JPS6121017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はミシンの押え上げ装置に関する。

従来、この種のミシンの押え上げ装置は第１図
に示すようにミシンのテーブル下方に設けたオイ
ルパン１下面に固定した一個のソレノイド２を励
磁することにより回動腕３を回動しオイルパン１
に上下動可能に支持した押し棒４を押し上げ、こ
れにより布押え足を有する押え棒に連動する作動
棒５を押し上げて布押え足を上昇させている。

しかしながら、ソレノイド２が一個しか設けら
れておらずこのため布押え足は最上昇位置と最下
降位置間を上下動するだけであり、中間位置に保
持することができず、細い縫い動作に対応するこ
とがきないという欠点があつた。

この考案はこのような欠点を解消することので
きるミシンの押え上げ装置を提供することを目的
とする。以下この考案の一実施例を図面に基づい
て説明する。

第２図において６はミシン機枠に上下動可能に
支持した布押え棒で、上端と機枠との間には布押
え棒６を下方に押圧するスプリングＳが介在して
あり下端には被縫布を押圧する布押え足６Ａが取
り付けてある。

Ｐはミシンテーブル下方に配置したミシンの潤
滑油を溜めておくオイルパン、７はオイルパンＰ
に開口した軸孔Ｐ１内に上下動可能に支持した押
し棒で、上端には軸孔Ｐ１内に油が入るのを防止
する蓋体７Ａが固定されている。

８は機枠に回動可能に支持したＶ字腕、９は機
枠に固定したピン１０に嵌合する長孔１１を自由
端に有し、基端をＶ字腕８の一端に回動可能に支
持した引き上げ腕で、引き上げ腕９の自由端の突
部を９Ａは布押え棒６に嵌合固定した係止体６Ｂ
の下面に接触しており、引き上げ腕９の上動によ
つて布押え棒６も上動するようになつている。

１１は機枠に回動可能に支持した三又腕で、一
端の腕１１ＡとＶ字腕８の他端とは連結棒１２に
より連結してある。

１３は三又腕１１の他端の腕１１Ｃに基端を回
動可能に支持し自由端をミシンテーブル下方のオ
イルパンＰの上方に垂下した作動棒である。

そして前記Ｖ字腕８、引き上げ腕９、連結棒１
２、三又腕１１、作動棒１３により一端を布押え
棒６と連動し他端を押し棒７上面に接触して対向
配置した連結機構１４を構成している。

１５はオイルパンＰ下面に回動可能に支持した
ひざ上げ腕で、一端にはひざ当て部材１６が固定
され他端は押し棒７下端と接触している。

１７はひざ上げ腕１５にプランジヤ１７Ａを連
結した第１ソレノイドで、励磁によりひざ上げ腕
１５が反時計方向に回動し押し棒７及び連結機構
１４を介して布押え棒６を最上昇位置まで引き上
げる。

１８は連結機構１４の三又腕１１の中間腕１１
Ｂ下方にプランジヤー１８Ａを接触したロータリ
ー式の第２ソレノイドで、励磁により三又腕１１
が反時計方向に回動し連結機構１４を介して布押
え棒６を最上昇位置と最下降位置との中間位置に
保持するように駆動する。

１９はひざ当て部材１６上に固定し、押圧操作
により第１ソレノイド１７の励磁、非励磁の制御
を行なう第１スイツチ、２０は第１スイツチ１９
上に固定し押圧操作により第２ソレノイド１７の
励磁、非励磁の制御を行なう第２スイツチであ
る。

このため、前記第１スイツチ１９は前記第２ス
イツチ２０を介しての押圧操作のみにより第１ソ
レノイド１７の制御を行うことができるようにな
つている。

次に、この考案の作用を説明する。

ひざ当て部材１６にひざ当て矢印方向に押圧す
るとひざの押圧作用によりまず第２スイツチ２０
がONし、これにより第２ソレノイド１８が励磁
して三又腕１１を反時計方向に回動する。三又腕
１１の反時計方向の回動により連結棒１２が第２
図中右方に移動してＶ字腕８を時計方向に回動し
て引き上げ腕９を上方に引き上げこれにより布押
え棒６及び布押え足６Ａを最上昇位置と最下降位
置との中間位置に保持する。

そして、更に第２スイツチ２０を押圧すると第
２スイツチ２０を介して第１スイツチ１９がON
しこれにより第１ソレノイド１７が励磁してひざ
上げ腕１５が反時計方向に回動し作動棒１３を押
し上げ三又腕１１を反時計方向に回動する。三又
腕１１の反時計方向の回動により連結棒１２が第
２図中右方に移動してＶ字腕８を時計方向に回動
して引き上げ腕９を上方に引き上げこれにより布
押え棒６及び布押え足６Ａをさらに上昇させ最上
昇位置に保持する。

また、ひざの押圧が解除された時には第１スイ
ツチ１９第２スイツチ２０が順次とOFFしこれ
によつて第１ソレノイド１７、第２ソレノイド１
８が非励磁となり各機構がスプリングＳの作用力
により上述と反対方向に作用して布押え足５Ａは
下降し最下降位置となる。

また、第１、第２ソレノイド１７，１８が故障
したり、電源がOFF状態のときにはひざ当て部
材１６を強く矢印方向に回動するとひざ上げ腕１
５が反時計方向に回動して押し棒７下端を押し上
げる。すると作動棒１３も上昇して三又腕１１を
反時計方向に回動しこれによつて連結棒１２を介
してＶ字腕８を時計方向に回動して引き上げ腕９
を上昇させ布押え棒６をスプリングＳに抗して上
方に引き上げ布押え足６Ａを上する。

また、ひざの押圧が解除された時には各機構が
上述と反対方向に作用して元の状態に戻り布押え
足６Ａが下降する。

以上述べたようにこの考案によれば布押え棒に
連動し布押え棒を最上昇位置に保持する第１ソレ
ノイドと布押え棒を最下降位置と最上昇位置との
間に保持する第２ソレノイドと押圧操作により第
２ソレノイドを制御する第２スイツチと第２スイ
ツチを介しての押圧操作により第１ソレノイドを
制御する第１スイツチを備えているので、、ひざ
の押圧操作により布押え足を最下降位置と最上昇
位置との間の中間位置及び最上昇位置の二段階に
順次と切り換えることができ特に縫製途中で布押
え足を若干浮き上がらして布押え圧を軽減するこ
とができ細かい布の操作ができ美麗な縫目を形成
することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の押え上げ装置の要部断面図、第
２図はこの考案の押え上げ装置の斜視図である。 ６……布押え棒、１７……第１ソレノイド、１
８……第２ソレノイド、１９……第１スイツチ、
２０……第２スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミシンの機枠に上下動可能に支持し、被縫布を
   押圧する布押え足を下端に有し、常にはスプリン
   グの弾性力により、下降位置にある布押え棒６
   と、 ミシンのオイルパンに上下動可能に支持した押
   し棒と、 一端を布押え棒６と連動し、他端を押し棒上面
   に当接した連結機構１４と、 連結機構１４に係合し、連結機構を介して布押
   え棒６を最下降位置と最上昇位置との間に保持す
   るように作用する第２ソレノイドと、 押し棒７に係合し、押し棒７及び連結機構を介
   して布押え棒を最上昇位置に保持するように作用
   する第１ソレノイドと、 押圧操作により第２ソレノイドを制御する第２
   スイツチと、第２スイツチを介しての押圧操作に
   より第１ソレノイドを制御する第１スイツチとよ
   りなるミシンの押え上げ装置。