JPS6114892Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用サンバイザの軸受部の構
造、特にクリツクアクシヨン機構の改良に関す
る。

自動車用サンバイザに必要とされる条件は、自
動車の振動等により天井面から不意に降りて視界
の妨げとならぬよう特にシヤフトとサンバイザの
摩擦保持力を十分に、また繰返し折畳み展開操作
してもその摩擦保持力が減じないよう設定するほ
か、回動操作毎に軽快なクリツクアクシヨン動作
することが望ましいとされている。

このためのシヤフトホルダの構造としては従来
第１図に示すように、金属板１を曲成してループ
状の軸承部２を形成するとともに、その下端の基
部３に枠部を構成する針金４の両端を固着し、か
つ上記軸承部２の中央を開口形成し、この開口部
２ａにその両側部を偏平化した板バネ材５を装着
してある。またこれに嵌合されるシヤフト６の先
端はその両側を切欠き、この切欠き部６ａが上記
板バネ材５の両内側壁に当接すべく上記軸承部２
に嵌合固着するようにしたもので、シヤフト６の
切欠き部６ａが第２ａ図の如く板バネ材５の内側
壁に当接した状態を安定点とし、この状態からサ
ンバイザ本体を回動することによつて第２ｂ図の
如くシヤフト６が板バネ材５を外方に膨出させて
両者間の摩擦結合力を高め、更に再び第２ａ図の
如き元位置、あるいは180゜回転位置で板バネ材
５のバネ反撥力によりクリツク動作するようにし
ている。

しかしながら上記のような板バネ材５を設けた
場合には部品点数が増し、更にこの板バネ材５の
装着作業もそのバネ性に抗しながらシヤフトホル
ダに装着するため極て面倒であり、しかも衝突時
等において危険な存在となる。

そこでこの考案は上記板バネ材を廃止し、なお
かつクリツクアクシヨン動作ができるようにした
自動車用サンバイザを提供するもので、以下にこ
の考案の一実施例を第３図以下の図面を用いて説
明する。

同第３図においてサンバイザ本体１０は芯とな
る枠部を構成すべく曲成された針金１１と、この
針金１１の一側部に設けられた射出成形体からな
るプラスチツク製シヤフトホルダ１２とを備え、
上記針金１１を挾んでその両面に図示しないパツ
ド材及び表皮材を積層し、枠部外周に沿つてウエ
ルダ溶着することによつて構成されるクツション
性のある板状のものであり、上記シヤフトホルダ
１２には一端をブラケツトＢを介して車体側に装
着されるＬ字形シヤフト１３の先端に回動可能に
装着されるようになつている。

また、上記シヤフトホルダ１２はその基部１２
ａに上記針金１１をインサートするとともに、上
部長手方向に沿つて軸承部１２ｂを形成したもの
で、この軸承部１２ｂの中央には切欠き１２ｃが
形成され、この切欠き１２ｃを挾んで軸承部１２
ｂの一方には第４，第５図に示す如く夫々異形の
軸孔１４，１５が形成されている。

そしてこの各軸孔１４，１５のうちシヤフト１
３の先端側に位置する軸孔１４は円の両側部を切
欠いた所謂小判形に近い長円形断面に形成されて
いるとともに、他方側軸孔１５は上記軸孔１４の
長軸をその直径とする真円形状に形成されてい
る。

これに対し、上記シヤフト１３は先端側に向け
てテーパが形成され、かつ上記一方の軸孔１５に
合わせて真円形に形成されているとともに、その
先端部１３ａの両側１３ｂを切欠いて上記軸孔１
４の断面と一致すべく小判形断面とし、かつその
中央に割り溝１６を切欠形成することによつて先
端部１３ａにバネ性を与え、その断面長軸方向に
伸縮可能としてあり、更にその最先端位置外周に
は挿入用テーパを先端に形成した一対の抜け止め
用突起１７が突出形成されている。

さて、上記の如く構成されたシヤフトホルダ１
２にシヤフト１３を装着する場合にはシヤフト１
３の軸先端部１３ａが軸孔１４と一致する位置で
嵌合すれば第６図ａの如く抜け止め用突起１７が
軸孔１４の長軸内周面１４ａに接し、割り溝１６
を縮小させつつ圧入され、第６図ｂの如く軸孔１
４の出口端面に突起１７が突出した段階でそのバ
ネ性により長軸方向に拡開し、その出口端面（切
欠き１２Ｃ）に突起１７が当接することによつて
シヤフト１３の抜け止めを行う。

また、この状態ではシヤフト１３は第７図ａに
示す如く安定位置にあるものであるが、この状態
からサンバイザ本体１０を回動させれば第７図ｂ
の如く、シヤフト１３の割り溝１６を縮小させ、
90゜回動位置、すなわちシヤフトの長軸と、軸孔
１４の短軸内周面１４ｂが一致した時点でその摩
擦保持力は最大となり、サンバイザ本体１０を良
好に保持する。

またこの段階から更に90゜回動する、あるいは
元位置に復帰させる操作を行うと、所定回動角度
位置でそのバネ力によりクリツク的に急速に安定
位置に復帰するのである。

以上説明したようにこの考案に係る自動車用サ
ンバイザの軸受構造にあつては、上の如くシヤフ
トホルダの軸孔形状及びシヤフト先端形状を工夫
することにより、そのクリツクアクシヨン機構を
極めて簡単に現出させることができ、しかも従来
の板バネが不要となるため部品数が少くなる利点
を有し、更には回動時の割り溝の伸縮によりスム
ーズな回動操作を行うことができるなどの利点を
有する。

また実施例にも示すようにシヤフト先端に抜け
止め用突起を設け、これをシヤフトホルダへの突
出端面に係合させるようにすれば、抜け止めを行
うための特別な構成が不要となるため更に構造が
簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のサンバイザの軸受部分の分解斜
視図、第２ａ図及び第２ｂ図はその回動操作時の
動きを説明するための断面図、第３図はこの考案
に係るサンバイザの軸受部分の分解斜視図、第
４，第５図は第３図の４−４線及び５−５線断面
図、第６図ａはシヤフト挿入時の断面図、第６図
ｂはシヤフト挿入後の側断面図、第７図ａ，ｂは
回動操作時のシヤフトと軸孔の関係を示す説明用
断面図である。 １０…サンバイザ本体，１２…シヤフトホル
ダ，１４，１５…軸孔，１３…シヤフト，１６…
割り溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サンバイザ本体の一側部に設けられたシヤフト
   ホルダと、このシヤフトホルダに形成された軸孔
   に圧入嵌合されてサンバイザ本体を回動自在に保
   持するシヤフトを備えたものにおいて、上記軸孔
   の少くともシヤフト先端の軸承位置を長円形断面
   に形成するとともに、シヤフトの先端外周を長円
   形断面に形成し、かつその短軸側中央に割り溝を
   形成することによりシヤフト断面の長軸方向に伸
   縮可能なバネ性を付与せしめたことを特徴とする
   自動車用サンバイザの軸受構造。