JPS6117841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、キヤブオーバー型車のフロントサス
ペンシヨン取付部の構造の改良に関するものであ
る。

従来より、小型のキヤブオーバー型車では、フ
ロントサスペンシヨンの支持空間を確保するた
め、車両の前後方向に延びるサイドフレームのサ
スペンシヨン取付部を若干下側に折曲もしくは湾
曲させた構造としている。このため、車両の衝突
時等におけるサイドフレームの前後方向の強度が
不足する問題があり、従来においては、サイドフ
レームの断面積を大きくして、サイドフレームの
剛性を高めるようにしていたが、かかる対策は、
単にコスト的に不利であるのみならず。重量的に
も不利となる問題があつた。

また、特にフロントサスペンシヨンとして、ダ
ブルウイツシユボン型サスペンシヨンを採用した
場合（実開昭53−26020号公報参照）には、その
アツパアームの支持が仲々に困難である問題があ
つた。

本考案は、かかる問題を解消すべくなされたも
のであつて、フロントサスペンシヨン取付部を枠
組構造としてその取付部の剛性を高めるとともに
サスペンシヨンに作用する横方向のねじれ荷重を
有効に吸収することができ、しかも支持構造全体
の軽量化を図ることができる、キヤブオーバー型
車のフロントサスペンシヨン取付部構造を提供す
ることを目的としている。

このため、本考案においては、キヤブオーバー
型車のフロアパネル下面に取り付けられて車体の
前後方向に延びる左右一対のサイドフレームの一
部が下面に湾曲せしめられ、フロントサスペンシ
ヨン取付部においてフロアパネルと上記サイドフ
レームとの間に空間部が形成されるとともに、該
左右一対のサイドフレームの湾曲部間に、サスペ
ンシヨンクロスメンバーが横渡しされ、各端部が
各サイドフレーム下面にそれぞれ結合されてい
て、各サイドフレームのサスペンシヨンクロスメ
ンバーとの結合部と、フロアパネルとを結合して
いる接続部材が設けられた構成とすることによ
り、サイドフレームの中間部をフロアパネル側か
ら支持するとともに、サスペンシヨンクロスメン
バーと左右一対の接続部材およびフロアパネルと
でサスペンシヨンに作用する横方向のねじれ荷重
を吸収する四角状の枠組構造を形成したことを特
徴としている。

以下、図示の実施例に基づいて本考案をより具
体的に説明する。

第１図において、１はキヤブオーバー型車のフ
ロアパネル１、２は前端部がクロスメンバー３に
よつてフロアパネル１の前部に結合され、車両の
前後方向に沿つて後方に延びたサイドフレーム
で、このサイドフレーム２のフロントサスペンシ
ヨン取付部位Ａの前後部は、この部位Ａにおける
フロアパネル１の上部側への持上りとは逆に、若
干下側に折曲もしくは湾曲させ、中間部２ａを直
線状としている。

上記サイドフレーム２は、第２図に示すよう
に、四角形状の枠組構造を有するフレーム部材と
して、左右一対設けられ、この一対のサイドフレ
ーム２，２の上記中間部２ａ，２ａ間には、例え
ばＵチヤンネル材よりなるサスペンシヨンクロス
メンバー４の両端部をボルト・ナツトもしくは溶
接等により固着し結合する。

そして、上記各サイドフレーム２のサスペンシ
ヨンクロスメンバー４との結合部Ｂには、第１図
および第３図にも示すように、例えばＵチヤンネ
ル材よりなる接続部材５の下端に設けたフランジ
部５ａを溶接固定し、さらにこの接続部材５の上
端に設けたフランジ部５ｂは、フロアパネル１の
下面に溶接固定して、サイドフレーム２の中間部
２ａをフロアパネル１に結合する。

その結果、第３図に明らかなように、フロント
サスペンシヨンの取付部位Ａには、サスペンシヨ
ンクロスメンバー４、左右一対の接続部材５，５
およびフロアパネル１よりなる閉断面状のサイド
フレーム２，２の支持枠体が形成され、サイドフ
レーム２，２の支持構造が補強される。

また、第１図および第３図に示すように、左右
の前輪６，６に対するウイツシユボン型サスペン
シヨンのアツパーアーム７、ロアアーム８は、
夫々、各接続部材５の下部およびサスペンシヨン
クロスメンバー４の各端部に支持する。即ち、ア
ツパーアーム７は、上記接続部材５を前後方向に
貫通させたうえで溶接固定した外筒９の内部を挿
通するシヤフト両端部に支持した軸受部９ａ，９
ｂに夫々その両端部７ａ，７ｂをシヤフト９の廻
りで回動自在に枢支する。また、ロアアーム８
は、サスペンシヨンクロスメンバー４の相対向す
る両側壁間に渡して支持したシヤフト１０にその
基部を枢支する。

このアツパーアーム７とロアアーム８との間に
は、ウイツシユボン型サスペンシヨン機構とし
て、よく知られているように、ダンパー１１の両
端を結合し、具体的に図示しないが、ダンバー１
１の周囲には、コイルスプリングを巻装支持する
一方、これらアツパー、ロアの両アーム７，８と
各前輪６とは、キングピン、ボールジヨイント等
の公知の連結手段によつて連結することにより、
ウイツシユボン型サスペンシヨンを構成する。

にお、第１図に示すように、接続部材５を若干
斜め上向きに斜行させ、フロアパネル１の持上り
部のコーナ部に結合させるようにすれば、強度的
により一層有利な構造とすることができる。

また、第１図において、１２は、アツパーアー
ム７の後部側の端部７ｂの側部に一端を一体に固
定したトーシヨンバーで、このトーシヨンバー１
２の後端は図示しないクロスメンバーにアンカー
ブラケツトにより取付けられる。さらに、ロアア
ーム８に一端を連結するテンシヨンバー（図示せ
ず）の他端は、ラバーマウント（図示せず）を介
して各サイドフレーム２に結合する。

以上の説明から明らかなように、本考案に係る
キヤブオーバー型車のフロントサスペンシヨン取
付部構造では、サイドフレーム２のサスペンシヨ
ンクロスメンバー４との結合部Ｂは、フロアパネ
ル１の下面とを接続部材５で結合したので、サイ
ドフレーム２のサスペンシヨン取付部位Ａを接続
部材５で補強することができるうえ、各アツパー
アーム７を支持する左右一対の接続部材５，５
と、各ロアアーム８を各端部に支持するサスペン
シヨンクロスメンバー４およびフロアパネル１に
よつてエンジン本体１３を囲う閉じた枠組を形成
することができるので、サスペンシヨンに作用す
る横方向のねじれ荷重を有効に吸収することがで
きる支持剛性を確保することができる。

したがつて、サイドフレーム２、サスペンシヨ
ンクロスメンバー４等の個々の部材それ自体の強
度は、大巾に低下させることができ、衝突時等に
おける必要な強度を保つたうえで、軽量化をも達
成することができる利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るキヤブオーバー型車のフ
ロントサスペンシヨン取付部の要部側面部、第２
図は、第１図に示す支持フレーム構造の要部斜視
図、第３図は、第１図に示したフロントサスペン
シヨン取付部の要部垂直断面図である。 １……フロアパネル、２……サイドフレーム、
４……サスペンシヨンクロスメンバー、５……接
続部材、７……アツパーアーム、８……ロアアー
ム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤブオーバー型車のフロアパネル下面に取り
   付けられて車体の前後方向に延びる左右一対のサ
   イドフレームの一部が下面に湾曲せしめるられ、
   フロントサスペンシヨン取付部においてフロアパ
   ネルと上記サイドフレームとの間に空間部が形成
   されるとともに、該左右一対のサイドフレームの
   湾曲部間にサスペンシヨンクロスメンバーが横渡
   しされ、該サスペンシヨンクロスメンバーは各端
   部が各サイドフレーム下面にそれぞれ結合されて
   いて、各サイドフレームのサスペンシヨンクロス
   メンバーとの結合部と、フロアパネルとを結合し
   ている接続部材が設けられ、該接続部材にフロン
   トサスペンシヨンのアツパーアームが取付けら
   れ、上記サスペンシヨンクロスメンバーにロアア
   ームが取付けられたことを特徴とするキヤブオー
   バー型車のフロントサスペンシヨン取付部構造。