JP2001314336A

JP2001314336A - 車椅子用の洗面ボール

Info

Publication number: JP2001314336A
Application number: JP2000133132A
Authority: JP
Inventors: Hideaki Sakihama; 秀昭崎濱
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2000-05-02
Filing date: 2000-05-02
Publication date: 2001-11-13

Abstract

(57)【要約】【課題】車椅子に座ったままで使用する洗面ボールに関
し、自然で楽な姿勢で使用でき、かつ介護者にとっても
楽な姿勢で介護できるようにする。【解決手段】洗面ボール１の少なくとも手前側の左右方
向の幅が、車椅子の左右の肘掛けＡ１、Ａ２の内寸より
小さくしてあるので、洗面ボールの手前側が車椅子の左
右の肘掛けＡ１、Ａ２の間に入り込むことができ、その
結果、人体が洗面ボール１の前縁１ｆに接するまで接近
できる。したがって、前かがみにならなくても、自然で
楽な姿勢で洗面でき、介護者にとっても楽な姿勢で介護
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車椅子に座ったままで
使用する洗面ボールに関し、自然で楽な姿勢で使用で
き、かつ介護者にとっても楽な姿勢で介護できるように
するものである。

【０００２】

【従来の技術】車椅子使用者が使用する目的の洗面ボー
ルとして、特開平９−１４９８５８号公報や特開平１１
−２４４１６４号公報などに記載のものが知られてい
る。すなわち、洗面ボールを浅くして、車椅子使用者の
脚が入りやすくしたり、洗面ボールの前縁を奥行き方向
に窪ませて、人体が接近しやすくしてある。

【０００３】あるいは、洗面ボール自体を上下動できる
構造になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗面ボ
ールを浅くしたり、傾斜をつけたりしても、車椅子用の
左右両側の肘掛けが邪魔になるので、それ以上は前進で
きず、人体を洗面ボールに接近させるには限界がある。
そのため、前かがみにならないと、洗面できず、使いづ
らいといった問題がある。

【０００５】一方、洗面ボールが昇降する構造にした場
合は、構造が複雑でコスト高となるだけでなく、洗面ボ
ールを上昇させて、左右の肘掛けを洗面ボールの下にも
ぐり込ませた場合は、人体に対して洗面ボールが高すぎ
て、使いづらかったり、水が肘の部位まで伝わって来
て、衣服が濡れるなどの問題がある。

【０００６】しかも、洗面ボールの両側に介護者用のス
ペースが無いので、不自然な姿勢で介護せざるをえず、
疲労の原因となっている。

【０００７】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、車椅子に座っている使用者が洗面ボールに最大
限まで接近して、座ったままで楽な姿勢で使用でき、し
かも介護者にとっても楽な姿勢で疲れずに対応できるよ
うにすることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次
のような手段によって解決される。請求項１は、車椅子
に座っていて使用する洗面ボールであって、洗面ボール
の少なくとも手前側の左右方向の幅が、車椅子の左右の
肘掛けの内寸より小さい車椅子用の洗面ボールである。

【０００９】このように、洗面ボールの少なくとも手前
側の左右方向の幅が、車椅子の左右の肘掛けの内寸より
小さくなっているので、洗面ボールの少なくとも手前側
が車椅子の左右の肘掛けの間に入り込むことができ、そ
の結果、人体が洗面ボールの前縁に接するまで接近でき
る。

【００１０】したがって、前かがみにならなくても、自
然で楽な姿勢で洗面でき、衣類を濡らしたりすることも
ない。また、介護者が車椅子使用者の前側に接近して、
前側から介護できるので、介護者にとっても楽な姿勢で
介護でき、疲労軽減に貢献できる。

【００１１】請求項２は、請求項１に記載の洗面ボール
の左右両側に石鹸入れを有している車椅子用の洗面ボー
ルである。多忙な介護者は無意識に石鹸入れに手を伸ば
すが、請求項２のように、洗面ボールの左右両側に石鹸
入れを設けてあると、左右どちら側に手を伸ばしても必
ず石鹸が有るので、作業能率が上がる。車椅子使用者に
とっても便利である。

【００１２】請求項３は、請求項１または請求項２に記
載の洗面ボールの後側部分の少なくとも片方にカウンタ
ーを有している車椅子用の洗面ボールである。

【００１３】このように、洗面ボールの後側部分の少な
くとも片方にカウンターを設けてあると、通常のカウン
ターと同様に、その上に物を置いたりでき、使い勝手が
良くなる。また、カウンターが有るにもかかわらず、洗
面ボールの手前側は車椅子の左右の肘掛けの間に入るの
で、従来の洗面ボールよりは使いやすく、便利である。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に本発明による車椅子用の洗面
ボールが実際上どのように具体化されるか実施形態を説
明する。図１は本発明による車椅子用の洗面ボールの使
用状態の平面図である。

【００１５】１は洗面ボールであり、水を溜める容器状
をしている。すなわち、底部１ａの周壁の上部に縁部１
ｂを有している。５は壁面であり、洗面ボール１が固定
されている。

【００１６】一方、車椅子は、左右の車輪Ｗ１、Ｗ２の
間に車椅子本体２を有しており、本体２上に使用者３が
座っている。Ａ１、Ａ２は左右の肘掛けであり、本発明
では、この左右の肘掛けＡ１〜Ａ２の間隔より、洗面ボ
ール１の左右方向の幅が小さい。

【００１７】このように、洗面ボール１の左右方向の幅
が車椅子の両肘掛けＡ１〜Ａ２の内寸より小さいので、
洗面時に、洗面ボール１が左右の肘掛けＡ１、Ａ２の間
に進入できる。その結果、車椅子の高さや洗面ボールの
高さと関係なしに、洗面ボールの前縁１ｆが車椅子使用
者の腹部に接するまで接近できる。

【００１８】すなわち、洗面ボール１の高さは各現場ご
とにまちまちであり、また車椅子用の高さも大人用や子
供用など高さはまちまちである。その結果、車椅子の肘
掛けＡ１、Ａ２が洗面ボールに当たるような場合でも、
本発明のように、洗面ボールの幅が両肘掛けＡ１、Ａ２
の間に入る寸法だと、洗面ボールや車椅子の高さのいか
んに関係なく、常に、洗面ボールの前縁１ｆに接するま
で身体を接近できる。

【００１９】また、洗面ボール１の両側に十分なスペー
スが有るので、介護者４も、車椅子使用者３の前側から
楽な姿勢で介護でき、介護者の疲労軽減が可能となる。

【００２０】図２は、洗面ボールの使用状態の左側面図
である。この図からも明らかなように、車椅子使用者３
は、前かがみにならずに、自然で楽な姿勢で洗面でき
る。なお、１ｃは、洗面ボール１の周壁である。

【００２１】図１に示すように、洗面ボール１には、左
右両側に石鹸入れ６、７を設けてある。この石鹸入れ
６、７は、できれば、壁面５寄りの位置に設ける方が、
邪魔にならない。しかしながら、洗面ボール１の後半側
であれば、車椅子使用者３からでも届くように、壁面５
から離して設けることもできる。

【００２２】また、図２のように、壁面５に衝突防止の
ストッパー８を設けるのが望ましい。このストッパー８
は、クッション材などからなり、車椅子の足置き９と対
応する位置に設けてある。したがって、車椅子が前進し
たときに、勢い余って、車椅子使用者３が洗面ボール１
に衝突したりする前に、足置き９がストッパー８に衝突
するので、人体にとって安全である。

【００２３】図３、図４は洗面ボールの別の実施形態で
あり、（１）は平面図、（２）は正面図である。図３、
図４とも、洗面ボール１の後方の左右両側にカウンター
Ｃ１、Ｃ２を設けてある。なお、１ｄは、壁面５側の立
ち上がり部である。

【００２４】カウンターＣ１、Ｃ２は、洗面ボール１の
上縁１ｂとほぼ同じ高さがよいが、多少高くても低くて
もよい。そして、左右のカウンターＣ１、Ｃ２の幅方向
の寸法Ｌ１、Ｌ２は任意であり、洗面室の大きさに応じ
て、図示のサイズより更に長くしてもよい。また、左右
両側に設けないで、片側だけに設けてもよい。

【００２５】前記の石鹸入れは、図３のように、片側だ
けに設けてもよい。また、洗面ボール１の左右方向の幅
は、図１、図３のように、前後方向の全長にわたってほ
ぼ同じ幅としたり、手前側を徐々に狭くしたりできる。

【００２６】これに対し、図４の場合は、洗面ボール１
の後側部分の幅を手前側より大きくしてある。すなわ
ち、手前部分のみ、車椅子の肘掛けＡ１〜Ａ２の内寸よ
り小さくし、後方部分は内寸より大きくしてある。介護
などに便利なように、容積をより大きくするためであ
る。

【００２７】また、図１の場合は、両側のカウンターＣ
１、Ｃ２を設けずに、洗面ボール１の全体が、左右の肘
掛けＡ１、Ａ２の間に入る構造になっている。このよう
に、カウンターＣ１、Ｃ２が無い場合は、介護者にとっ
ては最も作業スペースが広くなり、介護がし易い。

【００２８】なお、Ｐ１は給湯管孔、Ｐ２は給水管孔、
Ｐ３は蛇口取付け孔、Ｐ４は排水管孔である。

【００２９】図５は、洗面ボール１の左側面図である。
洗面ボール１の下側の左右両側にＬ字状の金具１０を設
けて、壁面５に固定してあり、また該Ｌ字状の金具１０
は、斜めの支え部材１１で、下側から支えている。

【００３０】図３ないし図５から明らかなように、洗面
ボール１の底部１ａは、後方（壁面５側）が最も深く、
手前側が最も浅くなっている。そして、図５からも明ら
かなように、後方が最も深くなるように角度αだけ傾斜
している。したがって、車椅子の使用者が洗面ボール１
に最も接近した状態でも、車椅子使用者の脚や膝が洗面
ボール１の下にもぐり込むことができ、洗面ボール１が
邪魔になるようなことはない。

【００３１】

【発明の効果】請求項１によると、洗面ボールの少なく
とも手前側の左右方向の幅が、車椅子の左右の肘掛けの
内寸より小さくなっているので、洗面ボールの少なくと
も手前側が車椅子の左右の肘掛けの間に入り込むことが
でき、その結果、人体が洗面ボールの前縁に接するまで
接近できる。

【００３２】したがって、前かがみにならなくても、自
然で楽な姿勢で洗面でき、衣類を濡らしたりすることも
ない。また、介護者が車椅子使用者の前側に接近して、
前側から介護できるので、介護者にとっても楽な姿勢で
介護でき、疲労軽減に貢献できる。

【００３３】請求項２のように、洗面ボールの左右両側
に石鹸入れを設けてあると、どちら側に手を伸ばしても
必ず石鹸が有るので、作業能率が上がる。車椅子使用者
にとっても便利である。

【００３４】請求項３のように、洗面ボールの後側部分
の少なくとも片方にカウンターを設けてあると、通常の
カウンターと同様に、その上に物を置いたりでき、使い
勝手が良くなる。また、カウンターが有るにもかかわら
ず、洗面ボールの手前側は車椅子の左右の肘掛けの間に
入るので、従来の洗面ボールよりは使いやすく、便利で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による車椅子用の洗面ボールの使用状
態の平面図である。

【図２】本発明による車椅子用の洗面ボールの使用状
態の左側面図である。

【図３】洗面ボールの別の実施形態であり、（１）は
平面図、（２）は正面図である。

【図４】洗面ボールの別の実施形態であり、（１）は
平面図、（２）は正面図である。

【図５】洗面ボールの左側面図である。

【符号の説明】

１洗面ボール１ｆ洗面ボールの前縁Ｗ１、Ｗ２車輪Ａ１、Ａ２肘掛け２車椅子本体３車椅子使用者４介護者５壁面６、７石鹸入れ８ストッパー９足置きＣ１、Ｃ２カウンター

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車椅子に座っていて使用する洗面ボール
であって、洗面ボールの少なくとも手前側の左右方向の
幅が、車椅子の左右の肘掛けの内寸より小さいことを特
徴とする車椅子用の洗面ボール。
【請求項２】前記の洗面ボールの左右両側に石鹸入れ
を有していることを特徴とする請求項１に記載の車椅子
用の洗面ボール。
【請求項３】前記の洗面ボールの後側部分の少なくと
も片方にカウンターを有していることを特徴とする請求
項１または請求項２に記載の車椅子用の洗面ボール。