JPS6138854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車体後部の結合構造に係り、特にリヤ
ホイールハウス、リヤクロスメンバ、リヤフレー
ムの結合構造に関するものである。

車両の車体後部にはリヤホイールハウスが設け
られ、左右のこの間を含む後部にリヤフロアパネ
ルが敷設され、強度メンバとしてリヤフレーム、
リヤクロスメンバが付設される。

従来のこの種メンバの結合構造は第４図及び第
５図に示される如くで、リヤホイールハウス５２
はサイドパネル５１から車室内方に膨出し、リヤ
ホイールハウス５２の中央部にはダンパハウジン
グ５３が車室内方に膨出するように縦設され、こ
れに対し前後方向に通して設けられるリヤフレー
ム５４のフランジ部５４ａの一部をダンパハウジ
ング５３の曲面に合うように切欠し、或いはフラ
ンジ部を彎曲せしめて起立して継手部５５を形成
し、継手部５５をダンパハウジング５３の曲面に
溶接し、更にリヤフレーム５４間にリヤクロスメ
ンバ５６の端部を溶接している。

以上の従来構造は曲面部の溶接で溶接面積が充
分に得られ難いこと、リヤホイールハウスに対し
リヤクロスメンバはリヤフレームを介して間接的
に溶接されているため継手効率が悪い等改善の余
地がある。

本考案は以上を改善すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、チヤンネル状断面のスチフナ
の一端部をリヤホイールハウスの形状に合せて切
り欠いてこれの内側面に当接溶接し、該スチフナ
の一部にリヤフレームの一部を受けて当接溶接す
る切欠部を設け、更にスチフナの他端部にリヤク
ロスメンバの一端を溶接する如くし、リヤホイー
ルハウスにリヤフレーム、リヤクロスメンバを強
固、確実に接合し、継手効率の高い、強度、剛性
の高いものが得られる結合構造を提供するにあ
る。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は本考案に係る結合構造の斜視図を、第
２図は分解斜視図を、第３図は第２図矢視３方向
の斜視図である。

車両のリヤサイドパネル１の一部には車室内側
方に膨出する側面半円状のリヤホイールハウス２
が形成され、リヤホイールハウス２の前後方向中
間部には車室内側方に横断平面半円状にダンパハ
ウジング３が縦に形成される。

４はスチフナで、スチフナはチヤンネル状に成
形され、溝は左右方向を向いて所定長さを有し、
底片４ａ、これの両端から上方に折曲起立した起
立片４ｂ，４ｂと起立片４ｂ，４ｂの上端から各
外方に折曲された略水平なフランジ部（フランジ
片に相当）４ｃ，４ｃを備える。スチフナ４の先
端部の底片４ａ端にはダンパハウジング３の曲面
形状に倣つた凹欠５を設けるとともに、前後の起
立片４ｂ，４ｂの各先端部には各外方、即ち一方
が前方に、他方が後方に折曲した取付片（フラン
ジ片に相当）６を設け、取付片６，７の上端は既
述のフランジ部４ｃ，４ｃを同方向に折曲して連
続する如くし、且つ凹欠５の端部は下方に折曲垂
下５ａして取付片６，７と連続せしめ、取付片
６，７の強度アツプ及び溶接面積の増大を図つ
た。スチフナ４の長さ方向の中間部には溝を横断
する如く前後の起立片４ｂ，４ｂの一部を除去し
て前後に開口した係合切欠８，８を設け、この部
分は底片４ａで長さ方向に連続し、切欠８，８部
分の起立片４ｂ，４ｂの対向端部は各外方、即ち
一方は前方、他方が後方に各折曲して取付片（フ
ランジ片に相当）８ａ…を形成し、この切欠部８
では起立片４ｂ、フランジ部４ｃは不連続とな
る。以上の各部は一枚の鋼板素材で全一体にプレ
ス成形する。

かかるスチフナ４は先端部の凹欠５をダンパハ
ウジング３の彎曲せる外表面３ａに合せ、先端の
取付片６，７をリヤホイールハウス２の外表面２
ａの前後の部分に合せ、ダンパハウジング３の外
表面３ａに合さつた折曲垂下片５ａと取付片６，
７を各外表面２ａ，３ａに溶接し、この場合取付
片６，７及び折曲垂下片５ａで大きな溶接面積が
採れ、又取付片６，７，５ａに連なる部分はフラ
ンジ４ｃ付のチヤンネル状であるため、大きな強
度、剛性が得られることとなる。以上のスチフナ
４の欠部８，８に前後方向に配設されるリヤフレ
ーム９を通し、リヤフレーム９は断面チヤンネル
状で底片９ａ、左右の起立片９ｂ，９ｂ、起立片
９ｂ，９ｂ上端から各外方に折曲したフランジ部
９ｃ，９ｃを備え、これら各部は全一体的に一枚
の鋼板素材でプレス成形されることとなる。かか
るリヤフレーム９の係合切欠８への係合部の底片
９ａ、起立片９ｂ，９ｂ、フランジ部９ｃ，９ｃ
とスチフナ４の底片４ａ、取付片８ａ…及びフラ
ンジ部４ｃとを溶接し、かくしてリヤフレーム９
はスチフナ４に接合され、取付片、フランジ部、
底片で充分の溶接面積を採ることができる。更に
スチフナ４の自由端にリヤクロスメンバ１０の端
部を溶接し、クロスメンバ１０はリヤフレーム９
と同様にチヤンネル状をなして底片１０ａ、起立
片１０ｂ，１０ｂ、フランジ部１０ｃ，１０ｃを
備え、実施例ではスチフナ４の溝内にクロスメン
バ端部を嵌め込み、ラツプ部を溶接した。以上の
リヤフレーム９及びリヤクロスメンバ１０のフラ
ンジ部９ｃ，１０ｃを不図示のリヤフロアパネル
の下面に溶接し、車体後部を構成する。

以上で明らかな如く本考案によれば、スチフナ
溝型断面でリヤホイールハウスへの溶接面積を充
分に大きくとることができ、効率の良い、強度、
剛性に優れた結合がなされ、これに溝状の縦横の
リヤフレーム、リヤクロスメンバをその断面形状
の各部で溶接するようにしたため、これらメンバ
の結合は強固、確実になされ、強度、剛性の点で
優れた構造が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案に係る結合構造の斜視図、第２図は同分
解斜視図、第３図は第２図の矢視３方向の斜視
図、第４図は従来例の斜視図、第５図は分解斜視
図である。 尚図面中２はリヤホイールハウス、４はスチフ
ナ、５は切欠部、４ｂは起片部、４ｃはフランジ
部、９はリヤフレーム、１０はクロスメンバであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面チヤンネル状のスチフナの一端部をリヤホ
   イールハウスの表面形状に合せて切欠いて当接溶
   接し、該スチフナの中間部をスチフナの底片まで
   切欠いてリヤフレームに係合当接して溶接し、ス
   チフナの他端部をリヤクロスメンバの一端に溶接
   するとともに、スチフナの前記各溶接面にはフラ
   ンジ片を設けて上記各部材と溶接するようにした
   車両における車体後部の結合構造。