JPS608876Y2 - 乾燥機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転ドラム内に循環風を生成させる方式の乾燥
機に関する。

従来、衣類を回転ドラム内で攪拌しながら、熱風を回転
ドラムを通過させるようにして乾燥作用が得られるよう
にした乾燥機が供されているが、このものは熱風と衣類
の接触頻度が少なく熱風が衣類の乾燥に寄与することな
く外部に捨てられる割合が比較的多いので、回転ドラム
の背面部に循環ファンを設けて該回転ドラム内に循環風
を生成して乾燥効率の向上を図るようにすることが考え
られているが、循環ファンの吸気側と排気側とが回転ド
ラムの背面部において近接するために循環ファンが吸気
と排気との間でショートサーキットを起して送風効率を
低下させるおそれがあり、また、ショートサーキットに
よって異常な送風騒音が生ずる問題もある。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目
的は循環ファンが吸気と吐気との間でショートサーキッ
トを起すことを防止し得て送風効率を向上し得るととも
に異常な送風騒音を生ずることもない乾燥機を提供する
にある。

以下本考案の一実施例を第１図及び第２図を参照して説
明する。

１は外箱で、その前面下部には多数の吸気孔２ａを有し
且つフィルタ２ｂを内設したカバー２を着脱自在に取り
付けた吸入口３が形成されている。

４は吸入口３の上方部に形成されたドア受部であり、こ
こに短筒状の衣類出入れ目５が形成されている。

６は前記ドア受部４に開閉可能に設けられたドアで、こ
れにはりント捕獲用のフィルタ７ａを嵌め込んだ吐出ロ
アが形成されているとともに、そのドア６の裏面側に保
護カバー８が着脱自在に取付けられている。

９は内部を乾燥室９ａとする回転ドラムで、これの前端
部中央領域には衣類出入れ目５に連通ずる開口部１０が
形成され、その開口部１０は周知の軸受部材１１を介し
て衣類出入れ目５の外周に嵌合支承されている。

一方、回転ドラム９の後端部の中心部にはドラム軸受１
２を有するドラム支持部材１３が取着固定されていると
共に、その軸受１２の外周即ち回転ドラム９の背面部の
中央部には多数の吸入孔１４が穿設されており、又、そ
の吸入孔１４の外周即ち回転ドラム９の背面部の外周部
には多数の送風孔１５が穿設されている。

１６は前記外箱１に取着固定された支持板で、この支持
板１６の中央部には軸受１７，１７を有する軸受支持部
材１８が固着されている。

１９は径大部１９ａを軸受１７，１７に回転自在に支承
させるとともに径小部１９ｂをドラム軸受１２に挿通さ
せてなる回転軸で、これの径大部１９ａの後端部にプー
リ２０を嵌着するとともに径大部１９ａと径小部１９ｂ
との中間部分にねじ部１９ｃが形成されている。

２１は基板２２の前後面に翼片２３及び２４を設けた両
翼形をなす遠心形のファンで、これは基板２２をねじ部
１９ｃに螺挿されたナツト２５と径大部１９ａの一端部
との間に挾持することにより回転軸１９に固着されてい
る。

そして、ファン２１の前面側に位置する一方の翼片２３
はその前面側が吸入孔１４と対向しており、またそれの
背面側に位置する他方の翼片２４よりも翼面積が大きく
且つ翼片数も多く設定されている。

そして、翼片２３にて循環ファンＡを構成している。

２６はファン２１を被うように支持板１６に固着された
ケーシングで、これの前面開口の内周部に取着されたシ
ール部材２７を送風孔１５を囲繞するようにして回転ド
ラム９の背面板に摺接させるとともにこのケーシング２
６の背面中央には吸気孔２６ａが形成されている。

２８はケーシング２６内を２つの通気路２９．３０に仕
切るように設けられた仕切体、３１は吸入孔１４、送風
孔１５との間に位置させて回転ドラム９の背面部に取着
された環状の仕切突条部で、この仕切突条部３１はその
後端部が循環ファンＡの前端部外周の一部分を近接して
囲繞するように配置されている。

３２はニクロム線ヒータからなる電気ヒータで、これは
循環ファンＡの外周に対向するようにしてケーシング２
６内に配設されている。

３３は両軸形の駆動モータで、これの回転軸３３ａの一
端部にはドラムプーリ３４が嵌着されていて、この駆動
モータ３２の回転力が周知のベルト伝達機構３５を介し
て回転ドラム９に伝達されるようになっており、また、
回転軸３３ａの他端部にはプーリ３６が嵌着され、該プ
ーリ３６とプーリ２０との間に■ベルト３７が張設され
ている。

尚、３８は電気ヒータ３２及び駆動モータ３３を通断電
制御するタイマ装置、３９は回転ドラム９内に吸入孔１
４を被うように配設されたリフトフィルタである。

次に以上のように構成した本実施例の作用について説明
する。

衣類出し入れ口５から被乾燥物を乾燥室９ａ内に収納し
た後にタイマ装置３８をセット操作し電気ヒータ３２及
び駆動モータ３３に通電付勢すると、電気ヒータ３２が
発熱するとともに回転ドラム９が回転されて内部の被乾
燥物が攪拌されるとともにファン２１が高速度で回転さ
れ、従って各翼片２３及び２４によって送風作用が行な
われる。

而して、翼片２３従って循環ファンＡによる送風作用に
よって乾燥室９ａ内の電気が矢印ａで示すように回転ド
ラム９の中央部のフィルタ３９及び吸入孔１４を介して
通気路２９内に吸入された後循環ファンＡの外周部方向
のケーシング２６内へ吐出され、矢印すで示すように電
気ヒータ３２にて加熱されて送風孔１５を介して再び乾
燥室９ａ内に送風され所謂該乾燥室９ａ内に循環風が生
成される。

しかして、循環ファンＡはその吸入側たる前面部とその
吐出側たる外周部の境界部分が仕切突条部３１によって
仕切られているから翼片２３にて付勢されて循環用ファ
ンＡの外周部方向に吐出された風がその吸入側に直接吸
入される所謂ショートサーキット現象が確実に防止され
る。

また、翼片２４による送風作用によって外箱１の外部空
気が吸入口３からフィルタ２ｂを介して外箱１内に吸入
され、更に吸気孔２６ａから通気路３０内に吸入された
後通風孔１５の一部を介して乾燥室９ａ内に供給される
。

即ち、このようにして乾燥室９ａ内に供給された外気は
前述した循環ファンＡによる送風作用で電気ヒータ３２
にて熱風化されて該乾燥室９ａ内を循環されながら該乾
燥室９ａ内にて攪拌されている被乾燥物に繰返し接触し
なから該被乾燥物から湿気を奪い被乾燥物を乾燥させる
ものであり、湿気を多く含んだ空気はドア６の吐出ロア
からフィルタ７ａを介して外部に排出される。

ここで吐出ロアから排出される排気量は翼片２４の送風
作用で乾燥室９ａ内に供給された外気の量と略等しくな
る。

第３図は本考案の他の実施例を示すものであり、第１図
及び第２図と異なる部分についてのみ説明する。

即ち、吸入口３と回転ドラム９の前壁に設けた吸気孔４
０との間には吸気ダクト４１を設けて回転ドラム９の前
壁に摺接するシール部材４２にてシールするとともに該
吸気ダクト４１内に電気ヒータ４３を配設している。

一方、支持板１６に固着されたケーシング４４は外箱１
の背面に開口する排気筒４５を設けており、該ケーシン
グ４４内に基板４６の前面側にのみ翼片４７を有するフ
ァン４８を設けている。

そして、このファン４８はケーシング４４内に配設され
該ケーシングの一部をなす仕切体４９によって前半部を
循環ファンＢとして作用させ後半部を排気ファンＣとし
て作用させており、仕切突条部３１はファン４８の外周
部即ち循環ファンＢの先端部外周の一部に近接するよう
に配置されている。

また、ドア受部４には通気性を有しないドア４９を設け
た構成となっており、従ってタイマ装置３８によって電
気ヒータ４３及びモータ３３に通電するとファン４８の
回転により乾燥室９ａ内からフィルタ３９及び吸入孔１
４を介してケーシング４１内に吸入された空気の一部は
翼片４４の前半部即ち循環ファンＢの作用を受けて矢印
すで示すように送風孔１５を介して乾燥室９ａ内に戻さ
れて循環され、残りの空気は翼片４４の後半部即ち排気
ファンＣの作用を受けて矢印Ｃで示すように排気筒４５
から外箱１の外部に排出され、従って排気ファンＣにて
排出された空気と略等しい量の空気がフィルタ２ｂを介
して吸入口３から吸入され吸気ダクト４１内にて電気ヒ
ータ４３にて熱風化されて乾燥室９ａ内に供給されるも
のであり、このようにして乾燥室９ａ内に供給された熱
風が循環ファンＢにて前述のように循環され、被乾燥物
が乾燥されるものであり、この実施例においても仕切突
条部３１が循環ファンＢに対して前述の実施例と全く同
様にしてショートサーキット現象の発生を防止するもの
である。

本考案は以上の説明から明らかなように、循環ファンが
吸気と排気との間でショートサーキット現象を起すこと
を防止するための仕切突条部を設けるようにしたから、
ショートサーキット現象を防止し得て送風効率を向上で
きるとともにショートサーキットにともなう異常な送風
騒音の発生も防止できる乾燥機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すものであり
、第１図は縦断面図、第２図は要部の拡大縦断面図、第
３図は本考案の他の実施例を示す縦断面図である。 図面中、１は外箱、９は回転ドラム、１４は吸入孔、１
５は送風孔、２１はファン、Ａは循環ファン、３１は仕
切突条部、４８はファン、Ｂは循環ファンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外箱内に被乾燥物を収納する回転ドラムを回転可能に配
   設するようにしたものにおいて、前記回転ドラムの背面
   部に該回転ドラムと同軸回転するように回転自在に設け
   られ前面側から吸入した空気を外周部方向に吐出する遠
   心形の循環ファンと、この循環ファンを包囲するように
   前記回転ドラムの背面部に設けられたケーシングと、前
   記回転ドラムの背面部の中央部に前記循環ファンの前面
   側と対向するように形成された吸入孔と、前記回転ドラ
   ムの背面部の外周部に前記ケーシング内に連通ずるよう
   に設けられ前記循環ファンにより送風された空気を前記
   回転ドラム内に送風する送風孔と、前記回転ドラムの背
   面部に前記吸入孔及び送風孔間に位置され且つ前記循環
   ファンの外周部の前端部を囲繞するように形成された仕
   切突条部とを具備してなる乾燥機。