JPS6335757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は乾燥室内に循環風を生成させる方式の
乾燥機に関する。

従来、衣類乾燥機の一例として、衣類を回転ド
ラム内でその回転によつて撹拌しながら、熱風を
回転ドラム内を通過させることにより乾燥作用を
得るようにしたものがある。このようなものはす
でに知られているように、乾燥に長時間かかり、
熱効率も低い欠点を有し、その改善に努力が続け
られている。乾燥時間短縮のための最も簡単で安
価な方法として、熱風生成用のヒータ出力を高く
することが採られている。しかしながらこの方法
はヒータ出力を高くした割合ほどの乾燥性能の向
上はなく、熱が徒らに排気として棄てられ熱効率
の著しい低下を来たすと云う結果に終つている。
その主たる理由は熱風の温度を上げても、衣類と
接触しないで排出される熱風量が多いためであ
る。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、簡単な構成で乾燥室内の空気を
循環させて被乾燥物に充分に接触させ得る構成と
することにより、乾燥効率を著しく向上できて乾
燥時間の短縮化ができる乾燥機を提供するにあ
る。

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。１は外箱で、その前面下部には多数の吸気孔
２ａを有し且つフイルタ２ｂを内設したカバー２
を着脱自在に取り付けた吸入口３が形成されてい
る。４は吸入口３の上方部に形成されたドア受部
であり、ここに短筒状の衣類出入れ口５が形成さ
れている。６は前記ドア受部４に開閉可能に設け
られたドアで、これにはリント補獲用のフイルタ
７ａを嵌め込んだ吐出口７が形成されているとと
もに、そのドア６の裏面側に保護カバー８が着脱
自在に取付けられている。９は内部を乾燥室９ａ
とする回転ドラムで、これの前端部中央領域には
衣類出入れ口５に連通する開口部１０が形成さ
れ、その開口部１０は周知の軸受部材１１を介し
て衣類出入れ口５の外周に嵌合支承されている。
一方、回転ドラム９の後端部中央にはドラム軸受
１２を有するドラム支持部材１３が取着固定され
ているとともに、その外周には多数の通風孔１４
が穿設されており、又、その通風孔１４の外周に
は多数の通風孔１５が穿設されている。１６は前
記外箱１に取着固定された支持板で、この支持板
１６の中央部には軸受１７，１７を有する軸受支
持部材１８が固着されている。１９は径大部１９
ａを軸受１７，１７に回転自在に支承させるとと
もに径小部１９ｂをドラム軸受１２に挿通させて
なる回転軸で、これの径大部１９ａの後端部にプ
ーリ２０を嵌着するとともに径大部１９ａと径小
部１９ｂとの中間部分にねじ部１９ｃが形成され
ている。２１は基板２２の前面に一方の翼片２３
を設け、後面に他方の翼片２４を設けた両翼形の
フアンで、これは基板２２をねじ部１９ｃに螺挿
されたナツト２５と径大部１９ａの一端部との間
に挾持することにより回転軸１９に固着されてい
る。そして、フアン２１の乾燥室９ａに面する前
面側に位置する一方の翼片２３はそれの背面側に
位置する他方の翼片２４よりも翼面積が大きく且
つ翼片数も多く設定されており、また、一方の翼
片２３の外接円は他方の翼片２４の外接円よりも
径小となるように設定されている。２６はフアン
２１を被うように支持板１６に固着されたケーシ
ングで、これの前面開口の内周部に取着されたシ
ール部材２７を通風孔１５を囲繞するようにして
回転ドラム９の背面板に摺接させるとともにこの
ケーシング２６の背面中央には吸気孔１６ａが形
成されている。２８はケーシング２６内を２つの
通気路２９，３０に仕切るように設けられた仕切
体で、この仕切体２８とケーシング２６の内面と
には基板２２に近接して翼片２２の外周部と対向
する仕切突条部２８ａ及び２６ａが突設されてい
る。３１は正の温度特性を有するPTCヒータか
らなる電気ヒータで、これはケーシング２６内の
下方部に位置させて絶縁材３１ａを介して仕切体
２８に固着され、以つて通気路３０内に配設され
ている。３２は両軸形の駆動モータで、これの回
転軸３３の一端部にはドラムプーリ３４が嵌着さ
れていて、この駆動モータ３２の回転力が周知の
ベルト伝達機構３５を介して回転ドラム９に伝達
されるようになつており、また、回転軸３３の他
端部にはプーリ３６が嵌着され、該プーリ３６と
プーリ２０との間にＶベルト３７が張設されてい
る。尚、３８は電気ヒータ３１及び駆動モータ３
３を通断電制御するタイマ装置、３９は回転ドラ
ム９内に通風孔１４を被うように配設されたリン
トフイルタである。

次に以上のように構成した本実施例の作用につ
いて説明する。衣類出し入れ口５から被乾燥物を
乾燥室９ａ内に収納した後にタイマ装置３８をセ
ツト操作し電気ヒータ３１及び駆動モータ３２に
通電付勢すると、電気ヒータ３１が発熱するとと
もに回転ドラム９が回転されて内部の被乾燥物が
撹拌され且つフアン２１が高速度で回転され、従
つて各翼片２３及び２４によつて送風作用が行な
われる。而して、乾燥室９ａに面する一方の翼片
２３による送風作用によつて乾燥室９ａ内の空気
が該乾燥室９ａの中央部に連通された通風孔１４
を介して通気路２９内に吸入された後該翼片２３
の外周部に吐出され乾燥室９ａの外周部に連通さ
れた通風孔１５を介して再び乾燥室９ａ内に送風
され所謂該乾燥室９ａ内に循環風が生成される。
また、翼片２４による送風作用によつて外箱１の
外部空気が吸入口３からフイルタ２ｂを介して該
外箱１内に吸入され、更に吸気孔１６ａから通気
路３０内に吸入され、電気ヒータ３１にて熱風化
されて乾燥室９ａ内に供給される。即ち、このよ
うにして乾燥室９ａ内に供給された熱風は前述し
た翼片２３による送風作用で該乾燥室９ａ内を循
環されながら該乾燥室９ａ内にて撹拌されている
被乾燥物に繰返し接触しながら該被乾燥物から湿
気を奪い被乾燥物を乾燥させるものであり、湿気
を多く含んだ空気はドア６の吐出口７からフイル
タ７ａを介して外部に排出されるものであり、こ
こで吐出口７から排出される排気量は翼片２４の
送風作用で乾燥室９ａ内に供給された熱風の量と
略等しくなる。

ところで、本実施例では翼片２３による送風量
即ち循環風量を、翼片２４による送風量即ち乾燥
室９ａ内に供給及び排出する送風量よりも大きく
設定しているから、乾燥室９ａ内に供給された熱
風が循環されながら繰返し被乾燥物と接触するこ
ととなり、乾燥室９ａ内の温度を水分の蒸発に適
した高温度に設定できるとともに排気は充分に湿
気を奪つた状態で吐出口７から排出されることと
なり、従つて乾燥効率が著しく向上して乾燥時間
が大巾に短縮される。

このように構成した本実施例においては翼片２
３，２４の外径寸法を異ならせたために翼片２３
により送風された風が通気路３０内に侵入したり
或いは翼片２４により送風された風が通気路２９
内に侵入したりすることを確実に防止できる。即
ち、リント含有量の比較的多い循環風が通気路３
０内に侵入してPTCヒータからなる電気ヒータ
３１に目詰まりを生じさせることを確実に防止し
得る効果を有している。また、本実施例において
乾燥室９ａと通気路２９は比較的送風抵抗が低い
が大送風量であることが好ましく、且つ外気を乾
燥室９ａ内に取り入れるための通気路３０内には
PTCヒータからなる電気ヒータ３１があつて送
風抵抗が大きいが低送風量でよいという設計的条
件を有しているが、翼片２４の外径寸法を翼片２
３よりも径大に設定したので、上記した設計的条
件に充分対処した高い送風圧が得られるものであ
る。

而して、上記実施例では翼片２４の外径寸法を
翼片２３よりも大に設定したが第３図に示すよう
に翼片２３の外径を翼片２４よりも大に設定して
も、通気路２９から通気路３０中に循環風が漏れ
て侵入し、これによつてPTCヒータからなる電
気ヒータ３１が目詰りを起すことを確実に防止で
きる。

更に、第４図に示すように基板２２の前面外周
部を通風孔１５方向に近付く円弧面に形成すれば
翼片２３にて送風される風が回転ドラム９の外周
壁方向に向けて効率よく送風されることとなり、
回転ドラム９内で撹拌される被乾燥物に対して充
分に循環風を吹き当てることができるようにな
る。

本考案は以上説明した実施例から明らかなよう
に、乾燥室に隣接して設けられたケーシング内に
配設された両翼形の送風フアンの前記乾燥室に面
する一方の翼片により前記乾燥室内から空気を吸
入し該空気を再び乾燥室内に吐出して該乾燥室内
に循環風を生成し、且つ乾燥室に面しない他方の
翼片により外気を乾燥室内に取り入れるようにし
たから、構成が簡単であるとともに循環風を被乾
燥物に充分に接触させて乾燥効率の向上を図り
得、乾燥時間を大巾に短縮化できる乾燥機を提供
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
のであり、第１図は縦断面図図、第２図は第１図
の−線に沿う側面図、第３図及び第４図は
夫々異なる実施例を示す要部の縦断面図である。 図面中、１は外箱、９は回転ドラム、９ａは乾
燥室、２１はフアン、２３及び２４は翼片、２６
はケーシング、３１は電気ヒータ、３２は駆動モ
ータである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 乾燥室を有する外箱と、この外箱内に前記乾
   燥室と隣接して設けられたケーシングと、この
   ケーシング内に配設され前記乾燥室に面する一
   方の翼片及び該乾燥室に面しない他方の翼片を
   有する両翼形をなし前記一方の翼片により前記
   乾燥室からの空気を吸入し該空気を再び乾燥室
   へ吐出して該乾燥室内に循環風を生成するとと
   もに前記他方の翼片により外気を前記乾燥室内
   に取入れるようにした送風フアンとを具備して
   なる乾燥機。 ２ 他方の翼片により取入れられる外気の通気路
   中にPTCヒータを配設するようにしたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載の乾燥機。 ３ 送風フアンは一方の翼片の外径と他方の翼片
   の外径とを異なる寸法に設定していることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の乾燥機。 ４ 外気を取入れるための他方の翼片の外径を、
   循環風生成用の一方の翼片の外径よりも径大に
   設定したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第２項又は第３項に記載の乾燥機。