JPS6138463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、収穫した袋付き果梗付きの果実を、
それの果梗部を切断して、被せてある袋を取り除
く、果実の果梗切り除袋装置についての改良に関
するものである。

果実の果梗切り除袋装置は、コンベアに設けた
果実受部に、収穫した袋付き果梗付きの果実をそ
れの果梗部が下面側に突出する状態に載架して搬
送し、果実受部の下面側に設けた果梗部切截装置
で果梗部を切断した後、その果梗部の切断により
開口した状態となつた袋の口元部に、果実受部の
移動軌跡の下面側に設けた圧風噴出装置で圧風を
吹上げて袋を果実から引き剥すことで袋を果実か
ら取り除くようにしている。この手段には、果実
から剥離せしめた袋を、コンベアの搬送行程の外
に回収除去するのが面倒である問題がある。

そこで、本考案は、果実から袋を引き剥すよう
下方から吹上げる圧風噴出装置の圧風を効果的に
利用し、簡単な構造で、果実から剥離せしめた袋
をコンベアの側方に誘導除去し得るようにして、
上述の問題を解消し得るようにすることを目的と
するものである。

そして、この目的を達成するための本考案によ
る果実の果梗切り除袋装置は、コンベアに、収穫
した袋付き果梗付きの果実をそれの果梗部が下面
側に突出する状態に支承する果実受部を具備せし
め、その果実受部の移動軌跡の下面側に、果実受
部から下方に突出する果実の果梗部を切截する果
梗部切截装置と、該果梗部切截装置で果梗部が切
截された果実に対し圧風を吹き上げる圧風噴出装
置とを配設した果実の果梗切り除袋装置におい
て、果実受部の移動軌跡の上面側で前記圧風噴出
装置の上方位置に、その圧風噴出装置から吹上る
圧風及び剥離した袋をコンベアの一側方向に誘導
するよう傾斜する導風カバーを設けるとともに、
その導風カバー内に前記一側方向に向け圧風を吹
出す圧風噴出装置を装設したことを特長とするも
のである。

次に実施例を図面に従い説明する。

第１図において、１は果実の果梗切り除袋装置
Ａの機枠で、前後方向（第１図で左右方向）に長
く形成してある。

ａは前記機枠１に、搬送行程が該機枠１の前端
部から後端部に渡るよう前後方向に長く装架した
コンベアで、多数の果実受部２…を具備する。該
コンベアａは、機枠１の左右両側部に、スプロケ
ツト１０…によりエンドレスに回動するよう張架
せるチエン１１を、左右に一対に対向するよう
夫々装設し、その左右に一対のチエン１１，１１
間に多数の果実受部２…を渡架することで形成し
てあり、機枠１の後端側（第１図で右端側）に位
置するスプロケツト１０の軸に設けた伝導輪１２
を、モーターＭの出力軸と伝導する減速機構１３
の出力軸に設けた伝導輪１４と伝導して駆動する
ことにより、第１図において矢印イ方向に回動す
る。また、前記果実受部２は、左右のチエン１
１，１１間に渡架連結した搬送プレート２０の上
面に、軟質ポリウレタン等の弾褥材２１を貼着し
て形成してあり、果実Ｂを受ける受け座２ａの中
心部位には、果実Ｂの果梗部を該果実受部２の下
面側に突出せしめる透孔２２が設けてある。そし
て、受け座２ａは一つの果実受部２に左右に２連
に並設してある。

コンベアａの果実受部２…に対する果実Ｂの載
架は、コンベアａの搬送行程の始端部（第１図で
右端部）において、作業員が袋Ｃ付き果梗ｂ付き
の果実Ｂを、手で持ち果実受部２の受け座２ａに
果梗部が透孔２２を介し下方に突出する状態とし
てセツトしていくことで行なわれる。

３は果実受部２にセツトされて搬送されていく
果実Ｂの果梗部を切截する果梗部切截装置で、こ
の実施例においては、果実受部２の透孔２２から
下方に突出する果実Ｂの果梗部を、平面視におい
て前記果実受部２の透孔２２の中心点の移動軌跡
に揃う位置に修正するために左右に対向する一対
の修正ベルトで形成される左右方向の果梗位置修
正装置ｅと、該果梗位置修正装置ｅで位置が修正
された果梗部を左右に対向する挾持片よりなるチ
ヤツクでつかんで下方に引張り勝手に搬送する果
梗部つかみ装置ｆと、該果梗部つかみ装置ｆで搬
送される果梗部に対し果梗ｂを残して袋Ｃの口元
部ｃにだけ作用するよう左右に一対のカツターよ
りなる袋の口元部切截装置ｇと、袋Ｃの口元部ｃ
が切断除去されて露出した果梗ｂに対し前後から
挾持するように作用してその果梗ｂの姿勢を側面
視で垂直な姿勢に修正する前後方向の果梗位置修
正装置ｈと、該装置ｈで修正した果梗ｂを左右か
ら挾持して搬送する果梗挾持搬送装置ｉと、該装
置ｉで搬送される果梗ｂに作用する果梗切截装置
ｊとで、袋Ｃの口元部ｃと果梗ｂとを別々に切截
する形態に構成してある。

４は前記果梗部切截装置３で果梗部が切断され
ることにより口元部ｃが開口した袋Ｃに対し、果
実受部２の下面側から圧風を吹上るよう配設した
圧風噴出装置で、コンプレツサーｐとそれに通ず
る送気パイプ４０と該パイプ４０に接続するノズ
ル４１とそのノズル４１からの圧風の噴出を制御
するよう前記送気パイプ４０の途中に設けた制御
弁４２とからなり、それのノズル４１は、前述の
果梗部切截装置３で切断されて袋Ｃの口元部ｃが
開口した状態となつて果実受部２の下面側に露出
して移動してくる果実Ｂの果梗部の移動軌跡の直
下位置に臨むよう配設してあり、それのノズル４
１からの圧風の噴出は、前記果実受部２に載置さ
れた果実Ｂの果梗部が、果実受部２の移動により
該ノズル４１の直上に位置したタイミングに作動
するスイツチＳにより前述の制御弁４２が開放作
動することで行なわれる。

５は、前記圧風噴出装置４が圧風を噴出する状
態時に、果実受部２の上面に載置されている果実
Ｂを果実受部２の上面から浮上がらせるように配
設した果実押上げ装置で、果実受部２の透孔２２
の中心点の移動軌跡の下方に、平面視でその移動
軌跡に沿いエンドレスにチエン５０を張架してコ
ンベアａと同調した速度で回動するよう駆動し、
そのチエン５０のリンクプレートに設けたラグ片
５１に一体に止着せる取付金５２に、平面視にお
いて前記移動軌跡に沿つてチエン５０の回動軌跡
の外周方向に突出する支柱５３を植設して、その
支柱５３に外端側に押上部５４を具備する押上ア
ーム５５を摺動自在に嵌装し、その押上アーム５
５に一体に連結した規制杆５６と前記取付金５２
との間に該押上アーム５５をチエン５０側（第３
図において下方）に引き下げるバネ５７を作用さ
せるとともに、該規制杆５６の外端部に設けたコ
ロ５８を、チエン５０の回動軌跡の側方に配設し
たガイドレール５９の規制面５９ａ上に衝合せし
め、そのコロ５８が規制面５９ａに設けた隆起部
５９ｂに乗り上ることで前記バネ５７の付勢に抗
して果実受部２側に向け突出して、外端の押上部
５４で果実受部２に載置されている果実Ｂの果梗
部を押上げ、果実Ｂを果実受部２から第３図及び
第４図の中央に示している如く僅かに浮き上らせ
るようにしてある。そして、前述の圧風噴出装置
４のノズル４１は、この果実押上げ装置５の押上
アーム５５が、前記ガイドレール５９の規制面５
９ａに設けた隆起部５９ｂによつて押上げ作動を
行なう位置の両側に配設してある。また、圧風噴
出装置４の圧風噴出を制御する制御弁４２のスイ
ツチＳは、ガイドレール５９の前記隆起部５９ｂ
が形設してある部位の側方に、前記規制杆５６と
衝合して作動するように配設してある。

なお、押上部５４の上面側には、短く切断され
た状態の果梗ｂを受入れる凹み５４ａが形成して
ある。

６はコンベアａの果実受部２の移動軌跡の上面
側で、前記第３図に示している如く、前述の圧風
噴出装置４の上方となる位置に配設した導風カバ
ーで、前記圧風噴出装置４のノズル４１から吹上
がる圧風及びその圧風により果実Ｂから剥離され
て吹上る袋Ｃを、コンベアａの搬送行程の左右の
一側方向に誘導するように、その一側方向に傾斜
彎曲せしめて形成してある。そして該導風カバー
６は、この実施例においては、果実受部２に果実
Ｂを載置せしめる受け座２ａが左右に２連に並列
して形成してあり、また、果実受部２の移動軌跡
の下方に配設せる圧風噴出装置４が、この２連に
設けた受け座２ａ，２ａの夫々に対応するよう２
連に並列せしめて配設してあることから、果実受
部２の上面側に、その果実受部２の左右の中心を
通る垂直な線を対称軸として、左右に対称するよ
う２連に装設してあり、その夫々の導風カバー６
の誘導方向は、左右において正逆になつている。
また、夫々の導風カバー６は、第４図に示してい
る如く、果実受部２…の移動方向（コンベアａの
搬送方向）の前後の両端部に、夫々果実受部２…
の移動軌跡の上面に向けて垂下する隔壁６０を具
備している。

７は前記カバー６の内腔に対し、その導風カバ
ー６の誘導方向に向けて圧風を噴出さすよう装設
せる圧風噴出装置で、前述のコンプレツサーｐに
通ずる送気パイプ７０と、その送気パイプ７０に
接続せる送風ノズル７１とよりなり、その送風ノ
ズル７１は、第３図に示している如く、コンベア
ａの側方に傾斜する導風カバー６の裏面側に配設
して、それの噴出口７２を導風カバー６に設けた
透孔６１を介し導風カバー６内腔にのぞかせ、噴
出口７２から導風カバー６の誘導方向に圧風を吹
出すようにしてある。なお、この圧風噴出装置７
の送風ノズル７１よりの圧風の吹出しは、連続し
て一定の風を吹出すようになつているが、前述し
た除袋用の圧風噴出装置４を制御する制御弁４２
の作動に連動させて、圧風の吹出しを制御するよ
うにする場合がある。

次に作用効果について説明すると、本考案によ
る果実の果梗切り除袋装置は、除袋用の圧風噴出
装置４で吹上げる圧風が、該圧風噴出装置４の上
方における果実受部２の移動軌跡の上面側に配設
してある導風カバー６により、コンベアａの上面
である果実受部２…の移動軌跡の上面からその移
動軌跡の左右方向の一側に向けて誘導され、か
つ、その導風カバー６の内腔には、それの誘導方
向に吹き出される圧風が、袋Ｃ排出用の圧風噴出
装置７から送り込まれるようになつているのであ
るから、除袋用の圧風噴出装置４の圧風で果実Ｂ
から剥離されるとともにその圧風でコンベアａの
上面側に吹上げられた袋Ｃが、その袋Ｃを果実Ｂ
から剥離せしめた前記圧風に乗つた状態で、袋Ｃ
排出用の圧風噴出装置７から吹出される圧風によ
り、コンベアａの上面からそのコンベアａの側方
に排出されていくようになり、果実Ｂから剥離せ
しめた袋Ｃを極めて効率的にコンベアａの上面上
方から取り除けるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の概要側面図、第
２図は同上の概要平面図、第３図は同上の要部の
縦断正面図、第４図は同上要部の縦断側面図であ
る。 Ａ……果梗切り除袋装置、１……機枠、ａ……
コンベア、２……果実受部、１０……スプロケツ
ト、１１，５０……チエン、１２，１４……伝導
輪、Ｍ……モーター、１３……減速機構、２０…
…搬送プレート、２１……弾褥材、Ｂ……果実、
２ａ……受け座、２２，６１……透孔、Ｃ……
袋、ｂ……果梗、３……果梗部切截装置、ｅ，ｈ
……果梗位置修正装置、ｆ……果梗部つかみ装
置、ｃ……口元部、ｇ……口元部切截装置、ｉ…
…果梗挾持搬送装置、４……圧風噴出装置、ｊ…
…果梗切截装置、ｐ……コンプレツサー、４０…
…送気パイプ、４１……ノズル、４２……制御
弁、Ｓ……スイツチ、５……果実押上げ装置、５
１……ラグ片、５２……取付金、５３……支柱、
５４……押上部、５５……押上アーム、５６……
規制杆、５７……バネ、５８……コロ、５９……
ガイドレール、５９ａ……規制面、５９ｂ……隆
起部、５４ａ……果梗ｂを受入れる凹み、６……
導風カバー、６０……隔壁、７……圧風噴出装
置、７０……送気パイプ、７１……送風ノズル、
７２……噴出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンベアに、収穫した袋付き果梗付きの果実を
   それの果梗部が下面側に突出する状態に支承する
   果実受部を具備せしめ、その果実受部の移動軌跡
   の下面側に、果実受部から下方に突出する果実の
   果梗部を切截する果梗部切截装置と、該果梗部切
   截装置で果梗部が切截された果実に対し圧風を吹
   き上げる圧風噴出装置とを配設した果実の果梗切
   り除袋装置において、果実受部の移動軌跡の上面
   側で前記圧風噴出装置の上方位置に、その圧風噴
   出装置から吹上る圧風及び剥離した袋をコンベア
   の一側方向に誘導するよう傾斜する導風カバーを
   設けるとともに、その導風カバー内に前記一側方
   向に向け圧風を吹出す圧風噴出装置を装設したこ
   とを特長とする果実の果梗切り除袋装置。