JPS6130844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、壁材その他各種の構造材料等に用い
られる、ハニカム状コアを芯材として用いたサン
ドイツチパネルに関するものである。

ハニカム状コアを用いたサンドイツチパネルに
おけるコアセル壁の防振性を向上するものとし
て、又サンドイツチパネルの特性を生かした断
熱、遮音性構造体として、ハニカム状コアの各コ
ア中空部にハニカム状コアの厚さとほぼ同厚に形
成したポリウレタンフオーム等の合成樹脂発泡体
がそれぞれ充填されているサンドイツチパネル
は、従来より使用されている。

この従来のものは、ハニカム状コアの厚さとほ
ぼ同厚の合成樹脂発泡体例えばポリウレタンフオ
ームをハニカム状コアの上に重ね、更にこのポリ
ウレタンフオームの上に平滑面を有する圧挿用剛
性板を載せておき、次にプレス等でポリウレタン
フオームをハニカム状コアの各コア中空部に、切
断、圧挿、充填し、そしてこのハニカム状コアの
両端面に外被板を接着剤によりそれぞれ接着する
ことにより製造されていた。

よつてこの従来のものは、少なくともハニカム
状コアの一方の端面と圧挿、充填したポリウレタ
ンフオームの一方端面とがほぼ同一平面となる構
成を有しており、このような位置にポリウレタン
フオームが存在することにより、ハニカム状コ
アと外被板との接着に用いる接着剤の種類によつ
ては、前記ポリウレタンフオームを溶かすことが
あり、断熱、遮音構造体としてのサンドイツチパ
ネルの性能等を低下させる、ハニカム状コアの
両端面に接着されている外被板に凹凸が発生する
等、その平滑性が害されることもある、この
の場合には、更に前記ハニカム状コアと外被板と
の接着がハニカム状コアの端面でのみなされてい
るため両者の接着面積が少ないことと相いまつ
て、サンドイツチパネルの強度に不安が生じる。

従来この種のサンドイツチパネルは、以上のと
おり問題点が指摘されていた。

本考案は、このような実情に鑑みなされたもの
であつて、ハニカム状コアの各コア中空部におけ
るハニカム状コアの厚さ方向のほぼ中央部に、該
ハニカム状コアの厚さより薄い厚さに形成したポ
リウレタンフオーム等の合成樹脂発泡体がそれぞ
れ充填されている構成としたことにより、断熱
性、遮音性、防振性等に優れるとともに、外被板
の平滑性、強度においても優れた、ハニカム状コ
アを芯材としたサンドイツチパネルを提案するこ
とを目的とする。

以下本考案を、図面に示すその１実施例に基づ
いて説明する。第１図はこの実施例を示す一部切
欠き斜視図であり、第２図は第１図Ａ−Ａ線に沿
つた要部の矢視拡大断面図であり、第３図はその
製造工程の１例を示す正面断面図である。

まず構成について説明する。

１はサンドイツチパネルの芯材としてのハニカ
ム状コアであり、短筒中空六角柱状の多くのセル
を形成するコアセル壁１ａと各コア中空部１ｂと
の平面的な集合により構成されている。なおこの
ハニカム状コア１の材質としては、紙、合成樹
脂、金属等の薄板を用いる。コアセル壁１ａによ
り形成されるセルの形状は四角柱状、円柱状、波
状等各種のものであつてもよい。

このハニカム状コア１の各コア中空部１ｂにお
けるハニカム状コア１の厚さ方向のほぼ中央部に
は、このハニカム状コア１の厚さより薄い厚さに
形成した合成樹脂発泡体、本実施例においてはポ
リウレタンフオーム２が、それぞれ充填されてい
る。なおこのポリウレタンフオーム２等の材質
は、ハニカム状コア１の圧縮強度およびサンドイ
ツチパネルの用途によつて選定すればよい。

このようにポリウレタンフオーム２が充填され
たハニカム状コア１の両端面１ｃ，１ｃには、外
被板３，３が接着剤４によりそれぞれ接着されて
いる。

以上説明したごとく、芯材としてのハニカム状
コア１と、該ハニカム状コア１に所定のごとく充
填された所定の厚さのポリウレタンフオーム２
と、該ハニカム状コア両端面１ｃ，１ｃの接着さ
れた外被板３，３とから、本実施例に係るサンド
イツチパネルは構成されているのである。

次に、本実施例に係るサンドイツチパネルの製
造工程中、ポリウレタンフオーム２をコア中空部
１ｂに充填する工程の１例を、第３図によつて説
明する。

同図は、ポリウレタンフオーム２をコア中空部
１ｂに充填する直前の状態を示す正面断面図であ
る。２はハニカム状コア１の厚さより薄い厚さに
形成されたポリウレタンフオームであり、５，６
はプレス、５ａ，６ａはプレス面、７はポリウレ
タンフオーム２とプレス面５ａとの間に介在せし
めた圧挿用緩衝材である。そしてポリウレタンフ
オーム２をコア中空部１ｂへ充填するには、同図
に示すように、ポリウレタンフオーム２をハニカ
ム状コア１の上に重ね、次にプレス面５ａを押し
下げれば、圧挿用緩衝材７によつて、ポリウレタ
ンフオーム２はハニカム状コア上端面１ｃにより
切断されると共に、コア中空部１ｂの所望位置す
なわちハニカム状コア１の厚さ方向のほぼ中央部
に位置する迄圧挿され、充填されるに至る。

なお、前記圧挿用緩衝材７（従来の圧挿用剛性
板に代わるもの）の材質、厚さ等は、充填するポ
リウレタンフオーム２の材質、厚さ、およびハニ
カム状コア１の圧縮強度等によつて異なるが、ポ
リウレタンフオーム２をコア中空部１ｂへ圧挿す
るに際してハニカム状コア１のコアセル壁１ａを
押しつぶすことなく、ポリウレタンフオーム２を
ハニカム状コア端面１ｃで容易に切断することが
できる強度および厚さを有するものでなければな
らない。

以上説明したごとく、本考案に係るハニカム状
コア１を芯材としたサンドイツチパネルは、ハニ
カム状コア１の各コア中空部１ｂにおけるハニカ
ム状コア１の厚さ方向のほぼ中央部に、該ハニカ
ム状コア１の厚さより薄い厚さに形成した合成樹
脂発泡体例えばポリウレタンフオーム２がそれぞ
れ充填されている構成よりなるので、このような
位置にポリウレタンフオーム２が存在することに
より、ポリウレタンフオーム両端面２ａ，２ａと
両外被板３，３との間にはコア中空部１ｂの残存
部としての空隙が形成されており、両者は接する
ことがなく、又ハニカム状コア両端面１ｃ，１ｃ
と圧挿したポリウレタンフオーム両端面２ａ，２
ａもそれぞれ同一平面となることは無い。

これにより、本考案に係るサンドイツチパネル
においては、従来この種のサンドイツチパネルの
有した問題点が以下に述べるごとく一挙に改善さ
れるのである。

ハニカム状コアと外被板との接着に用いる接
着剤は、ハニカム状コアに充填されたポリウレ
タンフオーム等の合成樹脂発泡体に接触するこ
となく、硬化するので、該ポリウレタンフオー
ム等を溶かすこともなく、ハニカム状コアを用
いたサンドイツチパネルにおけるコアセル壁の
防振性は維持される（コアセル壁のびびれ現象
は防止される）とともに、断熱、遮音構造体と
してのサンドイツチパネルの性能も維持され
る。

ハニカム状コアの両端面に接着されている外
被板は、ポリウレタンフオーム等と接触しない
ので、その押圧力等により平滑性が損なわれる
こともない。

ポリウレタンフオーム等の両端面と両外被板
との間にはコア中空部の残存部としての空隙が
形成されているので、ハニカム状コアの端面又
は外被板の内面に塗布した接着剤が加工熱硬化
又は、加工室温硬化に伴なつて流れ出すととも
にコアセル壁側面と外被板をもすみ肉状に直接
接着するので、結果的にハニカム状コアと外被
板との接着面積が著しく増加することが期待出
来るので、前記で述べた外被板の平滑性の維
持と相いまつて、サンドイツチパネルの強度も
向上する。

以上説明したごとく、本考案に係るサンドイツ
チパネルは、断熱性、遮音性、コアセル壁の防振
性、外被板の平滑性、および強度の各面において
優れている等、その有する効果は大なるものがあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサンドイツチパネルの実
施例を示す一部切欠き斜視図であり、第２図は第
１図のＡ−Ａ線に沿つた要部の矢視拡大断面図で
あり、第３図はその製造工程の１例を示す正面断
面図である。 １……ハニカム状コア、１ａ……コアセル壁、
１ｂ……コア中空部、１ｃ……端面、２……ポリ
ウレタンフオーム、２ａ……端面、３……外被
板、４……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハニカム状コアを芯材としたサンドイツチパネ
   ルにおいて、該ハニカム状コアの各コア中空部に
   おけるハニカム状コアの厚さ方向のほぼ中央部
   に、該ハニカム状コアの厚さより薄い厚さに形成
   した合成樹脂発泡体が、それぞれ充填されている
   ことを特徴とするサンドイツチパネル。