JPS6132999B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は未だ綴じていない本の中身を把握する
装置に関する。この装置は、例えば接着製本機の
ような接着結合機械に用いられる。

（従来技術） まだ綴じていない本の中身を平板チエンの間又
はベルトの側端間に把握して接着製本作業点ま
で、場合によつてはその他の作業点まで水平方向
に移送する平板チエン又はベルト―コンベヤは公
知である（例えば東独実用新案第16755号西独特
許第1208289号、東独特許第108954号参照）。

本の未綴じの中身を平板チエンの間又はベルト
の側端間に挿入する際、個々の紙葉相互間又は紙
の屑相互間にずれが生じる。この種のずれは、中
身を導入する際の押圧力が主として導入される本
の中身の内側の紙葉又は紙の屑に作用し、外側の
紙葉又は紙の屑が内側のそれらに比べて後方に残
されることによつて生じる。この現象は移送速度
が大きくなるにつれて増大する。この種のずれは
後になつて接着製本された中身の品質に悪影響を
及ぼす。従つてずれが許容限界内に止まるよう移
送速度を低く保たねばならず、そうすれば機械全
体の能力が著しく低下するという欠点があつた。

（発明が解決しようとする問題点） 従つて本発明が解決しようとする問題点は従来
技術における上記欠点を除くことであり、本の未
綴じの中身を移送する際に生じる個々の紙葉相互
間の、あるいは紙の層相互間のずれを阻止するこ
とである。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために、本発明によれば
所定の径路に沿つて送られてくる個々の紙葉また
は紙の層からなる本の未綴じ中身を受入れそれら
を間に挾持してさらにこれを移送する平板チエン
コンベヤ又はベルトコンベヤを備えた本の未綴じ
中身把握装置において、前記本の未綴じ中身が前
記所定の径路に沿つて送られ前記コンベヤに挿入
される直前の入口領域に、前記本の未綴じ中身１
０，１４の両外側面に向けて送風を噴射するよう
送風管８，８′に接続した送風噴射ノズル３，
３′を設けたことを特徴とする本の未綴じ中身把
握装置が提供される。

本発明の好ましい実施例によれば前記本の未綴
じ中身を前記コンベヤへ向けて案内するための対
向した一対の案内面が前記入口領域に設けられ、
前記送風噴射ノズルは該一対の案内面のそれぞれ
に形成される。

本発明の別の好ましい実施例によれば、前記一
対の案内面はその間隔が本の未綴じ中身移送方向
に向かつて先細りになるように対向配置される。

本発明の特別の好ましい実施例によれば、前記
一対の案内面は移送される本の未綴じ中身の面の
方向および前記コンベヤの移送方向に関して、お
よび該一対の案内面の間の間隔に関して、調節可
能に配置される。

本発明のまた別の好ましい実施例によれば前記
一対の案内面は、前記送風噴射ノズルも含めて、
前記コンベヤの有効挾持範囲内に導入される。

（実施例） 以下図面を参照し、本発明をその好適な実施例
にもとづいて説明する。

第１の実施例を示す第１図および第２図におい
て所定の径路に沿つて送られてくる本の未綴じ中
身１０が、図中模式的に単に示した公知の平板チ
エンコンベヤ又はベルトコンベヤ１，１′に挿入
される直前の入口領域において本の中身を案内す
る一対の対向案内面２，２′が配設されている。
これら両案内面２，２′はそれぞれ、その本中身
挿入側が外側に曲げられて案内面の表面は穿孔さ
れて送風噴射ノズル３，３′が形成されている。
送風噴射ノズル３，３′を備えた中身案内面２，
２′はできるだけ平板チエンコンベヤ又はベルト
コンベヤ１，１′に近く配設されている。この目
的のために、案内面２，２′は移送方向に尖らせ
て作られている。さらに各案内面２，２′はその
裏側に対抗壁面４，４′が設けている。その上方
および下方にはカバーが設けられていて案内面
２，２′が対抗壁面４，４′とともに送風室５，
５′を形成している。第２図に示すように対抗壁
面４，４′はねじ６によつて保持部７，７′に固定
されており、該保持部には送風路８，８′が設け
られている。貫通孔９，９′が送風路８，８′と送
風室５，５′とを連結している。送風路８，８′は
図示してはいないそれ自身公知の送風送入管に接
続されている。

第２図は、図示していない本の中身の方に向け
られている中身案内面２の外見を示している。

機械を起動すると送風噴射ノズル３，３′から
の送風が連続的に噴出する。第１図においてはこ
の送風が小さい矢印で示されている。個々の紙葉
又は紙の層からなる本の未綴じ中身１０は所定の
径路に沿い図示していない公知の中身移送手段に
よつて中身案内面２，２′の間に導入される。送
風噴射ノズル３，３′から噴出される送風がここ
で中身１０を両側から押しつけて、その個個の紙
葉又は紙の層が互いにずれないようにする。さら
にまた、中身１０の最外側の紙葉と各中身案内面
２，２′との間にそれぞれ薄いエヤクツシヨンが
生じ中身１０と中身案内面２，２′両者間の摩擦
を著しく軽減させる。このようにして中身１０は
平板チエンコンベヤ又はベルトコンベヤ１，１′
の間へ送り込まれる間ずれなく整列された状態を
維持して案内される。

このずれなく整列された状態は中身１０が平板
チエンコンベヤ又はベルトコンベヤ１，１′の間
に到達した瞬間にも完全に確保されている。この
場合、中身１０の最外側の紙葉が従来のように後
に残ることがなく、従つてずれることがない。こ
のようにして中身１０は整列された状態で平板チ
エンコンベヤ又はベルトコンベヤ１，１′の間に
確実に把握される。

第３図および第４図に本発明の第２の実施例を
示すもので、図中第１図および第２図と同じ符号
は同一又は類似の要素を示し、その説明は省略す
る。この第２の実施例においては、本の未綴じ中
身１４を案内するための中身案内面１２，１２′
が平板又はチエンコンベヤ１１，１１′の有効挾
持領域に係合配置されている。

すなわち、中身案内面１２，１２′はその先端
がコンベヤ１１，１１′を駆動している駆動輪１
６，１６′の中心を結ぶ中心線を越えてコンベヤ
１１，１１′が有効に本の中身を挾持し得る領
域、すなわちコンベヤの有効挾持領域内まで入り
込むように配置されている。この場合はコンベヤ
の平板チエン又はベルトが中身案内面１２，１
２′の上方又は下方あるいは上方及び下方に配置
される。

第３図では、図面を判りよくするために、平板
チエンコンベヤ又はベルトコンベヤ１１，１１′
は中断して示している。この実施例では一対の中
身案内面１２，１２′はそれらの間の間隔が先細
りになるように、換言すると、前方すなわち中身
移送方向に向かつて両者の間隔が狭くなるように
配置されている。

第２図はこの実施例による中身案内面をより詳
細に示す立面図である。

また図には示していないが、両者を中身移送方
向に曲げ中身挿入領域では初めは挿入方向に対し
て傾斜し、次に互いに平行になるように配置して
もよい。

またこの実施例では中身案内面１２，１２′に
本の中身の移送源の方に向けて延長された１対の
中身挿入部１３，１３′が設けられており、送込
まれる中身１４を確実に１対の中身案内面１２，
１２′の間に導入する。

第４図は第１図実施例の第２図に対応するもの
であつて、中身案内面１２の外見を詳細に示して
いる。

第１図に示した第１実施例と第３図に示した第
２実施例に示す各構成要素を任意に組合せること
も可能である。従つて中身案内面を平板チエンコ
ンベヤ又はベルトコンベヤの有効挾持範囲に導入
することも、又はこれを先細りに配置することも
可能である。

また本発明の範囲内のすべての実施形式におい
て直線状の中身案内面又は曲げられた、中身案内
面、あるいは延長された中身案内面を設けること
もできる。

また、中身案内面は、移送される本の未綴じ中
身の面の方向およびコンベヤの移動方向に関し
て、および一対の案内面の間隔に関して、調節可
能に配置することもできる。

（発明の効果） 本発明によれば、本の未綴じ中身を間に挾む平
板チエンコンベヤ又はベルト・コンベヤの入口領
域に、中身の両外側表面に向けられた送風噴射ノ
ズルが本の中身案内面に形成される。この噴射ノ
ズルから出て来る送風の強度は調節可能とするこ
とができるが、この送風が本の中身の外表面を押
圧し、移送中の本の中身の個々の紙葉又は紙の層
相互間のずれを確実に阻止することができる。ま
た本の中身の外側の紙葉と中身案内面との間にエ
ヤ・クツシヨンが生じてその間の摩擦を著しく軽
減させる。本の中身はこのようにして平板チエン
コンベヤ又はベルトコンベヤの間に挿入される
際、完全にその整列状態が維持される。

中身案内面は中身移送方向に向かつて相互の間
隔が狭くなるよう先細りに配置することもでき
る。これによつて本の中身は支障なくコンベヤに
挿入される確度がさらに向上する。

中身案内面は、送風噴射ノズルを含めて、中身
の面の方向にすなわち相互間の間隔に関して、あ
るいは平板チエンコンベヤ又はベルトコンベヤの
移送方向に関して、それらの先細り配置に関して
も調整可能に構成することができ、こうすること
によつて相互間隔をさまざまな大きさの本の中身
に装置を適合させることが可能となる。調整自体
のためにはそれ自体公知の手段を設けることによ
つて実施できる。

通常の場合、中身案内面は、送風噴射ノズルを
含めて、本の中身の移送方向に見て、平板チエン
コンベヤ又はベルトコンベヤの有効な挾持範囲の
近傍に配置されるが、この装置は、案内面を送風
噴射ノズルを含めて平板チエンコンベヤ又はベル
トコンベヤの有効挾持範囲内まで導入するように
構成することもできる。このようにすれば本の中
身はずれることなく確実にコンベヤに挿入するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の本の未綴じ中身把握装置の一
実施例の縦断面図、第２図は第１図実施例におけ
る中身案内面の一例を示す図、第３図は本発明の
装置の別の実施例の縦断面、第４図は第３図実施
例における中身案内面の一例を示す図である。た
だし、第３図に示した延長部１３は省略して描か
れている。 １，１′，１１，１１′…コンベヤ、２，２′，
１２，１２′…中身案内面、３，３′…送風噴射ノ
ズル、４，４′…対抗壁面、５，５′…送風室、６
…ねじ、７，７′…保持部、８，８′…送風路、
９，９′…貫通孔、１０，１４…本の未綴じ中
身、１３，１３′…案内面延長部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定の径路に沿つて送られてくる個々の紙葉
   または紙の層からなる本の未綴じ中身を受入れそ
   れらを間に挾持してさらにこれを移送する平板チ
   エンコンベヤ又はベルトコンベヤを備えた本の未
   綴じ中身把握装置において、前記本の未綴じ中身
   が前記所定の径路に沿つて送られ前記コンベヤに
   挿入される直前の入口領域に、前記本の未綴じ中
   身１０，１４の両外側面に向けて送風を噴射する
   よう送風管８，８′に接続した送風噴射ノズル
   ３，３′を設けたことを特徴とする本の未綴じ中
   身把握装置。 ２ 特許請求の範囲第１項の記載において、前記
   本の未綴じ中身を前記コンベヤへ向けて案内する
   ための対向した一対の案内面２，２′；１２，１
   ２′を前記入口領域に設け、前記送風噴射ノズル
   ３，３′を該一対の案内面のそれぞれに形成した
   ことを特徴とする本の未綴じ中身把握装置。 ３ 特許請求の範囲第２項の記載において、前記
   一対の案内面１２，１２′はその間隔が本の未綴
   じ中身移送方向に向かつて先細りになるように対
   向配置したことを特徴とする本の未綴じ中身把握
   装置。 ４ 特許請求の範囲第２項または第３項の記載に
   おいて、前記一対の案内面は移送される本の未綴
   じ中身の面の方向および前記コンベヤの移動方向
   に関して、および該一対の案内面の間の間隔に関
   して、調節可能に配置されていることを特徴とす
   る本の未綴じ中身把握装置。 ５ 特許請求の範囲第１項から第４項までのうち
   の何れか一つの項の記載において、前記一対の案
   内面１２，１２′は前記送風噴射ノズル３，３′も
   含めて、前記コンベヤ１１，１１′の有効挾持範
   囲内に導入されていることを特徴とする本の未綴
   じ中身把握装置。