JPH0716874Y2 - 窓用額縁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、サッシ枠の室内側に装着する合成樹脂製の
窓用額縁に関する。

（従来の技術） 周知の如く家屋の開口部にサッシ枠を取付ける場合、そ
の室内側に体裁や装飾を目的として、或はサッシ枠の納
まりを整える目的で額縁を取付けるが、その額縁の取付
手段として、例えば実開昭54-90027号の如くサッシ枠の
室内側にビス止め連結する手段、実開昭54-101016号の
如く家屋開口部に釘付けした後、同開口部にサッシ枠を
取付ける手段、実開昭54-154635号の如くサッシ枠の室
内側に一体成形して取付ける手段、実開昭49-138638
号、実開昭55-69580号、実開昭55-69581号の如く額縁の
ビス止め部を、額縁に設けたカバーで後から隠蔽するも
のが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 額縁をビス止めや釘付けして取付けるものにあっては、
ビス頭部や釘頭部が露出して目視されるため、額縁とし
ての体裁や装飾効果が悪くなるし、額縁のビス止め部を
カバーで隠蔽するものにあっては、カバーのヒンジが切
れると著しく体裁を損なう欠点があった。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本案はビス止め部を後からカバーで隠蔽する額縁におい
て、ビス止め凹溝の上部に内向突縁を設け、凹溝の片側
上端にヒンジを介してカバーを連設し、該カバーに内向
突縁と係止する爪脚を設けたものである。

（作用） 凹溝の一端に連設したカバーはヒンジを中心にして起伏
揺動し、閉鎖時に爪脚が凹溝の左右に設け内向突縁に係
止する。ヒンジが例え切れてもカバーを嵌脱し得る。

（実施例） 以下、本案窓用額縁の構造を実施例の図面により説明す
ると、額縁１は合成樹脂製の額骨２を枠状に組立てたも
ので、額縁１を構成する額骨２は家屋開口部Ａに取付け
たサッシ枠Ｆの内向壁ｆの内周側に重なる重合壁７と、
その室内側に連続し内周向きに開口する凹溝４、及び凹
溝４の室内側に連続する装飾部３より形成されている。

額骨２の重合壁７は開口部Ａに取付けたサッシ枠Ｆより
室内側に突設する内向壁ｆの内周側に重なり、装飾部３
はその一部に凹溝４と中空部13を形成し、凹溝４の入口
両側に内向突縁14,24を相対設すると共に、凹溝４の片
側上端に屈曲自在の軟質ヒンジ５を介してカバー６を連
設し、該カバー６の裏面に凹溝４の内向突縁14,24に係
止する爪脚16,26を突設している。

第２図乃至第４図の額骨２は、凹溝４の底壁4aを装飾部
３の底壁3aと略平行に設け、重合壁７をサッシ枠内向壁
ｆの内周側に重ね、装飾部底壁3aと凹溝底壁4aを柱内周
面d1に、装飾部３の外側壁3bをサッシ枠内向壁ｆに当接
し、凹溝４の底壁4aより柱Ｄに釘Ｎを打込むか、又はネ
ジＳを螺入して固定するものである。

第５図と第８図の額骨２は、装飾部３の室外側に凹溝４
を、装飾部３の室内側に凹溝４より一段外周に突出する
化粧部８を形成するもので、化粧部８は凹溝４の室内側
から外周向きに外周壁8bを突出し、外周壁8bと凹溝４に
跨がる化粧壁8aを設け、装飾部３の底壁3aを柱内周面d1
に、化粧部８の外周壁8bを開口部Ａの柱室内面d2、又は
室内側の内装材Ｐに当接し、凹溝４より柱Ｄに釘打けす
るか、ネジ止めするものである。

第６図と第７図の額骨２は、装飾部３の室外側に設ける
凹溝４と、室内側に設ける化粧部８の間に延長壁９を形
成するもので、化粧部８は延長壁９の室内側から外周向
きに突出する外周壁8bと、該外周壁8bに連続する化粧壁
8aより形成され、延長壁９より一段外周に突出し、装飾
部３の底壁3aと延長壁９を柱幅の大きい開口部Ａの柱内
周面d1に、化粧部８の外周壁8bを開口部Ａの柱室内面d2
か内装材Ｐに当接し、凹溝４の底壁4aより柱Ｄに釘Ｎを
打込むか、又はネジＳを螺入して固定する。

図中、10はヒンジ５の連設側と反対のカバー端面6aに一
体成形する軟質性の舌片で、凹溝４にカバー６を嵌合し
た際、凹溝４に密接する。同様の舌片11を重合壁７と化
粧部外周壁8bの室外側下縁にも設けることも可能であ
る。

12は延長壁９に設ける連結穴で、該連結穴12は装飾部３
の凹溝４に連設して、或いは凹溝４の下部に設けること
も可能である。

本案の窓用額縁は上記構造であるから、予め凹溝４の片
側上端にヒンジ５を介してカバー６を連設した額骨材を
押出し成形し、該額骨材より開口部Ａの大きさに応じた
長さの額骨2,2′を切断し、額骨2,2′の傾斜端面を相互
に突合せ、額骨2,2′の連結穴12を利用してビス止め固
定し、枠状に組み立てる。

本案の窓用額縁１を取付ける場合、先ず額縁１の重合壁
７を室外に向け、重合壁７を開口部Ａに取付けたサッシ
枠内向壁ｆの内周側に重なり、装飾部３の外周壁8bが室
内面d2に当接するまで挿入した後、凹溝４に連設したカ
バー６を起立解放し、凹溝４より柱Ｄに向けて釘Ｎを打
込み、或はネジＳを螺入し、額縁１を固定する。

次に起立解放したカバー６を凹溝４に向けて倒伏し、凹
溝４に向けて強く押圧すれば、カバー６の爪脚16,26が
凹溝４の内向突縁14,24に係止し、凹溝４を閉鎖する。

凹溝４に係止したカバー６を起立するには、凹溝４とカ
バー端面6aの間にドライバー等を差込み、ドライバーに
てこじあける。

カバー６の起伏によってヒンジ５が切れたり、額縁１の
組立や取付けの際にヒンジ５が切れ、カバー６が凹溝４
より切離れても、凹溝４の入口両側に内向突縁14,24が
形成され、カバー６の裏面に内向突縁14,24と係止する
爪脚16,26が設けられているため、切離れたカバー６を
凹溝４に嵌脱することもできる。

尚、本案窓用額縁は上記実施例に限定されるものではな
く、例えば凹溝４を額骨２の室内側、又は室内外間の適
所に設けても同様の目的を達するし、舌片10,11の一体
成形を省略することもできるばかりか、装飾部３と凹溝
４、化粧壁8a、及び重合壁７の形状構造等は、本案の要
旨に反しない限り適宜変更可能である。

〔考案の効果〕

従って本案の窓用額縁は、凹溝より釘付けするかネジ止
めした後、凹溝の一端にヒンジを介して連設したカバー
を、凹溝に倒伏して塞ぐものであるから、釘頭部やネジ
頭部をカバーによって隠蔽することができる。その結
果、額縁としての装飾効果が著しく向上するし、体裁も
良くなる。

又閉鎖したカバーはドライバーで簡単にこじあけて起立
することができるし、起立したカバーは凹溝に向けて倒
伏し、押込むだけで閉鎖できるので、カバーの開閉も容
易である。特にカバーはヒンジを介して連設しているの
で、凹溝より離脱しても紛失することがないし、例えヒ
ンジが切れ凹溝より切離れても、凹溝の入口両側に内向
突縁が設けられ、カバーの裏側に内向突縁と係止する爪
脚が設けられているため、切離れたカバーを凹溝に嵌脱
することもできる。

更に本案額縁は室内側にサッシ枠の内向壁と重なる重合
壁を突設するので、開口部を構成する柱幅や内装寸法が
多少大小しても、サッシ枠とその室内側に取付ける額縁
との間に隙間を生じることもない等、本案はサッシ枠の
納まりを良くし装飾的にも優れた額縁として利益な効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案額縁を取付けた窓下の縦断面図、第２図は
額骨装飾部の拡大側面図、第３図は本案額縁隅部の斜視
図、第４図は額縁の取付例を示す窓下部の縦断面図、第
５図と第６図は額骨接合部の斜視図、第７図と第８図は
額骨の構造例を示す側面図、第９図と第10図はカバーの
開閉状態を示す要部拡大図である。 Ａ……開口部、Ｄ……柱、Ｆ……サッシ枠、ｆ……内向
壁、Ｐ……内装材、Ｎ……釘、Ｓ……ネジ、１……額
縁、２……額骨、３……装飾部、４……凹溝、５……ヒ
ンジ、６……カバー、７……重合壁、８……化粧部、8a
……化粧壁、8b……外周壁、９……延長壁、10,11……
舌片、12……連結穴、13……中空部、14,24……内向突
縁、16,26……爪脚、

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】枠状に組立てる合成樹脂製の額骨２を、家
   屋開口部Ａに取付けたサッシ枠Ｆの内向壁ｆの内周側に
   重なる重合壁７と、その室内側に連続する装飾部３、及
   び装飾部３において内周向きに開口する凹溝４より形成
   し、凹溝４の入口両側に内向突縁14,24を相対設すると
   共に、凹溝４の片側上端に屈曲自在なヒンジ５を介して
   カバー６を連設し、該カバー６の裏面に凹溝４の内向突
   縁14,24に係止する爪脚16,26を突設し、カバー６を凹溝
   ４に嵌脱し得るようにした窓用額縁。
2. 【請求項２】装飾部３の室外側に凹溝４を、室内側に凹
   溝４より一段外周に突出する化粧部８を形成し、化粧部
   ８にて柱室内面d2を装飾し得るようにした実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の窓用額縁。