JPS6129534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用ドアトリム、特にガーニツ
シユレスタイプのドアトリムに関する。

この種ガーニツシユレスタイプのドアトリム
は、例えば第１図に示すように、ドアトリム１を
構成するハードボード等の芯材２の表面にパツド
材３および軟質塩化ビニールからなる表皮材４が
高周波ウエルダ溶着されており、上記芯材２の上
縁よりパツド材３および表皮材４を延長して形成
し、この延長部５の先端縁裏面に厚肉板状の挿入
板６を装着したものである。そして、このように
構成されたドアトリム１をドアインナーパネル７
に取付けるには、このドアインナーパネル７の上
端折り返し部７ａにウエザーストリツプ９を一体
化した断面Ｕ字型の止め具１０を装着し、この止
め具１０のＵ字状部にドアトリム１の挿入板６を
嵌合固着し、延長部５を引つ張りながら上記芯材
２の適宜位置に装着されたクリツプ８をドアイン
ナーパネル７に形成されたクリツプ孔８′に嵌合
させることによつてドアトリム１をドアインナー
パネル７の側部に取付けるようにしている。

ところで、上記挿入板６は、通常硬質塩化ビニ
ール等の硬質熱可塑性樹脂で形成されたものが多
い。また、高周波ウエルダ溶着をし易くするため
に第２図に示すように厚肉の硬質塩化ビニール１
１の片面に薄い軟質塩化ビニール１２を貼着した
ものもある。

しかし、上記のように硬質塩化ビニール単体の
場合には、ウエルダ溶着がし難く、このため高周
波ウエルダの電流を増すと挿入板全体が融けて潰
れたり、形が崩れたりする。

また、軟質塩化ビニールを硬質塩化ビニール片
面に貼着した場合は、それらの材質の違いにより
反り返つたり波打つたりする。

このため挿入板を上記止め具に嵌め入れる作業
を困難なものとし、作業能率を低下させ、また固
定強度を低下させる等の問題を有している。

この考案は上記の問題点に鑑みなされたもの
で、高周波ウエルダ溶着時に融けて形が崩れたり
反り返つたりせず、かつ固定強度が高い挿入板を
備えた自動車用ドアトリムを提供することを目的
とする。

以下この考案の一実施例を図面に用いて詳細に
説明する。

第３図に示すようにこの考案の自動車用ドアト
リムにおける挿入板２０は、硬質塩化ビニールや
ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS等の硬質
熱可塑性樹脂からなる厚肉板状の硬質芯部２１
と、この硬質芯部２１の外周全体を被包する軟質
塩化ビニールからなる軟質表皮部２２とを異形押
出成形によつて一体化して形成したものである。

上記のように構成された挿入板２０は、パツド
材３とともにドアトリムの延長部５の表皮材４の
先端縁裏面に高周波ウエルダ溶着によつて装着さ
れている。この高周波ウエルダ溶着の際に上記挿
入板２０は、上記軟質表皮部２２表面が溶融して
上記表皮材４に容易に溶着することができ、この
とき硬質芯部２２が溶融しないため形の崩れが防
止されるのである。

以上説明したように、この考案の自動車用ドア
トリムにあつては、その挿入板を硬質芯部とこの
硬質芯部の外周全体を被包する軟質塩化ビニール
からなる軟質表皮部とから構成したことにより、
この挿入板を上記ドアトリムに高周波ウエルダ溶
着する際に、挿入板全体が溶融して形が崩れたり
反り返つたりすることがなくなり、作業能率が向
上し、かつ固定強度も高くなる等の利点を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドアトリムとその取付状態を示
す断面図、第２図は従来のドアトリムの他の例を
示す斜視図、第３図はこの考案に係る自動車用ド
アトリムの一実施例の挿入板近を示す斜視図であ
る。 ２０……挿入板、２１……硬質芯部、２２……
軟質表皮部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状の芯材表面にウエルダ溶着されるパツド材
   および表皮材からなり、かつこのパツド材および
   表皮材を芯材の上縁より延長し、この延長部先端
   縁にドアインナーパネルの上部に設けた止め具に
   嵌め込み式に挿入して固着するための挿入板をウ
   エルダ溶着して一体化した自動車用ドアトリムに
   おいて、上記挿入板は硬質芯部と、この硬質芯部
   の外周全体を被包する軟質塩化ビニールからなる
   軟質表皮部とから構成したことを特徴とする自動
   車用ドアトリム。