JPS6017549B2 - ミシンの布押え装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はミシンの布押え装置、特に縫製布を挟持した布
押えを予め設定した方向に一定量移動させながら縫製を
行う装置の改良に関するものである。

一般にミシンには縫製布を保持して縫製を行うために布
押え装置が設けられており、縫製布を挟持した布押えを
予め設定した方向に一定量移動させながら縫製を行うミ
シンの布押え装置としては、押え台先端に設けられた布
押えが常時ばねで下方向に押圧付勢され布押えを上昇さ
せる場合にはカム等によりばねの付勢力に抗して上昇さ
せる装置が周知である。

しかしながら、従来の布押え装置は押え台先端に設けら
れた布押えはばねにより常時数ｋ９の強い押圧力で下方
向に押圧付勢されているため、布押えの押圧力を調整す
ることができないという欠点があった。

また、従釆の布押え装置は布押えのばねに対する抗力が
剛性の低い押え台にて受けられていたので、布押えを上
昇あるいは下降させる場合に押え台に榛みが生じ、布押
えの縫製布に対する良好な密着性が得られないという欠
点があった。

本発明は前述した従来の議題に鑑み為されたものであり
、その目的は布押えの押圧付勢力を調整することができ
、また布押えの縫製布に対する密着性を良好にすること
ができるミシンの布押え装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明は縫製布を挟持した
布保持装置をベッド面に平行に移動させて縫製を行うミ
シンにおいて、ベッド面に平行して２藤方向に移動でき
るようにベッド面上に設けられる押え台と、押え台先端
に上下方向に摺動自在に取り付けられ縫製布を侠持する
布押えと、押え台に取り付けられ前記布押えを上下方向
に摺動する押えアームと、ミシンアームに上下方向に移
動自在に取り付けられ、下端に押え台の移動平面と対応
した広さの摺動部を有する押え体と、押え台に上下方向
移動自在に貫通され下端が前記押えアームに係合し上端
が前記押え体の摺動部を沼勤する押え軸と、前記押え体
を下方向に向けて押圧付勢することにより前記布押えを
ベッド面に向けて押圧付勢する布押え駆動機構と、押え
台に設けられ常時布押えを上方向に付勢する弾性体と、
を備え、前記押え軸にはその軸方向の長さを変化させる
ための調節軸が係合され布押えの押圧付勢力を調節する
ことを特徴とする。

以下図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明する。

第１図には本発明にかかるミシンの布押え装置の好適な
実施例が示されており、図においてミシンアーム１川こ
上下方向に移動自在に取り付けられた針１２を有する針
棒１４を上下方向に駆動すると共に、縫製布を侠持して
ベッド面１６上を水平方向に移動させることにより所定
の縫製が行われる。この縫製布を球持するための手段と
してベッド面１６上には布保持装置１８が設けられ、布
保持装置１８は以下のように構成されている。すなわち
ベッド面１６上にはベッド面１６に平行移動できるよう
に押え台２０が配置され、押え台２０の先端には縫製布
をベッド面１６に向けて押圧するために布押え２２が上
下方向に摺動自在に取り付けられている。この布押え２
２を上下方向に駆動するために押え台２０１こ固定され
た軸２４には押えアーム２５，２６が回転自在に取り付
けられており、この押えアーム２５，２６はばね２７に
より常時上方向に付勢されている。尚、押え台２０の下
部には前記布押え２２と協働して縫製布を侠持する布押
え下板２８が固定ねじ２９にて固定されている。上記布
保持装置１８における布押え２２を縫製作業中に縫製布
に向けて押圧付勢するために、ミシンアーム１０には布
押え押圧機構３０が設けられており、該機構３０は以下
のように構成されている。

ミシンアーム１０に取り付けられたソレノィド取付板３
２には後述する布押え２２をベッド面１６に向けて押圧
付勢するためにソレノイド２４が固定され、該ソレノィ
ド２４はプランジヤ部３４とプランジャ部３４の一端に
ピン３６にて回動自在に枢着されるリンク３８とから構
成されている。

リンク３８の一端はピン４０によりレバー４２の一端が
回動自在に枢着され、上記レバー４２はミシンアーム１
０‘こ固定された軸４４に回転自在に枢着されており、
その回動により後述する押え体４６は上下方向の運動を
行う。

ミシンアーム１０下部の軸受部１０ａには前記押え体４
６の藤部４６ａが上下方向移動自在に設けられ、該欧部
４６ａの一端はピン４８にて前記レバー４２の一端に回
動自在に枢着されている。

尚、ミシンアーム１０の下部には回り止めピン５０がね
じ固定され、その回り止めピン５０の先端は押え体４６
が上下方向に移動できるように押え体４６の摺動部４６
ｂに貫入されており、該回り止めピン５０は押え体４６
が鞄部４６ａを軸として回動しないように押え体４６を
係止している。一方、押え台２０の中央部には前記押え
体４６の上下方向の動きを押えアーム２５，２６に伝達
するために、押え軸５２が上下方向移動自在に貫通され
ている。そして、この押え軸５２の上部には前記押え体
４６の摺敷部４６ｂに摺動して押え台２川こ水平方向の
動きを与えるために座金５４が固着されており、この座
金５４は摺動部４６ｂとの摩擦抵抗を少くするために、
テフロン、含油合金等の自己潤滑性の材料で作られるこ
とが好適である。また、押え軸５２の下部には一端にね
じ部５６を有する調節軸５８が貫入されており、該ねじ
部５６にねじ結合するナット６０の結合位置を変化させ
ることにより、押え軸５２及びこれに連なる調節軸５８
の軸方向の長さを調節することができる。

上述したように押え軸５２及びこれに連なる調節軸５８
の鞠方向の長さを変えられるようにしたことが本発明に
おける特徴である。一方、調節軸５８の下端には係合部
６２，６４を有する押え板６６をピン６８にて回転自在
に取り付けられており、該係合部６２，６４に押えアー
ム２５，２６が係合することにより、押えアーム２５，
２６の駆動が布押え２２に伝達される。

このように、本発明においては布押え２２が２本の押え
アーム２５，２６にて駆動されるように構成したので、
布押え２２の縫製布に対する密着性を良好に保つことが
できる。上述した布押え２２を有する布保持装置１８を
×軸及びＹ軸方向に移動させるために、ベッド７０内に
はＸ軸布送り装置７２、ミシンアーム１０内にはＹ軸布
送り装置７４が設けられており、各布送り装置７２，７
４は以下のように構成されている。

すなわち、第３図で示されるようにミシンアーム１０‘
こ固定された×軸駆動用パルスモータ７６にはカップリ
ング７８を介してプーリー８０が連結されており、該プ
ーリー８０と一定の間隔をおいて併設されたプーリー８
２と前記プーリー８０とには歯形ベルト８４が架けられ
ている。

そして歯形ベルト８４上には前述した布押え２２を有す
る布保持装置１８を×軸方向に移動させるために×軸レ
ール部８６が設けられている。この×離しール部８６は
ベッド７川こ固定ねじ８８にて固定されるＸ軸固定レー
ル９０と、第４図で示されるようにＸ軸固定レール９０
のＶ形溝９０ａに設けられたりテーナ９２に転動自在に
保持された球体９３を介して取り付けられた前記歯形ベ
ルト８４上に固定金具９２で固定されて×轍方向に移動
可能な移動板９４と、から構成されている。一方、Ｙ軸
布送り装置７４は以下のように構成されている。

すなわち、前記×軸駆動用パルスモータ７６と直交して
ミシンアーム１０１こ固定されたＹ軸駆動用パルスモー
夕９６には、カップリング９８を介してプーリー１００
が連結されており、該プーリー１００と一定の間隔をお
いて併設されたプーリー１０２と前記プーリー１００と
には歯形ベルト１０４が架けられている。

そして歯形ベルト１０４の下部には固定金具１０６にて
ベルト台１０８が固定されており、このベルト台１０８
には固定ねじ１１０１こて伝達軸１１２が固定されてい
る。伝達軸１１２の先端には軸受１１４に固定された軸
１１６が×軸方向に移動可能に取り付けられ、軸受１１
４には押え台２０が固定されている。また前記Ｘ軸レー
ル部８６の上部には該レール部８６と直交してＹ軸レー
ル部１１８が設けられ、鼓しール部１１８は×軸レール
部８６の移動板９４に直交して固定ねじ１２０にて固定
されるＹ髄固定レール１２２と、Ｙ軸固定レール１２２
のＶ形溝１２２ａに設けられたりテーナ９２に転動自在
に保持された球体９３を介して取り付けられる移動板１
２４と、から構成されている。Ｙ軸レール部１１８の移
動板１２４上には前記布押え２２を有する布保持装置１
８が固定ねじ２９にて固定されており、布保持装贋１８
は上述した×軸、Ｙ軸布送り装置７２，７．４により各
軸方向に移動され、針１２を有し上下方向に移動自在に
ミシンアーム１０１こ固定される針棒１４と協働して縫
製物の縫製が行われる。

本発明にかかるミシンの布押え装置は以上の構成から成
り、以下にその作用を説明する。

縫製作業を開始する際には、まず縫製布を布押え２２の
下方に配置してからソレノィド２４をばね２７の付勢力
に抗して吸着操作することにより、押え体４６はしバー
４２にて下方向に押圧されるので押えアーム２５，２６
は軸２４を支点として下方向に回動される。

従って布押え２２は押えアーム２５，２６の回動により
下方向に押圧されるので、縫製布は布押え２２と下押え
２８とにより挟持される。この場合、前述したように布
押え２２は２本の押えアーム２５，２６にて下方向に押
圧されているので、布押え２２の縫製布に対する密着性
を良好に保つことができる。布押え２２の押圧力は前述
したように押え軸５２及びこれに連なる調節軸５８の軸
方向の長さを変えることにより容易に調節することがで
き、例えばナット６０を調節軸５８のねじ部５６の先端
にねじ結合すれば軸万向の長さが長くなり、布押え２２
の押圧力を増加させることができる。

また、布押え２２の押圧力の調整はソレノィド２４に通
電する電流値を加減してその吸引力を変化させることに
よっても調整することができ、更にソレノィド取付板３
２の取付位置を変化させ、ソレノィド２４のプランジャ
部３４とソレノィド２４の底部２４ａとの間隙を変化さ
せることによっても調節することができる。次に×軸、
Ｙ軸布送り装置７２，７４により、図示していない記憶
素子に記憶された駆動情報に応じて布保持装置１８を各
軸方向に移動させると共に、針１２を有する針棒１４を
上下方向に駆動させることにより縫製布の縫製が行われ
る。

このように布保持装置１８を×鞠Ｙ軸方向に移動させる
場合、押え体４６の摺動部４６ｂに摺動する座金５４が
自己潤滑性の材料で作られているので、その移動をスム
ーズに行うことができる。縫製終了後にはソレノィド２
４への通電を停止してソレノィド２４の吸着作用を解除
することにより、押えアーム２５，２６はばね２７の付
勢力にて上方向に回動されるので、布押え２４は上方向
に押し上げられて縫製布を取り出すことができる。

このように布押えを上方に押し上げる際にはソレノィド
への通電を停止するだけでよいので、操作が簡単であり
、また布押えを押し上げるための別のソレノィドを設け
る必要がないので消費電力の節減を図ることができる。
以上のように本発明によれば、押え軸の藤方向の長さを
変えることにより布押えの押圧力の調節を容易に行うこ
とができる。

また布押えは押え棒下部に設けられた押え板に係合する
２本の押えアームにより駆動されるので縫製布に対する
布押えの密着性を良好に保つことができる。

更に押え体の摺動部に摺動する押え軸上部に固定された
座金は自己潤滑性の材料で作られているので、布保持装
魔の水平方向への駆動をスムーズに行うことができる。

図面の簡単な説明第１図は本発明にかかるミシンの布押
え装置の好適な実施例を示す一部切欠説駅図、第２図は
本発明にかかるミシンの布押え菱層の要部構成図、第３
図は本発明にかかるミシンの布押え袋直におけるＸ軸Ｙ
軸布送り菱魔の構成図、第４図は第３図に示す×軸Ｙ軸
布送り装直における固定レールに設けられた球体を有す
るリテーナの外観図である。

各図中同一部材には同一符号を付して、１０はミシンア
ーム、１６はベッド面、１８は布保持装贋、２０は押え
台、２２は布押え、２４はソレノィド、２５，２６は押
えアーム、２７はばね、３０は布押え押圧機構、４６は
押え体、４６ｂは押え体の摺動部、５２は押え軸、５４
は座金、５８は調節軸、６２，６４は押え板の係合部、
６６は押え板である。籍１図 繁２凶 繁３図 繁４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 縫製布を挾持した布保持装置をベツド面に平行に移
   動させて縫製を行うミシンにおいて、ベツド面に平行し
   て２軸方向に移動できるようにベツド面上に設けられる
   押え台と、押え台先端に上下方向に摺動自在に取り付け
   られ縫製布を挾持する布押えと、押え台に取り付けられ
   前記布押えを上下方向に摺動する押えアームと、ミシン
   アームに上下方向に移動自在に取り付けられ、下端に押
   え台の移動平面と対応した広さの摺動部を有する押え体
   と、押え台に上下方向移動自在に貫通され下端が前記押
   えアームに係合し上端が前記押え体の摺動部を摺動する
   押え軸と、前記押え体を下方向に向けて押圧付勢するこ
   とにより前記布押えをベツド面に向けて押圧付勢する布
   押え駆動機構と、押え台に設けられ常時布押えを上方向
   に付勢する弾性体と、を備え、前記押え軸にはその軸方
   向の長さを変化させるための調節軸が係合され布押えの
   押圧付勢力を調節することを特徴とするミシンの布押え
   装置。