JPS6127152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコイル装置、特にコイル端子の固定構
造及びコイル端子とコイル心線との接続構造の改
良に関するものである。

従来、コイル装置において、コイル端子をスプ
ールの鍔部に固定するには、圧入方式、インサー
ト成形方式が採用されていた。しかし、圧入方式
では外部からの加熱あるいはコイルの発熱によつ
て圧入溝が拡張してコイル端子ががたついたり脱
落する不具合を有し、インサート成形方式ではこ
のような欠点を生じることがない反面製造コスト
が大巾にアツプする難点を有している。

一方、コイル心線をコイル端子に接続するには
ハンダ付けによつているが、これでは作業が煩雑
であるし、コイル端子をスプール鍔部に固定した
後にハンダ付けすることとなるため、余計作業能
率が妨げられることとなる。

本考案はこのような欠点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、コイル端子の固定、コイル端子
とコイル心線との接続を簡単かつ確実に行うこと
ができ、製造コストの低減を図ることのできるコ
イル装置を提供することにある。

以下、本考案を一実施例である添付図面に従つ
て説明する。

１はスプールで、鍔部２の端面には長尺の突起
３，３が形成され、縁部にはコイル引出し溝４，
４が形成されている。６はコイルで、スプール１
に巻回され、心線７，７は溝４，４を通じて突起
３，３に所定数巻付けられている。

８はコイル端子で、組立時においては一辺８ａ
で連続したコ字形状とされ、先端には上記突起
３，３と嵌合可能な長孔９，９が形成されてい
る。１０は押え板で、上記鍔部２と同一巾寸法を
有し、一端面にはコイル端子８と嵌合可能な溝部
１１，１１が形成され、中心にはスプール１の中
心孔５と同径で同軸上に位置する中心孔１２が形
成されている。

１４は頭部１５を有する鉄心、１６は鉄心枠で
ある。

以上の構成において、まず、コイル心線７，７
を突起３，３に所定数巻回した状態でコイル端子
８の長孔９，９を突起３，３に嵌合させる。一
方、押え板１０の中心孔１２に鉄心１４を挿入し
た状態で、鉄心１４をスプール１の中心孔５に挿
入するとともに押え板１０の一端面を鍔部２に重
ね合わせ、鉄心１４の先端を鉄心枠１６にカシメ
等で固定する。その後、コイル端子８の一辺８ａ
を二点鎖線Ｂでカツトし、かつ二点鎖線Ａで直角
に折り曲げる。

この場合、コイル端子８は鍔部２と押え板１０
とで挾着され、コイル心線７，７とは圧接状態で
電気的に接続されることとなる。またコイル端子
８は突起３，３と嵌合することにより及び押え板
１０の溝部１１，１１と嵌合することによりがた
つくことなく、かつ抜け止めを図つて固定され
る。さらに、押え板１０は鉄心１４の頭部１５に
よつて抜け止めされる。

なお、押え板１０には、第３図に示すように、
突起３，３と嵌合可能な凹部１３，１３を形成し
てもよい。このようにすれば、押え板１０を鍔部
２に仮止めすることができる。

以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、コイル端子はスプールの鍔部と押え板とで挾
着固定するようにしたために、固定作業を簡単に
行うことができ、かつコイル端子は鍔部の突起に
嵌合されるためにがたついたり脱落することがな
い。また、上記突起に巻回したコイル心線にコイ
ル端子が圧接することによつて両者の電気的接続
が図られるため、煩雑なハンダ付け作業が不要と
なり、上記固定作業の簡易化と相俟つて製造工程
を大巾に簡略化でき、製造コストの低減を図るこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコイル装置を示し、第１図
は全体の斜視図、第２図は分解斜視図、第３図は
押え板の変形例を示す斜視図である。 １……スプール、２……鍔部、３……突起、４
……コイル心線引出し用溝部、５……中心孔、６
……コイル、７……コイル心線、８……コイル端
子、９……嵌合用長孔、１０……押え板、１２…
…中心孔、１３……嵌合用凹部、１４……鉄心、
１５……頭部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 鍔部の端面に突起とコイル心線引出し部を形
   成したスプールと、このスプールに巻回され心
   線の両端を上記突起に巻回したコイルと、上記
   突起に嵌合するとともに突起に巻回されたコイ
   ル心線と圧接状態で電気的に接続するコイル端
   子と、上記スプールの鍔部端面に固定され、該
   鍔部とでコイル端子を挾着する押え板とからな
   ることを特徴とするコイル装置。 (2) 上記押え板を、該押え板の中心孔及びスプー
   ルの中心孔を貫通する鉄心の頭部にて固定した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)
   項記載のコイル装置。 (3) 上記押え板に形成した凹部を上記鍔部の突起
   に嵌合させたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第(1)項又は第(2)項記載のコイル装置。