JPS6129698B2 - - Google Patents

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JPS6129698B2
JPS6129698B2 JP56162043A JP16204381A JPS6129698B2 JP S6129698 B2 JPS6129698 B2 JP S6129698B2 JP 56162043 A JP56162043 A JP 56162043A JP 16204381 A JP16204381 A JP 16204381A JP S6129698 B2 JPS6129698 B2 JP S6129698B2
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JP
Japan
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food
granular
coagulated
liquid
capsule
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Application number
JP56162043A
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JPS5863373A (ja
Inventor
Tetsuhiko Tominaga
Kazuya Hashimoto
Yoshitomo Iwamoto
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP56162043A priority Critical patent/JPS5863373A/ja
Publication of JPS5863373A publication Critical patent/JPS5863373A/ja
Publication of JPS6129698B2 publication Critical patent/JPS6129698B2/ja
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  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Formation And Processing Of Food Products (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(技術水準と発明の目的) 本発明は、各種凝固剤を添加した原料食品を得
る方法、この原料食品を油液中における各種の成
形法によつて粒状の凝固体に成形した後カプセル
皮膜により被覆する方法およびカプセル内におい
て上記凝固体を解凝し流動食品とする方法を包含
し、これらの方法を組合わせてなる流動体食品内
蔵粒状カプセル体の製造方法に関する。 果実、蔬菜などの天然固形食品をアルギン酸
ソーダおよび/または低メトキシペクチン等の造
膜剤と、カルシウムその他の多価金属塩等の皮
膜凝結剤とを反応させて得た比較的硬いゲル状カ
プセル皮膜で被覆したカプセル体は公知である。 また、ジユースのような液状食品や比較的低温
で溶けるゼリー状食品であつて、しかもカプセル
が口中でつぶれると食品中に含有された成分が口
中にひろがるようなカプセル食品およびその製造
方法も文献上公知である。 上記のような食品をカプセル食品にする方法と
しては、食品原料液中にカルシウム等の多価金属
の塩すなわち皮膜凝結剤を加えた流動状のものを
アルギン酸ソーダ等の造膜剤液中に滴下し、その
液滴の表面にアルギン酸多価金属塩のカプセル皮
膜を形成させる方法や二重管のデポジツターで食
品原料液と皮膜凝結剤の液とを同時に滴下してカ
プセル皮膜で被覆された食品を形成させる方法、
すなわち滴下造膜法が知られている。 けれども、上記のような各種の滴下造膜法によ
つてカプセル食品を作ろうとすると、造膜剤液槽
中の液表面における原料液滴の細分小滴化および
この小滴と滴下された液滴との相互付着、または
造膜剤液中における食品原料液滴の変形および相
互付着などが生じやすい。 そのため、作業純率が劣り、完全な球形カプセ
ル体の収率も低くて、満足な工業的生産に適しな
い欠点は解消されず、滴下造膜法についての公知
文献は多いが、これらの文献に示された方法で製
造された流動食品を内蔵するカプセル体は現実に
販売されるに至つていない。 そこで、本発明者らは、滴下造膜法に代えて、
食品原料を取扱い容易なカプセル皮膜で被覆され
た凝固食品とした後、これをもとの流動食品にも
どすことを着想した。 本発明の目的は、上記のような基本構想にもと
づき、その具体的な各工程手段およびその結合工
程を提供するにある。 本発明者らは、上記目的を達するための方法に
ついて研究を進め、流動状の食品に各種の食品凝
固剤を添加して常温で凝固体となる食品原料を作
る方法、この食品原料を粒状に成形する方法、成
形された粒の表面にカプセル皮膜を形成させつ
つ、またはカプセル皮膜を形成させた後に、この
カプセル体を熱水に接触させて、カプセル皮膜を
破壊することなく内蔵された凝固食品の凝固を解
いて流動食品とする方法を組合わせた結合工程を
開発し、本発明を完成するに至つた。 (構 成) 本発明に方法の特徴は、特許請求の範囲に記載
のとおりであつて、これを要するに、流動食品原
料中に予め適当な食品凝固剤を添加するほか、要
すれば、この凝固剤による食品の凝固を最終工程
で解き解凝後の内蔵食品がゲル化するのを防ぐの
に有効な解凝剤を添加して、PHを3.0以下の酸性
値に調整し1〜40℃の油液中において降温し成形
した粒状凝固食品原料を用い、この表面に、各種
の公知方法中の適宜の方法により、アルギン酸の
カルシウム塩を主成分とするカプセル皮膜を形成
増強させながら、またはカプセル皮膜を形成させ
た後に、これを熱水と接触させ少くとも数分間加
熱してカプセル内の凝固食品を解凝させ、カプセ
ル皮膜を弱化させることなく、カプセル中の凝固
食品のみを、流動食品に変化させることによつ
て、流動食品を内蔵した粒状カプセル体にする方
法である。 以下本発明を一層詳細に説明するに先立ち、本
明細書中における用語の意義を明らかにする。 流動食品とは常温前後の温度のもとで液状また
はゼリー状を呈する経口摂取可能な物をいう。 ゼリー状とは、柔かいゲルで舌先での軽い押圧
ないし同等の衝撃によつて容易に変形するテクス
チヤーを有するものをいう。 凝固とは、流動食品を常温下の分別、運搬、液
面への投入等の処理によつては変形しないまでに
硬くゲル化させること、またはゲル化した状態を
いう。 食品凝固剤とは、流動食品に添加することによ
つて流動食品を凝固させる物質をいう。 凝固食品とは、流動食品が食品凝固剤により凝
固された状態の物をいう。 解凝剤とは、酸性雰囲気の加熱下において凝固
食品中の食品凝固剤と反応して食品凝固剤の分解
ないし変性を促進させ凝固食品を流動食品に変化
させて粘度を低下させる物質および/またはその
粘度上昇および再凝固を防止する物質をいう。 造膜剤とは、商品としてのアルギン酸ソーダお
よび褐藻類を処理して得られる可溶性のアルギン
酸を含有する天然抽出成分をいう。 造膜剤液とは、造膜剤の水溶液をいう。 皮膜凝結剤とは、粒状食品の表面を被覆した造
膜剤液中の造膜剤と反応してカプセル皮膜を形成
するカルシウム塩等の多価金属塩であつて食品添
加可能なものをいう。 粒状とは、最大さし渡し2cmまでの球形その他
の形状をいう。 なお、本明細書中の%値は、すべて重量%値で
ある。 つぎに本発明を一層詳細に説明する。 まず、食品原料中の流動食品としては、果汁、
コーラ飲料、紅茶、コーヒー、スープ等の嗜好飲
料、乳製品含有飲料、健康飲料などの液状食品お
よび柔かいゼリー状物で経口摂取可能な一切のも
のを用いることができる。 食品凝固剤としては、寒天およびフアーセレラ
ンのように単独で流動食品を凝固させる成分すな
わち液状の食品に添加すると高い温度では溶解し
常温では中性または酸性下において流動食品を凝
固させる性質のものが代表的な1例である。 さらに、他の例としては、低メトキシペクチ
ン、コンニヤク粉、カルボキシメチルセルローズ
のナトリウム塩などの凝固剤原料と1価ないし多
価の金属塩との両者の反応により生成される食品
凝固剤を挙げることができる。この食品凝固剤
は、上記凝固剤原料と上記多価金属塩とを流動食
品中に添加して加熱溶解し、両者を反応させるこ
とにより、流動食品中で生成させることができ
る。その好適例が低メトキシペクチンとカルシウ
ム塩の共添によつて流動食品中に低メトキシペク
チンのカルシウム塩を生成させる例である。 また、別の凝固剤の例としては、ワラビ粉など
の澱粉類がある。 さらに、高濃度の砂糖とタマリンドやペクチン
酸の共添なども食品凝固剤の例としてあげること
ができる。これらの凝固剤を用いた凝固食品のゲ
ル硬度や凝固食品を粒状化したときの保形性が多
少劣る場合には、寒天やフアーセレランなどの強
固な凝固体を作る物質を少量添加すればよい。 以上述べた食品凝固剤のほかに、ゼラチンやカ
ラギーナンのようなゼリー化剤も使用できるが、
これらのゼリー化剤は、食品凝固剤としては冷却
しても軟弱すぎて取扱いにくいなどのことがある
ので、寒天やフアーセレランを加えて保形可能な
状態にする。 食品凝固剤は、上述した例のいずれか1つを選
択しなければならないものではなく、適宜二種以
上の食品凝固剤を共添して使用することができ
る。 食品凝固剤の全体としての添加量は、調整され
る食品原料の種類や組成に応じ、全量に対して
0.5%から5.0%までの範囲内で適宜加減する。 解凝剤は、酸性雰囲気下の80℃以上の加熱によ
り凝固食品中の凝固剤を分解ないし変性させて粘
度を低下させ、その粘度の上昇および再凝固の作
用を防止する物質であれば何でもよい。 解凝剤の例としては、低メトキシペクチンのカ
ルシウム塩などのような物質すなわち食品凝固剤
中に結合して存在する金属イオンをキレート結合
によつて取出し、食品凝固剤による凝固を解いて
食品の粘度を低下させるキレート剤がある。フイ
チン酸、リン酸およびその塩類などがキレート剤
の好適な例である。 また、Li、Mg、Na、K、NH4、SO4イオンな
どのように、食品凝固剤に対して溶解作用をする
水和力の大きい陽イオンや同様の作用をする陰イ
オンを電離する物質も解凝剤として使用できる。
たとえば、NH4Cl、酒石酸水素カリウムなどが好
適な例である。 さらに、食品中の凝固剤を凝集させ、ゲルをゾ
ル化して粘度を低下させる明バン、KCl、
BaCl2、MgSO4などの電解質物質も解凝剤として
用いることができる。 これらの解凝剤は、使用する凝固剤の種類に対
応した適当な物質を適宜選択すればよい。たとえ
ば、寒天が食品凝固剤の場合にフイチン酸と硫酸
マグネシウムを添加し、フアーセレランが食品凝
固剤である場合に明バンと塩化カリウムを添加
し、ワラビ粉などの澱粉が食品凝固剤である場合
に塩化アンモニウムとリン酸とを添加し、食品凝
固剤がタマリンドガムと砂糖からなる場合にフイ
チン酸を添加するなどが適当な例であるが、その
組合せは上記の例に限定されるものではないこと
いうまでもない。 解凝剤の添加量は食品原料全量に対して0.05〜
5.0%の範囲で適宜加減するが、通常0.1〜1.0%で
十分である。 解凝剤は、一般に食品凝固剤の食品中における
濃度が高く、たとえば、寒天やフアーセレランの
濃度が0.7%以上であるような場合、または、上
記未満の濃度ではあるが食品の凝固成形が可能な
程度の量を用いた場合に、解凝速度を速めるため
に使用する。しかし、本発明の方法によれば、酸
性雰囲気下の加熱だけでも解凝は可能であるか
ら、凝固剤の濃度や予定解凝時間の如何によつて
は、解凝剤を使用しなくてもよい。 食品原料に加えるPH調整剤としては、クエン
酸、酒石酸、塩酸、リン酸など食品への添加を許
可されている有機酸およびそのナトリウム塩また
は鉱酸の一種以上を用いる。PH調整剤によつて食
品原料はPH1.0〜3.0程度に調整されるのがよい。 食品原料への必須の添加剤である食品凝固剤と
PH調整剤とに加えて、必要に応じ各種の粘度調整
剤を用いることができる。その例としては、タマ
リンドガム、ローカストビーンガム、キサンタン
ガム、アラビヤガム、トラガントガム、グアガ
ム、ポリアクリル酸ソーダその他の高分子物質が
ある。食品凝固剤として作用する澱粉やCMC−
Naなどは、一面において粘度調整剤としても作
用する。これらの粘度調整剤の使用濃度は、食品
原料全量に対して0.1〜1.5%程度の範囲内で適宜
選択する。 また、食品凝固剤を食品原料中で生成させるに
必要なカルシウム等の金属塩の量が過剰であれ
ば、凝固食品中の上記金属塩の過剰部分は、粒状
に成形された凝固食品を造膜剤液と接触させたと
きに、カプセル皮膜形成反応に関与するはずであ
るから、同様の効果を狙つて、たとえば寒天など
のような温度低下のみによつて食品を凝固させる
物質を食品凝固剤として使用するときにも、後の
カプセル皮膜形成反応に関与させるため、予め多
価金属塩等の皮膜凝結剤を食品中に添加すること
ができる。 皮膜凝結剤の例としては、カルシウム、アルミ
ニウム、バリウム、銅などの塩があるが、これら
のうち食品添加物であるカルシウム塩が最適であ
る。カルシウム塩の例としては、塩化カルシウ
ム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、酸性リン
酸カルシウムなどがあげられるが、これらに限定
されないことはもとよりである。カルシウム塩の
添加量はカルシウムとして0.1〜1.5%位が好適で
ある。 さて、これらの成分を添加して凝固食品原料を
作るには、各種飲料等の成分中に食品凝固剤の必
要量を混和し、90℃以上に加熱して完全に溶解さ
せた後、50℃〜65℃に液温を降下させ、要すれば
解凝剤を加え、PH調整剤を添加して、原料液のPH
を1.0〜3.0の適宜の値に調整する。このほか、必
要に応じ適宜の順序段階で粘度調整剤および/ま
たは多価金属塩を添加することができるが、食品
凝固剤は必ず原料を90℃以上に加熱する以前に添
加すべきであり、また、解凝剤を用いるときは、
原料を50℃〜65℃に降温させてから添加する。こ
の温度では食品凝固剤を含有していても食品原料
は流動状である。 つぎの工程は、油液中において上記流動食品を
粒状の凝固食品に成形する工程である。この工程
にはいくつかの実施態様が存する。たとえば、65
℃〜50℃に加熱されて流動状態にある食品原料を
常温以下の温度に保持した食用油ないし精油中に
滴下し油層を通すことによつて球形の粒状凝固食
品に成形する方法が好適な例であるが、この場合
にも、油中から取出した粒状凝固食品を別個の造
膜剤液中に運ぶ方法と、造膜剤液の表面に油の層
を設けておいて、油層を通過した凝固食品をその
まま造膜剤液中に移行させる方法がある。また、
30%以上のエタノールや20%以上のグリセリンな
どを含有した水を使用することもできる。 なお、凍結温度の十分に低い油等を0℃以下の
低温にしておき、その中に流動食品を滴下して冷
却し、または冷凍することもでき、液体窒素など
のような低塩の冷媒を用いることもできるが、こ
れらの方法は本発明方法の範囲外である。 つぎに、上述の各種の方法によつて得られた粒
状の凝固食品のうち多価金属塩を含有していない
ものについては、造膜剤液と接触させるに先立つ
て減圧下でカルシウム塩などの皮膜凝結剤と接触
させ、少くとも表面近くに皮膜凝結剤を塗布浸透
させておくことが望ましい。 造膜剤液としては、市販のアルギン酸ソーダの
水溶液および/または各種褐藻類から抽出して得
た可溶性アルギン酸を含む組成液を用いることが
できる。造膜剤液中のアルギン酸の濃度は0.2〜
3.0%の範囲内とすることができるが、0.5〜1.5%
が好適である。造膜剤液中には、形成されるカプ
セル皮膜を強化するため、酸性雰囲気中で加熱下
に凝固する蛋白質成分を0.05〜4.0%の範囲で添
加することができる。カプセル皮膜を柔かくして
食感をよくするために各種の多糖類を若干量添加
してもよい。造膜剤液の温度は、これに接触させ
る食品原料の状態に応じて5℃から60℃までの範
囲に保持する。 前述した粒状に成形された凝固食品を上記造膜
剤液で処理し上記粒状凝固食品の表面にカプセル
皮膜を形成させる方法には、いくつかの態様があ
る。 すなわち、いずれにしても粒状凝固食品と造膜
剤液とを適宜の方法で接触させればよいのである
が、その方法として、たとえば、粒状の凝固食品
を造膜剤液中に投入浸漬する方法、粒状の凝固食
品に造膜剤液を吹きかける方法などがある。 粒状に成形された凝固食品に多価金属塩を含有
ないし塗布浸透させておいた場合には、造膜剤液
中のアルギン酸等と食品原料中の多価金属イオン
とが反応して滴下物の表面にアルギン酸多価金属
塩のカプセル皮膜が形成される。 粒状凝固食品に皮膜凝結剤としての多価金属塩
を含有ないし塗布浸透させていないものを造膜剤
液と接触させる場合も、造膜剤液との接触の方法
は前述したと同様であるが、この場合には、造膜
剤の液槽から取出した粒状の凝固食品を皮膜凝結
剤である多価金属塩含有液に接触させてカプセル
皮膜を形成させてから最終の解凝工程に移ればよ
い。解凝工程に用いる加熱水中に多価金属塩を含
有させておき、粒状体の表面にカプセル皮膜を形
成させ、または表面に形成ずみのカプセル皮膜を
保護補強させつつ解凝してもよい。 最終工程は、解凝工程であつて、食品原料中に
予め食品凝固剤を添加して酸性雰囲気に保持する
原料調整工程と関連しつつ本発明の主な特徴を示
す工程である。 造膜剤液で処理された後に、粒状の凝固食品は
少くとも5〜15分間にわたり80℃好ましくは85℃
以上に加熱されることを要する。粒状凝固食品中
には多量の水分が含有されており、その蒸発等に
よる逸出は避けなければならないから、上記の加
熱は、熱水中で行うのが好適であるが、水蒸気を
飽和させ、微小水滴を含むエキゾーストボツクス
またはレトルト等の室中での加熱処理も可能であ
る。熱水中には粒状食品のカプセル皮膜の形成、
維持補強をを図るためカプセル皮膜中に抱合され
た造膜剤成分と反応する多価金属の塩を加えると
効果的であることは前述した。 カプセル皮膜内の凝固食品は、水と接触しつつ
加熱されて内部温度が一定温度以上に上昇する
と、内部が酸性雰囲気であるため食品凝固剤成分
に解凝剤成分が作用し、逐次解凝作用が進行して
流動状態となる。この場合熱水中の加熱による凝
固食品の解凝作用を促進するため、熱水中にクエ
ン酸や酒石酸などの適宜の酸を加えて酸性液とす
ることが適当である。ただし、酸性液中での加熱
は粒状食品のカプセル皮膜を弱化させる原因とな
る。そこで前述のとおり造膜剤液中に耐酸性のあ
る蛋白またはセルロース等の補強物質を加えてお
くのがよい。 なお、粒状の凝固食品を内蔵するカプセル体が
缶詰となるときは、缶詰製造時における相当時間
の加熱を最終の解凝工程として利用するこもでき
る。 解凝のため加熱処理を加えられる直前の粒状凝
固食品の粒形はすべて球形であるが、寸法は成形
工程によつて種々に分れる。粒径2〜8mm位が好
適である。 以上の説明によつて本発明の各種の実施態様は
明らかであり、それから適宜の設計による多くの
実施例が引き出せるが、以下に若干の好適な実施
例を掲げる。 実施例 1 調製後の原料食品全量に対して、食品凝固剤と
してのフアーセレラン1.5%、乳酸カルシウム1.5
%にレモンジユース希釈液60%を加え、90℃以上
に加熱して溶解し、このBx12の溶液を50〜65℃
に降温させてから、0.1%キサンタンガムでエマ
ルジヨン化した0.1%レモン油と解凝剤としての
明バンおよび塩化カリウム合計0.2%および1.0%
クエン酸と0.1%リン酸ソーダの水溶液を加えて
PH値を2.2に調整し、全量をレモンジユースで100
%となるよう補正する。60℃に保持された流動食
品を容器から1℃のサラダ油中に滴下し冷却し径
約7mm内外の球形凝固食品とする。この球形品は
軽い押圧ないし衝撃ではつぶれることがなく取扱
い容易である。これを0.3%のアルギン酸ソーダ
と0.5%のカゼイン−Naを含有する常温の造膜剤
液槽中に投入し撹拌しつつ短円柱状の凝固食品の
表面にアルギン酸カルシウムのカプセル皮膜を形
成させ、上記液槽から取出し水洗した後にクエン
酸0.2%、塩化カルシウム1.0%を溶解した81℃の
熱水中に浸漬し、6〜8分加熱する。この加熱処
理によつてカプセル内の凝固食品は解凝されて流
動食品となり、得られたカプセル体は口中で容易
につぶれ流動液が口中にひろがつてレモンの香を
呈する。このカプセル体を紅茶に添加したもの
は、飲用に供すると紅茶の風味とカプセルが口中
でつぶれて得られるレモンの風味がよく調和した
飲料となる。 実施例 2 食品凝固剤、PH調整剤と解凝剤の種類および添
加量は実施例1と同様であるが、カルシウム等の
多価金属塩を添加することなく、粘度調整剤とし
てタマリンド0.5%を添加し、5%の粉乳を加え
て実施例1と同様の方法によりPH値を2.6に調整
し100%補正をして原料とする。この原料を1℃
のサラダ油中に滴下して冷却し径約6〜7mmの球
形凝固食品とし、取出した凝固食品を1.3%乳酸
カルシウム水溶液中に真空下で浸漬し凝固食品中
に乳酸カルシウムを浸透させて水洗してから常温
の0.5%アルギン酸ソーダ液を十分に吹きかけて
凝固食品の表面にアルギン酸カルシウムのカプセ
ル皮膜を形成させる。次いで、これを実施例1の
とおりの塩化カルシウムを含む81℃の酸性加熱液
中に8分間浸漬して加熱するとカプセル内蔵凝固
食品は完全に流動コロイド液に変化する。このミ
ルク入りカプセル体は、コーヒーなどに添加する
とよく調和する。 実施例 3 食品凝固剤およびその補助剤として寒天1.5%
およびキサンタンガム0.1%、酢酸カルシウム0.7
%をパイナツプルジユースに溶解し、実施例1と
同様の処法でPH2.0に調整して原料とした。この
原料は60℃で十分流動性を有するが、上記温度に
保持したものを常温のサラダ油中に滴下して撹拌
し径約6mm程度の粒状凝固食品とする。これを洗
浄した後0.3%のアルギン酸ソーダと0.7%のアル
ブミンを含有する液と直接接触させて径約6mmの
球形カプセル皮膜で被覆された凝固食品を得、以
下実施例1と同様に処理して流動食品を内蔵する
球形のカプセル体を得た。このカプセル体を果汁
飲料に添加すると、香りのよい飲料となる。 実施例 4 食品凝固剤生成用成分として1.0%のコンニヤ
ク粉と1.0%の乳酸カルシウムを共添したほか、
少量のパイナツプルエツセンスとパイナツプルジ
ユースを添加し、解凝剤として0.25%のフイチン
酸と0.25%の塩化バリウムを加え、実施例1と同
様の方法で処理してPH1.7に調整した約65℃の原
料液を実施例2に記載した方法条件で油液中に滴
下成形し、0.5%アルギン酸ソーダと0.7%セルロ
ースを含有する造膜剤液中に投入浸漬した後、実
施例1の方法条件で熱水中で加熱処理した。熱水
中での保持時間は7〜12分である。得られたカプ
セル体の内蔵食品は完全な流動食品に変化してお
り口中でつぶすとパイナツプルの芳香を発する。 実施例 5 食品凝固剤生成用成分として2.0%の低メトキ
シペクチンと0.7%の塩化カルシウム、凝固補強
剤として0.3%の寒天のほか、オレンジエツセン
ス若干を加えた約10%のオレンジジユース原料を
得て、解凝剤としての0.15%のフイチン酸と0.15
%の硫酸マグネシウムを用い、実施例1と同様の
方法で処理してPH2.2に調整した。この60℃で十
分流動状の原料を1℃のサラダ油中に滴下して径
約7mm内外の球形凝固食品とし、これを水洗後
0.5%アルギン酸ソーダと0.7%のセルロースを含
有する造膜剤液中に投入撹拌してカプセル皮膜を
形成させてから取出し水洗して以後実施例1のと
おり加熱処理する。ただし、酸性液中への保持時
間は7〜12分である。得られたカプセル体は口中
でつぶすと内蔵液が口中にひろがりオレンジの芳
香を発する。 実施例 6 1.0%の低メトキシペクチン、0.2%の寒天、1.0
%の酢酸カルシウム、20%の砂糖を添加した溶液
を実施例1と同様の方法で処理してPH1.5に調整
し60℃に降温させて、1℃に保持したダイズ油中
に浸漬して定間隔に吐出させ、実施例4と同一条
件のもとで造膜剤液中でカプセル皮膜を形成させ
熱水中で加熱処理した。得られたカプセル体の内
部は完全に流動食品に変化している。このカプセ
ル体はコーラ飲料とよく調和する。 実施例 7 食品凝固剤として1.5%のタマリンドガムおよ
び55%の砂糖、寒天0.2%、解凝剤として0.3%の
フイチン酸のほか1.0%の第2リン酸カルシウム
を添加し加熱して得た水容液を1%の酒石酸と
0.3%の塩酸を用いてPH1.5に調整し、以後これを
実施例4のとおりに処理した。加熱処理によつて
カプセル体内部の凝固食品は完全に流動食品に変
化している。 この製品は糖濃度が非常に高いが、適宜の飲料
中に添加すると浸透圧によりカプセル皮膜を通じ
てカプセル内外液が平衡化するので、それほど糖
濃度を問題にする必要はない。 実施例 8 食品凝固剤としてのタマリンドガム1.0%、高
メトキシペクチン1.5%、砂糖55%およびフアー
セレラン0.3%と0.8%の酢酸カルシウムを紅茶に
添加して、実施例1と同一の方法で処理してPH
2.0に調整した溶液を5℃のダイズ油中に滴下し
て撹拌し、以後すべて実施例1のとおり処理し
た。ただし熱酸性液中での加熱時間は10〜13分で
ある。得られたカプセル体の内部は、解凝剤を用
いなくても完全に流動体となつている。 実施例 9 ワラビ粉2.0%に酢酸カルシウム0.8%を加え95
℃以上の温度で加熱溶解し、50〜65℃に降温して
から塩化アンモニウム0.1%とリン酸を加えてレ
モンジユースで100%補正したPH2.0の液を得、こ
れを実施例6のとおりの方法で冷却して球径約6
mmの粒状凝固食品としてから、造膜剤液中で処理
し、得られた粒状凝固食品内蔵カプセル体を酢酸
カルシウム1.0%、クエン酸0.3%を含む95℃以上
の沸騰水で10〜13分間処理して製品とした。カプ
セル内蔵食品は完全に解凝されて流動状となつて
いた。 以上若干の具体的実施例を掲げたが、本発明に
は上述の説明と実施例とから当業者に自明な他の
多くの変更例があることを知られるであろう。原
料としての食品酸性液の各種の組成と粒状の凝固
食品を形成する各種の方法と造膜剤の組成および
造膜剤液による処理方法と水の存在下における加
熱解凝工程の種々の態様は、相互に独立した工程
と考えることができる。したがつて、たとえば、
前述の1つの実施例における特定の段階の工程方
法と他の実施例における別個の段階の工程方法と
を各種の組合せにより相互置換することができ
る。 要するに、本発明は、当初の食品原料に、これ
を常温では凝固体に保持しているが酸性雰囲気下
の加熱により変化変質して解凝するような凝固剤
を添加しておき、造膜剤液による処理中は食品原
料を粒状の固体として扱い、その後に熱水と接触
させて加熱することにより、凝固剤を解凝してカ
プセル内部の凝固食品のみを流動食品に変化させ
る方法の一種であつて、このような方法は未だ知
られていないと考える。 (効 果) 本発明の効果は上述したところから自明と思わ
れるが、これを摘記するとつぎのとおりである。
すなわち、本発明方法によれば、アルギン酸ソー
ダを含む造膜剤液中に原料食品を粒状の固体とし
て投入するので、食品原料の取扱いが容易であ
り、流動状ないし柔かいゲル状の食品をアルギン
酸ソーダ液中に直接に滴下する工程における種々
の不利益を解消することができ、したがつてカプ
セル体の収率も大きく工業生産に適する。 また、前記実施例1の食品原料と凝固剤を用い
同実施例の解凝工程を経たカプセル体を2〜5℃
に冷蔵保存して内蔵流動食品の粘度(センチポア
ズ)の経時変化を測定した結果は、各種成形法の
如何にかかわらず、第1表に示すとおりである。
【表】 この表によつて、本発明方法により製造された
カプセル体の内蔵食品は長期にわたつて良好な流
動状態を維持し再凝固現象を生じないことが判
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 流動食品と食品凝固剤とを含有する加熱され
    た溶解液を食品凝固剤が凝固せず又酸によつて分
    解しない範囲内の温度に降温させた後PH3.0以下
    に調整し、1〜40℃の油液中における冷却工程を
    経て粒状に成形された凝固食品とし、次いで造膜
    剤液との接触工程を経た後に、上記粒状の凝固食
    品を酸による解凝反応が進行する温度の水と接触
    させ加熱することによつて解凝し、カプセル皮膜
    内の凝固食品を流動食品に変化させることを特徴
    とする流動食品内蔵粒状カプセル体の製造方法。 2 流動食品と食品凝固剤とを含有する加熱溶解
    液を65℃以下に降温させ、必要に応じ解凝剤を添
    加してPH3.0以下に調整し、この液を1〜40℃の
    油液中における降温工程を経て粒状の凝固食品と
    し、次いで、上記粒状の凝固食品にカプセル皮膜
    を形成させるための造膜剤液との接触工程を経過
    させた後、80℃以上の水と接触させ、粒状の凝固
    食品を解凝させて流動食品に変化させることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項の流動食品内蔵カ
    プセル体の製造方法。 3 食品凝固剤として、加熱すると溶解し降温す
    ると凝固体となる食品凝固剤を添加することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の流動食品内
    蔵粒状カプセル体の製造方法。 4 1価ないし多価の金属塩とこの金属イオンと
    結合して凝固する成分とを流動食品中に共添する
    ことにより食品凝固剤含有食品原料を得ることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の流動食品
    内蔵粒状カプセル体の製造方法。 5 食品原料中に添加する食品凝固剤がタマリン
    ドガム類および高濃度の砂糖からなることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の流動食品内蔵
    カプセル体の製造方法。 6 食品原料中に添加する食品凝固剤が殿粉類で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の流動食品内蔵カプセル体の製造方法。 7 カプセル皮膜形成前の粒状凝固食品中に食品
    添加可能なカルシウム塩を含有させることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の流動食品内蔵
    粒状カプセル体の製造方法。 8 加熱された流動食品原料を冷却して粒状の凝
    固食品とするための液が食用油であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の流動食品内蔵
    粒状カプセル体の製造方法。 9 粒状の凝固食品をカプセル皮膜で被覆した後
    に、カルシウム塩を含有するPH4.0以下の酸性熱
    水と接触させて加熱し凝固食品を流動食品に変化
    させることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の流動食品内蔵粒状カプセル体の製造方法。 10 粒状の凝固食品をカプセル皮膜で被覆した
    後に、蒸熱室中で加熱し凝固食品を流動食品に変
    化させることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の流動食品内蔵粒状カプセル体の製造方法。 11 粒状の凝固食品をカプセル皮膜で被覆した
    後に、カルシウム塩を含有する80℃以上の熱水に
    浸漬して加熱し凝固食品を流動食品に変化させる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の流
    動食品内蔵粒状カプセル体の製造方法。
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