JPS6127830B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば固定ヘツド方式PCMテープ
レコーダのような高精度のトラツキング特性を要
求される磁気テープ装置に関し、テーパポストと
キヤプスタンの簡易な構成により、キヤプスタン
に当接するテープ位置の安定化を行ない、安定し
た精密なトラツキングを実現し、高密度記録再生
の信頼性を高めることを目的とするものである。

従来の磁気テープ装置の要部を図面に示して説
明する。第１図は正面図、第２図はそのＢ−B′断
面図（ハツチングは略す）である。図において、
１は磁気テープ、２は狭トラツク幅のマルチトラ
ツク用磁気ヘツド、３，４はガイドポストであ
り、このうちガイドポスト３は平行ポスト、ガイ
ドポスト４はテーパポストである。５はキヤプス
タン、６はキヤプスタンに対向し当接するピンチ
ローラ、７は走行基板である。なお走行基板７に
対して、前記各部品は垂直に取付けられており、
図中矢印Ａはテープ走行方向を示す。上記の構成
はトラツキングの再現性を得るために、テーパポ
スト４を用いたテープ片位置規制の手法のひとつ
であり、磁気テープ１はテーパポスト４の斜面に
そつて下向に付勢され下フランジによつて位置決
めされて走行し、ヘツド２においてテープ位置を
安定化しようとするものである。この場合、磁気
テープ１はテーパポスト４によつてねじりを受け
ているので、キヤプスタン５、ピンチローラ６に
対して傾きを持つて入つていくことになる。第２
図には磁気テープ１のねじれ状態を図示してい
る。

本来、キヤプスタン５とピンチローラ６に対し
て、磁気テープ１は極力ねじれなく平行であるこ
とが望ましく、その方がキヤプスタン５とピンチ
ローラ６の交線におけるテープ１の位置は安定す
る。一方、磁気テープ１がキヤプスタン５、ピン
チローラ６に対してねじれている場合、磁気テー
プ１の位置は安定しにくくなり、例えば具体的に
はピンチローラ６が圧着してから磁気テープ１の
位置（キヤプスタン５とピンチローラ６の交線に
おける位置）が安定するまでに数秒程度の時間が
かかるといつた問題が生じる。第１図に示したよ
うなマルチヘツドを有し高精度のトラツキングが
必要となる磁気テープ装置では、キヤプスタン５
における磁気テープ１の安定性は重要な問題とな
つた。すなわち、キヤプスタン５での磁気テープ
１の変動が磁気ヘツド２での変動に影響を及ぼす
ためであり、トラツキングが高精度になる程、数
ミクロンという微少量の変動も問題になつて来る
のである。一方、上記従来の構成では、磁気テー
プ１に駆動力を与えるキヤプスタン５とピンチロ
ーラ６の交線に磁気テープ１が傾きを持つて入つ
て来るためテープの片伸び変形が発生する。これ
らの問題は、テーパポスト４とキヤプスタン５の
間に、ガイドポスト３と同様な平行ポストを追加
配置すれば、一応の解決策にはなるが、走行部品
が増え、スペースも新たに必要となり好ましくな
い。

本発明は以上のような問題点を解決するもの
で、キヤプスタンの前後でテープの傾斜方向が逆
になるようにした構成を有することを特徴とする
ものである。以下本発明の一実施例を図面にもと
づいて説明する。

第３図は、本発明の磁気テープ装置の一実施例
を示す平面図である。図において、１１は供給リ
ール、１２は巻取リール、１３，１４はガイドポ
スト、１５，１６はテーパポストのガイドポスト
であり、後に第４図ないし、第７図を用いて詳し
く説明する。１９はキヤプスタン、１７，１８は
ピンチローラ、２０，２１，２２，２３はテーパ
ポストのガイドポスト、２４，２５，２６，２７
は消去、記録、再生を行なう磁気ヘツド、２８は
ガイドローラ、２９は磁気テープである。磁気テ
ープ２９はキヤプスタン１９と、ピンチローラ１
７，１８に挾持されることによつて駆動され、供
給リール１１から巻取リール１２に送られる。第
４図は、第３図の矢印Ｃ方向から見た側面図であ
り、第５図は同じく矢印Ｄ方向から見た側面図で
ある。第４図、第５図において、３０は走行基板
であり、各走行部品はこれに垂直に取付けられて
いる。走行部品の番号は、第３図と対応してい
る。

第４図において、磁気テープ２９はテーパポス
ト２０，２１によつて下位置規制され、ヘツド２
４，２５において高精度のトラツキングがなされ
る。さらにテーパポスト１５と２０は、キヤプス
タン１９の前後で、かつテープの滑面側および磁
性面側にそれぞれ配置されている。

第６図は、第４図のＥ−E′断面図（ハツチン
グを略す）であり、磁気テープ２９のねじれ状態
を図示する。すなわち磁気テープ２９は、テープ
の表裏面側の一方にそれぞれ配置されたテーパポ
スト１５，２０とで各々から逆方向にねじれを受
けて、キヤプスタン１９とピンチローラ１７の交
線付近では、前後のねじれが打消し合うことにな
る。第５図においても同様で、磁気テープ２９は
キヤプスタン１９の前後において、テープの磁性
面側、滑面側にそれぞれ配置されたテーパポスト
２３，１６によつて、各々から逆方向にねじりを
受けている。第７図では、第５図のＦ−F′断面
図であり、テープのねじれ状態を図示する。この
場合にもキヤプスタン１９とピンチローラ１８の
交線付近において、テーパポスト２３と１６によ
るねじれは打消し合うことになる。

このことを第８図を用いてさらに説明する。第
８図は磁気テープをねじつた状態を図示したもの
であり、図の両端にそれぞれテーパポストがある
と想定しても良い。磁気テープの両端は、それぞ
れ逆方向に傾いているため、矢印Ｇで示すような
傾きの比較的少ない部分が存在する。この矢印Ｇ
で示す部分に、キヤプスタンとピンチローラを表
裏面から圧着することによつて、圧着時点の前後
で磁気テープのねじれ状態はほとんど変化を受け
なくなり、すなわち安定したテープ駆動が得られ
る。したがつてピンチローラが動作してから、ト
ラツキングが安定するまでの時間を短縮すること
が可能になる。さらにピンチローラ圧着時に磁気
テープに無理な力が加わりにくいため、磁気テー
プの片伸び変形も防止することができる。

以上の実施例からも明らかなように本発明によ
れば、２本のテーパポストをキヤプスタンの前後
に配置し、磁気テープの傾斜を逆方向としたこと
によつて、キヤプスタンでのテープ位置の変動を
減少させることができる、高精度のトラツキング
を安定して行なわせることが可態となる。またキ
ヤプスタンに接近してテーパポストを設けなけれ
ばならない場合でも、ピンチローラ圧着や、キヤ
プスタン駆動による磁気テープの片伸び変形を防
止することができる。したがつてより安定した高
精度のトラツキングが可能になり、高密度記録再
生においても信頼性を向上させることができるな
ど実用的な効果の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気テープ装置の要部正面図、
第２図は第１図のＢ−B′断面図、第３図は本発明
の磁気テープ装置の一実施例を示す平面図、第４
図は第３図のＣ方向からの側面図、第５図は第３
図のＤ方向からの側面図、第６図は第４図のＥ−
E′断面図、第７図は第５図のＦ−F′断面図、第
８図はテープねじれを説明するための平面図であ
る。 １５，１６……テーパポスト、１７，１８……
ピンチローラ、１９……キヤプスタン、２０，２
３……テーパポスト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ テープの走行経路を閉ループに形成するキヤ
   プスタンとピンチローラとの圧着部の各々におい
   て、前記テープの片位置規制を行う第１のテーパ
   ポストを前記圧着部の入側に設け、前記テープの
   片位置規制を行う第２のテーパポストを前記圧着
   部の出側に設け、前記第１および第２のテーパポ
   ストのテーパ方向は同一とし、前記テープの接触
   面は前記第１と第２のテーパポストとで反対と
   し、前記テープの片位置規制方向は前記第１と第
   ２のテーパポストとで同一とし、前記テープの傾
   斜方向が反転する中立位置に前記圧着部を配設し
   た磁気テープ装置。