JPS6134373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は印刷済の連続した印刷用紙を収納する
スタツカに係り、自重で折目が正しく再現するこ
とが困難な薄い用紙を散乱することなく折り畳み
収納することができる用紙スタツカを提供するも
のである。

インパクト型ラインプリンタは複数個の印字ハ
ンマユニツトを印刷用紙の桁方向に沿つて配列し
ており、１印字行の印字が略同時に終了するた
め、シリアル型プリンタに対して印刷処理能力が
高く、１分間に数百行の印刷能力がある。したが
つて印刷用紙の移動速度も早く、印刷部からは短
時間に多量の印刷済用紙が排出される。そのため
排出された印刷用紙に対して何等の配慮もしない
と、印刷装置の周囲は排出された印刷用紙が散乱
することとなり、それ故に特に高速処理が可能な
印刷装置では印刷部から排出される用紙を能率よ
く折り畳んで収納する用紙スタツカが用いられ
る。

その概要を第１図に示す。第１図は用紙スタツ
カを含むインパクト型ラインプリンタの概要を示
す側面図である。印刷用紙１は所定長毎にその幅
方向にミシン目が設けられており、これが折目部
となる。かかる印刷用紙１はその両端部に設けら
れたパーホレーシヨン孔に係合するトラクタより
なる給紙機構７によつて用紙ホツパ６より用紙ス
タツカ８に向けて矢印方向に移送される。印刷用
紙１の移送経路の一部には印刷部９が存在する。
印刷部９は印刷用紙１を介して対向するハンマ機
構および活字ドラム３よりなる。ハンマ機構は複
数個のハンマ４が桁方向に配列され、そのハンマ
４と対をなしハンマ４を駆動するマグネツト５を
有している。活字ドラム３はその表面に多数の活
字を配列してなり、連続的に図示しない同期モー
タにより回転される。この回転に同期して複数個
のマグネツト５を選択的に励磁することによつて
ハンマ４は活字ドラム３に対してインクシート２
を介して印刷用紙１を押圧する。印刷部９から排
出される印刷済の印刷用紙１はスタツカ８に至
り、ここで折り畳まれて収納される。

ところで、スタツカ８における用紙１はその折
目に沿つて折り畳まれて積み重ねられるのが理想
であるが、印刷用紙１が複数枚構成の複写用紙は
用紙間に介在された複写層（インクシート）の自
重も手伝つてその折目に沿つて折り畳まれる。し
かし印刷用紙１が１枚構成のものあるいは連量の
少ないものは、用紙の自重で折り癖を再現するこ
とがむずかしく、用紙の折目で完全に折り畳まれ
ることが少ない。したがつて、積み重ねられた印
刷用紙の両端部が中央部に対して異常に高くな
り、やがては折り畳み不能となる。このことを第
２図に沿つて説明すると、第２図ａのように、印
刷用紙１の折り畳みが進行するにつれて受台２０
からの高さが中央部と両端部では異なつてきて、
最終的には第２図ｂのようになる。

本考案はかかる従来の用紙スタツカが有する欠
点を除去するものであり、印刷用紙の折目に沿つ
て規則正しく折り畳むことにより折り畳み不能状
態を生じることがない用紙スタツカを提供するも
のである。

かかる目的は本考案によれば用紙ガイド板の少
なくとも一部を印刷用紙の落下方向に対して傾斜
させるとともに、受台を用紙の落下方向に微上下
動させることにより、前記用紙ガイド板の傾斜ガ
イド面に対し折り重ねられた用紙の折目部分を受
台の微上下動によつて強制的に押圧することによ
つて達成される。

以下第３図以降の図面に沿つて、本考案による
用紙スタツカを詳細に説明する。第３図ａは本考
案による用紙スタツカの正面図、第３図ｂはその
側面図である。図示しない印刷部から排出された
印刷用紙３０はローラ３１ａ，３１ｂによつて移
送され、ガイド片３２ａ，３２ｂの間を経て用紙
受台３４の上部に至る。ローラ３１ａ，３１ｂは
印刷装置における給紙機構とその回転速度が同期
しており、印刷用紙に無駄な張力がかかることを
防止している。ガイド片３２ａ，３２ｂは可撓性
を有しており、印刷用紙３０の紙面と垂直方向へ
の揺動を規制し、かつ許容している。用紙ガイド
板３３はその内面に印刷用紙３０の落下方向と略
同方向に伸びるガイド面を有しており、かかるガ
イド面は印刷用紙３０の折目の一方をガイドする
ものである。用紙ガイド板３３のガイド面のうち
その上方の一部は印刷用紙３０の落下方向に対し
て傾斜する傾斜ガイド部３３ａを有している。そ
の傾斜の方向は用紙受台３４上に折り重ねられた
印刷用紙３０の上部の折目に当接する如くそのガ
イド面は下方を向いている。用紙受台３４はその
右端が櫛歯状とされ、同じくその下方が櫛歯状と
された用紙ガイド板３３に係合している。かかる
用紙受台３４は第３図ｂに点線にて示す位置を上
限として印刷用紙３０の落下方向すなわち矢印方
向に移動することができる。これは用紙受台３４
に折り重ねられた印刷用紙の量を例えば光学的に
検出することによつてその移動が制御される。更
に用紙受台３４は前記用紙量に応じた上下動とは
別に用紙量とは無関係に微上下動するように制御
される。かかる微上下動は用紙量によつて定まる
位置を基準として所定の距離だけ所定の周期で上
下動される。用紙量に関係する上下動および用紙
量に無関係なく微上下動は同一の駆動源，駆動機
構を介して行なわれる。

用紙ガイド板３３の傾斜ガイド面３３ａの下方
には突起３５ａを有する突起片３５が複数個配列
されている。突起３５ａは適当な弾性を有してお
り、印刷用紙３０の折目と係合して印刷用紙３０
を一旦係上することにより、落下しつつある印刷
用紙３０に対して既に積み重ねられた印刷用紙の
積載状態の影響を与えないようにする機能を有す
る。尚、３６はガイド用チエーンである。

第４図に印刷用紙３０の収納時における作用の
概要を示す。順次移送されてきた印刷用紙３０は
折目の折癖によつてある程度湾曲するが、その折
り畳みは完全でないため折目の一方は用紙ガイド
板３３の傾斜ガイド面３３ａ近傍に図示のごとく
用紙相互間で僅かづつ位置ずれした状態で大きく
湾曲している。一方用紙受台３４は前述の如く微
上下動を繰り返すので、用紙受台３４が上方に移
動したとき、その湾曲した各折目部は前記傾斜ガ
イド面３３ａに当接し、押圧されることとなる。
その結果、折目部においては折癖が助長されるこ
ととなり、湾曲は小さくなる。微上下動の周期を
短かくすると、同じ折目部が複数回間欠的に押圧
されることとなり、湾曲はより小さくなる。折目
部を境界とする隣接する用紙が略接触するまでに
折り畳まれた印刷用紙３０の折目部は突起３５ａ
に一旦係止されたのち、用紙受台３４に至る。用
紙受台３４における印刷用紙３０はその折目部が
湾曲することなく密接して積み重ねられることと
なる。

以上説明したように本考案によれば、用紙受台
を所定の周期で上下動するとともに、用紙ガイド
板の少なくとも一部に傾斜ガイド面を設けたもの
であるから、用紙受台の上昇に伴なつて印刷用紙
の折目部が傾斜ガイド面にて押圧されるので、折
目部における湾曲が是正される。その結果、用紙
受台上に積み重ねられた印刷用紙はその両端部と
中央部での高さの相違が縮小され、折り畳み不能
状態を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例であり、用紙スタツカを含むラ
インプリンタの概要を示す側面図、第２図は第１
図における用紙スタツカの積載状態を示す側面
図、第３図は本考案による用紙スタツカを示し、
ａは正面図、ｂは側面図、第４図は第３図におけ
る用紙スタツカの作用を示す側面図である。 １，３０は印刷用紙、８はスタツカ、３３は用
紙ガイド板、３３ａは傾斜ガイド面、３４は用紙
受台を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 印刷部から排出される連続した印刷用紙をその
   折目に沿つて折り畳み収納する用紙スタツカにお
   いて、 前記排出されて落下した印刷用紙３０を受ける
   受台３４と、落下する印刷用紙３０の折目部をガ
   イドする用紙ガイド板３３よりなり、 前記用紙ガイド板３３は少なくともその一部が
   折り畳まれた印刷用紙の上部に当接可能に印刷用
   紙の落下方向に対して傾斜しており、 前記受台３４は印刷用紙の落下方向に沿つて折
   り畳まれた用紙量に応じ上下動可能で、かつ所定
   の周期で微上下動されその微上動時に折り畳まれ
   た用紙の折目部を前記用紙ガイド板３３の傾斜ガ
   イド面３３ａに押圧することを特徴とする印刷装
   置における用紙スタツカ。