JPS6133828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は面格子に関する。

従来、窓部に付設される面格子は、大きく屋外
へ突出状となり、縦桟と横桟との連結用ビス頭が
見立ち、またサツシ窓枠の取付片にもビス頭が露
呈し、屋外からの美感を損ねていた。また屋外へ
大きく突出状であるため面格子の剛性が不足する
欠点があり、あるいは面格子を取付けた後にモル
タル仕上げをせねばならず施工が面倒という欠点
もあつた。

本考案はこのような欠点を解消し、屋外からの
美感が優れ、剛性が大きく、乾式工法の可能な面
格子の提供を目的とし、その特徴とする処は、開
口部の屋外面に当接状として固着具にて取付けら
れる取付片を有するサツシ窓枠の該取付片及び固
着具の頭部を、屋外側から被覆する化粧額縁に、
上記取付片よりも屋内の位置の面格子部を一体状
に設けて構成された点にある。

以下、図示の実施例に基づき本考案を詳説す
る。

１はアーチ型窓部であつて、ガラス２が嵌殺状
に嵌着されたサツシ窓枠３が開口部４に取付けら
れる。５，５は開口部４の柱を示し、６は鴨居、
７は窓台であり、具体的には、サツシ窓枠３は、
左右竪枠８，８、彎曲上枠９、下枠１０を額縁枠
状に連結してなり、あるいは倒立Ｕ字状に左右竪
枠８，８と上枠９を一体に彎曲形成してこれに下
枠１０を連結してなる。そして、この左右竪枠
８，８と上枠９の範囲では、屋外半体８ａ，９ａ
と屋内半体８ｂ，９ｂとでもつて、開口部４を屋
外側と屋内側から挾着状として取付けられてい
る。

屋外半体８ａ，９ａはその横断面が略Ｌ字状と
して、屋外端に、開口部４の屋外面１１に当接さ
れる取付片１２を有し、該取付片１２はビスや釘
等の固着具１３にて上記屋外面１１に取付けら
れ、他方、開口部４の内面に平行な本体部１４
は、該内面と所定の間隙部１５を形成し、本体部
１４の裏面の中間位置から突設された位置決め突
状１６は、屋内方から打込まれるくさび１７の傾
斜面に当接して上記間隙部１５が一定に保持され
るように構成されると共に、該本体部１４の屋内
端は内方に折曲げられたＬ字型突条１８が連設さ
れ、また該本体部１４の表て面の中間位置に小突
条１９が突設されている。２０は略チヤンネル状
のガラス保持部材であり、ガラス２の端縁がパツ
キン２１を介して保持される凹溝２２は、この保
持部材２０を屋外から着脱自在に嵌め込み、前記
小突条１９で係止させ、前記Ｌ字型状突条１８と
該保持部材２０とによつて形成される。

また、屋内半体８ｂ，９ｂは略７の字型であ
り、開口部屋内面２３に当接するＬ字型当接片部
２４と、開口部４の内面に当接する本体部２５か
ら成り、本体部２５の屋外端縁は前記間隙部１５
に挿嵌状とされ、屋外半体８ａ，９ａの本体部１
４との間にプラスチツク等の弾性部材２６が嵌着
される。

また、屋外半体８ａ，９ａの取付片１２の裏面
には２本の小突条２７，２７が突設され、コーキ
ングポケツト２８及びシールポケツト２９が形成
され、各々にコーキングとシール材を充填して屋
外面１１との水密性を保つている。３０は本体部
１４を固着するビス等の固着具であつて、くさび
１７も共に固定される。また３１は屋内半体８ｂ
を開口部４内面に固着するビス等の固着具を示
す。またガラス保持部材２０は、ビス３１にて本
体部１４に固定される。

そして、下枠１０は、開口部４内面に対応する
本体部３２は脚片部３３，３３を有する略門型横
断面であつて、屋外側脚片部３３から、屋外に下
傾の水切片部３４が連設され、該水切片部３４の
先端縁から取付片１２が垂設され、開口部４の屋
外面１１に当接状として固着具１３にて取付けら
れる。本体部３２とガラス２１との連結部の構造
は、上枠９と同様である。

しかして、３５は屋外側からサツシ窓枠３に取
付けられる面格子であつて、該面格子３５は、サ
ツシ窓枠３の取付片１２及び固着具１３の頭部１
３ａを、屋外側から全く見えないように被覆する
化粧額縁３６と、該化粧額縁３６に一体状に設け
られる面格子部３７とから構成され、しかも面格
子部３７は前記取付片１２よりも屋内位置に配設
される。

図例では、第１図のようにアーチ窓枠に沿つた
形状の化粧額縁３６を周囲桟として、その内部位
置にしだいに小さくなる相以形乃至やや縦長とな
る形状の内部桟３８…が複数個配設され、これ等
の内部桟３８…を横桟３９にて所定間隔に保持し
て構成される。しかも第２図と第３図に明示する
如く、横桟３９は、長い寸法の連結杆４０と、内
部桟３８…相互の間隔、及び内部桟３８と化粧額
縁３６との間隙を保持する短筒体４１…等から構
成され、かつ連結杆４０は一端に六角頭部４２を
有し、他端に雄ネジ部を有してナツト等の締着具
４３が螺着される。そして、内部桟３８の縦部側
壁面にはこの連結杆４０が挿通される貫孔４４が
開設され、かつ化粧額縁３６の屋内端に連設され
るチヤンネル状内嵌部４５にも同様の貫孔４４が
開設される。

ところで、該内嵌部４５は、左右竪枠８，８と
上枠９の本体部１４に内嵌状に当接し、また、下
枠１０の水切片部３４と外脚片部３３によつて形
成される凹所に内嵌され、チヤンネルの横断面を
した該内嵌部４５の凹溝部４６は、本体部１４・
水切片部３４側に対応し、該凹溝部４６は本体部
１４・水切片部３４にて、いわば蓋されることと
なり、屋内・屋外のいずれからも全く見えなくな
る。従つて、前記頭部４２及び締着具４３は、内
嵌部４５をサツシ窓枠３に嵌着した状態では、サ
ツシ窓枠３にて被覆（施蓋）されて、全く見えな
い。なお、４７は化粧額縁３６取付用ビスを示
す。

しかして、化粧額縁３６はサツシ窓枠３の取付
片１２及び固着具頭部１３ａを被覆するものであ
れば、その装飾用横断面形状は種々設計自由であ
ると共に、サツシ窓枠３が開口部内面に対応する
本体部１４あるいは水切片部３４に、内嵌状に取
付けられる内嵌部４５を一体型材にて成型されて
おり、しかも、この内嵌部４５は、面格子３７の
上下左右の周囲桟部材を兼用する極めて簡素な構
造である。

なお、本考案はその要旨を変更しない限り設計
変更自由であり、例えばアーチ窓の代りに通常の
矩形窓とすることもでき、面格子部３７は単に縦
桟と横桟を直交状に組立てたものとするも自由で
ある。また窓部として引違い戸や開き戸を有する
ものでも好ましい。

本考案の図示の実施例の効果によれば、第１図
のような比較的変化のある面格子部３７の内部桟
３８…を短筒体４１…にて所定間隔に保持出来、
かつ連結杆４０の挿通にて容易に組立てることが
出来る。また、化粧額縁３６と面格子部３７を予
め一体状に連結構成して後、屋外方からサツシ窓
枠３に簡単に嵌着出来て、取付けが迅速確実に行
なえる利点がある。また、面格子部３７を繊細で
優雅な種々の模様に桟を組んだ場合に、面格子部
３７は化粧額縁３６の屋外端の装飾部よりも十分
に屋内位置にあつて、強風時の飛来物にて損傷を
受ける心配がない。また、内嵌部４５をサツシ窓
枠３の内周面に嵌着するから、面格子部３７の取
付はがたつきがなく強固に行なわれ、図例の如く
化粧額縁３６は建物外面に単に当接するのみでな
く、モルタル仕上げやコーキングを、その後に行
なう必要が無い。従つて、乾式工法が実現されて
いる。さらに、サツシ窓枠３の固着具頭部１３ａ
は面格子３５にて隠され、逆に面格子３５の六角
頭部４２と締着具４３はサツシ窓枠３にて隠さ
れ、相互に巧妙に組立てられているといえる。

本考案は以上詳述したように構成された所期目
的を有効達成した。特に、化粧額縁３６は取付片
１２の固着具頭部１３ａを屋外から被覆して、窓
部外観の美感を高めることが出来、また、面格子
部３７は取付片１２よりも屋内位置であるから、
面格子部３７の周囲部のビス頭やボルト頭やナツ
ト等は、サツシ窓枠３そのものにて隠すことが容
易であつて、一層美感を向上出来ると共に、賊の
侵入防止の効果も大である。さらに、化粧額縁３
６を面格子部３７と一体状としたから、剛性が大
きくなり、かつシンプルな外観となる。かつ、取
付片１２よりも屋内位置に面格子部３７があるた
め、サツシ窓枠３の本体部１２等に面格子部３７
を取付けることが出来、面格子取付後にモルタル
仕上等の作業が不要であり、乾式工法が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す外観正面図、
第２図は要部分解斜視図、第３図は断面平面図、
第４図は断面側面図である。 ３……サツシ窓枠、４……開口部、１１……屋
外面、１２……取付片、１３……固着具、１３ａ
……頭部、３６……化粧額縁、３７……面格子
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部４の屋外面１１に当接状として固着具１
   ３にて取付けられる取付片１２を有するサツシ窓
   枠３の該取付片１２及び該固着具１３の頭部１３
   ａを、屋外側から被覆する化粧額縁３６に、上記
   取付片１２よりも屋内位置の面格子部３７を一体
   状に設けて構成されたことを特徴とする面格子。