JPS6137363B2 - - Google Patents

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Publication number
JPS6137363B2
JPS6137363B2 JP7106678A JP7106678A JPS6137363B2 JP S6137363 B2 JPS6137363 B2 JP S6137363B2 JP 7106678 A JP7106678 A JP 7106678A JP 7106678 A JP7106678 A JP 7106678A JP S6137363 B2 JPS6137363 B2 JP S6137363B2
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JP
Japan
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spinning
hollow fibers
porous
undrawn
hollow
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Application number
JP7106678A
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English (en)
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JPS551314A (en
Inventor
Mizuo Shindo
Takemoto Kamata
Takashi Yamamoto
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP7106678A priority Critical patent/JPS551314A/ja
Publication of JPS551314A publication Critical patent/JPS551314A/ja
Publication of JPS6137363B2 publication Critical patent/JPS6137363B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は多孔質ポリプロピレン中空糸の改良さ
れた製造法に関する。更に詳しくは、本質的にポ
リプロピレンより成る高配向結晶性未延伸中空糸
を延伸して周壁部に多数の微細空孔を生ぜしめた
状態で熱セツトを行い、周壁部に互いにつながつ
た微細孔を有する多孔質の中空糸を製造する方法
において特定条件下で製造された未延伸中空糸を
使用することによりガス透過性能が極めて秀れか
つ均質性の優れた形態安定性良好な多孔質ポリプ
ロピレン中空糸を生産性高く製造する方法に関す
る。 本質的にポリプロピレンより成り、配向結晶化
度に優れた未延伸中空糸を低温で延伸することに
よつて結晶破壊を生起せしめて多孔質化しその状
態で構造固定を行うことによつて多孔質ポリプロ
ピレン中空糸を製造し得ることは本発明者らが先
に特開昭52−15627号で開示したところである。
かかる多孔質ポリプロピレン中空糸は中空糸壁面
に孔径が数百〜数千Åの互いにつながつた微小空
孔を有し、ガス分離膜、限外過膜、逆浸透膜支
持体等として優れた機能を有するものである。し
かしながら、かかる特開昭52−15627号に開示さ
れた方法に従つて製造した多孔質ポリプロピレン
中空糸は、中空糸長方向及び中空外周方向におけ
る微細空孔分布に斑を有し易く、特に中空糸内径
が100μを越える太デニール糸の場合には、中空
糸径が太くなるにつれて微細空孔の分布斑が大き
くなる傾向にあり、医療用、その他高度に均質性
を要求される分離、濃縮用途に供するには必ずし
も十分な均質性を有するとは言い難いのである。 多孔質中空糸のもつ性質のうち最も重要なもの
の一つはガス透過性である。特開昭52−15627号
に開示された方法に従つて製造した多孔質ポリプ
ロピレン中空糸は良好なガス透過性を有している
が、多孔質ポリプロピレンの用途を更に拡大して
いくにはこの性質の更により以上の改良が不可欠
である。 多孔質中空糸をガス−ガス系あるいはガス−液
体系、ガス−固体系、液体−固体系、液体−液体
系等の種々の分離、過、あるいは濃縮、あるい
は吸収手段、例えば除菌フイルター、除塵フイル
ター、水の精製、水処理、酸素ガス吸収装置、エ
アーレーシヨン装置等の多くの用途においてガス
あるいは液体の流量を最大とすることが重要なこ
とは当然である。又ガスあるいは液体の流量を一
定量に確保する場合においても、ガス透過性が良
好になるほど流体の圧力は少なくて済み、従つて
コンプレツサ−ブロアー等の加圧装置の負荷は小
さいものでよくなり、装置費、維持費の低減化が
可能となるばかりでなく装置はよりコンパクトな
ものになる等、ガス透過性の向上がもたらすメリ
ツトは非常に大きい。 更に特開昭52−15627号に開示された多孔質ポ
リプロピレン中空糸の製造方法では、製造工程
が、紡糸工程、熱処理工程、延伸工程、熱セツト
工程と分れ、これらの工程を必ず経ないことには
優れた多孔質ポリプロピレン中空糸の製造ができ
ない。従つて工業的規模で生産する場合工程が多
いだけに製造コストが高いものとなり、多孔質ポ
リプロピレン中空糸の広汎な用途に制限を加える
ことになつている。 本発明者らは多孔質ポリプロピレン中空糸の用
途をより以上に発展させんが為にかかる多孔質中
空糸製造上及び品質上の問題を解消し斑がなく均
質性が優れかつガス透過性が大巾に改良された中
空糸を安定して安価に生産性高く製造する方法に
ついて鋭意検討した結果、未延伸糸の性状とし
て、結晶部分の結晶配向化度のみならず、非晶部
分の配向性に優れた未延伸糸ほど熱処理及び延伸
処理によつて多孔質化された場合、得られる多孔
質中空糸の膜性能が飛躍的に向上することを見い
出し、更にこのような結晶部分の結晶配向化度の
みならず非晶部分の配向性に優れた未延伸糸は従
来公知の中空紡糸技術では全く不可能であつた
が、後述する特定紡糸条件下ではじめて可能とな
つた非常に大きい紡糸ドラフトを採用することに
よつて工業的規模で安定して製造できることを見
い出し本発明を完成せしめたものである。 即ち本発明の要旨とするところは、ポリプロピ
レンを中空糸製造用紡糸口金を用いて、該口金か
ら5〜100cmまでの範囲内において徐冷却しなが
ら紡糸ドラフト2000以上で溶融紡糸し、得られた
未延伸中空糸を必要に応じて熱処理して結晶配向
度を高めた後、1段又は多段に延伸して多孔質化
し、しかる後必要に応じて熱セツトを行うことを
特徴とする多孔質ポリプロピレン中空糸の製法に
ある。 ここで紡糸ドラフトとは巻取速度と紡糸口金で
の重合体の吐出線速度の比であり、次式で示され
る。 紡糸ドラフト=巻取速度/紡糸口金での重合体の吐出線
速度 本発明者らの検討によれば、従来中空糸の紡糸
において、紡糸ドラフトが600を越えると吐出糸
条にかかる張力が重合体の融点強度に近くなり、
工業的に安定な紡糸は難かしく、1000を越えると
糸切が多発し、2000を越えると全く巻取が不可能
であつた。 又、かかる従来の条件下で製造された未延伸中
空糸は更にアニール処理を行わない限り後述する
弾性回復率の値は低く、又弾性回復率自体はアニ
ール処理により高められるにも拘らず、これを用
いて延伸多孔質化して得た多孔質中空糸の膜性能
は医療用途、ガス分離、ガス濃縮等多孔質構造の
高度な均質性を要求される用途への使用に際して
は目的によつては必ずしも十分とは言い難く、と
くに空孔率、空孔分布、空孔表面積等については
一段の向上が望まれるのである。 本発明者らはかかる膜性能の一段の向上を計る
べく鋭意検討の結果、未延伸糸の配向結晶化度の
一段の向上を計るとともにとりわけ未延伸糸構造
の約40%を占める非晶部分の配向を高めることが
重要であることを見い出した。未延伸糸にかかる
性能を付与するには従来の中空糸紡糸に比して更
に高い紡糸ドラフトの採用が必要であり、少くと
も2000を越える高紡糸ドラフト下において安定し
て未延伸中空糸を製造し得る紡糸技術の開発が必
要である。 本発明者らはかかる観点から紡糸ドラフトが従
来の中空糸製造に比して著しく高く、従来の中空
紡糸技術では不可能であつた紡糸ドラフトが2000
以上の未延伸中空糸を安定して製造する方法につ
いて改良を重ねた結果、紡糸口金の下部に適当な
長さの紡糸筒を設置することによつて紡糸口金よ
り吐出された直後における中空糸条の急冷を防
ぎ、紡糸口金直下における紡糸ドラフトの集中化
を緩和せしめて高ドラフト下における安定紡糸を
可能にし、配向結晶化度に極めて優れた未延伸中
空糸を得ることに成功したものである。 本発明において使用するポリプロピレンは、
ASTM−D−1238に規定された230℃でのメルト
インデツクス値が1〜40g/10min、さらに好ま
しくは5〜30g/10minの範囲にあるものが望ま
しい。かかるポリプロピレンは通常のスクリユー
押出機に供給され、融解した後、ギアポンプにて
中空糸製造用紡糸口金に送られる。紡糸口金は通
常の中空糸製造用構造を有する口金、例えば気体
の導入孔を備えた二重管構造口金、スリツトが不
連続ないわゆるブリツヂタイプの口金、スリツト
形状か円環状、星形、三角形、四角形、多角形、
ドツグボーン形等及びこれらの形状を変形もしく
は組み合せたものなどが使用可能である。しかし
本発明が目的とする多孔質構造の発生斑の少い均
質な多孔質中空糸を得るにはとりわけ二重管構造
を有し円環状スリツト口金の使用が好ましい。こ
の場合中空糸内部への気体の導入は自然吸入でも
強制吸入でもどちらでもよい。強制吸入の場合、
気体の圧入圧は0.1〜30mmH2O、好ましくは1〜
10mmH2Oの微圧の範囲内にするのが望ましい。圧
入圧が大きすぎると繊維がちようちん状に膨ら
み、又少なすぎると中空形状が確保できない。 本発明が目的とする2000以上の紡糸ドラフトを
達成するには、紡糸口金の吐出断面積は1ホール
当り0.1cm2以上が好ましい。更に好ましくは0.3cm2
以上である。0.1cm2より小さい面積で紡糸ドラフ
トを高くするには、捲取速度を極端に大きくする
必要があり、実際上紡糸は困難であり、又中空糸
の径が細すぎたり、膜厚が薄くなりすぎたりして
多孔質中空糸として実用に耐えないものとなる。
紡糸口金が二重管構造を有する口金を使用する場
合吐出口径は2〜100mm、スリツト巾は0.1〜5mm
の範囲であるのが好ましい。このような中空形状
賦形用紡糸口金から吐出されたポリマーは紡糸口
金の下部に設置された長さ5〜100cmの紡糸筒内
で徐冷された後、更に冷風で冷却固化され巻取機
に巻取られる。紡糸ドラフトが2000より大の中空
未延伸糸を糸切れなく安定に紡糸するにはこの紡
糸筒の長さを他の紡糸条件、即ち紡糸口の大き
さ、紡糸口金の吐出孔の寸法、使用するポリマー
の溶融粘度、紡糸温度、吐出量、巻取速度等によ
つて適度な長さに調節することによつてはじめて
可能となる。従つて紡糸筒の長さは他の紡糸条件
によつて適宜選択されるが少なくとも5cmの長さ
は絶対に必要でありそれ以下では糸切が多発す
る。又100cmを越えると冷却不足により巻取が困
難になるか巻取ることができても糸径斑の非常に
大きなものとなる。紡糸筒内部は無風であること
が肝心であり、温度的には糸条から放熱される熱
によつて定常状態でなければならない。紡糸筒は
断熱材で覆つてもよいし、又積極的にヒーター等
で加熱するのもよいが、紡糸筒内温度が紡糸温度
を越えると糸切が発生するので避けねばならな
い。 このように適当な長さの紡糸筒を設置すること
により、吐出糸条の変形過程を制御することによ
つて、従来の中空糸紡糸では全く不可能であつた
高ドラフト紡糸が可能となるのである。本発明に
おいては紡糸可能な紡糸ドラフトの限界はとくに
ないといつてもよいが、紡糸ドラフト50000を越
える場合には、紡糸口金の吐出断面積が非常に大
きなものが必要となる。吐出口径を大きくして吐
出断面積を大きくする場合紡糸頭が非常に大きく
なつたり、多錘紡糸が困難となつたりして装置面
あるいは生産性の面から工業的メリツトは少な
い。又スリツト巾を大きくして吐出断面積を大き
くする場合も均一な吐出圧を確保するのが困難と
なり、得られた未延伸中空糸に結晶構造斑が大き
くなり好ましくないばかりでなく中空糸の肉厚が
厚くなりすぎたり、糸径斑が非常に大きくなつた
りして多孔質中空糸としての使用に耐えないもの
になる。 紡糸筒内で徐冷却された中空糸糸条は引続いて
冷却域で冷却されるが、この際均質な中空糸を得
るには冷却方式に十分な配慮が必要であり冷風を
吹きかけて冷却するのが効果的であるが偏冷却の
抑制に留意すべきである。この場合、中空糸条に
対して直角方向からの送風でもよいがより均質な
中空糸を得るには、中空糸条に対して向流又は並
流に空気又は不活性ガスを送風するのが好まし
い。又勿論、水又は温水等の液体を使用する冷却
方式も可能である。 紡糸温度は未延伸中空糸の配向度を高める上で
極力低く設定することが望ましい。即ち好ましい
範囲は185〜300℃でさらに好ましくは190〜230℃
である。 捲取速度に関しては前述の紡糸ドラフトを確保
し得る任意の速度に設定可能であるが、好ましく
は50〜10000m/min、さらに好ましくは100〜
2000m/minがよい。 10000m/minを越えると糸切が発生し巻取不可
能となる。又使用する原料ポリプロピレンに未延
伸中空糸の配向結晶化を大きく阻害しない範囲内
において安定剤、顔料、該形成剤、その他の低分
子物質や他種ポリマー、無機物質等を含むことは
一向に差し支えない。 かくして得られた高ドラフト未延伸中空糸は優
れた結晶配向性と非晶部分の配向性を有する。そ
の程度は下式によつて示される弾性回復率として
表示可能であり、未延伸中空糸の結晶化度、配向
度が高くなる程この値は大となる。 弾性回復率(%)=(50%伸長時の糸長)−(50%伸長後荷重を0に返した時の糸長)/(50%伸長時の糸長
)−(伸長前の糸長)×100(%) 延伸工程において多孔質化を効果的に起こさし
めるためには、この弾性回復率は少なくとも60%
以上であることが必要である。望ましい未延伸中
空糸の弾性回復率は80%以上である。 従来の方法で得られた未延伸中空糸の弾性回復
率は高々55%であり、このまま延伸しても多孔質
化することはできないので、ポリプロピレンの融
点以下望ましくは165℃以下80℃以上の温度領域
において数秒以上熱処理をし結晶化度を高めるこ
とが不可欠であつた。それに対して本発明の紡糸
ドラフトが2000以上の未延伸中空糸は弾性回復率
が少なくとも60%でありほとんどの場合65%以上
になる。さらに紡糸条件を選べば80〜95%の極め
て高い弾性回復率をもつ未延伸中空糸の製造も可
能である。こういつた高弾性回復率をもつ未延伸
中空糸は熱処理を施こさなくても、延伸により効
果的に多孔質化できるものである。従つて本発明
の方法によつて製造された未延伸中空糸を用いれ
ば均質性の良好でガス透過性の優れた多孔質ポリ
プロピレン中空糸を熱処理工程を省略して製造す
ることが可能となり、工程の合理化に伴なつて製
造コストの引き下げに大いに寄与するものであ
り、本発明の効果は非常に大きいものである。勿
論ガス透過性のさらに優れた多孔質中空糸を得る
ために、従来の方法通り熱処理を施こすことは一
向に差し支えない。 かくして得られた高配向結晶化度を有し高い弾
性回復率を示す未延伸中空糸は延伸することによ
つて多孔質化が計られる。この場合、積極的に多
孔質化を計るには延伸温度は少くとも130℃以下
に設定するのがよく、好ましくは80℃以下、更に
好ましくは室温に設定される。この場合、同一温
度で一段で延伸を行つても良く、又多段で延伸を
行つても良い。多段延伸を延伸温度を変化せしめ
た状態で行う場合には、全ての延伸温度を必ずし
も130℃以下に設定する必要はなく、二段目以降
における延伸温度は130〜165℃の範囲に設定して
も差し支えない。最も好ましい多段延伸条件は1
段目の延伸を80℃以下で行つた後、二段目以降の
延伸を110〜140℃において行うことである。 一方採用し得る延伸倍率は未延伸中空糸のデニ
ール、肉厚、配向結晶化度、延伸温度、延伸速
度、フイラメント数、目的とする多孔質中空糸の
太さ、ガス透過率等によつて適正値は異るため、
必ずしも一率に議論出来ないが、延伸長が原糸長
に対して400%を越えない方が望ましい。即ち延
伸長が原糸長に対して400%を越える高延伸領域
においては、分子鎖の再配列が進行し微細孔のツ
ブレが発生し易く、好ましい多孔質化度を有する
中空糸が得られ難い。従つて望ましい多孔質化度
を有する中空糸を製造するには延伸長を原糸長に
対して400%以下更に好ましくは30〜200%程度に
設定することが望ましい。 かくして得られた多孔質中空延伸糸は延伸長を
保つた状態で熱セツトを行うか、又は該延伸長の
0〜95%、更に好ましくは0〜50%を弛緩せしめ
た状態で緩和熱セツトを行うことにより形態安定
性の優れた多孔質中空糸とすることが出来る。こ
の場合、多孔質構造の均質性を確保するには緊張
下において緩和熱セツトを行うことが好ましい。
熱セツト温度は80〜165℃の範囲が好ましく、130
〜160℃の範囲が更に好ましい。熱セツト時間は
3秒以上が好ましい。 上述の如くの本発明の方法に従つて製造した多
孔質ポリプロピレン中空糸は中空糸条方向、中空
外周方向、中空内外壁面等における多孔質構造の
均質性に極めて優れるとともに非常に高いガス透
過性と形態の安定性を有する。又その微小空孔の
大きさは大部分が半径100〜2400Åの間にある。
又本発明の方法によつて製造された多孔質中空糸
の中空率、表面積は従来の方法で製造したものに
比べて極めて高く、中孔率は70容積%に達するも
のも製造可能であり、表面積も実に90m2/gに達
するものがある。従つて本法によれば一段と微細
な空孔を極めて数多くかつ均質に保有するガス透
過率の非常に高い多孔質ポリプロピレン中空糸の
製造が可能となり医療用、分離濃縮分野等高度に
均質性が要求される分野において極めて有用な素
材となるのであつて、本発明の工業的意義は極め
て大である。 以下実施例において本発明を更に詳しく説明す
るが、実施例中ガス透過率は特開昭52−15627に
記載の方法で0.5atmの窒素圧下で測定した値で
あるが中空糸内径が小さいものは圧損が大きいの
でモジユール長を変えて測定し、圧損零に外操し
て真の値を求めた。中孔率は水銀圧入法〔測定装
置は水銀圧細孔測定装置(CARLOERBA社製)〕
により求め、表面積は窒素ガス吸着法により求め
た。 尚本発明でいう延伸長とは下式で示した値を意
味する。 延伸長=延伸後の糸長−原糸(延伸前の糸)長 実施例 1 230℃でのメルトインデツクス値が10g/
10minのポリプロピレンを吐出口径が30mm、円環
スリツト巾が1.5mmの二重管構造を有し、吐出断
面積が1.34cm2の中空形状賦形用紡糸口金を用い、
自吸式で空気を導入し、紡糸温度200℃、吐出量
10g/min、吐出線速度8.27cm/min、巻取速度600
m/min、紡糸ドラフト7255、紡糸筒の長さ30cm
の条件で溶融紡糸し、弾性回復率が80%である未
延伸中空糸を特た。この未延伸中空糸を次いで
140℃に加熱されたローラ上を定長下に通過せし
めてローラ接触時間60秒で熱処理を行い結晶配向
度を高めた。この熱処理された未延伸中空糸の弾
性回復率は93%であつた。さらにこの熱処理糸を
室温に保持されたローラ間で20%延伸し周壁部に
多数のクレーズを生じせしめた後、周速の異るロ
ーラ間に配置され、130℃に保持された4本のス
リツトヒーターで夫々20%ずつ4段の熱延伸を行
い、次いで145℃に保持されたスリツトヒーター
中へ延伸長の30%をオーバーフイードしつつ該雰
囲気中を通過せしめることにより緩和熱セツトを
行い連続的に多孔質中空糸の製造を行なつた。得
られた多孔質ポリプロピレン中空糸は結局未延伸
原糸長に対して104%長くなつており、外径300
μ、内径250μであつて白化度の極めて均質なも
のであり、空孔率55%、表面積72m2/gと多孔質
化度が極めて大きいものであり、ガス透過率も
62000/m2hr0.5atmと非常に優れており、従来
の方法に従つて製造したものに比較して大巾に改
良されている。 実施例 2〜5 表1に示す種々の吐出断面積の中空糸賦形用紡
糸口金及び種々の長さの紡糸筒を用い、捲取速度
を変え様々な紡糸ドラフトの未延伸中空糸を製造
した。他の紡糸条件は実施例1と同じ条件であ
る。これら紡糸ドラフトの異る未延伸中空糸を実
施例1と同じ条件で熱処理、延伸、熱セツトを施
こし、多孔質ポリプロピレン中空糸を得た。得ら
れた結果を実施例1と合せて表1に示す。 表1から明らかなように、本発明の方法に従つ
て得られた未延伸中空糸の弾性回復率はいずれも
60%以上有し、未延伸中空糸が優れた結晶配向性
をもつており、更に多孔質化した場合空孔率、表
面積、ガス透過率、いずれの値も従来法のものの
値に比べて飛躍的に増加し、非常に優れた膜性能
を保有している。 又実施例5は実施例1において紡糸筒の長さの
みを変えた実施例であるが、この場合実施例1よ
りも少し膜性能は劣るがそれでもなお非常に優秀
な値である。しかし中空糸の糸径斑が若干増える
傾向にあり、その点でやや問題がある。従つて紡
糸筒の長さは他の紡糸条件に応じて適宜決定しな
ければならない。 比較例 1〜9 表1に示す種々の吐出断面積の中空糸賦形用紡
糸口金及び種々の長さの紡糸筒を用い、巻取速度
を変え、様々な紡糸ドラフトの未延伸中空糸を製
造しようとした。他の紡糸条件は実施例1と同じ
条件である。 しかし、比較例1は実施例1において紡糸筒の
長さを3cmとする以外は全く同じ条件であるが、
巻取は全く不可能であつた。又表1には省略した
が実施例2〜5において紡糸筒の長さを3cmとす
ると巻取は全く出来なかつた。 比較例2は実施例1において紡糸筒の長さを3
cmと短かくし、かつ巻取速度を小さくし、紡糸ド
ラフト下げて巻取ることを計つたがやはり巻取不
可能であつた。 又比較例3は実施例1において紡糸筒を110cm
とする以外は全く同じ条件であるが、冷却不足に
よつて巻取が困難である。 比較例4〜9は未延伸中空糸の巻取が出来た場
合であり、これらの未延伸中空糸を実施例1と同
様にして多孔質化した。得られた結果は表1に示
した。 比較例4〜7は従来の製造条件によつたもの
で、紡糸筒は短かく又紡糸ドラフトも低いもので
ある。特に比較例4は巻取速度を大きくすること
により高ドラフト糸を得ようとしたが、紡糸筒が
10cmでは紡糸ドラフト1314でなんとか巻取ること
はできるが、糸切が多発し、安定な巻取は困難で
あつた。得られた多孔質中空糸の膜性能は紡糸ド
ラフトが増加する程良好なものとなる傾向を示し
ているが、本発明の実施例に比較してはるかに劣
るものである。 比較例8は本発明の有効と認める範囲の紡糸筒
を使用しているので、従来の方法では巻取不可能
であつたものが安定して巻取ることが可能となつ
ている。しかし紡糸ドラフトが2000以下では多孔
質化した場合、膜性能の改良の程度は余り大きく
ない。 比較例9は従来の低ドラフト条件に、本発明の
紡糸筒を使用した場合である。勿論紡糸安定性は
非常に良好であるが膜性能の改良は認められな
い。
【表】 実施例 6 230℃でのメルトインデツクス値が22g/
10minのポリプロピレンを吐出口径が50mm、円環
スリツト巾2mmの二重管構造を有し、吐出断面積
が3cm2の中空形状賦形用紡糸口金を用い、空気圧
入圧3.0mmH2O、紡糸温度190℃、吐出量5g/mi
n、吐出線速度1.84cm/min、巻取速度700m/mi
n、紡糸ドラフト38000で溶融紡糸した。この時
紡糸筒は80cmの長さのものを使用し、紡糸口金か
ら20cmまでの間はリボンヒーターで180℃に加熱
され、それ以下の部分は放熱されやすい銅板製の
筒を使用した。得られた未延伸中空糸の弾性回復
率は91%であつた。この未延伸中空糸を熱処理す
ることなく実施例1と同一の条件にて延伸、熱セ
ツトを行い多孔質ポリプロピレン中空糸を得た。
この中空糸の空孔率は54%、表面積は83m2/gガ
ス透過率は56000/m2hr0.5atmと非常に良好で
あつた。 比較例 10 比較例7において得られた未延伸中空糸(弾性
回復率52%)を熱処理することなく、実施例1と
同一の条件にて延伸、熱セツトを行つたが、空孔
率は1%以下であり、ガス透過率も20/m2
hr0.5atmと極めて小さいもので、多孔質中空糸
として全く使えないものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリプロピレンを中空糸製造用紡糸口金を用
    いて溶融押出し、該紡糸口金下面に長さ5〜100
    cmの保温筒を設け、該保温筒内部に冷却風を導入
    しないことにより該紡糸口金下面から5〜100cm
    までの範囲において徐冷却しながら、紡糸ドラフ
    トが2000を越えるようにして紡糸して弾性回復率
    60%以上の未延伸中空糸を得、得られた未延伸中
    空糸を必要に応じて熱処理して結晶配向度を高め
    た後、一段又は多段に延伸して多孔質化し、しか
    る後必要に応じて熱セツトを行うことを特徴とす
    る多孔質ポリプロピレン中空糸の製法。 2 紡糸ドラフトが約2500以上であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の多孔質ポリプ
    ロピレン中空糸の製法。
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