JPS6127591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はドラム式乾燥機の改良に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来より、この種乾燥機としては、回転ドラム
内に例えばその背面側から熱風を供給して内部の
衣類等を乾燥させ、これにより多湿となつた回転
ドラム内の空気を衣類出入口から扉の外周部と外
箱前面との間の空隙を通して排気ダクトへ導き、
外箱外へ排出する構成のものが供されている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、上記構成では、回転ドラム内か
ら出る空気は湿気を多く含んでいるため、それが
比較的温度の低い扉と外箱前面との間の空隙内を
流れる際に扉や外箱前面に結露して水滴を生じ、
この水滴をリントが付着して汚れを生じたり、扉
を開放すると水滴が室内へ滴り落ちたりするとい
う問題があつた。

〔考案の目的〕 そこで、本考案の目的は、扉や外箱前面に結露
することを極力防止でき、もつて扉や外箱へのリ
ント付着や扉開放時の水滴の滴下を防ぎ得るドラ
ム式乾燥機を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、回転ドラム内に熱風を供給するため
の熱風供給装置からの熱風の一部を扉と外箱前面
との間の空隙内に供給する熱風分流路を設けると
ころに特徴を有する。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。１は外箱で、これらの前面板１ａには略
中央に円形の衣類出入口２を形成し、この衣類出
入口２の開口縁部に内方に延びる短尺な筒状部２
ａを形成している。３は外箱１内に配設した回転
ドラムで、これは前面部に開口形成した筒部３ａ
を衣類出入口２の筒状部２ａに回転可能に嵌合す
ると共に、背面部中央に突設した枢軸４を支持板
５に回転可能に枢支させている。６は外箱１内に
固定したモータ、７はモータ６の回転軸６ａに嵌
着したフアン、８はモータ６の回転を回転ドラム
３に伝達するベルトである。９はフアン７を覆う
フアンケーシングで、これの内部にはヒータ１０
を配設して熱風供給装置１１を構成し、下部に下
方に延びるダクト部１２を一体に形成している。
１３は拡風板で、これは回転ドラム３の背面部に
形成した多数の通気孔１４を覆うようにして支持
板５に固定しており、この拡風板１３に前記フア
ンケーシング９のダクト部１２を連通させて熱風
供給装置１１からの熱風を拡風板１３内及び通気
孔１４を介して回転ドラム３内に供給するように
している。１５は外箱１前面に枢設され衣類出入
口２を開閉する扉で、これは前面板１６の裏側に
略中央に衣類出入口２内へ突出する円形の膨出部
１７を備えた裏板１８を重ね合わせて成り、裏板
１８のうち膨出部１７を取り巻く環状の平坦部１
８ａと外箱１の前面板１ａとの間に環状の空隙１
９を形成している。２０は外箱１の前面板１ａの
うち扉１５の裏板１８と対向する部分に前記空隙
１９に連通するように形成した排気口で、これに
はリントフイルタ２１を取着している。２２は外
箱１内に配設した排気ダクトで、これは一端部を
排気口２０に接続すると共に、他端部を外箱１の
上面部１ｂにおいて開口させている。２３は外箱
１の上面部１ｂに取着した排気フードで、これは
外箱１の前方に向けて約15゜〜45゜の角度で斜め
上方に傾斜するルーバー２３ａを備えており、排
気ダクト２２から排出される多湿空気を外箱１の
上面部１ｂ及び部屋の天井に直接当らないように
案内して外箱１の上面部１ｂや天井に結露するこ
とを防止している。さて、２４は外箱１の前面板
１ａのうち衣類出入口２の下方部位に挿設した吐
気口体で、これは一端部が外箱１内に突出すると
共に、他端部を前記空隙１９内において上向きに
開口させている。２５は送風チユーブで、これの
一端部はフアンケーシング９のダクト部１２の始
端部に突設た連結筒部１２ａに連結され、他端部
は前記吐気口体２４の一端部に連結され、これに
より熱風供給装置１１からの熱風の一部を空隙１
９内に供給する熱風分流路２６を構成している。
尚、２７は外箱１の前面板１ａの下部に形成した
吸気口である。

次に上記構成の作用を設明する。回転ドラム３
内に衣類等の被乾燥物を投入してモータ６及びヒ
ータ１０に通電すると、回転ドラム３及びフアン
７が回転駆動されると共にヒータ１０が発熱す
る。フアン７の回転により室内空気が吸気口２７
から外箱１内に吸入され更に図示しない吸入口か
らフアンケーシング９内に吸入され、ここでヒー
タ１０により加熱されてダクト部１２、拡風板１
３内及び通気孔１４を順に通つて回転ドラム３内
に高温低湿度の熱風として供給される。そして、
回転ドラム３内に供給された熱風は、内部の衣類
を乾燥させることにより湿気を多量に含み、この
後衣類出入口２、空隙１９、排気口２０、排気ダ
クト２２及び排気フード２３を順に通つて外箱１
外へ排出される。一方、熱風供給装置１１からの
熱風の一部は送風チユーブ２５を通つて乾燥状態
のまま吐気口体２４から空隙１９内に上向きに吐
出され、第２図矢印Ａで示すように扉１５の裏板
１８の膨出部１７に下から当つて二手に分れ、該
膨出部１７を左右から挟むようにして上昇する。
この過程で、吐気口体２４から吐出された乾燥空
気は空隙１９内を流れる回転ドラム３からの多湿
空気と混合し、もつて空隙１９全体の空気の温度
上昇を防ぎつつ、更に扉１５の裏板１８及び外箱
１の前面板１ａのうち空隙１９内に臨む部分を若
干加熱するようになる。これにより、裏板１８の
平坦部１８ａや外箱１の前面板１ａに結露が生じ
てしまうことを防止でき、従つて例えば乾燥運転
の途中で扉１５を開けたとしても、従来のように
裏板１８に付着した水滴が室内に滴り落ちたり、
或いは裏板１８に生じた水滴にリントが多量に付
着して扉１５を汚したりすることを防止すること
ができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上述べたように、熱風供給装置から
の熱風の一部を扉と外箱前面との間の空隙内に供
給する熱風分流路を設けたところに特徴を有し、
この結果、空隙内を流れる空気の湿度上昇を防止
し得るから扉や外箱前面に結露が生ずることを極
力防止でき、もつて結露やこれによる水滴の生成
がないので扉を開放する際水滴が室内へ滴り落ち
たり、水滴にリントが付着して扉や外箱前面を汚
したりすることを防止し得るドラム式乾燥機を提
供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断
側面図、第２図は正面図である。 図中、１は外箱、３は回転ドラム、１１は熱風
供給装置、１５は扉、１９は空隙、２６は熱風分
流路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱風供給装置から回転ドラム内に熱風を供給
   し、前記回転ドラム内の空気を扉と外箱前面との
   間の空隙を介して排出するようにしたものにおい
   て、前記熱風供給装置からの熱風の一部を扉と外
   箱前面との間の前記空隙内に供給する熱風分流路
   を設けたことを特徴とするドラム式乾燥機。