JPS6128093Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば自動車のアクセル・ペダルと
キヤブレタとを作動連結するアクセルケーブルの
ごときコントロールケーブルのインナケーブル係
止具に関するものである。

従来のこの種コントロールケーブルのインナケ
ーブル係止具は、第１図の符号ａで示すように、
インナケーブルｂを摺動自在に挿通する中心孔ｃ
を有する筒部ｄに溝ｅを周設するとともに、この
筒部ｄの一端に、インナケーブルｂの端末に固着
したケーブルエンドｆを係止するための座面ｇ
（第３図参照）が、又他端にはテーパ面ｈが形成
されたもので、この係止具ａは、アクセル・ペダ
ルと一体の操作レバーｉの折曲部に穿設した溝付
の孔ｊに対して、前記テーパ面ｈに沿つて押し込
まれ、操作レバーｉの孔ｊに溝ｅが嵌り込むこと
によつて前記操作レバーｉに固着されるよう構成
されている。従つて、アクセル・ペダルが踏み込
まれると、操作レバーｉが図示しないバネ力に抗
して矢印×方向へ回動せしめられ、操作レバーｉ
に固着された係止具ａ及びケーブルエンドｆを介
して、これも図示しない比較的弱いバネ力に抗し
てインナケーブルｂを引張り、このインナケーブ
ルｂの従動端に連設されたキヤブレタのスロツト
弁が開閉制御される。尚、第２図に示す係止具
a′は、前記操作レバーｉの孔ｊに押し込まれる部
位をすり割部材ｋとした以外は、第１図の係止具
ａと同様であるため説明を省略する。

ところで、第１図に示した従来のケーブルエン
ド係止具ａ（第２図の係止具a′も同様）によれ
ば、アクセル・ペダルを踏み込んで操作レバーｉ
を回動せしめ、インナーケーブルｂを引張した第
３図Ａに示す状態から、急激にアクセル・ペダル
を離すと、前述したように、操作レバーｉを原点
復帰せしめるバネ力の方が、インナケーブルｂの
それに比して大きいため、係止具ａとケーブルエ
ンドｆが一体となつて復帰することなく、第３図
Ｂに示すように、係止具ａが先に移動してしま
い、ケーブルエンドｆとの間に空隙が生ずること
となる。このような状態では、ケーブルエンドｆ
の自重により、或いはエンジン振動に起因するケ
ーブルエンドｆの振子運動によつて、インナケー
ブルｂの端部１が曲げ疲労を受け易く、従つて折
損し易い欠点があつた。又、空隙に他の機械部品
或いはダスト等が入り込んでしまう可能性があ
り、かかる場合には、インナケーブルｂが完全に
戻り切らないことも考えられ、スロツト弁の正確
な開閉制御を期する上で甚だ不都合なものであつ
た。

このため、実開昭52−13340号公報に記載され
ている通りに、ケーブルエンドを球面孔に嵌入し
て脱出しないように保持する係止具が提案された
が、これは、ケーブルエンドを球面孔内に挿入す
るための挿入口を、ケーブルを通す中心孔の軸線
上に形成し、かつ、その挿入口をケーブルエンド
より少し小さくして弾性変形により挿入口を拡大
させつつケーブルエンドを無理に球面孔内に挿入
するようになつていたため、ケーブルエンドを係
止具に組み付けるのに専用の圧入装置を必要と
し、また、一旦組み付けた後は容易に分離するこ
とができない欠点があつた。

本考案はこのような欠点を除去するために、操
作部材に貫通して固着される筒部に保持部を形成
し、コントロールケーブルのインナケーブルを前
記筒部の中心孔に通して該インナケーブルの端末
に固着したケーブルエンドを前記保持部に形成し
た保持孔に嵌入して保持するようにしたコントロ
ールケーブルのケーブルエンド係止具において、
前記保持部に、前記ケーブルエンドを前記中心孔
の軸線方向以外の方向から前記保持孔に挿入する
挿入口を形成したものであつて、ケーブルエンド
を保持孔内に挿入する挿入口を、インナケーブル
の挿通される中心孔の軸線方向以外の方向に形成
したから、インナケーブルが緩んでケーブルエン
ドが中心孔の軸線方向に押されても、挿入口から
脱出するおそれがなく、したがつて、挿入口をケ
ーブルエンドより大きくして、組み付け及び分離
の作業を容易に行なうようにすることができる。

以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第４図Ａ及びＢは本考案に係るケーブルエンド
係止具１を断面図及び平面図によつて示すもの
で、筒部２にはインナケーブル３を挿通する中心
孔４及び溝５を設けるとともに、この筒部２の一
端には、インナケーブル３の端末に固着したケー
ブルエンド６を嵌合して保持するための保持孔７
を中心孔４と直角に透設して両側端に挿入口８を
形成した略円筒形状の保持部９が一体形成されて
おり、又他端にはテーパ面１０が形成されてい
る。尚、溝５は第１図で説明した通り、係止具１
をテーパ面１０に沿つて操作レバー１１の孔１２
に押し込んだとき、孔１２と嵌合し、係止具１を
操作レバー１１に固着するためのものである。

第５図に示す係止具２１は、操作レバー１１へ
の固着を、つば２２を有し、外周をテーパ面２３
としたすり割部材２４によつて行なうもので、ケ
ーブルエンド６を保持する保持部２９の形状その
他は第４図に示す係止具１と同様である。

従つて、前記係止具１或いは２１において、ケ
ーブルエンド６を、保持部９の側面の挿入口８か
ら保持孔７内に挿入することによつて、ケーブル
エンド６を係止具１，２１に一体的に保持するこ
とができる。

第６図乃至第１０図は本案の他の実施例を示す
ものである。

第６図の係止具３１は、保持部３３の端部３２
を内方に屈曲せしめることによつて、両側端に挿
入口８を有する保持孔７を中心孔４と直角に形成
したものである。又、第７図の係止具４１は、保
持部４３の端部４４を下方へわん曲させて挿入口
８を有する保持孔７を中心孔４と直角に形成した
ものである。又、第８図に示す係止具５１の保持
部５３は、互いに異なる向きに回曲された二つの
腕部５４，５５によつて中心孔４と直角な両側端
に挿入口８を有する保持孔７を形成したもので、
第９図に示す係止具６１の保持部６３は、第７図
で示した保持部４３の中央に溝６４を形成したも
のである。更に第１０図に示す係止具７１の保持
部７３は、円筒中央に溝７４を形成することによ
つて二分割し、相対向する端面にテーパ面７５，
７６を設けたものである。

尚、前述した第６図乃至第１０図で示した係止
具は何れも、操作レバーの孔に押し込まれる部位
をすり割部材とすることができるのは云うまでも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、従来のケーブルエンド係
止具を示す斜視外観図、第３図はその作動説明図
である。第４図及び第５図は、本案の一実施例を
断面図及び平面図によつて示したものである。第
６図乃至第１０図は、本案の他の実施例を示すも
ので、係止具特にその保持部の各種形状を、第６
図は断面図Ａと平面図Ｂ、第７図は断面図Ａ、平
面図Ｂ及び斜視図Ｃ、第８図は斜視図Ａ、正面図
Ｂ、側面図Ｃ及び平面図Ｄ、第９図は断面図Ａ、
側面図Ｂ、及び平面図Ｃ、又、第１０図は斜視図
Ａ、断面図Ｂ及び平面図Ｃによつてそれぞれ示し
たものである。 １……ケーブルエンド係止具、２……筒部、３
……インナケーブル、４……中心孔、６……ケー
ブルエンド、７……保持孔、８……挿入口、９，
２９，３３，４３，５３，６３，７３……保持
部、１１……操作レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作部材に貫通して固着される筒部に保持部を
   形成し、コントロールケーブルのインナケーブル
   を前記筒部の中心孔に通して該インナケーブルの
   端末に固着したケーブルエンドを前記保持部に形
   成した保持孔に嵌入して保持するようにしたコン
   トロールケーブルのケーブルエンド係止具におい
   て、前記保持部に、前記ケーブルエンドを前記中
   心孔の軸線方向以外の方向から前記保持孔に挿入
   する挿入口を形成したことを特徴とするコントロ
   ールケーブルのケーブルエンド係止具。