JPS6320153B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ミシンの押え金の布押え圧調節機
構に関するものである。

〔従来の技術〕 従来のミシン、例えば工業用本縫ミシンの押え
金上昇装置にあつては、一例の断面図を第２図に
示すように、押えばね１により針板２に対して押
付けられた押え金３は、ひざ当て部材５に埋込ま
れたひざ作動スイツチ６により付勢されるソレノ
イド４により、ひざ上げレバー７、油溜め８に配
設された押え杆９、棒１０、レバー１１，１３、
連結杆１２を介して押え棒１４に固定された係止
杆１５を引上げて、押え金３を針板２に対して上
昇させるように構成されていた。

しかしながら、上記のような従来装置において
は、作業者が押え金３を上昇させる操作力は、ソ
レノイド４により軽減されるが、押え金３の定置
位置は針板２に接触する最下降位置と、ソレノイ
ド４の衝程により決定される針板上の最上昇位置
との２位置しかとることができないため、例えば
被縫製布が厚い場合や、布の位置決め、操作を容
易にするために押え金を適切な中間位置に上昇さ
せることができないという欠点があつた。

以上のような欠点を解消するために例えば
PCT出願番号／JP84／00140「ミシンの押え金上
昇装置」が提案されている。第３図にこの提案例
の要部断面図を示す。構成の詳細は上記引用文献
に示されているので重複説明は省略するが、この
装置は、ミシンフレーム１０３に軸受１０４で摺
動支持された押え棒１０２下端の押え金１００を
針板１０１に向つて付勢するばね手段１１２のば
ね力を軽減する加圧力軽減機構２００と、押え金
１００を持上げる押え金駆動機構３００と、作業
者が操作する操作機構４００とを備え、ばね手段
１０２は、押えばね１０５と補助ばね１０６とよ
り成つている。

作用の概要を説明すると、作業者がひざを、ひ
ざ当て部材４０６に当てて僅かに右方に押すと操
作レバー４０１が、ねじりコイルばね４０５に抗
して若干回転し、リミツトスイツチ４０２も反時
計方向に回動してオイルパン３０５の下面から離
れて接点を閉じることにより駆動手段としてのロ
ータリソレノイド２０４を付勢して矢印方向に回
動させ、駆動腕２０３、連結杆２０８、ベルクラ
ンク２０７、上昇杆２０６を介して、アーム２１
０が溝形部材２０５の上部アーム２０５ａを上昇
させ、押えばね１０５をその弾性力に抗して環状
板１１０と共に上方に持げて押えばね１０５を圧
縮させる。このため押えばね１０５の弾性力は押
え棒１０２に作用しなくなり、補助ばね１０６の
力のみが押え棒１０２に作用するようになる。

さらに、操作レバー４０１を反時計方向に回動
させると、押え杆３０６が上方に移動し、連結杆
３０８、ベルクランク３０４、連結杆３０７、ベ
ルクランク３０３、押え棒上昇杆３０２を介して
アーム３１０により横杆３０１を補助ばね１０６
のばね力に抗して上昇させ、押え棒１０２、従つ
て押え金１００を上昇させる。

以上のように、押え金１００の上昇は、比較的
弱い補助ばね１０６に抗するのみであるためひざ
による操作力は小さくてすむので、ひざの力によ
り押え金１００を任意の高さに上昇させて比較的
安定に保持することができるようになつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、以上のような引用例にあつて
は、上記のような効果は得られるが、前記補助ば
ね１０６の機能は元来、押え上げ操作力を軽減
し、また被縫製布の位置決め操作等を容易にする
ために押え圧を減小させるためのものであつて、
ばね定数は一定で、できるだけ小さく選定され、
かつ、押えばねの調節機構と連動しているため、
正規の縫い送りが可能な程度の押え圧をかけるこ
とができなかつた。

このため、この発明においては、補助ばね圧を
外部から簡単に調節できるようにして、前記引用
例の特徴を保持したまま、第２の押え圧を提供し
て、例えばカーブ縫いや、ニツト等の柔らかい素
材の段部を縫う場合に、この段部を手で補助して
送りやすくすることのできるようにすることを目
的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、この発明においては、補助ばねを、
押えばね調節部材の軸心線を貫通して螺設した補
助ばね調節ねじによつて外部から調節可能なよう
に構成したものである。

〔実施例〕

以下にこの発明を実施例に基づいて説明する。
第１図は、この発明による布押え圧調節機構の一
実施例の要部断面図で、前記引用例第３図と対応
させるため、第３図と同一または相当構成要素は
同一符号を用いて示し、重複説明は省略する。

押え金１００をその下部に有する押え棒１０２
は、第３図と同様にミシンフレーム１０３に軸受
１０４により摺動自在に支持され、押えばね１０
５と補助ばね１０６とより成るばね手段１１２に
より、下方に針板１０１に向つて付勢されてい
る。押えばね１０５は、環状板１１０上に支持さ
れ、フレーム１０３に螺設された調節ねじ部材１
０９によつて弾性力を調節することができる。補
助ばね１０６は押え棒１０２の横杆３０１上の凹
穴中に配設され、ボールＢを介して前記調節ねじ
部材１０９の軸心を貫通して螺設された補助ばね
調節ねじＳによつて弾性力を調節することができ
るように構成してある。Ｎはロツクナツトであ
る。補助ばね１０６のばね定数は、上記調節ねじ
Ｓにより、前記引用例における押え上げ操作力の
軽減目的から、第２押え圧に適するまでの所望範
囲に調節可能な数値を選定してある。

以上のように、この実施例の構成は、上記補助
ばねの調節機構を除いては、前述引用例（第３
図）と基本的に同様であり、その作用も全く同様
のため重複説明は省略するが、補助ばね１０６を
所望の範囲に作業者が外部から簡単に調節できる
ため、既述の所期目的を達成することができる。

〔発明の効果〕

以上説明してきたように、この発明によれば、
補助ばねを単独に外部から調節可能に構成したた
め、押え金上昇の操作力を軽減し得ると共に、所
望範囲の第２押え圧を提供することによつて、厚
布、柔い被縫製物の段部、あるいはカーブ縫い等
の諸工程作業を極めて容易にすることが可能とな
つた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明による布押え圧調節機構の
一実施例の要部断面図、第２図は、従来の工業用
本縫いミシンの押え金上昇装置の一例の断面図、
第３図は、従来の改良提案例の押え金上昇装置の
断面図である。 １００……押え金、１０１……針板、１０２…
…押え棒、１０３……ミシンフレーム、１０５…
…押えばね、１０６……補助ばね、１０９……調
節ねじ部材、１１２……ばね手段、Ｓ……補助ば
ね調節ねじ、Ｎ……ロツクナツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ミシン機枠に設けた調節ねじ部材１０９と、 調節ねじ部材１０９に上下動可能にねじ込んだ
   補助ばね調節ねじＳと、ミシン機枠に上下動可能
   に支持し、下端に押え金１００を設けた押え棒１
   ０２と、 押え棒１０２と前記補助ばね調節ねじＳとの間
   に介在し押え棒１０２を下方に押圧するように作
   用する補助ばね１０６と、 前記調節ねじ部材１０９と押え棒１０２との間
   に介在し押え棒１０２を下方に押圧するように作
   用する押えばね１０５と、 ミシン機枠に移動可能に設けられ押え棒と係合
   するアーム３１０と、前記アームに連結した操作
   レバー４０１と、 ミシン機枠に移動可能に設けられ押えばね１０
   ５と係合する上昇杆２０６と、 ミシン機枠に設け、上昇杆に連動した駆動手段
   と、 操作レバーの所定量の移動に関連して、前記駆
   動手段を作動させるスイツチ４０２とよりなるミ
   シンの布押え圧調節機構。