JPS6139132B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は固定子鉄心内形と回転子鉄心外形を
分けて打抜く鉄心の打抜き方法に関するものであ
り、特に固定子鉄心内形を打抜き時のスクラツプ
処理及び内形寸法の精度向上に関するものであ
る。

従来の鉄心の打抜き方法を第１図〜第４図を用
いて説明する。図中、１はパイロツト孔であり、
帯状電気鋼板Ｓを矢印ｍの方向に間けつ的に順次
連続して送る時に電気鋼板が正確に次の金型にか
かるように設けられている。２は固定子鉄心スロ
ツト孔、３は回転子鉄心スロツト孔、４はシヤフ
ト孔、５は回転子鉄心外形、６は固定子鉄心内
形、７は固定子鉄心外形であり、それぞれが打抜
き可能な様にポンチ及びダイスがセツトされてい
る金型を有している。また、９は固定子鉄心スロ
ツト孔の開口部である。第１図は従来の鉄心打抜
き方法を説明するための図、第２図は第１図で打
抜かれた固定子鉄心、第３図は第１図で打抜かれ
た回転子鉄心を示し、第４図は第１図の固定子鉄
心内形６の打抜きで発生するスクラツプの平面図
を示している。

次に、従来方法により鉄心を打抜く方法を具体
的に説明する。先ず、帯状電気鋼板Ｓをパイロツ
ト孔１の間隔をピツチとして間けつ的に順次連続
して矢印ｍの方向に送り、段階Ｉではパイロツト
孔１、固定子鉄心スロツト孔２を打抜き、では
回転子鉄心スロツト孔３、シヤフト孔４を打抜
き、では回転子鉄心外形５を打抜き、では固
定子鉄心内形６を打抜き、では固定子鉄心外形
７を打抜くものである。

第１図で示された方法で打抜かれた固定子鉄心
７ａは、そのまま組立てられる為に、内外形寸法
の精度が要求される。また第１図で打抜かれた回
転子鉄心５ａも時には外形の機械加工を行う場合
もあるが、精度が向上出来れば、機械加工の廃止
が出来る。段階で回転子鉄心外形５を打抜き、
で固定子鉄心内形６を打抜いた際に発生するス
クラツプ６ａの厚みは、回転子鉄心と固定子鉄心
の空隙量８に相当し、その量は電気鋼板の板厚の
半分から３倍位に相当する場合がある。通常はポ
ンチとダイスによつて打抜かれたスクラツプ６ａ
はダイスに喰い付き、次々に押し出されて、下部
のスクラツプシユート等でプレス外部へ排出され
て処理されている。

従来の鉄心の打抜き方法では、回転子鉄心外形
５を打抜いた後、固定子鉄心内形６を打抜き、そ
の時のスクラツプ６ａが単にリンク形状である
為、空隙量８が、打抜材の板厚以下の時には、ス
クラツプ６ａがポンチで打抜かれた後、ダイスに
喰い付かず浮上して２度抜きしたり、間けつ的に
順次連続打抜きのトラブルが発生する等で、工具
の損傷が起こり寿命が低下するという欠点があつ
た。また極薄の場合には、固定子鉄心の内形寸法
に楕円が発生したり、寸法がバラツキ、その為に
積層後手直し等の付加的な作業を強いられるか不
良品として処分しなければならない欠点があつ
た。

この発明は上記のような従来の打抜き方法の欠
点を除去するためになされたもので、回転子鉄心
の空隙の少ない場合スクラツプの浮上防止、抜き
寸法精度の向上を計り、積層後の手直し工事、ま
たは不良品の製作ゼロを目的とすると共に、抜き
トラブルを解消して工具寿命の延長を計ることを
目的とする鉄心の打抜き方法を提供するものであ
る。

以下この発明の一実施例を第５図〜第８図によ
つて説明する。図中、第１図〜第４図と同一また
は相当部分には同一符号を付してある。

１はパイロツト孔であり、帯状電気鋼板Ｓを矢
印ｍの方向に間けつ的に順次連続して送る時に、
電気鋼板が正確に次の金型にかかるように設けら
れている。２ａは本発明による固定子鉄心の内形
へ連結するスロツトの開口部を残した固定子スロ
ツト孔、３は回転子鉄心スロツト孔、４はシヤフ
ト孔、５は回転子鉄心外形、６ｂは本発明による
固定子鉄心内形であり、円周に直角に突出した平
行刃により、段階Ｉで打抜いた固定子鉄心のスロ
ツト穴２ａと連結させてスロツトの開口部を打抜
き固定子鉄心スロツトを形成する。また、７は固
定子鉄心外形であり、それぞれが打抜き出来る様
にポンチ及びダイスがセツトされている金型を有
している。なお、第５図は本発明による打抜き方
法を説明するための図、第６図は第５図で打抜か
れた固定子鉄心を示す平面図、第７図は第５図で
打抜かれた回転子鉄心を示す平面図、第８図は本
発明の打抜き方法で発生するスクラツプの平面図
である。

次に、この発明方法により鉄心の打抜き方法を
具体的に説明する。先ず、帯状電気鋼板Ｓをパイ
ロツト孔１の間隔をピツチとして間けつ的に順次
連続して矢印ｍ方向に送り、段階Ｉではパイロツ
ト孔１、本発明による固定子鉄心スロツト孔の一
部２ａをスロツトの開口部分９ａを残して打抜
き、では回転子鉄心スロツト孔３、シヤフト孔
４を打抜き、では回転子鉄心外形５を打抜き、
では本発明による固定子鉄心内形と、段階Ｉで
固定子鉄心スロツト孔の一部２ａを打抜き時に残
した部分、すなわちスロツト孔の開口部分９ａを
同時に打抜き、で固定子鉄心の外形を打抜くも
のである。

本発明での打抜方法を第５図に示し、段階で
打抜かれるスクラツプの平面図を第８図に示す。

従来のスクラツプ６ａは単なるリング状であつ
たので、特に空隙８が電気鋼板Ｓの板厚以下の場
合においては、スクラツプ６ａがダイスに喰いつ
きにくく、ダイスより浮上しやすかつたが、円周
ダイスの内径に対して直角に突出し、半径方向に
開口するスロツト開口部９ａを固定鉄心の内径と
同時に抜く事により、開口部９ｂがダイス内に喰
い付き、打抜き時とスクラツプ６ｃがダイスの側
圧により、ダイスの中心方向に縮もうとする働き
を開口部９ｂが阻止する働きもする為に、浮上す
る問題とか精密寸法が安定する役目をさせる事が
出来る。

第９図に全数のスロツト孔の開口部分を残さな
いで、等間隔または不等間隔で選択的にスロツト
の開口部分をスロツト孔の打抜き時に打抜く場合
の打抜き方法の実施例を示す。

第１０図には固定子鉄心のスロツト孔２のコー
ナーにメントリを必要とする場合の打抜き方法の
実施例を示す。この方法では前もつてスロツト孔
の一部を打抜く際に、メントリが形成出来る部分
まで打抜く方法を示したものである。

以上の様に、この発明方法によれば、回転子鉄
心外形寸法を打抜いた後、固定子鉄心の内形を精
密に打抜く方法において、固定鉄心のスロツト開
口部を打抜きせずに回転子鉄心の外形を打抜き、
その後固定子鉄心の内形とスロツト開口部を同時
に打抜くから、スクラツプの浮上が防止出来る
為、送りトラブルが解消出来、２度抜きのトラブ
ルが無くなることで工具寿命の延長が計れる。ま
た精度の要求される固定子鉄心内形寸法及び回転
子鉄心外形寸法を安定させる事が出来るので不良
品、手直しの発生がなくなり、さらに回転子鉄心
外形の旋削加工が不要となり、品質の安定と共に
生産性の向上ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の打抜き方法を説明するための
図、第２図は第１図で打抜かれた固定子鉄心を示
す平面図、第３図は第１図で打抜かれた回転子鉄
心を示す平面図、第４図は第１図の打抜き方法で
発生するスクラツプの平面図、第５図は本発明の
打抜き方法を説明するための図、第６図は第５図
で打抜かれた固定鉄心を示す平面図、第７図は第
５図で打抜かれた回転子鉄心を示す平面図、第８
図は本発明の打抜き方法で発生するスクラツプの
平面図、第９図、第１０図は本発明方法のその他
の実施例を示す図である。 １……パイロツト孔、２……固定子鉄心スロツ
ト孔、２ａ……本発明による固定子鉄心スロツト
孔、３……回転子鉄心スロツト孔、４……シヤフ
ト孔、５……回転子鉄心外形、５ａ……打抜かれ
た回転子鉄心、６……固定子鉄心内形、６ａ……
従来方法でのスクラツプ、６ｂ……本発明による
打抜方法の鉄心内形、６ｃ……本発明による方法
でのスクラツプ、７……固定子鉄心外形、７ａ…
…打抜かれた固定子鉄心、７ｂ……本発明による
方法で打抜かれた固定子鉄心、８……空隙、９…
…固定子鉄心スロツト孔開口部、９ｂ……本発明
で打抜かれたスロツト孔開口部のスクラツプ、１
０……スロツトコーナー部のメントリ、Ｓ……帯
状電気鋼板、図中同一符号は同一、または相当部
分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 同心状の内形と外形との間に環状配置した複
   数のスロツト孔と、各スロツト孔と内形との間を
   打抜いて形成する開口部分とからなる複数のスロ
   ツトを有する固定子鉄心と、該固定子鉄心の内部
   に配置する回転子鉄心とを帯状鋼板を間けつ的に
   移動させながら順次連続的に打抜く鉄心の打抜き
   方法において、 上記複数のスロツトの開口部分の一部もしくは
   全部を除いて各スロツトを打抜く第１の工程と、
   回転子鉄心の外形を打抜く第２の工程と、固定子
   鉄心の内形の打抜きと同時に上記第１の工程で打
   抜きしなかつたスロツトの開口部分を打抜く第３
   の工程とを順次行なうことを特徴とする鉄心の打
   抜き方法。