JPS6132190B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、キヤブオーバー型車のフレーム構
造、とくにフロントサスペンシヨンの取付部のサ
イドフレーム構造の改良に関するものである。

従来のキヤブオーバー型車の前後方向に延びる
サイドフレーム構造においては、例えばダブルウ
イツシユボン型等のフロントサスペンシヨンを取
付けるため、車両の前後方向に延びるサイドフレ
ームを上下方向に折曲もしくは湾曲させ、その折
曲部もしくは湾曲部にフロントサスペンシヨンを
支持する支持構造が採用されている。

しかしながら、かかるサイドフレーム構造は、
サイドフレームがその伸長方向にみて一直線でな
いため、車両の衝突時等における強度を考慮した
場合不利であり、必要な強度を確保するために
は、サイドフレームの断面積を大きくしなければ
ならず、コスト的にも重量的にも不利である等の
問題があつた。

本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、サイドフレームを重量化することなしに
全体の支持剛性の向上を図るとともに、フロント
サスペンシヨンを容易に取付けることができるキ
ヤブオーバー型車のサイドフレーム構造を提供す
ることを基本的な目的としている。

このため、本発明においては、サイドフレーム
のフロントサスペンシヨンの取付部位をアツパフ
レームとロアフレームとに分岐させるとともに、
アツパフレームとロアフレームとを連結部材で連
結し、連結部材にフロントサスペンシヨンの支持
アームを取付け支持するようにしたことを特徴と
している。

この場合、アツパフレームは平面でみてほぼ直
線状とし、ロアフレームは水平方向にみてほぼ直
線状とするとともに内方に曲折させるようにすれ
ば、サイドフレームを全体としてみたときに、平
面方向からみても側面方向からみても、直線状と
することができるので、あらゆる方向の支持剛性
を向上させることができる利点がある。

以下、図示の実施例に基づいて本発明を詳細に
説明する。

第１図に示すように、本発明においては、車両
の前後方向に延びるサイドフレーム１のフロント
サスペンシヨン取付部位Ａをフロアパネル２にほ
ぼ沿うように上側に折曲形成したアツパフレーム
３と、側面でみてほぼ水平方向に直線をなすよう
に形成したロアフレーム４とに分岐させ、アツパ
フレーム３とロアフレーム４の中間部のやや前部
よりの部分を、上下方向の連結部材５で相互に結
合したサイドフレーム構造を採用している。

上記連結部材５は、例えばＵチヤンネル材を用
い、上端部および下端部に夫々予じめ形成したフ
ランジ部６を、アツパフレーム３およびロアフレ
ーム４に溶接することにより固定し、第４図にも
示すように、連結部材５の中間部には、前後方向
に貫通させたうえで、溶接固定したシヤフト外筒
７の内部を挿通するシヤフト両端部に装着した軸
受部材７ａ，７ｂにより、例えばダブルウイツシ
ユボン型フロントサスペンシヨンのアツパーアー
ム８の両端部８ａ，８ｂをシヤフトの廻りで揺動
自在に支持する。また、上記サスペンシヨンのロ
アアーム９はロアフレーム４の連結部材５との結
合部の下面にボルトにより下向きに固定支持した
一対のブラケツト１０，１０間に渡してナツト１
１により抜止めした頭付シヤフト１２にその基部
を揺動自在に支持する。

第２図に示すように、上記アツパフレーム３
は、平面からみて、前後方向に一直線をなすよう
に形成する一方、ロアフレーム４は、アツパフレ
ーム３より内側に位置するように、その中間部を
除いて前後方向の両端部を夫々内側に斜行させ、
この中間部と後部側斜行部とも会合部には、一端
をロアアーム９の中間部に結合したテンシヨンロ
ツド１３の他端をラバーマウント１４により支持
する。

また、アツパアーム８の後部側端部８ｂに一端
を結合したトーシヨンバー１５は、アツパフレー
ム３の内側に沿つて後方に平行に伸長させ、その
後端は具体的に図示しないが、サイドフレーム間
に渡したクロスメンバにアンカアームを介して取
付けるようにする。

第３図に示すように、アツパアーム８とロアア
ーム９との間には、ダンパー１６および、これに
巻装するコイルスプリング（具体的に図示せず）
を従来と同様に装着するとともに、さらに具体的
には図示しないが、アツパアーム８とロアアーム
９の先端部は、従来公知のキングピン、ボールジ
ヨイント等の公知の手段で、車両１７側に連結し
て、いわゆるウイツシユボン型サスペンシヨンを
構成するようにしている。

上記の如く、車両の前後方向に延びるサイドフ
レームのフロントサスペンシヨン取付部位を、ア
ツパフレーム３とロアフレーム４とに分岐させ、
アツパ、ロア両フレーム３，４間を連結部材５に
より結合したサイドフレーム構造によれば、その
構造を骨組構造とすることができるので、アツ
パ、ロアフレーム３，４それ自体を比較的断面積
の小さい軽量なフレーム材を用いたとしても、車
両の衝突時等に必要なあらゆる方向の強度を確保
することができる。

また、フロントサスペンシヨンのアツパ、ロア
アーム８，９はアツパフレーム３とロアフレーム
４間を結合する連結部材５に支持するようにした
ので、これらアツパ、ロアアーム８，９の取付け
が簡単に行なえるうえ、連結部材５はその上端お
よび下端において支持されているので、サスペン
シヨンの支持強度を充分なものとすることができ
る。

さらに、アツパフレーム３は平面でみて一直線
状とし、ロアフレーム４は側面でみてほぼ一直線
状とすれば、夫々相互の支持剛性の弱さを補強し
合うことができ、ロアフレーム４を内側に折曲さ
せることにより、ロアアーム９の支持が容易に行
なえる利点がある。

以上の説明から明らかなように、本発明に係る
キヤブオーバー型車のフレームによれば、必要な
支持剛性を確保したうえで、サイドフレーム全体
の軽量化を図ることができ、フロントサスペンシ
ヨンの取付性の向上ならびに支持強度の向上を図
ることができる利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係るキヤブオーバー型車の
サイドフレーム構造を示す要部側面図、第２図は
同じく平面図、第３図は同じくサスペンシヨン取
付部の垂直断面説明図、第４図はアツパアームの
支持構造を示す斜視図である。 １……サイドフレーム、３……アツパフレー
ム、４……ロアフレーム、５……連結部材、８，
９……アツパ、ロアアーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ キヤブオーバー型車の両側の前後方向に延び
   る左右一対のサイドフレームにおいて、 各々のサイドフレームのフロントサスペンシヨ
   ン取付部位を前後方向においてほぼ直線状に形成
   されたアツパフレームと、内方に曲折するととも
   に水平方向にほぼ直線状に形成されたロアフレー
   ムとに分岐させ、このアツパフレームとロアフレ
   ームとを連結部材で結合し、この連結部材に上記
   フロントサスペンシヨンアームを支持させたこと
   を特徴とするキヤブオーバー型車のフレーム構
   造。