JPS6128011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は作業機用に使用する強制空冷エンジン
に関し、エンジンベース下方のデツドスペースを
利用してマフラを配置するとともに、マフラとエ
ンジンベースとの間隙に通風路を形成して、フア
ンケースからの冷却風の一部を導くことによつ
て、マフラを冷却し、マフラからエンジンのオイ
ルパンへの熱伝導を遮断し、もつてエンジンの潤
滑性能を良好に確保することを目的とする。

従来、田植機、コンバイン等の農作業機では、
スペースの関係でマフラをエンジンベース下方の
デツドスペースを利用して、ここにマフラを配置
する場合が少なくないが、高温に加熱されたマフ
ラ自体の熱伝導若しくは輻射熱でエンジンベース
を介してエンジン底部のオイルパンが過熱され、
潤滑油の異常昇温による潤滑不良を引き起こす。

本考案は上記欠点を解消するものであり、エン
ジンベース下方のデツドスペースを利用してマフ
ラを配置するとともに、マフラとエンジンベース
との間に通風路を形成してフアンケース下部の分
風口と連通し、マフラをフアンケースから導いた
冷却風で冷やすことにより、高温に加熱されたマ
フラの熱がエンジン下部のオイルパンに伝導する
ことを防止して潤滑油の過熱をなくし、もつてエ
ンジンの潤滑性能を確保するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は４条植小型乗用田植機の略示側面図、
第２図はその要部拡大縦断面図、第３図は単気筒
縦型強制空冷エンジンの分解斜視図である。

小型田植機１は、後方に苗載せ台、苗押え、フ
ロート等を有する田植機構２０を装備し、作業機
中央には運転台１５、その下方には車輪１６を配
置し、前方にはエンジンベース２を設けるととも
に、エンジンベース上に強制空冷エンジン３を搭
載する。

エンジン３の上方には燃料タンク１７を載置
し、下方にはオイルパン１８を設ける。エンジン
の前方には冷却フアン４をクランク軸に連動連結
して、その周囲をフアンケース５で覆い、円状の
吸風口６をその前面に設ける。

フアンケース５の後方はシリンダ８の上方を覆
うように延出して背面を大きく開いて送風口７と
して、冷却フアン４の送風力によつて外気を吸風
口６からフアンケース５内に吸込み、シリンダ８
を冷やして送風口７から後方に排出させる。

フアンケース５の前方にはＵ字状箱型の防塵ケ
ース２１をその後面の吸風口６を覆うように接続
し、ケース側方の下部には金網状の外気取入口２
２ａを、上部にはルーバー式の外気取入口２２ｂ
を各々開孔する。

エンジン３の後方には動力取出口２３を導出し
てミツシヨンケース２４を介して車輪１６と連動
している。

エンジン３は略Ｌ字状のエンジンベース２上に
載置し、ベース２の側方両端を上方に延出して固
定盤２５として、これらの上端に燃料タンク１７
を固定する。

エンジンベース２の下部を箱状に形成し、略楕
円筒状のマフラ９を収容して、下方から上面及び
背面を切欠いた箱状のマフラカバー１０で覆う。
マフラ９は、そのフランジ部９ａから突出した止
片２６をマフラカバー１０に螺着してカバー及び
エンジンベース内壁とマフラとの間には間隙を設
けて通風路１１を形成する。

エンジンベース２の前方下部には通風路１１へ
の入口１２を設けるとともに、フアンケース５の
下方を開口して分風口１４として、上記入口１２
と連通する。

マフラカバー１０の後方は開口して連通路の出
口１３として外部に臨ませ、フアンケース５内の
冷却風の一部を分風口１４から入口１２を経て通
風路１１を通して出口１３から外部へ流出させて
いる。

マフラ９の導出管２６はエンジン３の排気ポー
トと接続し、導出管２６と対向するマフラ側方に
は排気出口２７を突出している。

又、エンジンの送風口７の後方付近から車輪１
６の上方に沿つて仕切板３０を田植機本体に固定
して、エンジンの冷却風が運転台の作業者に直接
当たることを防止している。このことは、最高80
度程度に熱せられる上記冷却風による作業者の火
傷の危険及び不快感を除去するものであるが、当
該構成は必須のものではなく、運転席若しくはエ
ンジンの送風口の位置を種々変化させることで省
略することができる。

以下、本考案の効果を述べると、マフラをエン
ジンベース下側のデツドスペースに収容すること
で、空間利用を効率的に図り、しかも、マフラ周
辺には通風路を設けてフアンケース下部に明けた
分風口と連通することにより、冷却フアンによつ
て起こされた冷却風の一部をマフラに吹付けて冷
却し、高温に加熱されたマフラからの伝導熱若し
くは輻射熱を直接エンジンに伝えることを防止
し、エンジン底部に位置するオイルパンの過熱を
なくし、もつてエンジンの潤滑性能を良好に維持
することができる。

又、エンジンベースの下側に設けたマフラにフ
アンケースの冷却風の一部を省く簡単な構成であ
るので、その送風構造を簡単に安価に実施でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
４条植小型乗用田植機の略示側面図、第２図はそ
の要部拡大縦断面図、第３図は単気筒縦型強制空
冷エンジンの分解斜視図である。 １……作業機、２……エンジンベース、３……
エンジン、４……冷却フアン、５……フアンケー
ス、６……吸風口、７……送風口、８……シリン
ダ、９……マフラ、１０……マフラカバー、１１
……通風路、１２……通風路の入口、１３……通
風路の出口、１４……分風口、１８……オイルパ
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業機１のエンジンベース２上に強制空冷エン
   ジン３を設置し、このエンジン３の前面に冷却フ
   アン４とフアンケース５とを設け、フアンケース
   ５の前面に吸風口６を、背面に送風口７を明け
   て、冷却フアン４の送風力で外気を吸風口６から
   フアンケース５内に吸込み、送風口６からシリン
   ダ８に送風するように構成し、エンジン３のマフ
   ラ９をエンジンベース２の下側のデツドスペース
   内に設置し、マフラ９の外周をマフラカバー１０
   で覆い、マフラ９とエンジンベース２との間に通
   風路１１を形成し、通風路１１の前部入口１２を
   フアンケース５の下部の分風口１４に連通させる
   とともに、通風路１１の後部の出口１３を外部に
   臨ませて開口することにより、フアンケース５内
   の冷却風の一部を分風口１４から入口１２を経て
   通風路１１に通し、出口１３から外部に流出させ
   るように構成した事を特徴とする作業機用強制空
   冷エンジン。