JPS6132832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はモールデイングの端末部に装着され
るエンドキヤツプに関するものである。

自動車用モールデイングとして、金属ストリツ
プをロール成形により、内部空間を有するように
成形した金属プロフアイルまたはこれをさらに押
出成形により合成樹脂を一体に成形したものを所
定寸法に切断した長尺状のモールデイングが使用
されるが、その切断端末部の処理のためにエンド
キヤツプが端末部に装着される。

第１図はモールデイングおよび従来のエンドキ
ヤツプを示す斜視図であり、１はモールデイング
で、横断面く字状の基板１ａの長手方向一側端部
に折返し片１ｂにより内部空間２を形成し、他側
端部に折曲げ片１ｃにより係合部２ａを形成する
ように、金属ストリツプのロール成形により成形
されており、その端末部３にエンドキヤツプ４が
装着されるようになつている。エンドキヤツプ４
はモールデイング１の端末部３のほぼ全域を覆う
頭部５と、モールデイング１の内部空間２に挿入
されて保持されるように、頭部５から突出する脚
部６と、モールデイング１の係合部２ａと係合し
て内部空間２からはずれた部分を支持するように
頭部５から突出する支持部７とからなる。

以上のように構成されたエンドキヤツプは、脚
部６をモールデイング１の内部空間２に挿入し、
支持部７を係合部２ａに係合させて係合部２ａを
弾性的に支持し、頭部５によりモールデイング１
の端末部３を覆うように装着する。この場合、モ
ールデイング１の内面と脚部６とは少なくとも２
点以上で接し、接着剤の接着力を補足する必要が
ある。

しかしながら、このような従来のエンドキヤツ
プは、塩化ビニル樹脂等の合成樹歯によりソリツ
ド状に成形されているため、脚部６はほぼ一定の
形状となり、モールデイング１の内部空間２の断
面形状のバラツキを吸収できず、装着が困難にな
るという問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、脚部を挿入方向と垂直方向に
弾性変形可能に成形することにより上記問題点を
解決することを目的としている。

この考案は基板の長手方向一側端部に折返し片
により形成された内部空間と、他側端部に折曲げ
片により形成された係合部とを有するモールデイ
ングの端末部に装着されるエンドキヤツプにおい
て、モールデイングの端末部のほぼ全域を覆う頭
部と、モールデイングの前記内部空間に挿入され
て保持されるように前記頭部から突出し、かつ円
筒状に薄肉化されて挿入方向と垂直方向に弾性変
形可能な脚部と、モールデイングの前記係合部と
係合するように頭部から突出する支持部とを備え
たエンドキヤツプである。

以下、この考案を図面により説明する。第２図
はこの考案の一実施例によるエンドキヤツプを示
す斜視図、第３図はその部分拡大図、第４図は装
着状態を示す第２図のＡ−Ａ断面図であり、第１
図と同一符号は同一または相当部分を示す。

第２図ないし第４図において、エンドキヤツプ
４は第１図のものと基本的にはほぼ同じ構造であ
るが、脚部６は内部空間８を有するように、円筒
状に薄肉化され、挿入方向と垂直方向、例えば矢
印Ｘ，Ｙ方向に弾性変形可能に成形されている。
脚部６の先端部は傾斜してガイド９となつてお
り、また頭部５には装着時にモールデイング１の
端末部３を舗護するカバー１０が形成されてい
る。モールデイング１は第１図のモールデイング
１にさらに複合押出成形により樹脂部１１が形成
されている。１２は接着剤である。

以上のように構成されたエンドキヤツプ４は、
第１図の場合とほぼ同様にモールデイング１に装
着されるが、この場合、まずモールデイング１の
内部空間２に粘度の高い接着剤１２を塗布し、エ
ンドキヤツプ４の脚部６を挿入する。このときガ
イド９は内部空間２よりも小径のためスムースに
入り、傾斜部がガイドとして脚部６の挿入を助け
る。脚部６はモールデイング１の内壁に２点以上
接し、支持部７もモールデイング１の係合部２ａ
と係合して係合部２ａを弾性的に支持するため、
挿入に際して大きい力が加わるが、内部空間８を
設けて薄肉化しているため、挿入方向と垂直方向
に弾性変形し、挿入は容易に行われる。挿入後は
変形部分が復元しようとするため、接着面積が増
加するとともに、脚部６と支持部７の間に力を及
ぼして固着強度が増し、組付後の脱落を防ぐ。装
着状態は第４図に示されており、脚部６は弾性変
形するため内部空間２に挿入したとき、モールデ
イング１に対するエンドキヤツプ４の位を正しく
決める機能を果しにくい。したがつて支持部７に
よりモールデイング１に対してエンドキヤツプ４
の位置を正しく規制することにより、所定の位置
に正しくエンドキヤツプ４が取付けられるので、
固着強度を増し脱落などが少なくなる。

脚部６にスリツトを設けると、弾性変形は大き
くなるが、弾性変形は所定方向に限られるととも
に、復元力が弱いため脱しやすくなるのに対し、
本考案のように脚部６を内筒状に薄肉化して弾性
変形可能にすると、復元力が大きくなるととも
に、支持部７との間に力を及ぼして固着強度が増
し、脱落が防止される。

なお、以上の説明において、脚部その他のエン
ドキヤツプの各部の形状、構造、材質等を限定さ
れず、任意に変更可能である。また装着の対象と
なるモールデイングにも制限はなく、ロール成形
された金属プロフアイルからなる金属モールデイ
ング、あるいはロール、押出成形された複合押出
モールデイングなどあらゆるモールデイングに適
用でき、その用途も自動車用に限らない。

以上説明してきたように、この考案によれば、
脚部を円筒状に薄肉化して挿入方向と垂直方向に
弾性変形可能に構成したため、モールデイングの
内部空間への挿入が容易に行え、挿入後は大きな
復元力により接着面積を増加するとともに、支持
部との相互作用により、固着強度を大きくして脱
落を防止することができ、モールデイングの端末
部の形状のバラツキにも広く対処することができ
る。また脚部を薄肉化できるので、成形用の樹脂
材料の使用量を減らすことができるなどの効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はモールデイングおよび従来のエンドキ
ヤツプを示す斜視図、第２図はこの考案の一実施
例によるエンドキヤツプを示す斜視図、第３図は
その部分拡大図、第４図は装着状態を示すＡ−Ａ
断面図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示
し、１はモールデイング、２，８は内部空間、４
はエンドキヤツプ、５は頭部、６は脚部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基板の長手方向一側端部に折返し片により形
   成された内部空間と、他側端部に折曲げ片によ
   り形成された係合部とを有するモールデイング
   の端末部に装着されるエンドキヤツプにおい
   て、モールデイングの端末部のほぼ全域を覆う
   頭部と、モールデイングの前記内部空間に挿入
   されて保持されるように前記頭部から突出し、
   かつ円筒状に薄肉化されて挿入方向と垂直方向
   に弾性変形可能な脚部と、モールデイングの前
   記係合部と係合するように頭部から突出する支
   持部とを備えたエンドキヤツプ。 (2) 脚部の先端部は傾斜してガイドとなつている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のエンドキ
   ヤツプ。 (3) 頭部は装着時にモールデイングの端末部を保
   護するカバーを有する実用新案登録請求の範囲
   第１項または第２項記載のエンドキヤツプ。