JPH07335337A - ジャック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリーブ金具と接触する接触片を別に設ける
必要がなく、接触片が塑性変形したり、スリーブ金具と
接触不良となることのないジャックを提供する。 【構成】 一枚の板バネ接触片３２を、プラグ挿入前は
スリーブ金具８と接触する接触片として、プラグが挿入
されるとスリーブ電極と接触する接触片として作用させ
る。スリーブ金具８と接触する板バネ接触片３２は、別
にスリーブ金具８と接続するための狭いスペース内に配
置する必要がないので、充分長いバネスパンを備え塑性
変形することがなく、多少の成形誤差があってもスリー
ブ金具８との間に間隙が生じて接触不良となることがな
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラグが挿入されて接
続が行われるジャックに関し、更に詳しくは、プラグ挿
入ガイド孔内に装飾用スリーブ金具が嵌挿されたジャッ
クに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のジャックにおいて、プラグのスリ
ーブ電極との接続は、ジャックハウジング内に取り付け
られた板バネ状のスリーブターミナルで行っていた。従
って、ジャックハウジングのプラグ挿入ガイド孔内に嵌
挿されたスリーブ金具は、挿入されたプラグと接触する
ものの、電気的接続機能は果たさず、専ら装飾用として
プラグ挿入ガイド孔内に取り付けられているものであっ
た。

【０００３】しかしながら、このスリーブ金具は一端面
がジャック１が取り付けられるケース外に露出し、しか
も接地されていない為、静電気が帯電しやすく、静電気
の帯電したスリーブ金具にプラグが接触すると、プラグ
側に接続された電子部品を静電破壊する恐れがあった。

【０００４】この為、図９に示すように、スリーブター
ミナル４１にスリーブ金具４３と常時接触する弾性接触
片４４をこのままスリーブ金具４３に帯電した静電気を
スリーブターミナル４１を介して接地するジャック４０
が知られている。このスリーブターミナル４１は、図８
から明らかなように、弾性金属板をＵ字状に折り曲げて
形成してなるもので、その脚部の後方縁中央よりプラグ
のスリーブ電極と接触する接片本体４５が一体に突設さ
れている。又、Ｕ字の中間部より接触片４４が一体に突
出形成され、スリーブターミナル４１をジャックハウジ
ング４６の開口４２より挿入すると、接触片４４がスリ
ーブ金具４３の内端縁に圧接する構造となっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このジャックによれ
ば、スリーブ金具４３に帯電する静電気をスリーブター
ミナル４１により放電することができるが、スリーブタ
ーミナル４１に接片本体４５と別に接触片４４を形成す
る必要があった。

【０００６】しかも接触片４４は、ジャックハウジング
４６の狭いスペース内でスリーブターミナル４１と接続
する構造とするために、充分なバネスパンをとることが
できず、圧接接続構造となっている。

【０００７】この為に、ジャック４０の成形において僅
かでも成形誤差が生じると、接触片４４が取り付けの際
に塑性変形したり、接触片４４とスリーブ金具４３との
間に間隙が生じ接触不良となるという問題があった。

【０００８】本発明はこのような従来の問題点に鑑み、
スリーブ金具４３と接触する接触片４４を別に設ける必
要がなく、接触片４４が塑性変形したり、接触不良とな
ることのないジャックを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決することを目的とするもので、本発明にかかる
ジャックは、内部にプラグ挿入孔を有する絶縁性のジャ
ックハウジングと、ジャックハウジングの一端のプラグ
挿入ガイド孔内に嵌挿される導電性の円筒状スリーブ金
具と、プラグ挿入孔内に挿入されるプラグのスリーブ電
極と接触するスリーブターミナルとを備えたジャックに
おいて、スリーブターミナルは、ジャックハウジングに
取り付けられる取付プレートと取付プレートより突設し
た板バネ接触片を備え、板バネ接触片に、板バネ接触片
の弾性によりスリーブ金具と弾性接触する接地接触部
と、接地接触部がスリーブ金具と弾性接触した状態で、
プラグ挿入孔内に臨みプラグのスリーブ電極と接触する
スリーブ接触部を設けたことを主要な特徴とする。

【００１０】更に、ジャックは、取付プレートを、水平
板部と水平板部の両側からそれぞれ垂設した側板部とに
より断面コの字状に形成し、取付プレートをジャックハ
ウジングに被装して、板バネ接触片をジャックハウジン
グに穿設した窓孔よりジャックハウジング内方へ付勢
し、先端部の接地接触部をスリーブ金具の内端部に弾性
接触させるとともに、板バネ接触片の中間部のスリーブ
接触部をプラグ挿入孔内に臨ませたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】請求項１の発明は、板バネ接触片の接地接触部
が板バネ接触片の弾性によりスリーブ金具と弾性接触す
るので、スリーブ金具は、スリーブターミナルの板バネ
接触片を介して接地される。プラグがプラグ挿入孔内に
挿入されると、スリーブ接触部がプラグ挿入孔内に位置
するので、プラグのスリーブ電極と電気的に接続する。
従って一枚の板バネ接触片が、プラグ挿入前はスリーブ
金具と接触する接触片として、プラグが挿入されるとス
リーブ電極と接触する接触片として作用する。

【００１２】請求項２の発明は、取付プレートを、水平
板部と水平板部の両側からそれぞれ垂設した側板部とに
より断面コの字状に形成し、この取付プレートをジャッ
クハウジングに被装するので、スリーブターミナルを容
易にジャックハウジングに取り付けることができる。

【００１３】板バネ接触片は、ジャックハウジングに穿
設した窓孔よりジャックハウジング内方へ付勢され、先
端部の接地接触部がスリーブ金具の内端部に弾性接触
し、中間部のスリーブ接触部がプラグ挿入孔内に位置す
るので、１枚の板バネ接触片がスリーブ金具と接触する
接触片と、プラグのスリーブ電極と接触する接触片とし
て作用する。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図６によ
り説明する。

【００１５】図１は本発明の実施例に係るジャックの断
面図、図２は図１のジャックにプラグを挿入した状態を
示す断面図、図３はジャックの分解斜視図、図４は、ス
リーブターミナルの側面図、図５は同平面図、図６はジ
ャックの側面図である。

【００１６】図３に示すように、本発明に係るジャック
１は、ジャックハウジング２にスリーブターミナル３、
チップターミナル４、リングターミナル５からなるコン
タクトターミナルとスリーブ金具８とが取り付けられて
構成される。

【００１７】ジャックハウジング２は、ＰＢＴ、ナイロ
ンなどの合成樹脂からなる絶縁材料により形成された略
直方体状のハウジング本体２１とその前面（図中左方）
に一体に突設され、プラグ挿入ガイド孔６が穿設された
円筒状スリーブ７とからなっている。

【００１８】ハウジング本体２１内には、プラグ挿入ガ
イド孔６と連続するプラグ挿入孔２２が長手方向と平行
に穿設され、プラグ挿入孔２２と平行に後方よりチップ
ターミナル４とリングターミナル５を収容するコンタク
ト収容溝（図示せず）が形成されている。

【００１９】また、ハウジング本体２１の上面のスリー
ブ７後方には、プラグ挿入孔２２に連通する窓孔２３が
穿設され、この窓孔２３のやや後方でハウジング本体２
１の両側面の位置には、後述するスリーブターミナル３
の側板部３１２を前後方向で位置決めする位置決め凹部
２１ａと位置決め凹部２１ａの中央部でスリーブターミ
ナル３を抜け止めする係合突部２４が形成されている。

【００２０】チップターミナル４は、導電性板材をプレ
スにより略Ｌ字に打ち抜き形成したもので、基部４ｂが
中間で折り返され、その先端部にチップ接触部４ａが形
成される。基部の後端より下方へ突出する脚部４ｃは、
ジャック１の下方に配設されたプリント配線基板のパタ
ーンに接続される。基部４ｂの上端には、係止突起４ｄ
が形成されていて、チップターミナル４をハウジング本
体２１の後方より挿入すると、コンタクト収容溝の内面
に係止し、チップターミナル４をコンタクト収容溝内に
抜け止め固定する。チップターミナル４がハウジング本
体２１に固定されると、チップターミナル４のチップ接
触部４ａは、プラグのチップ電極と接触するようにプラ
グ挿入孔内２２に配置される。

【００２１】又、リングターミナル５も同様に導電性板
材をプレスにより略Ｌ字に打ち抜き形成したもので、基
部５ｂとプラグ接触部５ａと基部５ｂの後端より下方へ
突出しプリント配線基板のパターンに接続される脚部５
ｃで構成される。基部５ｂの上端には、係止突起５ｄが
形成されていて、リングターミナル５をハウジング本体
２１の後方より挿入すると、コンタクト収容溝の内面に
係止し、リングターミナル５をコンタクト収容溝内に抜
け止め固定する。リングターミナル５がハウジング本体
２１に固定されると、リングターミナル５のリング接触
部５ａは、プラグのリング電極と接触するようにプラグ
挿入孔内２２に配置される。

【００２２】尚、ジャック１が、プラグの挿抜により切
り替わるジャック１のスイッチ回路を備えている場合に
は、その数に応じて、複数のコンタクトターミナルが同
様の構成でハウジング本体２１に取り付けられる。

【００２３】スリーブ金具８は、プラグ挿入ガイド孔６
内に嵌挿される導電性のパイプで、外面の中央部にリン
グ状突部８ａが突設されている。突部８ａは、プラグ挿
入ガイド孔６より僅かに大きく、スリーブ金具８をプラ
グ挿入ガイド孔６へ圧入した後、プラグ挿入ガイド溝６
内面に当接し、スリーブ金具８を抜け止め固定する。

【００２４】図１に示すように、スリーブ金具８は、前
縁のフランジ８ｂがプラグ挿入ガイド孔６の開口縁に形
成された段部６ａに当接する位置で、プラグ挿入ガイド
孔６に固定され、その内端部８ｃは窓孔２３内に露出し
ている。

【００２５】スリーブターミナル３は、導電性板材をプ
レスにより打ち抜き、折曲げ形成したもので、水平板部
３１１と水平板部の両側からそれぞれ垂設した側板部３
１２とにより断面コの字状に形成された取付プレート３
１を備えている。

【００２６】側板部３１２の中央部には、ハウジング本
体２１の係合突部２４と係合する係合孔３１２ａが穿設
され、また側板部３１２の下端から下方にプリント配線
基板のアースパターンと半田接続される脚部３ｃが一体
に連設されている。

【００２７】３２は、水平板部３１１から突設された板
バネ接触片で、二股状の連結部３２２ｃで取付プレート
３１と連結し、Ｕ字状に下方に折曲げられた中間部の下
面がスリーブ接触部３２２ａとなり、先端部が接地接触
部３２２ｂとなっている。

【００２８】板バネ接触片３２は、取付プレート３１と
ともにプレスで成形される際に、図１の波線で示すよう
に、取付プレート３１に傾斜して片持ち支持されるよう
に形成されている。

【００２９】取付プレート３１をジャックハウジング２
に取り付けた状態（図１の実線で示す状態）では、接地
接触部３２２ｂがスリーブ金具の内端部８ｃに当接し、
板バネ接触片３２の復帰が規制され、板バネ接触片３２
に組立応力が生じる。従って、接地接触部３２２ｂは、
スリーブ金具の内端部８ｃに弾性接触し、この状態で、
スリーブ接触部３２２ａは、プラグ挿入孔２２のプラグ
のスリーブ電極と接触する位置に配置される。

【００３０】取付プレート３１の取り付けは、ハウジン
グ本体２１の上方より、側板部３１２をハウジング本体
２１の位置決め凹部２１ａに沿わせながら、係合孔３１
２ａが係合突部２４と係合するまで、下方に移動させ
る。

【００３１】係合孔３１２ａが係合突部２４と係合する
と、板バネ接触片３２は、窓孔２３内に挿入され、スリ
ーブ接触部３２２ａと接地接触部３２２ｂが上述の位置
にそれぞれ配設されるとともに、取付プレート３１は、
図６に示すように係合突部２４との係合と、位置決め凹
部２１ａとにより、ジャックハウジング２にがたつきな
く取り付けられる。

【００３２】このように構成されたジャック１は、板バ
ネ接触片３２がスリーブ金具８の内端部８ｃに弾性接触
しているので、スリーブ金具８に帯電した静電気は、ス
リーブターミナル３の脚部３ｃよりプリント配線基板の
アースパターンへ放電される。

【００３３】ジャック１にプラグが挿入されると、プラ
グは、プラグ挿入孔２２に侵入するに従って、順にスリ
ーブターミナル３、リングターミナル５、チップターミ
ナル４と当接し、図２に示すように完全にプラグ挿入孔
２２内に挿入された位置で、スリーブ電極はスリーブ接
触部３２２ａと、リング電極はリング接触部５ａと、チ
ップ電極はチップ接触部４ａとそれぞれ弾性接触し、電
気接続する。

【００３４】このとき、スリーブターミナル３は、スリ
ーブ金具８の内端部８ｃとの接触が断たれ、スリーブ金
具８との接続構造と無関係に板バネ接触片３２のバネ作
用が働き、プラグと弾性接触する。

【００３５】一方、板バネ接触片３２とスリーブ金具８
の内端部８ｃとの接触は断たれるが、スリーブ金具８の
内面がプラグのスリーブ電極と接続するので、スリーブ
金具８に帯電した静電気は、スリーブ電極、スリーブ接
触部３２２ａ、スリーブターミナルの脚部３ｃを介し
て、プリント配線基板のアースパターンへ放電される。

【００３６】本実施例では、板バネ接触片３２の中間部
の下面をスリーブ接触部３２２ａとし、先端部を接地接
触部３２２ｂとしたが、これに限るものではなく、例え
ば、図７のように板バネ接触片３２をＵ字状に折り曲
げ、折り返し部よりスリーブ金具８と接触する切り起こ
し片を切り起こすとともに、その先端部をプラグ挿入孔
２２内に臨ませ、板バネ接触片３２の中間部に接地接触
部３２２ｂを、先端部にスリーブ接触部３２２ａを形成
してもよい。

【００３７】また、スリーブターミナル３をジャックハ
ウジング２に被装せず、他のコンタクトターミナルと同
様にハウジング本体２１内に収納してもよい。

【００３８】

【発明の効果】以上のように本発明は、スリーブ金具８
とスリーブターミナル３を必ずしも常時接触させる必要
がないことに着目し、一枚の板バネ接触片３２を、プラ
グ挿入前はスリーブ金具８と接触する接触片として、プ
ラグが挿入されるとスリーブ電極と接触する接触片とし
て作用させたので、スリーブ金具８と接触する接触片を
別に形成する必要がなくスリーブターミナルの構造が単
純化するとともに、スリーブ金具８との接続部を別に形
成する必要がなく、ジャックハウジング２の小型化が可
能となる。

【００３９】更に、スリーブ金具８と接触する接触片を
スリーブ電極と接触する接触片と兼用したので、充分長
いバネスパンを備えることとなり、組立の際に接触片が
塑性変形したり、成形誤差によりスリーブ電極との接触
不良が発生するということがない。

【００４０】又、請求項２の発明によれば、以上の効果
に加え、スリーブターミナル３をジャックハウジング２
に被装する構造としたので、スリーブターミナル３のハ
ウジング本体２１への取り付けが容易で、しかもハウジ
ング本体２１内に取付スペースをとらないので、ジャッ
クハウジング２を小型化できる。

【００４１】更に、ハウジング本体２１の窓孔２３内
で、板バネ接触片３２がスリーブ金具８の内端部８ｃに
接触するので、スリーブ金具８との接触状態を黙視で確
認しながらスリーブターミナル３を取り付けることがで
き、確実な組み立てが可能となる。

【００４２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るジャックの断面図であ
る。

【図２】図１のジャックにプラグを挿入した状態を示す
断面図である。

【図３】ジャックの分解斜視図である。

【図４】スリーブターミナルの側面図である。

【図５】スリーブターミナルの平面図である。

【図６】ジャックの側面図である。

【図７】他の実施例に係るジャックの断面図である。

【図８】従来のジャックを示す分解斜視図である。

【図９】従来のジャックを示す断面図である。

【符号の説明】

１ ジャック ２ ジャックハウジング ３ スリーブターミナル ６ プラグ挿入ガイド孔 ８ スリーブ金具 ２２ プラグ挿入孔 ２３ 窓孔 ３１ 取付プレート ３２ 板バネ接触片 ３１１ 水平板部 ３１２ 側板部 ３２２ａ スリーブ接触部 ３２２ｂ 接地接触部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にプラグ挿入孔２２を有する絶縁性
   のジャックハウジング２と、ジャックハウジング２の一
   端のプラグ挿入ガイド孔６内に嵌挿される導電性の円筒
   状スリーブ金具８と、プラグ挿入孔２２内に挿入される
   プラグのスリーブ電極と接触するスリーブターミナル３
   とを備えたジャック１において、スリーブターミナル３
   は、ジャックハウジング２に取り付けられる取付プレー
   ト３１と取付プレート３１より突設した板バネ接触片３
   ２を備え、板バネ接触片３２に、板バネ接触片３２の弾
   性によりスリーブ金具８と弾性接触する接地接触部３２
   ２ｂと、接地接触部３２２ｂがスリーブ金具８と弾性接
   触した状態で、プラグ挿入孔２２内に臨みプラグのスリ
   ーブ電極と接触するスリーブ接触部３２２ａを設けたこ
   とを特徴とするジャック。
2. 【請求項２】 取付プレート３１を、水平板部３１１と
   水平板部３１１の両側からそれぞれ垂設した側板部３１
   ２とにより断面コの字状に形成し、取付プレート３１を
   ジャックハウジング２に被装して、板バネ接触片３２を
   ジャックハウジング２に穿設した窓孔２３よりジャック
   ハウジング２内方へ付勢し、先端部の接地接触部３２２
   ｂをスリーブ金具８の内端部８ｃに弾性接触させるとと
   もに、板バネ接触片３２の中間部のスリーブ接触部３２
   ２ａをプラグ挿入孔２２内に臨ませたことを特徴とする
   請求項１のジャック。