JPS6135341Y2

JPS6135341Y2 -

Info

Publication number: JPS6135341Y2
Application number: JP11801281U
Authority: JP
Priority date: 1981-08-08
Filing date: 1981-08-08
Publication date: 1986-10-14
Also published as: JPS5823268U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、溶湯を鋳型等に注湯する注湯ポツ
トに関する。

従来、この種の注湯ポツトとして、たとえば、
第１図に示すように、注湯樋１に設けられた注湯
ノズル口２の下方の適宜位置に設置され、該注湯
ノズル口２から落下される所定量の溶湯３を受け
るとともに、場合によつては接種剤供給装置４か
らシユータ５を通して粉粒状の接種剤６を受け、
傾動用支軸７を支点として適宜傾動されることに
より、当該ポツトの下方に設置された鋳型８等に
注湯するようにしたものが公知である。

しかしながら、上記従来の注湯ポツトにおいて
は、その比較的低温の底面部に、高い熱エネルギ
ーを有する溶湯３が落下すると、該底面部で反射
されて、溶湯３の飛沫が、第１図中、矢印で示す
ように、周囲に可成りの勢いで飛散し、当該注湯
ポツトの周辺に設置された装置及び機器等を損焼
したり、注湯作業者に火傷等を負わす危険性があ
つた。

また、当該注湯ポツトの受湯時に接種も同時に
行う時は、供給される接種剤６が溶湯３に十分融
合されず、当該ポツトに貯留された湯面に可成り
の量の接種剤６が浮遊し、かつ、該接種剤６が、
当該ポツトの内壁面に付着してポツト容積を不要
に小さくしたり、該接種剤が無駄に使用されると
いう不具合があつた。

この考案は、上記種々の問題点を解決するため
になされたもので、溶湯が落下される底面部の所
定の領域の周囲に、所定の高さの仕切壁を設け、
該仕切壁の適宜位置に、溶湯の流出可能とした開
口を設けて、該仕切壁により、落下される溶湯の
周辺への飛散を有効に阻止するとともに、該仕切
壁内に貯留される溶湯に、該溶湯が有する運動及
び熱エネルギーを利用して、撹拌運動を惹起さ
せ、接種剤等が溶湯に確実に融合できるようにし
た注湯ポツトを提供することを目的とする。

以下に、この考案の一実施例を、第２図乃至第
５図とともに説明する。

図面において、１０は、この考案に係る注湯ポ
ツトである。

上記注湯ポツト１０は、耐火材、たとえば、ア
ルミナAl₂O₃に天然シリカSiO₂等を混合した材料
により、平面形状が方形状にかつ断面形状がＵ字
形に形成された受湯部１１を形成するとともに、
該受湯部１１の壁部に、嘴状の注湯口部１２を形
成したものである。この注湯ポツト１０の底面部
１０ａには、その中央部の方形状の領域の周囲
に、適宜高さの耐火材にて成る角筒状あるいは円
筒状仕切壁１３が設けられている。さらに、この
仕切壁１３の注湯口部側の下方部には、適宜大き
さの開口１４が設けられている。

上記注湯ポツト１０は、第１図の注湯ポツトと
同様に、その底部の外面部１０ｂに取り付けられ
たブラケツト１５を介して、注湯樋１の注湯ノズ
ル口２より下方の適宜位置に設置された支軸１６
に、傾動可能に装着されている。そして、注湯樋
１の注湯ノズル口２から、注湯ポツト１０に設け
られた仕切壁１３で包囲された空間に、所定量の
溶湯３が落下されるとともに、接種剤供給装置４
からシユータ５を介して接種剤６が供給され、こ
の注湯ポツト１０を適宜傾動して、鋳型８に注湯
するようになつている。

上記構成の注湯ポツト１０において、注湯樋１
からの受湯初期においては、該注湯樋１から落下
された溶湯３は、当該注湯ポツト１０の仕切壁１
３で囲まれた底面部１０ａに当たり、該底面部１
０ａではね返されて周辺に飛散するが、これ等の
溶湯滴は、仕切壁１３の内面に当つて、その飛翔
が阻止され、該仕切壁１３外への飛散が阻止され
る。

そして、当該注湯ポツト１０の受湯開始の直後
において、仕切壁１３で囲まれた空間に投入され
た溶湯は、ほとんど、該仕切壁１３により該空間
から外部への流出が阻止されて滞留する。よつ
て、その後、上記注湯樋１の注湯ノズル口２から
落下された溶湯は、上述の滞留した湯面に当たる
こととなり、該溶湯の運動及び熱エネルギーが、
低温の固い底面部１０ａに当たつたときよりも、
より多く該湯面部に吸収されて、仕切壁１３外へ
の溶湯滴の飛散が、より確実に阻止される。ま
た、これと同時に、落下してくる溶湯が有する運
動および熱エネルギーにもとづき、上記仕切壁１
３で囲まれた空間に滞留した溶湯に、第２図中、
矢印で示すように、撹拌運動が惹起される。よつ
て、上記接種剤供給装置４から供給された接種剤
６は、確実に、当該滞留した溶湯に融合される。

このようにして、接種剤６が融合された溶湯の
滞留量が所定値に達すると、仕切壁１３の下方部
に設けられた開口１４から、該溶湯が、当該注湯
ポツト１０における仕切壁１３外の受湯部１１に
流出する。この仕切壁１３から流出した溶湯は、
上述したように、当該ポツト１０を傾動させるこ
とにより、鋳型８に注湯するようになつている。

なお、上記仕切壁１３は、第４図に示すよう
に、底面部１０ａの中央部の適宜領域を、注湯口
部１２と対向する部分を開口１４′として、コ字
形に形成したものであつてもよい。また、第５図
に示すように、注湯口部１２の傾斜した底面部１
２ａに、上述した仕切壁１３を設けるようにして
もよい。このようにすれば、仕切壁１３を、第２
図および第３図に示すものよりも簡単に、かつ安
価に製作することができ、その作用も、上述の仕
切壁１３と同様におこなわせることができる。

また、上記仕切壁１３は、コ字形に形成したも
のに限らず、〓形等に形成したもの（図示しな
い）であつてもよく、さらに上方より下方を広く
してもよい（図示しない）。

以上に説明したように、この考案に係る注湯ポ
ツトによれば、落下される溶湯を受ける底面部
に、その所定の領域の周囲に所定の高さの仕切壁
を設けるとともに、該仕切壁で囲まれる空間に受
湯した溶湯が流出する開口を設けて、該仕切壁に
より、供給される溶湯が周辺に飛散するのを確実
に阻止するとともに、該仕切壁で囲まれる空間に
滞留された溶湯に、供給される溶湯の有する運動
及び熱エネルギーを有効に利用して撹拌運動を惹
起させて、当該ポツトの受湯時に供給される接種
剤等を確実に、供給された溶湯に融合させるよう
にしたから、当該ポツトの操作の安全性は非常に
高いものにすることができ、かつ、周辺の他の装
置、機器を損焼する虞れもなく、接種剤等の使用
効率を非常に高いものにすることができるという
優れた利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の注湯ポツトの構成を説明する
ための図、第２図は、この考案に係る注湯ポツト
の構成を説明するための図、第３図は、第２図の
注湯ポツトの横断面図、第４図は、この考案の他
の実施例の注湯ポツトの平面図、第５図は、この
考案のもう１つの実施例の注湯ポツトの縦断面図
である。３……注湯、６……接種剤、１０……注湯ポツ
ト、１０ａ……底面部、１１……受湯部、１２…
…注湯口部、１３……仕切壁、１４，１４′……
開口。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ポツトの上方に注湯口部を有し、注湯口部が上
下に回動できるように所定支点で傾動可能に支持
されるとともに落下される溶湯を受ける底面部の
所定の領域の周囲に、該底面部から所定の高さに
起立した耐火材製の仕切壁を設けるとともに、該
仕切壁の上記注湯口部に対向する位置に、溶湯の
流出可能な適宜大きさの開口を設けて構成したこ
とを特徴とする注湯ポツト。