JPS6315034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案の魚節類切削装置は鰹節、鰯節、鯖節と
いつた天然の魚節とか、魚肉や畜肉を加工して節
状、棒状に成形した人工の魚節といつた魚節類を
切削して一定形状の削り節を切削するものであ
る。

（従来技術） 工場で削り節を大量生産する場合は刃物をモー
タで高速回転させ、それに魚節を押し当てて切削
している。

（従来技術の問題点） 高速回転している回転刃物で魚節を切削する場
合、鰹節類の切削部近傍が確実に固定されていな
いと切削時に鰹節類がぐらついたり、振動したり
して形状、厚さ等が一定の削り節を得ることはむ
ずかしい。また切削時に粉末が多く発生して歩留
まりが悪くなるとか、鰹節類が欠けたりするとい
つたこてがあり、更には回転刃物に無理な力が加
わつて鰹節類が摩擦熱で加熱し、鰹節類の風味が
損なわれたり、ひどい場合には刃が欠けることさ
えあつた。

（考案の目的） 本考案の目的は切削時の魚節類の振動やぶれ等
をできるだけ抑制できるようにした切削装置を実
現することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の鰹節類切削装置は、基材Ａの円周面Ｂ
に切刃が形成され且つモーターで回転される回転
刃物ｄと、動力源により移送路２上を移送される
と共に鰹節類ｂを長手方向一端から一本の回転刃
物ｄに押当させ且つ切削終了後に自動的に戻るよ
うにした移送体ｃと、移送路２の幅方向側方に移
送路２より上方に突出するよう設けた受材１と、
回転刃物ｄの手前近傍に設置されて鰹節類ａの切
削部近傍を受材１側に押圧する押具９とを備え、
回転刃物ｄは受材１側に回転され、押具９には鰹
節類ａを受材１側へ押圧でき且つ移送体ｃにより
移送されてくる鰹節類ｂが押し当ると外側に押さ
れてその鰹節類ｂが押具９と受材１との間に自動
的に侵入できる強さの押圧力が付与され、上記受
材１の接触面４を回転刃物ｄの外周面の外側接線
Ｘ以内に位置させてなるものである。

（作用） 本考案の魚節類切削装置では、移送路２に魚節
類ｂをのせ、図示されていないモーターにより送
りねじ５を回転させると往復台６が矢印Ａ方向に
移動し、魚節類ｂが往復台６に取付けられている
押し棒７の先端の挟着子８により押されて回転刃
物ｄ側に移送される。移送が進むと魚節類ｂの先
端部が押具９を外側に押し戻して受材１と押具９
との間に自動的に侵入し、魚節類ｂは押具９によ
り受材１側へ押し付けられる。魚節類ｂの移送が
更に進むと魚節類ｂは回転刃物ｄに押圧されて切
削される。切削が終了すると往復台６が矢印
A′方向に戻る。この状態で移送路２に次に切削
する魚節類ｂをのせ、送りねじ５を回転させると
魚節類ｂの移送が開始される。この繰り返しによ
り魚節類ｂを次々と切削できる。

（実施例） 第１図は本考案の魚節類切削装置の一実施例で
ある。

第１図のｄは回転刃物であり、これは軸穴のあ
る基材Ａの円周面Ｂに切刃が形成されている。第
１図では切削機構が二組平行に設けられているの
で、夫々の回転刃物ｄで魚節類ａを同時に切削で
きるが、この場合、夫々の回転刃物ｄは別々の魚
節類ａを一本づつ切削する。

第１図のｃは移送体であり、これは魚節類ｂを
回転刃物ｄ側に移送するものである。この移送体
２は図示されていないモータにより正逆回転する
送りねじ５と、送りねじ５の正逆回転により矢印
Ａ−A′方向に往復動する往復台６と、往復台６
に取付けた押し棒７と挟着子８とから構成されて
いる。

第１図の９は押具であり、これは魚節類ｂを受
材１側へ押し付けるものである。この押具９は軸
１０を支点として矢印Ｂ−B′方向に往復回動自
在とし且つ受材１側（矢印B′方向）への押圧力
が付与されている。しかもその押圧力は移送体ｃ
により移送されてくる鰹節類ｂが押し当ると外側
に押し戻され鰹節類ｂが押具９と受材１との間に
自動的に侵入できる強さとしてある。又押具１０
は回転刃物ｄの近傍に設置され、しかもできるだ
け魚節類ｂの切削端部寄りを受材１側に押圧でき
るようにしてある。

第１図のａは案内体であり、この案内体ａは魚
節類ｂをのせ易く、しかものせた魚節類ｂの位置
が一定し且つ魚節類ｂが位置ずれしにくいもので
あることが望まれる。そのため本考案では案内体
ａを第２図に示すように魚節類ｂをのせる移送路
２の幅方向側方に受材１を設け、その受材１を移
送路２より上方へ突出させてある。また本考案で
は受材１の接触面４を第１図のように、回転刃物
ｄの外周面Ｂの外側接線Ｘと同じかそれより内側
に位置させてある。

案内体の一例として第２図イに示すものは、縦
向きの受材１と横向きの移送路２とをＬ字状に一
体成形し、魚節ｂをのせる移送路２の接触面３を
外側から受材１側に向け次第に下り勾配のテーパ
にしたものである。この場合、受材１の接触面４
と移送路２の接触面３とにより形成される角度θ
は90度以下になるようにするのが望ましい。

第２図ロに示す案内体は受材１と移送路２とを
別々に成形し、移送路(2)の接触面３を同図イの移
送路２と同様に受材１側に向けて下り勾配となる
テーパとし、この移送路２と受材１とを端面形状
がＬ字状になるよう組合せて角度θを90度以下に
したものである。

第２図ハの案内体は受材１と移送路２とを多少
離して組合せたものである。

第２図ニの案内体は受材１と移送路２とをＬ字
状に一体成形し、この受材１の根元に溝５を設け
たものである。

同図ホの案内体は受材１と移送路２とを共に内
側に傾斜させて角度θを90度以下にしたものであ
る。

同図への案内体は受材１だけを内側に傾斜させ
て角度θを90度以下にしたものである。

第２図イ〜ヘのいずれの案内体も第１図に示す
ように魚節ｂの移送方向に長尺にしてある。

また、第２図イ〜ヘのいずれの案内体も接触面
３，４の双方又はいずれか一方に、切削時の振動
を緩衝したり、魚節類の位置ずれやすべりを防止
するためにゴム、プラスチツク等の抑制材を取付
けるとか、接触面３，４自体を凹凸にしたり粗面
にしたするとかしてもよい。

（考案の効果） 本考案の魚節類切削装置は次のような効果があ
る。

(1) 回転刃物ｄがモーターで回転されるので、切
削効率が良く、工場で大量に切削するのに適す
る。

(2) 一本の鰹節類ｂを一本の回転刃物ｄで別々に
切削するので、例えば実開昭47−8791号公報の
考案のように二本の刃物を並べて両刃物間に鰹
節類ｂを引き込んで切削する装置のように、両
刃物間に鰹節類ｂが詰つて切削不可能になると
いつたことがない。

(3) 移送体ｃが動力源により往復移動されるもの
であるため鰹節類ｂが自動的に移送される。こ
のため一々鰹節類ｂに手動で押具を押し込んで
手動で移送させる必要がない。

(4) 移送路２の軸方向側方に受材１を設け、しか
も受材１が移送路２より上方に突出するように
設けたので、魚節類ｂを受材１側に押しつけ易
くなる。この結果、魚節類ｂが受材１と移送路
２との二方から支持されるので、移送中の魚節
類ｂが特に安定する。

(5) 押具９を回転刃物ｄの近くに設けて、鰹節類
ａの切削部近傍を受材１側に押圧できるように
したので、受材１へ押しつけられる鰹節類ａが
安定し、形状や厚さが一定の削り節を得ること
ができる。ちなみに昭和７年実用新案出願公告
第19304号公報の考案における押圧具は鰹節類
の後端部に差し込むものであり、しかもその押
圧具を手動で移動させることにより鰹節類を回
転刃物側に移送させるものである。このためそ
の押圧具は本考案の押具９のように鰹節類の振
れを防止するために鰹節類の切削部直近を押す
ものではなく、むしろ本考案の移送体に相当す
るものである。このため昭和７年実用新案出願
公告第19304号公報の考案では本考案のように
切削時の魚節類の振れを防止することはできな
い。

(6) 押具９は受材１方向に回動自在であるため鰹
節類ａの形状が不定形であつてもその形状に追
随して動き、鰹節類の押圧が確実になる。この
ため鰹節類ａがより一層動きにくくなり、円滑
にしかもほぼ一定形状で且つ一定厚に切削で
き、また切削時の粉末の発生も少なく、歩留ま
りのよい切削が可能となる。

(7) 回転刃物ｄを受材１側に回転するので、同刃
物ｄによる切削時に魚節類ａが同刃物ｄによつ
ても受材１側に押され、魚節類ａが一層振動し
にくくなる。

(8) 押具９の押圧力を、移送体ｃにより移送され
てくる鰹節類ｂが押し当ると外側に押されてそ
の鰹節類ｂが押具９と受材１との間に自動的に
侵入できる強さとしてあるので、魚節類ｂは移
送体ｃにより回転刃物ｄ側に移送されると自動
的に押具９により受材１に押しつけられる。こ
のため例えば昭和７年実用新案出願公告第
19304号公報の考案のように、手動操作により
魚節類の押具を押しつける必要がなく切削作業
の能率がよい。このため工場で魚節類を大量に
切削する場合に特に好適である。

(9) 受材１の接触面４を回転刃物ｄの外周面の外
側接線Ｘ以内に位置させてあるので、接触面４
の先端４ａと回転刃物ｄとの間の間隙Ｄを狭く
することができる。このため切削時に魚節類ｂ
がその間隙Ｄに引込まれて欠けたり、粉になつ
たりしてそれらがせつかく一定形状に切削され
た削り節に混入することが少なくなる。

ちなみに第３図のように受材１の接触面４を
回転刃物ｄの外周面の外側接線Ｘより外側に位
置さると間隙Ｄが広くなり、魚節類ｂがその隙
間Ｄに引き込まれて欠けたり、折れたりして粒
の大きなかけらとなり、それらが削り節に混入
するといつたことが多い。

(10) 回転刃物ｄがモーターで回転され、移送体ｃ
が動力源で自動的に往復移動され、鰹節類ａが
押具９と受材１との間に自動的に侵入できるよ
うにしてあるので、移送路２の上に鰹節類ａを
のせて移送を開始させれば鰹節類ａが自動的に
受材１に押しつけられながら切削され、しかも
切削が終了すると移送体ｃが自動的に元の位置
に戻るので、次の鰹節類ａを移送路２の上にの
せて移送体ｃの前進を再開させれば鰹節類ａを
自動的に次々と切削することができ、工場で大
量生産するのにより好適である。

(11) 回転刃物ｄとして基材Ａの円周面Ｂに切刃を
設けたものを使用してあるため、円板にかんな
刃を取付けた回転刃物のように頻繁にかんな刃
の突出寸度を調節したり、かんな刃を交換した
りする必要がなく、工場で大量生産するのによ
り一層好適となり、切削効率も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る切削装置の概略平面図、
第２図イ〜ヘは同装置の構成部材である案内体の
各種例を示す端面図、第３図は他の切削装置の切
削説明図である。 １は受材、２は移送路、３，４は接触面、９は
押具、ａは案内体、ｂは魚節類、ｄは回転刃物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材Ａの円周面Ｂに切刃が形成され且つモータ
   ーで回転される回転刃物ｄと、動力源により移動
   されて鰹節類ｂを移送路２上を移送されると共に
   鰹節類ｂを長手方向一端から一本の回転刃物ｄに
   押当させ且つ切削終了後に自動的に戻るようにし
   た移送体ｃと、移送路２の幅方向側方に移送路２
   より上方に突出するよう設けた受材１と、回転刃
   物ｄの手前近傍に設置されて鰹節類ａの切削部近
   傍を受材１側に押圧する押具９とを備え、回転刃
   物ｄは受材１側に回転され、押具９には鰹節類ａ
   を受材１側へ押圧でき且つ移送体ｃにより移送さ
   れてくる鰹節類ｂが押し当ると外側に押し戻され
   て鰹節類ｂが押具９と受材１との間に自動的に侵
   入できる強さの押圧力が付与され、上記受材１の
   接触面４を回転刃物ｄの外周面の外側接線Ｘ以内
   に位置させたことを特徴とする鰹節類切削装置。