JPS6136939B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は病人、不具者等を昇降させるために病
院等で使用されるホイストに関する。

（背景技術） 近年、中央検量（体重測定）装置の代わりとし
ての検量設備を備えた病人用ホイストの必要性が
高まると共に例えば病室あるいは浴室内等に多く
の検量装置を設ける必要性が高まつてきている。
検量設備を備えたホイストは、例えば脱衣した患
者がベツドサイドにてまたは浴室にて検量するこ
とを可能とする。

患者を載せて検量を行なういくつかの形式のホ
イストが既に知られているが、それらは全て種々
の不都合を有しており、一般にこれらは検量設備
を備えたホイストと言うよりむしろホイストを患
者検量装置に向けるようにした患者用ホイストと
して考えられる。患者を着脱可能な検量ユニツト
を介してホイストのリフトアームより吊下させる
ことも知られているが、これは不使用時に検量ユ
ニツトを着脱しなければならない（そして必要な
ときにすぐに利用できない）という不都合があ
り、患者をスリングにより吊下する方法が使用さ
れているだけである。このような検量ユニツトで
は十分な精度に達することは困難である。

検量機構がホイストのコラム近傍のリフトアー
ム内に取付けられた検量装置として改造されたホ
イストも知られているが、この検量機構は、長期
間の精度に特に影響を及ぼす支軸の摩察及び摩耗
の問題と関連する平行四辺形状の結合部材を使用
しており、この機構はアームの曲げモーメントに
本質的に敏感である。アームに対する検量される
患者の位置決めは重要である。更に、従来の装置
では患者がいわゆる“浴用いす”の形の支持体上
にすわつたままで検量することはできないという
欠点があつた。

（発明の課題） 本発明の目的は上述のごとき不都合を解消する
検量装置を備えたホイストを提供することであつ
て、本発明によれば前記ホイストを種々のタイプ
の患者支持手段及び／又は種々のアーム構成が基
本的なホイスト構成とともに使用可能なごとく設
定することができる。

本発明のホイストは、直立した支持構造体と、
該支持構造体から突出しかつ該支持構造体と離隔
した外側端部において患者支持部材を支持する剛
性の片持ちリフトアームと該アームを昇降させる
リフト機構とを具備しかつ検量設備を備え、前記
アームが直線パスに沿つて昇降し、歪ゲージまた
は変位変換装置を包含するセルが前記アームの中
間位置に組込まれ、かつ前記セルが、前記患者支
持部材の上側または内側にて支持される患者の重
量の指示を与える電子検出兼指示回路と関連し
て、重量負荷により生じる前記アームのせん断応
力に応答するごとく設けられている。

支持構造体は可動シヤーシの上に支持された直
立したコラムを有していることが好ましい。

セルは支持構造体の近傍のアームに装着されて
いるのが好ましく、電子検出兼指示回路はアーム
に取り付ける場合、該回路の制御動作がアームの
内側端部の負荷に影響を及ぼさず従つてセルから
得られた信号に影響を及ぼさないようにセルと支
持構造体の間に設けるのが好ましい。セルは、支
持構造体から突出しアームの内側端部分をなす短
いスタブ状部分と、患者支持部材を支持するより
長い外側アーム部分との間にフランジボルト止め
されるのが好ましい。

このようなセルのフランジを用いた装着はいく
つかの利点を有する。第１に、アームの外側端部
分を同様なフランジ固定で異なつたタイプのもの
と容易に交換可能であり、例えば脚のない浴用い
す上に患者を支持するアームがスリングで患者を
吊下するごときものと交換可能となる。第２に、
セルは保守または修理の目的のために容易に変え
ることができる。第３に、初めに基本的ホイスト
を検量設備なしで提供し、購入者に後でセルの購
入する機会を与えることができる。後者の場合、
取付けていないセルの長さ分補償した長さの長い
別の外側端部分を切めに取付けるか、またはアー
ムをスペーサブロツクと置換えたセルと同じにし
ても良い。

セルは対称的な側方切欠きを有する直方体状全
属ブロツクから成り、該切欠きにより上側ウエブ
及び下側ウエブが残され、該上側ウエブ及び下側
ウエブにより２つのアーム部分を相互連結し、セ
ルが支軸のない平行四辺形のごとくアームのせん
断負荷の下に屈曲することが好ましい。上記平行
四辺形の偏倚は、アームの中立軸上をセル内に設
けられた切欠きを横切るように延び歪ゲージが取
付けられたセンターリムにより検知するのが好ま
しい。歪ゲージ及び関連回路は従来のタイプのも
ので良く、少なくとも0.045Kgｍ（0.10lbs）の信
頼性のある精度を有し、速やかな応答及び良好な
長期間安定性を与えるものが好ましい。

（発明の構成及び作用） 以下本発明の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。

第１図に示すホイストは、４つのコーナーキヤ
スタ１ａを有する可動シヤーシ１と、該シヤーシ
１の後部中央に設けられた直立したリフトコラム
２と、該コラム２から突出しているリフトアーム
３と、該アーム３の外側端に固定された担架型の
患者支持部材４とから構成されている。リフトコ
ラム２は、その下部５がシヤーシ１に固定され、
その上端部にアーム３が固定されるごとき伸縮自
在のコラムである。コラム２内に設けられた手動
式リフト機構（図示せず）はコラム２を伸縮させ
るために回転される巻上げハンドルを有してお
り、これによりアーム３が直線パスに沿つて昇降
される。

アーム３は、コラム２の上部６に固着されてい
る短いスタブ状の内側端部分７と、患者支持部材
４が取付けられている外側端部分８を有してい
る。歪ゲージが設けられたセル（ロードセル）９
がアーム３に組込まれ、該セル９はアーム内側端
部分７及び外側端部分８にそれぞれフランジボル
ト止めされている。第２図に詳細に示すように、
セル９はアーム内側端部分７及び外側端部分８の
フランジ１０及び１１の間に、固定されている。
アーム内側端部分７は、コラム２の上部６に溶着
されているプレート７ａを有している。プレート
状のフランジ１０が皿頭ボルト１２ａによりセル
９に固定された後、該フランジ１０はボルト１２
によりプレート７ａに固定される。アーム外側端
部分８はボルト１３によりセル９の外側端に固定
される。

サイドカバーを取除いて第２図に示されている
セル９は、リフトアーム３内のせん断応力には敏
感であるが、リフトアーム３内の曲げモーメント
にはあまり敏感でないように特に開発されたタイ
プのものである。その結果、検量装置はリフトア
ームすなわちこの種患者支持部材の垂直重量負荷
にのみ効果的に応答し、患者支持部材の患者の位
置決めはあまり重要ではなく、検量の精度に影響
を及ぼさない。セル９は機械加工された側方切欠
き１４を有する金属ブロツクより成り、該切欠き
１４により上側と下側に薄いウエブ１５及び１６
が残され、これらのウエブ１５及び１６を介して
アーム内側端部分７及び外側端部分８が相互に連
結される。ウエブ１５及び１６は、金属ブロツク
の切欠き中央部分が支軸のない平行四辺形として
動作するごとく負荷のもとで屈曲する。薄いセン
ターリム１７はセル９の中立軸上を切欠き１４を
横切るごとく延びており、その側部に従来式の歪
ゲージ装置１８が接着されている。切欠き１４の
両側の金属ブロツク内側部分９ａ及び外側部分９
ｂは、ボルト１２ａ及び１３の締付けにより該ブ
ロツクが変形せずかつ検量精度に影響を与えない
ような適当な厚さを有している。

従来型の検出兼指示回路を使用した電子式ユニ
ツト制御兼デイジタル指示装置Ｕが、コラム２に
設けられている。該装置Ｕはコラム２の上部６の
アーム３に近接した適当位置に固定され、かつ歪
ゲージ１８に電気的に接続されている。装置Ｕは
バツテリー内蔵型であり、ON／OFFスイツチ
と、患者支持部材４上に患者を載せない状態で零
点の調整を行なう零点制御のごとき各種制御機能
とを有している。スイツチ及び制御機能の動作は
アーム３の外側端部分には作用しないので、セル
９より得られた信号には何ら影響は及ばない。装
置Ｕはタイミング回路を有み、該タイミング回路
は一定の重量指示読取りがなされた時プリ期間の
後に歪ゲージへの電力をスイツチオフするように
動作する。これによりバツテリーの電力が節約さ
れ、バツテリーの寿命を長くすることができる。

第１図〜第３図に示したホイストは、端部に担
架式患者支持部材４が固定されている全長の短い
アーム３を有している。患者支持部材４のフレー
ムは２つの下向きチユーブ１９により片持支持さ
れている。チユーブ１９は第１図の側面図ではク
ランク状をなしており、正面図（図示せず）では
Ａ字状フレームをなし外側に向つて枝分かれして
いる。

第４図は、第１図〜第３図のアーム外側端部分
８を、フランジ１１と同様な取付フランジ２１を
有する長いアーム外側端部分２０で置換えた本発
明による変形例を示す平面図である。本変形例で
は、前述の実施例と同様な固定ねじ１３を使用す
ることができ、また第４図に内側端断面のみが示
されているアーム外側端部分２０を所望のタイプ
のものとすることが可能である。こうして本変形
例は、患者支持部材を脚のない風呂用いすの形態
で支持するように設計することが可能となり、更
に患者支持用スリングのためのあるいは担架フレ
ームのスリング支持体のための取付け手段を有す
るように設計可能である。上記の患者支持装置は
検量設備を持たないホイストとともに使用される
ことが知られている。

第４図のホイストの基本的な構造はリフト機構
に関しても異なつている。この場合、コラム２２
は伸縮自在式ではない。その代わりに、中空の矩
形断面を有するコラム２２に沿つて移動自在のキ
ヤリツジ（図示せず）に、前方側面の長手状スロ
ツト２４を介して突出するごとく、短いアーム内
側端部分２３が取付けられている。アーム内側端
部分２３はフランジ１０と同様なセル９に固定す
るためのフランジ２５を有している。この場合に
おいてもアーム３はその昇降中に直線並進移動を
行なう。

特別な形状のセル９及びアーム３におけるその
配置により、セル９はアーム３内のせん断応力に
のみ敏感で曲げモーメントにはほとんど依存しな
いようになり、その結果、所望の長さのアーム外
側端部分２０及び任意の患者支持装置が使用可能
となる安定性のため実際のアーム及び支持装置は
常にシヤーシ１の構造に適合していることが好ま
しく、このようにすると吊下げ荷重はキヤスタ１
ａにより定められた支持領域内において作用す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のホイストの側面
図、第２図は上記ホイストの詳細な拡大側面図、
第３図は上記ホイストの平面図、第４図は本発明
の変形例の平面図である。 １……可動シヤーシ、１ａ……キヤスタ、２…
…リフトコラム、３……リフトアーム、４……患
者支持部材、５……リフトコラム２の下部、６…
…リフトコラム２の上部、７……アーム内側端部
分、８……アーム外側端部分、９……セル、１
０，１１……フランジ、１２，１２ａ，１３……
ボルト、１４……切欠き、１５，１６，１７……
ウエブ、１８……歪ゲージ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 直立した支持構造体と、該支持構造体から突
   出しかつ該支持構造体と離隔した外側端部におい
   て患者支持部材を支持する剛性の片持ちリフトア
   ームと、該アームを昇降させるリフト機構とを具
   備しかつ検量設備を備えた患者用ホイストにおい
   て、前記アームが直線パスに沿つて昇降し、歪ゲ
   ージまたは変位変換装置を包含するセルが前記ア
   ームの中間位置に組込まれ、かつ前記セルが、前
   記患者支持部材の上側または内側にて支持される
   患者の重量の指示を与える電子検出兼指示回路と
   関連して、重量負荷により生じる前記アームのせ
   ん断応力に応答するごとく設けられていることを
   特徴とする患者用ホイスト。 ２ 前記支持構造体が、可動シヤーシの上に支持
   された直立したコラムを有する特許請求の範囲第
   １項に記載の患者用ホイスト。 ３ 前記電子検出兼指示回路が前記支持構造体上
   または前記支持構造体と前記セルの間の前記アー
   ム上に設けられる特許請求の範囲第１項または第
   ２項に記載の患者用ホイスト。 ４ 前記セルが、前記支持構造体の近傍の前記ア
   ームに装着される特許請求の範囲第１項〜第３項
   のうちのいずれか一項に記載の患者用ホイスト。 ５ 前記セルが、前記支持構造体から突出し前記
   アームの内側端部分をなす短いスタブ状部分と、
   前記患者支持部材を支持するより長い外側アーム
   部分との間にフランジボルト止めされる特許請求
   の範囲第４項に記載の患者用ホイスト。 ６ 前記セルが対称的な側方切欠きを有する直方
   体状金属ブロツクから成り、前記切欠きにより上
   側ウエブ及び下側ウエブが残され、該上側及び下
   側ウエブによりその間に前記セルが設けられてい
   る前記アームの内側端部分と外側端部分を相互連
   結し、かつ前記セルが支軸のない平行四辺形のご
   とく前記アームのせん断負荷の下に屈曲する特許
   請求の範囲第１項〜第５項のうちのいずれか一項
   に記載の患者用ホイスト。 ７ 前記セルのセンターリムが前記アームの中立
   軸上を前記セル内に設けられた前記切欠きを横切
   るごとく延び、歪ゲージが前記平行四辺形の偏倚
   を感知するように前記センターリムに取付けられ
   る特許請求の範囲第６項記載の患者用ホイスト。