JPS6210171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、補強リブを外板の裏面に一体成形
により設けた自動車用樹脂外板に関するものであ
る。

従来から自動車用外板には合成樹脂製のものが
用いられている。この様な自動車用樹脂製外板に
あつては、一般に使用される軟鋼板製外板に比較
して剛性が低いために、外板の裏側に補強リブを
設けて剛性を上げている。この様な樹脂製の外板
は、合成樹脂を射出成形することにより形成して
いる。ところで、この射出成形に際しては、合成
樹脂が硬化する際に、体積収縮が起り、射出成形
品である外板の表面にヒケが発生する。このヒケ
は、肉厚一定の場合には全体が均等に収縮するた
め目立たないけれども、肉厚が厚いところは肉厚
に比例して大となる。従つて、外板の裏側に補強
リブを一体成形で設けた場合には、補強リブと対
応した外板の表側にヒケ部が発生する。

しかも、外板の表面に塗装を施しても、ヒケに
よる窪みは外板の表側に依然として残つている。
このため、リブを設けた樹脂製の外板の外観が悪
いという問題点があつた。また、目立つ箇所への
ヒケの発生を心配して張り剛性が弱い外板中央部
から離れた位置に設ける場合には、外板の剛性が
不足するという問題点があつた。

そこで、この考案は、合成樹脂製の外板の中央
部に補強リブを設けて、外板の張り剛性を高くし
ても、ヒケにより外観が損われない自動車用樹脂
製外板を提供することを目的とするものである。

この目的を達成するため、この考案は、近接す
る一対の平行な補強リブを合成樹脂製の外板の裏
面に一体成形により形成し、前記外板の表面と裏
面の補強リブ間の部分とに開口するモール取付孔
を前記外板に穿設すると共に、モールに設けたク
リツプを前記モール取付孔に嵌着することによ
り、前記モールを前記外板の表面に取り付けて、
前記モールの縁部で前記外板の表面の補強リブに
対応する部分をカバーする様にした自動車用樹脂
製外板としたことを特徴とするものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図において、Ａは自動車のドアである。こ
のドアＡの本体は、第２図及び第３図に示した如
く、合成樹脂から形成された自動車用樹脂製外板
としてのドアアウターパネル１と、このドアアウ
ターパネル１に周縁部で結合されたドアインナー
パネル２から構成されている。図中、１ａはドア
アウターパネル１の表面、１ｂはドアアウタパネ
ル１の裏面である。

ドアアウターパネル１の裏面１ｂの中間部には
一対のリブ３，３が一体に形成されている。この
リブ３，３は近接していると共に平行に設けられ
ている。しかも、ドアアウターパネル１の表面１
ａのリブ３，３に対応する部分には、ドアアウタ
ーパネル１を射出成形する際に生じたヒケ部６，
６が形成されている。また、ドアアウターパネル
１には、表面１ａと裏面１ｂのリブ３，３間の部
分に開口するモール取付孔８が穿設されている。

ドアアウターパネル１の表面１ａ側には、ゴム
等を使用したガードモールあるいは合成樹脂に金
属蒸着等を施した装飾モール等のモール４が配設
されている。このモール４は、第１図及び第２図
に示した如く、ドアアウタパネル１の中間部に沿
つて後方に延びている。またモール４は断面が第
４図の如く略Ｃ字状に形成されている。そして、
モール４にはクリツプ７の頭部が保持されてい
る。

この様なモール４は、クリツプ７をモール取付
孔８に嵌着することにより、ドアアウターパネル
１の表面１ａに取り付けられている。そして、モ
ール４の縁部４ａ，４ｂは、ドアアウターパネル
１のヒケ部６，６をカバーしている。

この考案は、以上説明したように、近接する一
対の平行な補強リブを合成樹脂製の外板の裏面に
一体成形により形成し、前記外板の表面と裏面の
補強リブ間の部分とに開口するモール取付孔を前
記外板に穿設すると共に、モールに設けたクリツ
プを前記モール取付孔に嵌着することにより、前
記モールを前記外板の表面に取り付けて、前記モ
ールの縁部で前記外板の表面の補強リブに対応す
る部分をカバーする様にした自動車用樹脂製外板
としたので、補強リブを設けることにより生じた
外板表面のヒケ部がモールの縁部でカバーされ
る。この結果、ヒケ部により外観が損われるのを
防止できる。

また、モールに保持させたクリツプを外板のモ
ール取付孔に嵌着することにより、モールを外板
の表面に取り付ける様にしたので、モールを外板
に簡易に取り付けることができる。

しかも、モール取付孔は一対の補強リブ間に開
口させているので、モール取付孔を薄い外板に設
けても、外板の強度がモール取付孔により低下す
るのも防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の外側側面図、第２図は第１図
から取り出したドアアウタパネルとドアインナパ
ネルとの組立状態を示す斜視図、第３図は第２図
の−断面図、第４図は第３図に示すモール装
着部の拡大断面図である。 １……ドアアウタパネル（自動車用樹脂製外
板）、１ａ……表面（外板表側）、１ｂ……裏面
（外板裏側）、３……補強リブ、４……モール、６
……ヒケ部、７……クリツプ、８……モール取付
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 近接する一対の平行な補強リブを合成樹脂製の
   外板の裏面に一体成形により形成し、、前記外板
   の表面と裏面の補強リブ間の部分とに開口するモ
   ール取付孔を前記外板に穿設すると共に、モール
   に設けたクリツプを前記モール取付孔に嵌着する
   ことにより、前記モールを前記外板の表面に取り
   付けて、前記モールの縁部で前記外板の表面の補
   強リブに対応する部分をカバーする様にしたこと
   を特徴とする自動車用樹脂製外板。