JPS6127307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用座席、特に、隣りの座席を
自席に着座した乗員が容易にフルフラツト、即
ち、シートバツクを後方に倒して、シート本体の
上面と略同一面とする操作をできるようにした操
作装置に関する。

従来の座席は第１図（米国特許第3973799号明
細書参照）に示すように、シート本体１及びシー
トバツク２を有する座席３の、シート本体１の底
部１ａにスライドレール４が取付けられ、該スラ
イドレール４にはシート本体１の車体前後方向の
位置決めを行なうスライドロツク装置４ａが設け
られ、又、シートバツク２の車室内サイド部寄り
の側部２ａにはシートバツク２の傾斜角を設定す
るリクライニング装置５が備えられている。

さらに、シートバツク２の車室内中央部寄りの
側部２ｂには、ケーブル６を介してリクライニン
グ装置５のロツク解錠を遠隔操作するための操作
装置７が設けられている。

上記スライドレール４及びリクライニング装置
５は既知構造のものであつて、夫々シート本体１
とシートバツク２を所定位置に保持するように常
時旋錠状態となるように付勢されている。

スライドレール４のロツク装置４ａの解錠レバ
ー８は、車室内サイド部寄りに設けられ、該レバ
ー８を矢印Ａのように回すと、ロツク装置４ａが
ロツクオフ状態（解錠状態）となり、シート本体
１は図示しないヘルプスプリングによつて自動的
に車体前方側へ押し出される。また、リクライニ
ング装置５の解錠レバー９（第２図）を矢印Ｂの
ように回すと、同様に解錠状態となつてシートバ
ツク２は図示しないヘルプスプリングによつて車
体前方側へ倒れる。リクライニング装置５を遠隔
解錠するには、前記操作装置７を矢印Ｃのように
回すと、ケーブル６の芯線６ａが引かれ解錠レバ
ー９を上記のように回動させることによつても行
なうことができる。

シート本体１及びシートバツク２の位置調節を
行なうには、これらをそのヘルプスプリングに抗
して所定位置まで身体で押し動かした後、ロツク
装置４ａ等を旋錠状態にすればよい。

しかし、このような従来の操作装置において
は、スライドロツク装置４ａの解錠レバー８が座
席３の車室内サイド部寄り（乗降ドア寄り）に設
けられているので乗降ドア側から解錠操作する場
合は良いが、他の席に着座した乗員がこの座席を
フルフラツトに操作したい場合にはレバー８に手
が届きにくく、操作が困難になり不便である。特
に、この座席３にフルフラツト操作に慣れていな
い人例えば子供や女子、老人に代つて、他の席と
くに隣席の乗員が操作しようとする場合、座席３
に着座した人の足が邪魔となつて操作しずらいこ
とになる。また、空いている座席３をフルフラツ
トにして荷物を置きたい場合にも、荷物が邪魔に
なることがある。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、座席のフルフラツト操作を他の
席の者が容易にでき、しかも片手でこれらの操作
を行なうことを可能にする操作装置を提供するも
のである。

以下、第３図〜第６図に示す実施例により本考
案を説明する。

図において、本考案による操作装置は、シート
バツク２の側部２ｂに取り付けられるベースプレ
ート１３と、ベースプレート１３上の支軸Ｐに同
軸的に枢支された回動可能な２枚の第１、第２プ
レート１４，１５と、これらプレート１４，１５
と同軸的に枢支された操作レバー１６と、プレー
ト１４，１５およびロツク装置４ａ，リクライニ
ング装置５に夫々連結した２本のケーブル１０，
１１とよりなる。

ベースプレート１３は、シートバツク２側部２
ｂの凹部２ｃ内に固定され、また、ベースプレー
ト１３の折曲部１３ａ，１３ｂにはケーブル１
０，１１のアウターチユーブ１０ａ，１１ａ端部
が夫々固定されている。ケーブル１０はスライド
ロツク装置４ａを作動させるのでスライドロツク
ケーブルといい、ケーブル１１は、リクライニン
グ装置５を作動させるのでリクライニングケーブ
ルという。

前記２枚の第１、第２プレート１４，１５に
は、これらの枢支位置を挾んで互いに反対側の位
置に、ケーブル１０，１１の芯線１０ｂ，１１ｂ
端部が固定されている。第１、第２プレート１
４，１５は、夫々芯線１０ｂ，１１ｂを引つ張る
には互いに反対方向に回動し、各芯線１０ｂ，１
１ｂを引いたときにスライドレール４のロツク装
置４ａまたはリクライニング装置５を解錠させ
る。また、第１、第２プレート１４，１５は常時
は芯線１０ｂ，１１ｂを引つ張らない位置に位置
するように夫々バネ１７，１８によつて付勢さ
れ、且つバネ１７，１８の作用を制限して所定位
置で停止するように、ベースプレート１３に設け
たストツパー１３ｃ，１３ｄに夫々当接するよう
になつている。

前記操作レバー１６は本実施例では第１、第２
プレート１４，１５間に枢支され、その水平な中
立位置から時計方向（矢印Ｕ）に回動されたとき
に、プレート１４の爪１４ａに係止してこれらを
回動させ、芯線１０ｂを引つ張つてロツク装置４
ａを解錠させる。また、反時計方向（矢印Ｌ）に
回動されたときは、他のプレート１５の爪１５ａ
に係止してこれらを回動させ、芯線１１ｂを引い
てリクライニング装置５を解錠させる。この場
合、一方のプレート１４又は１５を回動させてい
る間は他のプレート１５又は１４が回動されない
ので、ロツク装置４ａ及びリクライニング装置５
は夫々独立して操作される。

第５，６図は第３図のスライドレール４の詳細
を示すもので、スライドレール４は、車体側に固
定される固定レール２０と、固定レール２０に固
持された歯列部材２１と、固定レール２０上を摺
動し且つシート本体１側に固定されるスライダ２
２と、スライド２２上にブラケツ２２ａを介して
回転自在に軸支された解錠ハンドル８と、解錠ハ
ンドル８に固定され、且つ歯列部材２１の各歯２
１ａ，……に嵌合離脱自在とされた係止プレート
２３とを備えている。尚、解錠ハンドル８には係
止プレート２３が歯２１ａ，……に噛合するよう
に付勢されている。また、スライダ２２には、ケ
ーブル１０におけるアウターチユーブ１０ａの他
端側を係止させるストツパー２４が固着され、ケ
ーブル１０の芯線１０ｂ他端が係止プレート２３
に固定されている。芯線１０ｂはプレート１４側
から引つ張られたときに、係止プレート２３を歯
列部材２１から外して解錠を行なうものである。

上記実施例の構造から明らかなように、操作装
置１２を使用して座席３をフルフラツトにする操
作手段は、片手で操作レバー１６をいずれか一方
向に回し、スライドロツク装置４ａ又はリクライ
ニング装置５を解錠して、シート本体１又はシー
トバツク２を所望位置に移動させる。この場合、
シート本体１又はシートバツク２の片方が元の状
態に停止されているので、操作レバー１６を摘ん
だ手を利用して片手で移動させることができる。
次に、操作レバー１６は反対方向に回せば、同様
に片手でシート本体１又はシートバツク２の他方
を簡単に移動させることができる。

以上説明したように本考案によると、２本のケ
ーブルを介してスライドレールのロツク装置とリ
クライニング装置とを夫々独立に解錠操作できる
操作装置を、シートバツクのうち他の乗員席の者
に届き易い位置に設ける構成としたので、座席を
フルフラツトにする操作の不慣れな人が乗つた場
合、或いは荷物を置くために他の席からフルフラ
ツトに移動させたい場合などに、他の席の乗員が
容易且つ自由に操作できる効果が得られる。ま
た、操作装置は片手操作が可能であるため、片手
で座席を移動させることができる利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の座席の操作装置の説明斜視
図、第２図は第１図のＡ方向矢視図、第３図は、
本考案の一実施例に係る座席の操作装置の説明斜
視図、第４図は第３図の操作装置の要部説明斜視
図、第５図は第３図におけるスライドレールの詳
細説明斜視図、第６図は第５図の−線断面に
係る模式説明図である。 １……シート本体、１ａ……車室内サイド部寄
り底部、２……シートバツク、２ａ……車室内サ
イド部寄り側部、２ｂ……車室内中央部寄り側
部、３……座席、４……スライドレール、４ａ…
…ロツク装置、５……リクライニング装置、１０
……スライドロツクケーブル、１１……リクライ
ニングケーブル、１０ａ，１１ａ……アウターチ
ユーブ、１０ｂ，１１ｂ……芯線、１２……操作
装置、１３……ベースプレート、１４，１５……
第１、第２プレート、１６……操作レバー、Ｐ…
…支軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シート本体に対してシートバツクがリクライニ
   ング装置で後倒自在に連結され、シート本体には
   車体前後方向に摺動可能で且つロツク装置により
   任意の位置で固持可能なスライドレールを配設
   し、前記シートバツクには前記リクライニング装
   置をリクライニングケーブルで遠隔制御可能とし
   た操作装置を備えた自動車用座席において、前記
   操作装置は、前記シートバツクに取り付けられた
   ベースプレートに突設された支軸に、操作レバ
   ー、第１、第２プレートを、中間に操作レバーを
   配設させた状態で、それぞれ独立して回転可能に
   軸支し、前記第１、第２プレートそれぞれより支
   軸を挟んで相互反対位置に突設した第１、第２爪
   を介して、操作レバーの正逆回動により、操作レ
   バーが第１、第２プレートのいずれか一方の爪と
   係合してこれを回転するよう構成するとともに、
   第１、第２プレートが操作レバーと係合しない時
   に、第１、第２プレートを定位置に停止させるた
   めのストツパーをベースプレートに設け、且つ、
   該第１プレートに一端部が、又前記スライドレー
   ルのロツク装置に他端部がそれぞれ連結され、第
   １プレートの回転によつて該ロツク装置が解錠さ
   れるようにしたスライドロツクケーブルと、前記
   第２プレートに一端部が、又前記リクライニング
   装置に他端部がそれぞれ連結され、第２プレート
   の回転によつて該リクライニング装置が解錠され
   るようにしたリクライニングケーブルを設けたこ
   とを特徴とする自動車用座席。