JPS6129617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考明は商品の輸送用外装ケースを兼ね備え、
販売時には瞬時に陳列棚として組立てができ、商
品をデイスプレイしうる組立て紙箱に関するもの
である。

従来の商品外装ケースの場合は、店頭で単に蓋
を取外し、上部を開口させて内蔵商品を表示する
か、商品をケース外に取り出して、備え付けの陳
列棚に並べるかして、販売していたが、これでは
棚列のために手数がかかつたり、場所を必要と
し、又切角の外装ケースが無駄になつてしまうこ
とになる。

本発明は、輸送用外装ケースより一部商品を取
出し、そのままの状態で、簡単に陳列棚として組
立て、商品をデイスプレイすることができ、又一
方製作の際にも紙型展開状において、表面のみを
着色仕上げするだけで、輸送用ケース時や陳列棚
としての組立て時にも、全く裏面部が露出しない
ので、デイスプレイとしての効果を充分に発揮で
き、製作コストも比較的安価であり、誠に経済的
な組立て紙箱を提供することを目的とするもので
ある。

次に本考案を、その実施例を示す図面につき、
構成、作用並びに効果を詳細に説明する。

第１図に示す。厚紙を素材とする紙型展開図に
於て、１は後壁面であり、上方に横折線Ａを介し
て蓋板面２と、下方に横折線Ｂを介して底板面３
と、右方に縦折線Ｃを介して右側壁面４と、左方
には縦折線Ｄと介して左側壁面５と、更に左方に
縦折線Ｅを介して上記後壁面１に対応する前壁面
６を各連設する。

１ａ，１ａは後壁面１上辺の横折線Ａ上の適所
に穿設した差込用の細溝である。

上記後壁面１の上方に連設の蓋板面２は、横中
央部の折線Ｆによつて、上部の折立内板２ａと、
下部の折立外板２ｂとに分けられ、該折立外板２
ｂには、両端を折線Ｆを起点とする切込曲線２′
を刻設して、折線Ｆとの間に囲まれた商品名等を
表示するための表示面部２ｃを設ける。

該表示面部２ｃは平素は、折立外板２ｂと共に
折立内板２ａと同一平面上にあるが、必要時に、
折線Ｆにおける、表示面部２ｃの外側の両端部
F′，F′を折目として、前方に折立内板２ａ部と
同一平面状にして、折曲げるとき、表示面部２ｃ
は残りの折立外板２ｂ部と分離して上方に立上る
ようになる。

次に後壁面１の下方に連設の前記底板面３は、
前述の横折線Ｂと縦折線ＣおよびＤとの各交点よ
り互いに下内方にのびた二つの斜外辺３ａ，３ａ
と下端に連設の長方角状の舌片部３ｂとによつて
なる五角台状の板面である。

前記右側壁面４と、左側壁面５とは、後壁面１
に対して互いに対称で、上端中央部付近の、横折
横Ａ上に差込用の横溝４ａ，５ａと上方中央部縦
方向に、上記横溝４ａ，５ａの直角廻転移動位置
に、縦溝４ｂ，５ｂを各穿設し、外側辺の中点よ
り上内方に向つて、横折線Ａに到る45゜方向の斜
折込線４ｃ，５ｃを各設ける。

７，８は各底横板で、それぞれ右側壁面４と左
側壁面５の下方に、横折線Ｂを介して、前記底板
面３に対して各対称に連設する。

上記各底横板７，８はそれぞれ直角の、内側辺
７ａ，８ａと横辺７ｂ，８ｂの二辺と、中間部に
角形の凹状切欠き部７ｃ，８ｃを備えた斜状の外
側辺７ｄ，８ｄよりなる凹五形の板面である。

９，１０は前記蓋板面２と同長の縦形長方形の
内蓋兼用の枠板で、右側壁面４および左側壁面５
の上方内側部に、横折線Ａを介して各連設し、前
記蓋板面２に対して各対称形である。

上記枠板９，１０はそれぞれ前記蓋板面２の折
線Ｆの延長方向の横中央の折線F″，Ｆによつ
て、上部の背板部９ａ，１０ａと、下部の側板部
９ｂ，１０ｂとに分かれ、各側板部９ｂ，１０ｂ
にはそれぞれ下外角より上内角に到る45゜方向の
対角折線９ｃ，１０ｃを設ける。

２ｄ，２ｄは差込用の耳片で、上記各背板部９
ａ，１０ａに喰込む切離線によつて前記蓋板面２
の両側に対称に突設する。

前記枠板９，１０と蓋板面２との境界は、各切
離線，Ｈを設けて、上記耳片２ｄ，２ｄの突設の
切込線とにつよつて切離されている。

１１，１２は内蓋を兼ねた各右，左立掛板で、
前記右側壁面４および左側壁面５の上方に横折線
Ａを介して連設し、上記枠板９，１０と同長で、
その側間に、それぞれ間隙１１′，１２′を設けて
各並設する。

右立掛板１１の内側辺および左立掛板１２の外
側辺には互いに嵌込組着するために切欠１１ａ，
１２ａを凹設する。

前記左側壁面５の左外側に連設の前壁面６は、
横中央の折曲線によつて上部の棚板部６ａ部と
下部の前板部６ｂとに分かれ、左外側辺に沿つて
糊代面６ｃを突設する。

６ｄ，６ｅはそれぞれ上記棚板部６ａの右左両
側辺部に折込みを容易にし、かつ切離し可能に設
けたシミン状の切溝である。

１３は底面で、上記前壁面６の下方に横折線Ｂ
を介して連設し、下辺部に前記底板面３の舌片３
ｂ部に嵌合する長方角形の凹切欠１３ａを窪設す
る。

１４は前記蓋板面２と略同形の外蓋兼用の棚板
で、前記左立掛板１２に並列し、前壁面６の上方
に横折線Ａを介して連設する。

棚板１４の上辺の適所部に、棚板組立時に、前
記後壁面１の上辺横折線Ａ上に穿設の細溝１ａ，
１ａに差込嵌着する差込突片１４ａ，１４ａを各
突設し、横中央の折線Ｆによつて上棚部１４ｂ
と前板部１４ｃとに分けられ、又上棚部１４ｂの
両側辺部に、前記右側壁面４および左側壁面５に
各穿設の横溝４ａ，５ａ、縦溝４ｂ，５ｂにそれ
ぞれ差込嵌着する耳片１４ｄ，１４ｄを各突設す
る。

棚板１４と並列する左立掛板１２との境目は切
離線Ｊと、上記耳片１４ｄの突設のための切欠線
とによつて切離されている。

本考案の厚紙素材の展開紙型は、上述の如き構
成であり、次に外装ケース時および陳列棚として
組立てる成型過程を各図面に従つて順次説明す
る。

第１図の表面部を示す展開紙型において、各縦
折線Ｃ，Ｄ，Ｅによつて、右側壁面４、後壁面
１、左側壁面５と順次、背面ア矢印方向に各直角
に折曲げ、前壁面６の左側辺の裏面部に右側壁面
４の右辺部を添わせ、前壁面６の左辺に突設の糊
代面６ｃによつて糊着連結し、四角方に組立て
る。

次に第２図の底面方向より見た斜面図に示すよ
うに、前壁面６の下方に連設の底面１３をイ矢印
方向に、次にその前方より、各底横板７，８を横
折線Ｂ，Ｂによつてロ，ロ矢印方向にと、順次折
曲げ、次いで底板面３の横折線Ｂによつてハ印方
向に上方に折曲げて舌片３ｂによつて、先に折重
ねした上記底面１３と、底横板７，８部を後方パ
矢印方向に押込むと、舌片部３ｂは底横板７，８
の各凹状切欠き部７ｃ，８ｃと底面１３の凹切欠
１３ａとの間隙を挿通し、この状態で静かに起立
させると、第３図の前方より見た斜面図の底面部
に点線で示すように、函体の底面として丈夫に組
合わされる。

このように組立てられた函体を、外装ケースと
して使用する場合には、函体内の商品を一箇宛順
序よく列べて収納した後、第３図に示すように右
側壁面４と左側壁面５の上方に各連設の枠板９，
１０および立掛板１１，１２を横折線Ａによつて
ニ，ニ矢印、ホ，ホ矢印方向にそれぞれ内方に折
曲げて収納商品の上方に二枚重ねして、当置させ
て内蓋とする。

次いで蓋板面２および棚板１４を各折線Ｆ，Ｆ
で内方に直角に折曲げつつ、更に横折線Ａでそ
れぞれ内方へ、ヘ矢印方向に各折曲げて、蓋板面
２の折立内板２ａおよび棚板１４の上棚部１４ｂ
をその先端辺より、先に二枚重ねして商品上に当
置して内蓋した各枠板９，１０と立掛板１１，１
２との間隙より、収納商品間に挿入して、第４図
の斜面図に示すように外蓋し、折立内板２ａおよ
び上棚部１４ｂの各両側辺部に突設の各耳片２
ｄ，２ｄ，１４ｄ，１４ｄを、右側壁面４と左側
壁面５に各穿設の縦溝４ｂ，５ｂに内方より挿通
させて外方の突出させ、その先端部を捻折させて
抜止不能に掛止して完全に閉蓋し、外装ケースと
して組立てを完了する。

次に陳列棚として使用する場合の組立順序を説
明する。

第４図の外装ケースとして組立て使用後、陳列
棚として組替えする場合には、先づ右側壁面４お
よび左側壁面５部に各掛止した耳片２ｄ，２ｄ，
１４ｄ，１４ｄを各縦溝４ｂ，５ｂより内方に引
き抜き、外蓋とした蓋板面２、棚板１４を上方に
持上げるようにして、下に差込みの折立内板２
ａ、上棚部１４ｂを離脱させて開蓋させた状態と
し、収納商品上に内蓋として重合当置させた枠板
９，１０および立掛板１１，１２の折曲げをもど
して上方に開放して、収納商品の前列部の外方に
取出し、先づ第５図の前方より見た斜面図に示す
ように、枠板９，１０部をそれぞれ対角折線９
ｃ，１０ｃで側板部９ｂ，１０ｂ部を内方に折た
たみ、斜状の二重側壁縁部９ｃ，１０ｃとし、更
に折線F″，F″で背板部９ａ，１０ａを折曲げ
て、立掛後壁部を組立てる。

続いて、ミシン状の各切溝６ｄ，６ｅ部を分割
切離し、右側壁面４、左側壁面５の各斜折込線４
ｃ，５ｃで内方に折たたみ、先の上記斜状の側壁
部９ｃ，１０ｃの下方につつぐ、斜状の二重側壁
縁部４ｃ，５ｃとし、更に右方の立掛板１１，１
２を横折線Ａによつて折曲げると共に両立掛板１
１，１２を各凹切欠１１ａ，１２ａ部にて互いに
嵌込組着して、二重の鉛直面の中枠として立掛け
る。

次いで第６図の斜面図に示すように前壁面６の
上半の棚板部６ａを折曲線でト矢印後方に折曲
げ、更に横折線Ａで前板部１４ｃを上方に折曲
げ、つづいて棚板１４を折線Ｆで後方に折曲げ
て、水平の下棚部６ａと立上りの前板部１４ｃと
更に水平の上棚部１４ｂをという具合に、順次直
角に折曲げ、かつ先に両立掛板１１，１２の組込
によつて立掛けした中枠の上縁に載置し、上棚部
１４ｂの側辺に突設の耳片１４ｄ，１４ｄを右左
両側壁面４，５部に穿設の横溝４ａ，５ａに内方
より挿通し、かつ上棚部１４ｂの上辺に突設の差
込突片１４ａ，１４ａの後壁面１の上辺に穿設の
細溝１ａ，１ａに各挿通掛止して抜止し、棚板部
６ａと上棚部１４ｂによる二段の階段式の棚面を
形成する。

尚前記右側壁面４、左側壁面５の各斜折込線４
ｃ，５ｃで内方に折たたみ、斜状の二重側壁縁部
４ｃ，５ｃを組立てするに際して、ミシン状の切
溝６ｄ，６ｅ部を分割切離ししたが、通常は切離
しの必要はなく、両側壁面４，５を少し外方に押
拡げて、前壁面６部の折曲線で棚板部６ａを折
込むようにして後方に押し込み同時に、斜折込線
４ｃ，５ｃで両側壁面４，５の角部を、更にミシ
ン状の切溝６ｄ，６ｅ部で、内方に折込むと斜状
の二重側壁縁部４ｃ，５ｃと水平の棚板部６ａが
一挙に出来上る。

続いて前記の場合と同様にして、各横折線Ａ、
折線Ｆ部で折曲げて立上りの前板部１４ｃと、
水平の上棚部１４ｂを組立てるのである。

最後に直立の蓋板面２を、折線Ｆにおける表示
面部２ｃの外側両端部F′，F′を折目として、折
立内板２ａ部を前方に折曲げ、先に立掛けの背板
部９ａ，１０ａによる後壁部上に前方より折重ね
して、表示面部２ｃを直立させて、陳列棚として
の組立てを完了する。

第７図の斜面図に示すものは、他の組立て実施
例としての陳列棚で、上記第６図の組立て陳列棚
において、中枠として組着の立掛板１１，１２を
各右側壁面４、左側壁面５との連続の横折線Ａ部
で切離して取除き、更に棚板部６ａと立上りの前
板部１４ｃとの連続部を横折線Ａで切離し、棚板
部６ａは前板部６ｂの背面に折線で折重ねして
二重板の前板とし、前板部１４ｃは上棚部１４ｂ
の上面に折線Ｆで折重ねして二重の上棚とした
ものである。

この場合は、上棚に商品を陳列すると同時に、
函体の前面部が開放されているので、函内に収納
の商品が前方からよく見えるという利点がある。

本発明は商品の輸送用、格納用の外装ケースと
して又店頭において瞬時に陳列棚として組立てが
でき商品をデイスプレイし、一方製作の際にも組
立時に全く裏面が露出しないので紙型展開状にお
いて表面のみを着色仕上するのでコスト的に安価
にすみ誠に便利な紙箱として実用上の効果多大な
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は紙型展
開時における正面図、第２図は組立て時における
底面方向より見た斜面図、第３図は立掛けて前方
より見た組立て過程の斜面図、第４図は外装ケー
スとしての組立て完了の斜面図、第５図は陳列棚
としての組立て過程の斜面図、第６図は陳列棚と
しての組立て完了の斜面図、第７図は他の組立の
一実施例としての陳列棚の斜面図である。 １は後壁面、１ａは細溝、２は蓋板面、２ａは
折立内板、２ｂは折立外板、２ｃは表示面部、２
ｂは耳片、２′は切込曲線、３は底板面、３ａは
斜外辺、３ｂは舌片部、４は右側壁面、５は左側
壁面、４ａ，５ａは横溝、４ｂ，５ｂは縦溝、４
ｃ，５ｃは斜折込線、６は前壁面、６ａは棚板
部、６ｂは前板部、６ｃは糊代面、６ｄ，６ｅは
ミシン状の切溝、７，８は底横板、７ａ，８ａは
内側辺、７ｂ，８ｂは横辺、７ｃ，８ｃは凹状切
欠き部、７ｄ，８ｄは斜状外側辺、９，１０は枠
板、９ａ，１０ａは背板部、９ｂ，１０ｂは側板
部、９ｃ，１０ｃは対角折線、１１，１２は立掛
板、１１ａ，１２ａは切欠、１１′，１２′は間
隙、１３は底面、１３ａは凹切欠、１４は棚板、
１４ａは差込突片、１４ｂは上棚部、１４ｃは前
板部、１４ｄは耳片、Ａ，Ｂは横折線、Ｃ，Ｄ，
Ｅは縦折線、Ｆ，F′，F″，Ｆは折線、Ｇ，
Ｈ，Ｊは切離線、は折曲線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上辺に細溝１ａ，１ａを穿設した後壁面１の上
   方に、横折線Ａを介して、横中央部に折線Ｆを備
   えた蓋板面２と、下方に横折線Ｂを介して、斜外
   辺３ａ，３ａと長方角状の舌片部３ｂとからなる
   底板面３と、右左側方に各対称に縦折線Ｃ，Ｄを
   介して、それぞれ上辺に横溝４ａ，５ａと、これ
   と直角廻転移動位置に縦溝４ｂ，５ｂを各穿設
   し、かつ外側辺の中点より上内方に向う45゜方向
   に斜折込線４ｃ，５ｃを各備えた右側壁面４、左
   側壁面５と、該右側壁面４と左側壁面５の下方に
   それぞれ横折線Ｂを介して、直角の各内側辺７
   ａ，８ａと横辺７ｂ，８ｂおよび中間部に角形の
   凹状切欠部７ｃ，８ｃを各備えた斜状の外側辺７
   ｄ，８ｄよりなる、各対称形の底横板７，８と、
   右側壁面４と左側壁面５の上方内側部に横折線Ａ
   を介して、それぞれ横中央の折線F″と上内方45
   ゜方向の対角折線９ｃ，１０ｃを各備えた対称形
   の枠板９，１０および、上方外側部に上記枠板
   ９，１０との間に間隙１１′，１２′を各設けて、
   内側辺部に切欠１１ａを備えた右立掛板１１と、
   外側辺部に切欠１２ａを備えた左立掛板１２と、
   左側壁面５の左方に縦折線Ｅを介して前壁面６
   と、該前壁面６の下方に横折線Ｂを介して、下辺
   中央部に凹切欠１３ａを備えた底面１３および上
   方に横折線Ａを介して、横中央に折線Ｆを備
   え、上辺に前記細溝１ａ，１ａに嵌挿する差込突
   片１４ａ，１４ａを突設した前記蓋板面２に対応
   の棚板１４を各連設し、前記蓋板面２と上記棚板
   １４の各両側辺に、前記横溝４ａ，５ａおよび縦
   溝４ｂ，５ｂに嵌挿する耳片２ｄ，２ｄ，１４
   ｄ，１４ｄを各突設し、蓋板面２の両側辺および
   棚板１４の内側辺に切離線Ｇ，Ｈ，Ｊを各設け、
   各縦折線Ｃ，Ｄ，Ｅを直角に折曲げて右側壁面４
   の右辺部と前壁面６の左辺部を連着するように構
   成した輸送用ケース兼用デイスプレイ。