JPS6130860Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、和文タイプライタの印字ガイド装
置に関するものである。

従来、この種の和文タイプライタの印字ガイド
装置の１つに、機枠に前後および左右方向に移動
可能に取付けられた支持ボデイに、印字ガイドを
作動腕を介して枢支し、印字時においてキーレバ
ーが作動腕を揺動させることにより、印字ガイド
をプラテンへの接近位置から離隔位置に移動させ
る形式のものがある。

しかしながら上記のような従来のものは、印字
速度が遅い場合はタイプバーの復帰速度が遅く、
このためタイプバーと印字ガイドとが衝合し、印
字作業を円滑に行うことができないという欠点が
あつた。このような現象は、活字の画数に応じて
タイプバーの印字速度を変化させるようにした電
動式和文タイプライタにおいて著しい。

この考案は上記のような従来のもののもつ欠点
を排除し、印字時にタイプバーと印字ガイドとが
衝合することのない和文タイプライタの印字ガイ
ド装置を提供することを目的とする。

この考案を図示の実施例を参照して以下に説明
する。

第１，２図には、この考案の印字ガイド装置が
示されており、図示しない機枠に支持ボデイ１が
前後および左右方向に移動可能に取付けられてい
る。支持ボデイ１には従来と同様にキーレバー２
およびタイプバー３が枢支され、タイプバー３は
キーレバー２を下動したときに上動してプラテン
１８に向けて印打するようになつている。

支持ボデイ１の前部（第１図中右方）には横ボ
ツクス４が固設され、この横ボツクス４の側部に
支持板７が立設されるとともに、作動腕６がその
中間部で枢軸２７を介して枢支されており、作動
腕６は下端部に第１，第２の係合爪１９，２０が
形成され、第１係合爪１９はキーレバー２の側部
に設けたピン１６と係合可能となつている。

支持板７には印字ガイド支持板９が枢軸２８を
介して枢支され、この印字ガイド支持板９にはプ
リズム１１を具えた印字ガイド１０が、その２つ
の長孔２２，２２に嵌挿され、かつカラー２４を
遊嵌した枢軸１２，１２を介して支持され、印字
ガイド１０は支持板７との間に張設されたばね２
３によりプラテン１８に接近する位置に付勢され
ている。

印字ガイド支持板９と印字ガイド１０との間に
おけるプラテン１８寄りの一方の枢軸１２の下方
には、前記作動腕６の上端部に枢軸２９を介して
枢支された傾射板８が配置され、この傾斜板８は
下部にローラ２１，２１が設けられていて支持板
７上を滑動するようになつている。

支持ボデイ１に固定した支持板５には、ばね１
７によつて第１図中反時計方向に付勢された抑止
部材１４が枢軸３０を介して枢支されており、こ
の抑止部材１４は第３図に示すように、その枢支
部から互いに直交して延びる第１，第２の係合爪
２５，２６がそれぞれ形成され、第１係合爪２５
は支持板５のタイプバー３側に位置して非印字時
にタイプバー３の側部に設けたピン１５と係合
し、また第２係合爪２６は支持板５の作動腕６側
に位置している。

つぎに上記のものの作用を説明する。

印字時にキーレバー２を下動すると、第４図に
示すように、このキーレバーに設けたピン１６は
作動腕６の第１係合爪１９に係合してこの作動腕
を時計方向に回動し、この回動により傾斜板８が
右方に滑動して印字ガイド１０および印字ガイド
支持板９をばね２３の付勢力に抗して時計方向に
回動し、これにより印字ガイド１０はプラテン１
８への接近位置から離隔位置へ移動する。

キーレバー２が下動して最下位置に到達する
と、タイプバー３が上動してこのタイプバー３の
ピン１５と抑止部材１４の第１係合爪２５との係
合が解除し、抑止部材１４は第５図に示すよう
に、反時計方向に回動してその第２係合爪２６と
作動腕６の第２係合爪２０とが係合し、これによ
り印字ガイド１０はプラテン１８からの離隔位置
に保持される。

そしてタイプバー３が印打し終えて下動する
と、タイプバー３のピン１５は抑止部材１４の第
１係合爪２５と係合してこの抑止部材１４をばね
１７の付勢力に抗して時計方向に回動し、これに
より抑止部材１４の第２係合爪２６と作動腕６の
第２係合爪２０との係合が解除し、その結果印字
ガイド１０は、ばね２３の付勢力により傾斜板８
および作動腕６を原位置に復帰させながら、プラ
テン１８への接近位置に戻り、第１図示の状態と
なる。したがつて、タイプバー３が下動する際に
は印字ガイド１０はプラテン１８からの離隔位置
に保持され、タイプバー３と印字ガイド１０とが
衝合することはない。

なお、この考案を構成する各部材の形状および
取付位置等は種々の変形が可能であり、実施例に
限定されるものではない。

この考案は上記のようであつて、印字時に抑止
部材が印字ガイドを往復動させる作動腕の係合部
に係合して、印字ガイドをプラテンからの離隔位
置に保持し、印字後にタイプバーの下動によつて
前記係合を解除して印字ガイドをプラテンへの接
近位置に復帰させるので、印字速度の如何に拘ら
ずタイプバーと印字ガイドとが全く衝合すること
がなく、したがつて印字作業を円滑に行うことが
できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す側面図、第２
図は同上のものの正面図、第３図は抑止部材を示
す斜視図、第４，５図は作動状態を示す側面図。 １……支持ボデイ、２……キーレバー、３……
タイプバー、６……作動腕、１０……印字ガイ
ド、１４……抑止部材、１５，１６……ピン、１
８……プラテン、１９……作動腕の第１係合爪、
２０……作動腕の第２係合爪、２５……抑止部材
の第１係合爪、２６……抑止部材の第２係合爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠に前後および左右方向に移動可能に取付け
   られた支持ボデイに、キーレバーとタイプバーを
   それぞれ枢支し、さらにこの支持ボデイに、キー
   レバーの上下動に伴なつて揺動する作動腕によつ
   て、プラテンに接近した位置と離隔した位置との
   間を往復動する印字ガイドを枢支した和文タイプ
   ライタにおいて、前記作動腕に係合部を形成する
   とともに、支持ボデイに、印字ガイドのプラテン
   からの離隔時に作動腕の係合部に係合して、印字
   ガイドを離隔位置に保持する抑止部材を枢支し、
   印字後のタイプバーの下動によつて抑止部材を回
   動し、この回動によつて抑止部材と作動腕との前
   記係合を解除して、印字ガイドをプラテンに接近
   した位置に復帰させるようになつていることを特
   徴とする和文タイプライタの印字ガイド装置。