JPS6138531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ミシンの押え上げ装置に関する。

従来のソレノイドを用いた押え上げ装置は布押
え足を最下降位置と最上昇位置との間を上下動で
きるだけの構造となつているため縮み縫い時ある
いはコーナー縫い等のように布押え足をわずかに
上昇して行うような場合には適用できないという
欠点があつた。

また、ひざの力のみによる押え上げ装置におい
ては上述の欠点を解消することができるが、布押
え足を最上昇する場合にひざを大きく開かねばな
らず何回も布押え足を上昇させる作業者にとつて
疲労が増大し作業能率に悪影響を与えるという欠
点があつた。

この考案は、このような欠点を解消することを
できるミシンの押え上げ装置を提供することを目
的とする。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図において、１はミシンの機枠（図示せ
ず）に上下動可能に支持した押え棒、２は押え棒
１の下端に支持した布押え足で、押え棒１に巻装
したバネＳの弾性力により常にはベツド面（図示
せず）に押圧されている。３は機枠に回動可能に
支持した駆動腕で一端を押え棒１に固定した横杆
４の下面に係止してあり、他端には連結棒５が回
動可能に支持してある。

６は中間を機枠に回動可能に支持し、一端を前
記連結棒５に回動可能に支持した回動腕、７は回
動腕６の他端に上端を回動可能に支持し下端を垂
下した突き上げ棒である。

８は前記突き上げ棒７に対向する機枠に上下動
可能に支持した作動棒で、この作動棒８の上下動
は、突き上げ棒７、連結棒５、駆動腕３を介して
押え棒１に連動し布押え足２が上下動するように
なつている。

９は機枠に支持軸９Ａを中心に回動可能に支持
した作動腕でその水平部９ａの上面は作動棒８の
下端と接している。そして作動腕９の垂直部９ｂ
には機枠に固定したソレノイド１０のプランジヤ
ー１０Ａが遊嵌してあり、このソレノイド１０の
励磁によりプランジヤー１０Ａが右方向に引かれ
布押え足２を最上方に引き上げるようになつてい
る。１１は前記支持軸９Ａに回動可能に支持した
ひざ上げレバーで常にはバネ１１Ｓにより左方向
に位置している。そしてこのひざ上げレバー１１
は右方向の移動により支持軸９Ａの折曲部９ａと
係止するようになつている。１２はひざ上げレバ
ー１１に固定した接触子、１３は接触子１２の回
動経路に位置し、ソレノイド１０の励磁、非励磁
を行うスイツチで接触子１２が人力によつて所定
角度回動した後に接触子１２がスイツチ１３と接
触してソレノイド１０を励磁するようになつてい
る。

尚、接触子１２がスイツチ１３と接触するひざ
上げレバー１１の回動角度はスイツチ１３、接触
子１２の取付位置を調整することにより自由に設
定できる。

また、この実施例では有接触式のスイツチを用
いたが無接触式のスイツチを用いてもよい。

次にこの考案の作用を説明する。

ミシンの縫製中において縮み縫い等をする為に
布押え足１を少し上昇させるには、ミシン作業の
ひざの力による操作によつてひざ上げレバー１１
をわずかに右方向へ押圧するとひざ上げレバー１
１が折曲部９ａを押して支持軸９Ａを回動する。
このためひざ上げレバー１１の押圧回動に比例し
て駆動腕３がわずかに時計方向に回動しこれによ
つて押え棒１はバネＳの弾性力に抗してわずかに
上昇し、布押え足２もわずかに上昇する。尚、こ
の場合バネＳはばね圧が小さい状態であるため作
業者の労力は少ない。そして縫製終了後において
布を取り出す際に布押え足２を最上昇位置まで上
昇させる時には押え棒１をバネＳの大きなばね圧
に抗して上昇させねばならないが、この時には、
ソレノイド１０の力によつて上昇するので作業者
の労力は少なくできる。

すなわち、ひざ上げレバー１１を接触子１２が
スイツチ１３に接触する位置までさらに右方向に
移動すると、スイツチ１３がONしてソレノイド
１０が励磁する。このソレノイド１０の励磁によ
つて作動腕９が反時計方向に回動し、突き上げ棒
７、回動棒６、連結棒５及び駆動腕３を介して押
え棒１がスプリング７の弾性力に抗して最上昇し
て布押え足２を最上昇位置に移動する。

その後、ひざ上げレバー１１のひざによる押圧
操作を解除するとバネ１１Ｓの復元によつてひざ
上げレバー１１が左方向に移動して接触子１２が
スイツチ１３からはなれソレノイド１０が非励磁
となり押え足２はバネＳの復元力によつて下降す
る。

以上述べたように、この考案によれば布押え足
をわずかに上昇する際には入力によつて行い、布
押え足を最上昇位置まで上昇する際にはソレノイ
ドによつて行つているので布押え足の高さを微量
な高さと最上昇位置の二段階に調節することがで
き、縮み縫い等のような細い布の取り扱いにも対
応することができるという効果を奏すると共に布
押え足の高さが微量な高さに引き上げるときすな
わちスプリングの圧力が低い時には入力によつて
布押え足を上昇し、布押え足が最上昇位置に引き
上げるときすなわちスプリングの圧力が大きい時
にはソレノイドによつて布押え足を上昇している
ので作業者の労力が著しく減少するという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例の斜視図である。 ２……布押え足、８……作動棒、９Ａ……支持
軸、９……作動腕、１０……ソレノイド、１１…
…ひざ上げレバー、１３……スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミシンの機枠に上下動可能に支持され常にはベ
   ツド面を押圧する弾性力をもつ布押え足と、 布押え足と連動し布押え足を上下動するよう機
   枠に支持した作動棒と、 機枠に回動可能に支持した支持軸に固定し作動
   棒と連動する作動腕と、 一方向移動により支持軸と連動し逆方向移動に
   より支持軸に対し回動可能となるよう支持軸に支
   持したひざ上げレバーと、 励磁により布押え足を最上昇位置に上昇し、非
   励磁時にはひざ上げレバーに連動する作動腕の移
   動を許容するように作動腕に関連させたソレノイ
   ドと、 常にはソレノイドを非励磁としひざ上げレバー
   を一方向に所定角度回動することに関連してソレ
   ノイドを励磁するスイツチと、 よりなるミシンの押え上げ装置。