JPS6138455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は魚体供給装置側から供給されてくる魚
体を、その頭部を前方に向けた状態で魚体打出装
置等に移送する魚体整列搬送装置に関するもので
ある。

魚体を処理するに際して、まず多数の魚体を供
給装置に送り込み、この魚体を一匹宛、その頭部
を前方に向けた状態にして頭部切断処理等を行う
コンベア上に移送することにより魚体の供給から
所定の処理まで全自動を可能にすることが開発さ
れつつある。

このような装置において、問題となる点は、魚
体が供給側から処理コンベア上にまで搬送される
経路を必然的に徐々に低くしなければならず、こ
のため、供給側が著しく高位置に配設される結
果、最初に供給装置に多数の魚体を送り込む手段
が極めて困難となる。又、供給装置に送り込まれ
た魚体を、その頭部を正確に前方に向けて魚体打
出装置等に送り出さねばならず、しかもこの手段
は船舶のような据付面積が限定される場所では狭
い面積内に設置されなければならない。

本考案はこのような点に鑑みてなされたもの
で、内底面を摩擦係止面に形成した魚体整列搬送
樋体を前端に向かつて上方に傾斜させて配設する
ことにより該樋体の後端開口部側を低くして魚体
供給側の高さを小にし得ると共にこの整列搬送樋
体を前後方向に往復動させる脚体を整列搬送樋体
の底面に対して鋭角となるようにその下端に向か
つて前方に傾斜させ、整列搬送樋体が往復時にそ
の内底面を前方に向かつて斜め上方に運動させる
ようにして魚体頭部を確実に前方に向けて迅速に
送り出すように構成したことを特長とする魚体整
列搬送装置を提供するものである。

本考案の実施例を図面について説明すると、１
は魚体の整列搬送樋体で、底板１ａの側縁辺に側
板１ｂを一体に立設してなるものであり、前端開
口部２と後端開口部３を有すると共に中央部にお
いて両側板１ｂ，１ｂを前方に向かうに従つて互
いに近接する方向に傾斜１ｃさせることにより樋
巾を広く形成された後半部から該中央部にて徐々
に巾狭くし、前半部を魚体が一匹通過可能な通路
に形成してある。

又、前半部の一側板１b′のみをの上半部を切欠
４することにより後半部の両側板１ｂ，１ｂ及び
前半部の他側板よりも低くして底板１ａ上に横臥
状態で載置する魚体の高さ（肉厚）と略々等しく
し、魚体が重なり合つた場合に該側板１b′の上端
切欠部４から上方部の魚体を落下させるようにし
てある。

この整列搬送樋体１の底板１ａにメタリコン等
の多数の小孔５を穿設した金属板で形成するか或
いは第３図に示すように上面を微細な凹凸粗面５
に形成した板状物で形成した小孔５の開口端縁や
凹凸粗面により魚体の鱗に係合可能な摩擦係止面
６にしてある。

整列搬送樋体１は、固定台７上に脚体８，８，
９，９を介し、後端から前端に向かつて10〜30度
の角度で上方に傾斜した状態にして配設されてあ
る。

これらの脚体８，８，９，９はその上端を整列
搬送樋体１の下面（外底面）における前後部両側
に夫々取付けられていると共に整列搬送樋体１の
下面に対して45〜75度の鋭角となるように下端に
向かつて前方に傾斜させ、それ等の下端を固定台
７に支持させてある。

なお、図においては、脚体８，９を、帯鋼板或
いは比較的強い腰と適度の可撓性を有する硬質合
成ゴム帯板や合成樹脂帯板等の長方形状帯板より
形成してその上下端を整列搬送樋体１の下面及び
固定台７の上面に固着した前後一対の挾持片１
０，１０により夫々挾着し、その挾着部を支点と
して前後方向に屈曲回動可能にしたものである
が、適宜の棒状体を脚体としてその上下端部を樋
体１と固定台７とに夫々回動自在に枢着してもよ
い。

１１は固定台７に設置したモータで、その回転
軸１２に偏心輪１３を固着して該偏心輪１３に環
体１４を摺動自在に被嵌してあり、この環体１４
に連結部材１５の一端を固着すると共にその他端
を整列搬送樋体１の前端部下面に固着した取付部
材１６に枢着等の手段により連結してある。

以上のように構成した魚体整列搬送装置Ａは第
４図、第５図に示すように、その後端開口部３を
魚体供給装置Ｂの前端開口部の下方に臨ませると
共に前端開口部２を魚体打出装置Ｃ側に連通させ
た状態で配設され、この状態における作用を次に
述べる。

今、モータ１１を駆動すると、その回転軸１２
に固着した偏心輪１３によつて環体１４を介し連
結部材１５が長さ方向に脈動的に前後往復動を行
い、整列搬送樋体１が脚体８，９の下端を支点と
して同じく前後往復動を行う。

この状態で、魚体供給装置Ｂ上に投入された多
数の魚体ａは該装置の前端開口部から整列搬送樋
体１の後端部上に落下、供給されるものである
が、魚体供給装置Ｂは、上面を摩擦面に形成した
整列供給板ｂを水平方向に往復動させることによ
り魚体の頭部を前後開口端に向けて移動させるよ
うに構成してなるものである。

従つて、実施例図においては供給装置Ｂの前端
側にのみ整列搬送樋体１を配設しているが、後端
側にも配設するものであり、又、整列搬送樋体１
は供給装置Ｂの開口巾や供給板ｂの数に応じて複
数個並設される。

こうして供給装置Ｂから整列搬送樋体１の後端
部に魚体ａがその頭部を前方側に向けた状態にし
て供給されると、樋体１の前進時に魚体の鱗が樋
体１の摩擦係止面６に係合して樋体１と一体に前
進することは供給装置Ｂと同様であるが、この場
合、樋体１はその摩擦係止面６の面方向に前後往
復動を行うものではなく、摩擦係止面６を設けた
樋体底面に対して下端に向かつて前方に鋭角とな
るように設けられた脚体８，９が下端を支点とし
て前後回動してその前方への回動時に摩擦係止面
６が前方に向かつて斜め上方に突き上げられるよ
うに前進し、従つて、摩擦係止面６は魚体ａの鱗
先端に喰込むようにして係止しながら魚体ａを持
ち上げつつ前方に送る作用をなすものである。こ
の際、脚体８，９は樋体底面に対して略々直角と
なる迄、前方に回動し、その位置から後方に復動
して元位置に達するように構成されてあり、脚体
８，９の後方への回動時には樋体１の摩擦係止面
６が魚体ａから下方に傾斜する方向に復動して魚
体ａに対する摩擦係止作用を完全になくし、魚体
ａは瞬間的に宙に浮いた状態となつて前進した位
置で樋体１の摩擦係止面６上に載置された状態と
なる。

このような樋体１の往復動はモータ１１の回転
によつて脈動的に繰返して連続して行われ、魚体
は樋体１の広巾後半部から巾狭い前半部に移動す
る。

この移動途中で、魚体が樋体１の両側板１ｂ，
１ｂの中央傾斜壁部１ｃに規制されながら巾狭い
前半部側に一匹宛移動していくものであるが、魚
体ａが重なり合つた場合、その進行途上で前半部
の一側板に設けた切欠部４から上方の魚体を落下
させるものである。

こうして、樋体１の前端開口部２から魚体を順
次打出装置Ｃ側に搬出し、該打出装置Ｃによつて
一匹宛、所定時間間隔毎にコンベア（図示せず）
側に打出すものである。

なお、以上の実施例においては、樋体１の後端
も開口３させているがらこれは供給装置Ｂから送
り込まれる魚体がその頭部を後方側に向いた状態
となつた場合に直ちに該開口部３から落下させる
ものである。

以上のように本考案は、前後端が開口２，３し
且つ内底面を魚体の鱗が係合可能な摩擦係止面６
に形成してなる魚体整列搬送樋体１を前端に向か
つて上方に傾斜させた状態にして該魚体整列搬送
樋体１の外底面前後部に上端を取付けた脚体８，
９を介して固定台７上に前後方向に往復動可能に
配設すると共に、魚体整列搬送樋体１と固定台７
間に取付けた前記脚体８，９を上端から下端に向
かつて斜め前方に傾斜させ、この傾斜状態から下
端を支点として脚体８，９が魚体整列搬送樋体１
の底面に対して略直角となる迄の角度範囲内で適
宜な往復駆動機構により魚体整列搬送樋体１を前
後往復動させるように構成してなる魚体整列搬送
装置に係るものであるから、整列搬送樋体１を前
端に向かつて上方に傾斜させて配設するので、そ
の後端側に接続する魚体供給装置の高さを低くす
ることができ、従つて、魚体供給装置に対する魚
体の投入が極めて容易且つ能率良く行い得るもの
であり、さらに、整列搬送樋体１の水平方向の寸
法も短かくなつて据付面積を縮小することができ
ると共に魚体搬出部である魚体整列搬送樋体１の
前端開口部２が供給側よりも高位置となるので、
漁獲船のような作業空間の狭い場所でも爾後の処
理工程に対する魚体の送り込みが容易となり、魚
体の供給から所定の処理までの全自動が可能とな
るものである。

又、この整列搬送樋体１の底面に対して脚体
８，９を鋭角な角度となるように下端に向かつて
前方に傾斜させているので、樋体１は往動時にお
いて、その摩擦係止底面６が斜め前方に突き上げ
られるように作動し、従つて、樋体１が傾斜して
いるにも拘らず、魚体を前方に向けて強制的に押
し進めることができて樋体１の上傾端の開口部２
に円滑且つ確実に上昇搬送することができ、一
方、頭部が後方側に向いた魚体を後端開口部３か
ら確実に落下排出できるものである。さらに樋体
１は復動時にその摩擦係止面６が魚体に対する摺
接を解く方向、即ち斜め下方に作動して魚体の後
退を確実になくし、魚体の搬送速度を大にして魚
体処理能率の向上をはかることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その一部切欠側面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線に
おける縦断正面図、第３図は摩擦係止面の別な実
施例を示す要部の断面図、第４図は使用状態を示
す側面図、第５図はその平面図である。 １……魚体整列搬送樋体、６……摩擦係止面、
７……固定台、８，９……脚体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後端が開口２，３し且つ内底面を魚体の鱗が
   係合可能な摩擦係止面６に形成してなる魚体整列
   搬送樋体１を、前端に向かつて上方に傾斜させた
   状態にして該魚体整列搬送樋体１の外底面前後部
   に上端を取付けた脚体８，９を介して固定台７上
   に前後方向に往復動可能に配設すると共に、魚体
   整列搬送樋体１と固定台７間に取付けた前記脚体
   ８，９を上端から下端に向かつて斜め前方に傾斜
   させ、この傾斜状態から下端を支点として脚体
   ８，９が魚体整列搬送樋体１の底面に対して略直
   角となる迄の角度範囲内で適宜な往復駆動機構に
   より魚体整列搬送樋体１を前後往復動させるよう
   に構成してなる魚体整列搬送装置。