JPS6135613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建物の天井下地を構成する型材の交
叉部を固定する結合金具に関する。

近年、ビルデイング等の建物の天井下地を防火
構造として効率良く施工するため、天井スラブの
下方に金属製の型材を縦横に張り渡して格子状枠
組を形成し、その下面に天井ボードをタツピング
で止めて天井面を形成する工法が採用されてい
る。この工法によれば、格子状枠組を形成する際
には、第１図に例示するように、吊りボルト１お
よびハンガー２によつて天井スラブ（図示せず）
の下方に張り渡した断面Ｃ字状の上部型材３と、
その下に交叉するように張り渡した断面Ｕ字状の
下部型材４との交叉部を、結合金具５で固定して
おり、天井ボード６は下部型材４に取り付けてい
る。結合金具５は、その上方部分５ａが上部型材
３の側面および上面に密着するように折り曲げら
れ、下方部分５ｂは下部型材４の両側部上縁を内
向きに折り曲げて形成した長手方向溝部４ａに係
合するように形成されている。そして使用の際に
は、第２図に破線で示すように上方部分５ａが上
部型材３の上端縁に沿つて折り曲げられ、この上
方部分５ａと下部型材４の溝部４ａに係合した下
方部分５ｂとで上下の型材３，４を挾持して固定
する。すなわち、この結合金具５は断面Ｃ字状の
上部型材３の高さに合わせて予め略直角に折り曲
げられており、現場では、第２図に示すように上
端縁を折り曲げるだけで上下の型材３，４の交叉
部を固定できるようになつている。なお、結合金
具５の上方部分５ａは、現場での折り曲げを容易
にするために第１図に示すように切り欠かれてＵ
字状に形成されている。

ところが、一般に型材の寸法は常に同一ではな
く、ある程度のバラツキがあるのに対し、上述し
た結合金具５は、予め指定した型材の寸法に合致
するように形成されているため、型材の寸法の誤
差がある場合には交叉部をしつかり固定できない
という問題がある。例えば型材３の高さが予め定
めた寸法よりわずかでも大きい場合には、第３図
ａに示すように結合金具５の高さが不足するた
め、この金具５は型材３の側面および上面に密着
せず、また、型材３の高さが予め定めた寸法より
小さい場合には、第３図ｂに示すように結合金具
５が型材３より高くなつてその上面に完全に密着
せず、がたが生じたりする。従つて、いずれの場
合でも上下の型材３および４を強固に結合するこ
とができない。

このため、型材の精度を上げることが考えられ
るが、型材を加工する時の歩留りや作業性が低下
する恐れがある。

本考案は上記に鑑みてなされたもので、型材の
寸法に誤差があつても上下型材の交叉部を強固に
結合できる結合金具を提供することを目的とす
る。

以下、実施例に基づいて本考案を説明する。

第４図は本考案の一実施例を示す図で、この結
合金具５は、前記と同様に、上部型材３の側面お
よび上面に沿うように折り曲げられた上方部分５
ａと、下部型材４の内側溝部４ａに係合する下方
部分５ｂとから成るものであるが、上部型材３の
上面に沿う上方部分５ａの一部が下方に膨出せし
められて略半球状の突出部７を形成しており、こ
の突出部７の突出高さ分だけ高くなつている。こ
の突出部７は、結合金具５を上下型材３，４の交
叉部に取り付けた時には、第５図に示すように型
材３の上面の平面部に当接し、これを押圧して型
材３と型材４を強固に結合するものであるが、こ
の作用は、前述のように型材３の高さが予めた寸
法と一致しない場合でも変らず、交叉部を強固に
固定することができる。

例えば、型材３の高さが予め定めた寸法より大
きい場合には、第６図ａに示すように結合金具５
の上方部分５ａを型材３の上端縁に沿つて折り曲
げることで、突出部７が型材３の上面に圧接さ
れ、型材３と型材４を強固に結合する。また、型
材３の高さが予め定めた寸法より小さい場合に
も、第６図ｂに示すように突出部７が型材３の上
面に圧接されるので、結合金具５と型材３との間
にがたが生じたりすることはない。

なお、上記実施例では上方部分５ａをＵ字状に
形成して曲げ易くしてあるので、突出部７は、２
個所に設けられているが、Ｕ字状に形成しない場
合には１個所でもよい。また、突出部７の形状は
半球状に限られず、任意の形状でよい。更に、型
材３および４の形状が変われば、これに応じて結
合金具５の形状も変えることができる。

上記のように、本考案の結合金具は、上部型材
の上面の平面部に当接する突出部を上方部分に設
けたので、型材の寸法に誤差があつても、型材と
の間にがたが生じたりすことなく交叉部を強固に
結合できるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の結合金具で固定した天井用型材
の交叉部を示す斜視図、第２図は従来の結合金具
による固定方法を示す交叉部の側面図、第３図は
型材の高さが所定寸法でない場合の交叉部の固定
状態を示す側面図、第４図は本考案の結合金具の
取付前の状態を示す斜視図、第５図は本考案の結
合金具で固定した交叉部の側面図、第６図は型材
の高さが所定寸法でない場合に本考案の結合金具
で固定した状態を示す側面図である。 １……吊りボルト、２……ハンガー、３および
４……型材、５……結合金具、６……天井ボー
ド、７……突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物の天井スラブの下方に張り渡される上部型
   材３の側面および上面に沿うように折り曲げられ
   た上方部分５ａと、前記上部型材３の下にこれと
   交叉して張り渡される下部型材４に係合する下方
   部分５ｂとから成り、前記上部型材３と前記下部
   型材４との交叉部を結合する金具において、前記
   上方部分５ａの裏面には、前記上部型材３の上面
   の平面部に当接して該平面部を圧接する突出部７
   を突設したことを特徴とする天井用型材の結合金
   具。