JPS6133813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 家具等に使用される折り畳み扉（アコーデイオ
ン式扉）は、複数枚の扉単体を蝶番により折り畳
み可能に連結したものであつて、一端部は蝶番に
より家具本体に枢着され、遊端部の上下両コーナ
ー部には家具本体側のガイドレールに遊嵌する遊
動案内体を備えたガイド装置が取り付けられる。
本考案は、このように折り畳み扉の遊端部に取り
付けて使用されるガイド装置に関するものであ
る。

（従来の技術及びその問題点） 上記のように折り畳み扉の遊端部上下両コーナ
ー部に取り付けられる一対のガイド装置は、前記
折り畳み扉の一端部を枢着する蝶番の垂直軸心と
平行な一本の仮想垂直軸心上に各ガイド装置の遊
動案内体が位置するように、十分な芯出し調整を
行つて取り付けなければ折り畳み扉を円滑に開閉
させることが出来ない。特に前記のような芯出し
調整が不十分であると、蝶番と上下一対のガイド
装置とが近接することになる開動限位置及びその
近傍位置に於いて、ガイド装置の遊動案内体とガ
イドレールとの間に無理な押し合いが生じ、扉単
体間にも捩じれが生じて到底円滑な開閉運動が期
待出来ない。

しかしながら従来のこの種のガイド装置は、扉
体に取り付けられる部材に対して遊動案内体の位
置を微調整することは出来ないか又は非常に困難
なものであつたため、扉体に対する取り付け時に
遊動案内体の芯出し調整を行う必要があり、扉体
に対する取り付け作業が非常に困難になる欠点が
あつた。

（問題を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し得
るガイド装置を提案するものであつて、その特徴
は、折り畳み扉の隅角部への取り付け部材に、一
定範囲内での昇降と自転とが可能な昇降体と、こ
の昇降体を出限位置と入限位置とで弾性的に位置
決めするクリツクストツパー、及び前記昇降体が
出限位置いあるときに当該昇降体の周面に設けら
れた環状凹部に対して嵌合押圧及び離脱自在な固
定用ねじを設け、前記昇降体の外端には、この昇
降体が入限位置にあるときに前記取り付け部材内
に格納される遊動案内体を、前記昇降体の自転軸
心に対して偏心状態で回転可能に軸支し、前記昇
降体を回転させるための回転操作部を設けた点に
ある。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。第１図及び第２図に於いて、１は
折り畳み扉であつて、一端部が蝶番３により家具
本体側板２に枢着されている。４は本考案のガイ
ド装置であつて、前記折り畳み扉１の遊端部に於
ける上下両コーナー部に取り付けられ、家具本体
天板部５と底板部６とに取り付けられているガイ
ドレール７ａ，７ｂに嵌合する遊動案内体１０を
夫々備えている。

前記ガイド装置４は第３図乃至第５図に示すよ
うに、折り畳み扉１の隅角部への取り付け部材９
に、一定範囲内での昇降と自転とが可能な昇降体
１７と、この昇降体１７を出限位置と入限位置と
で弾性的に位置決めするクリツクストツパー１
１、及び出限位置で前記昇降体１７を固定する固
定手段１２を設け、前記昇降体１７の外端には、
この昇降体１７が入限位置（第３図）にあるとき
に前記取り付け部材９の昇降体昇降用円柱状孔１
６内に格納される遊動案内体１０を、前記昇降体
１７の自転軸心に対して偏心状態で昇降体１７か
ら突設された垂直支軸１８により回転可能に軸支
し、前記昇降体１７を回転させるための回転操作
部（周方向複数個の孔）２７を前記垂直支軸１８
の基部に形成したものである。

前記取り付け部材９は、前記昇降体昇降用円柱
状孔１６を備えた角柱状体１３の一端から直角横
向きに取り付け片１４を連設したものであつて、
角柱状体１３の遊端部と取り付け片１４とに取り
付け用ねじ孔１５を有する。前記クリツクストツ
パー１１は、前記昇降体１７の内端から同心状に
連設された軸１９の遊端にＬ形ブラケツト２０を
介して取り付けられた撮み２２と、前記Ｌ形ブラ
ケツト２０に一端が固定された板ばね２３、及び
板ばね２３の先端凸曲部２３ａが嵌合する上下一
組の係止凹部２４ａ，２４ｂを備えている。２１
は撮み２２の軸部が貫通する長孔である。

前記固定手段１２は、前記昇降体１７の周面に
形成された環状凹部２５と、前記昇降体１７が出
限位置（第４図）にあるときに前記環状凹部２５
に対向する位置に設けられ且つ当該環状凹部２５
に対して嵌合押圧及び離脱自在な固定用ねじ２６
とから構成されている。

上記のガイド装置４は、折り畳み扉１の上端側
に取り付けるときは第３図及び第４図に示すよう
に遊動案内体１０が上方に突出するように取り付
け、折り畳み扉１の下端側に取り付けるときは遊
動案内体１０が下方に突出するように取り付け
る。折り畳み扉１の上端側に取り付けられたガイ
ド装置４を例にとつて使用方法を説明すると、折
り畳み扉１に取り付けたときには、第３図に示す
ように撮み２２を介して昇降体１７を入限位置ま
で下降させ、板ばね２３の先端凸曲部２３ａを係
止凹部２４ａに嵌合させておく。このとき遊動案
内体１０は第３図に示すように昇降体昇降用円柱
状孔１６内に格納され、折り畳み扉１の遊端部を
第２図に示す上下一対のガイドレール７ａ，７ｂ
間に嵌合させることが出来る。又、下側のガイド
装置４に於ける遊動案内体１０が重力で下降突出
することも、板ばね２３の先端凸曲部２３ａと係
止凹部２４ａとの嵌合により阻止されている。

格納状態の遊動案内体１０がガイドレール７ａ
に対向した状態に於いて、撮み２２により昇降体
１７を出限位置まで上昇させ、第４図に示すよう
に板ばね２３の先端凸曲部２３ａを係止凹部２４
ｂに係合させる。この結果、遊動案内体１０は昇
降体昇降用円柱状孔１６内から上方に突出し、ガ
イドレール７ａに嵌合する。下側のガイド装置４
に於ける遊動案内体１０も上記の如く下側のガイ
ドレール７ｂに嵌合させたならば、各ガイド装置
４に於ける回転操作部２７に側方から適当な棒状
工具の先端を差し込んで昇降体１７を垂直支軸１
８と共に自転させ、昇降体１７の自転軸心の周り
での垂直支軸１８の公転運動を利用して遊動案内
体１０の位置を前後左右に調整する。

この遊動案内体１０の位置調整は、折り畳み扉
１を開動限まで折り畳んで上下一対の遊動案内体
１０が蝶番３に隣接する状態に於いて、遊動案内
体１１，１２とガイドレール９，１０との間に無
理な押し合いが生じないように行うのが望まし
い。この遊動案内体１０の位置調整が完了したな
らば、このとき昇降体１７の環状凹部２５に固定
用ねじ２６が対向しているので、当該固定用ねじ
２６を締めつけてその先端を前記環状凹部２５内
に嵌合押圧することにより昇降体１７を出限位置
で固定すれば良い。

（考案の作用及び効果） 以上のように本考案のガイド装置によれば、折
り畳み扉の遊端部に装置全体を取り付けた後、遊
動案内体を突出させてガイドレールに嵌合させる
迄の間は、手を全く添えなくてもクリツクストツ
パーにより遊動案内体を確実に格納位置に保持さ
せておくことが出来るので、遊動案内体をガイド
レールに嵌合させ得る位置まで折り畳み扉の遊端
を移動させる操作が容易に行える。そしてガイド
レール内に嵌合させるために遊動案内体を出限位
置まで突出させたときも、前記クリツクストツパ
ーにより遊動案内体を突出位置に保持させ得るの
で、固定用ねじを昇降体の環状凹部に嵌合押圧さ
せて遊動案内体を前記突出位置に固定する作業も
容易に行える。

しかも上記のように装置を折り畳み扉に取り付
けると共に遊動案内体をガイドレールに嵌合させ
た後に於いても、前記昇降体の環状凹部に対して
嵌合押圧する固定用ねじを弛緩させた状態で昇降
体を適当角度回転させるだけで遊動案内体の位置
を微調整することが出来るので、装置を折り畳み
扉へ取り付ける時には精度が要求されない。従つ
て折り畳み扉への装置取り付け作業を簡単容易に
行える。そして前記のように遊動案内体の位置を
微調整することにより、このガイド装置を取り付
けた折り畳み扉の開閉を円滑良好に行わせること
が出来る。

更に本考案の構成によれば、遊動案内体の位置
を調整するために前記固定用ねじを弛緩させたと
き、仮に当該固定用ねじの先端が環状凹部から離
脱したとしてもクリツクストツパーにより昇降体
が重力により落下する恐れがなく、遊動案内体を
ガイドレールに嵌合させた状態で当該遊動案内体
の位置調整を行うことが出来る。又、固定用ねじ
の先端が昇降体の環状凹部に嵌合する状態で遊動
案内体の位置調整（昇降体の回転）を行うことに
より、昇降体を回転操作しているときにクリツク
ストツパーの係止が外れて遊動案内体が重力で落
下することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は折り畳み扉の横断平面図、第２図は同
縦断側面図、第３図は遊動案内体を格納した状態
のガイド装置の縦断側面図、第４図は遊動案内体
を突出させた状態のガイド装置の縦断側面図、第
５図は同平面図である。 １……折り畳み扉、３……蝶番、４……ガイド
装置、７ａ，７ｂ……ガイドレール、９……取り
付け部材、１０……遊動案内体、１１……クリツ
クストツパー、１２……固定手段、１７……昇降
体、１８……偏心状態の垂直支軸、２３……板ば
ね、２４ａ，２４ｂ……係止凹部、２５……環状
凹部、２６……固定用ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折り畳み扉の隅角部への取り付け部材に、一定
   範囲内での昇降と自転とが可能な昇降体と、この
   昇降体を出限位置と入限位置とで弾性的に位置決
   めするクリツクストツパー、及び前記昇降体が出
   限位置にあるときに当該昇降体の周面に設けられ
   た環状凹部に対して嵌合押圧及び離脱自在な固定
   用ねじを設け、前記昇降体の外端には、この昇降
   体が入限位置にあるときに前記取り付け部材内に
   格納される遊動案内体を、前記昇降体の自転軸心
   に対して偏心状態で回転可能に軸支し、前記昇降
   体を回転させるための回転操作部を設けて成る折
   り畳み扉用ガイド装置。