦断面図、第２図は本考案の一実施例
を示す分解斜視図、第３図はその組立状態を示す
側面図、第４図は本考案の他の実施例を示す縦断
面図、第５図はバツクカバーの要部平面図、第６
図はコンタクトの斜視図である。 １……バツクカバー、３……ソケツト本体３、
４……バルブ、４ａ……バルブ口金、１０……プ
ラス端子、１１Ａ……コンタクト取付部、１４…
…コンタクト、１８……フレキシブルプリント基
板、２５……押圧片、２６ａ，２６ｂ……係合
爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクカバーの内面にバルブをソケツト本体を
   介して固定した灯具のバルブ取付構造において、
   中央部に弾性を有する押圧片が形成され、両側部
   に係合爪が形成されたコンタクトを前記バツクカ
   バーの内面に設けたコンタクト取付部に着脱可能
   に取付け、前記押圧片で前記バツクカバーの内面
   に配設したフレキシブルプリント基板の導電部を
   前記バルブのプラス端子に圧接するようにしたこ
   とを特徴とする灯具のバルブ取付構造。