JPS6130683Y2

JPS6130683Y2 -

Info

Publication number: JPS6130683Y2
Application number: JP4574381U
Authority: JP
Priority date: 1981-03-30
Filing date: 1981-03-30
Publication date: 1986-09-08
Also published as: JPS57157332U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、身体障害者が車椅子に乗つたままで
使用できるようにした洗面台に関するものであ
る。

従来、第１図（実線）及び第２図に示すよう
に、汎用の洗面台１を車椅子使用者の洗面動作に
適する高さに取付けても、ほとんどの場合、車椅
子２のアームレスト３，３が洗面台１のボール部
４の前部外面に衝当するため、車椅子２と共に車
椅子使用者の身体を洗面台１に十分近づけること
ができず、洗面動作は不自然で必要以上の労力を
伴うものとなる。

このため、通常は車椅子使用者の身体を洗面台
に少しでも近接させるため、第１図に鎖線で示す
ように、洗面台５を高い位置に取付けているが、
この場合には車椅子２をさらに洗面台５に近づけ
ることができるものの、洗面台５自体が高くなり
すぎるため、やはり多くの車椅子使用者は不自然
で大きな労力の伴う洗面動作を強いられることに
なる。

以上に着目し、第３図に示すように、ボール部
７の前部下方への突出量を極力少なくし、これに
より洗面台６を低く取付けつつも車椅子２を洗面
台６に近づけられるように工夫したものがある。
しかしながら、このような洗面台６を用いた場合
にも、近接の度合い及び取付け高さに限界がある
ため、僅かに改善されるにすぎない。逆に、上記
洗面台６は、ボール部７の前側を浅くしたことに
起因して、水溜めの中心部分が車椅子使用者の身
体から離れた位置に移行するため、体幹や頚頭部
に障害があつて十分に前屈姿勢がとれない者、ま
たは腕を十分に伸ばせない者らにとつては非常に
使いにくいという難点がある。

さらに、車椅子使用者の中には手指が十分に動
かない者や片手しか使えない者も少なくないが、
そのような者にとつては水汲み等の各種作業にお
いて洗面台のボール部内にコツプその他の器物を
置けることが望ましい。しかるに、従来の洗面台
は溜水して洗顔することを前提とするものである
ため、ボール部の内底面が相当に湾曲しており、
コツプ等の器物を安定的に載置できず、そのため
上記のような障害者にとつて非常に使用しにくい
という難点がある。

本考案は、上記難点に鑑みてなされたもので、
特に車椅子使用者が洗面等を容易に行えるように
するため、使用に適する高さに取付けた状態で車
椅子を十分に近づけることができ、且つコツプ等
の各種の器物をボール部内に安定的に置けるばか
りでなく、ボール部内において左右両側面の案内
により洗い桶を基後摺動可能に形成して使用に便
ならしめたことを特徴とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明するに、第４図乃至第５図において、１１は
洗面台で、繊維強化プラスチツク、陶磁器その他
の材料によつて構成することができ、やや平坦な
基盤部１２とその略中央に凹設したボール部１３
とを備えている。

上記基盤部１２は、洗面動作等に伴つて飛散す
る水の外部への垂水を防止するための外周立縁部
１４を備えると共に、ボール部１３に向つてわず
かに傾斜させた平面部１５を備えたものである。

また、上記ボール部１３は、その内底面１３ａ
に排水孔１６から排水可能な範囲内で可及的に平
坦化して、コツプ等の器物を安定的に置けるよう
にすると共に、洗い桶１７を左右両側面１３ｂ，
１３ｂの案内によつて前後に摺動可能とした奥行
きの大きいものとして構成している。また、上記
ボール部１３の左右両側面１３ｂ，１３ｂの外面
の幅W₁を、汎用の車椅子１８における一対のア
ームレスト１９，１９間の幅W₂より小さくする
と共に、洗面台を使用に適する高さに取付けた状
態において基盤部１２の外底面が汎用の車椅子の
アームレストよりもやや高くなり、またボール部
の外底面が上記車椅子に椅座する使用者の膝より
もやや高くなり、従つて基盤部１２の外底面とボ
ール部の外底面との高低差を、車椅子のアームレ
ストとこれに椅座する使用者の膝との高低差とほ
ぼ等しくして、第５図及び第６図に示すように、
アームレスト１９，１９間にボール部１３が収容
された状態となるまで車椅子１８を洗面台１１に
接近可能としている。

なお、図中２０は車椅子の主輪、２１はキヤス
ターを示す。

上記構成の洗面台１１は、車椅子使用者が洗面
等を行い易い高さに取付けることができ、その状
態で洗面台１１に車椅子１８を十分に近づけるこ
とができる。

それを詳細に説明すると、洗面台１１を車椅子
使用者の使用に好適な高さ、即ち洗面台１１の基
盤部１２が車椅子１８のアームレスト１９，１９
よりやや高くなるような位置に取付け、その状態
で車椅子１８を洗面台１１に近づければ、第５図
及び第６図に示すように、アームレスト１９，１
９が基盤部１２の下方に侵入し、これに伴つてア
ームレスト１９，１９間にボール部１３が収容さ
れた状態となり、しかも基盤部の外底面とボール
部の外底面との高低差を、車椅子のアームレスト
とこれに椅座する使用者の膝との高低差とほぼ等
しくしているので、車椅子１８を洗面台１１に任
意の距離即ち各種動作のそれぞれを行うのに好適
な距離まで近づけることができる。

而して、洗面台１１のボール部１３の内底面１
３ａを平坦化しているので、そこにコツプその他
の器物を安定的に置くことができ、従つて手指の
運動機能に障害のある者や片手しか使用できない
者であつても、コツプ等への水汲みやそれらの洗
浄作業等を容易に行うことができる。

また、上記洗面台１１のボール部１３の内底面
１３ａを平坦化すると同時に左右両側面１３ｂ，
１３ｂの案内により洗い桶１７を前後に摺動可能
としているので、洗い桶１７との併用によつて洗
面以外にも器物の洗浄、衣類の洗濯等の各種の作
業を同一の洗面台１１において容易に行うことが
でき、従つて特に移動の不便な車椅子使用者にと
つて至便なものである。例えば、少量の水で行え
る作業の場合には洗い桶１７を用いるのがよく、
これによりボール部１３全体において溜水、排水
する場合に比して水量が少なくて経済的であるだ
けでなく、溜水、排水の時間も短縮され、作業能
率が向上し、また洗い桶１７をそれに溜水した後
にボール部１３内で手前に引寄せれば、洗い桶１
７はボール部１３の左右両側面１３ｂ，１３ｂに
よつて案内されて安定的に移動し、これによりボ
ール部１３全体に溜水した場合と同様に車椅子使
用者の身体を近づけて容易に洗面その他の作業を
行うことができる。また、多量の水を必要とする
洗濯等の作業の場合には、洗い桶１７を取除いて
ボール部１３自体に溜水して使用すればよい。

なお、上記実施例では車椅子使用者による使用
についてのみ説明したが、健常者も使用できるの
は当然である。

このように本考案の洗面台によれば、ボール部
の外側面の幅を車椅子のアームレストの幅より小
さくし、ボール部の左右両側の基盤部の外底面と
ボール部の外底面との高低差を車椅子のアームレ
ストとこれに椅座する使用者の膝との高低差にほ
ぼ等しくしたので、洗面台を車椅子使用者の使い
易い高さに取付けても車椅子を十分に洗面台に近
づけることができ、それによつて車椅子使用者が
洗面その他の作業を無理なく容易に行うことがで
き、またボール部の内底面を平坦化すると共に左
右内側面の案内により洗い桶を前後に移動できる
ようにしたので、内底面にコツプその他の器物を
安定的に置くことができるばかりでなく、洗い桶
との併用によつて極めて便利に使用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の洗面台の取付け高さを示す側面
図、第２図は同平面図、第３図はその異種例の側
面図、第４図は本考案の洗面台の斜視図、第５図
及び第６図はその使用状態における側面図及び平
面図である。１１……洗面台、１３……ボール部、１３ａ…
…内底面、１３ｂ……側面、１６……排水孔、１
７……洗い桶、１８……車椅子、１９……アーム
レスト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

左右の基盤部間に凹設したボール部の外側面の
幅を汎用の車椅子のアームレストの間隔よりも狭
くすると共に、ボール部の左右両側面をボール部
内において洗い桶が前後に摺動可能に形成し、上
記ボール部の内底面を排水孔から排水可能な範囲
内で可及的に平坦化し、上記基盤部の外底面を上
記車椅子のアームレストよりもやや高く、ボール
部の外底面を上記車椅子に椅座する使用者の膝よ
りもやや高くしたことを特徴とする洗面台。