JPS6127074B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ニードルが加工片（被縫製片）送
り運動を行う型式のミシンにおいて、前方移動ル
ーパ用作動装置に関する。この種のミシンにおい
て、織物送りドグ（歯）の軌道運動はミシンのニ
ードルの類似運動と同期され、また織物の移送を
助けるために、織物を貫通すると共に、送りドグ
と同時に移動される。

ニードルが加工片送り運動を行うミシンにおい
て、縫目のステツチ長さは０から中間値を通り、
最大値まで調整できる。ステツチ長さが０の場合
は、送りドグは上昇および下降運動のみを行い、
ニードルは垂直軌道に従動し、ルーパは揺動運動
を行い、その先端はニードルの下死点を通る垂直
線から所定距離の位置にある。

ミシンがあるステツチ長さを生じるように設定
されると、ニードルと送りドグは同期されて、同
時に移動して、織物を移送または前進させる。し
かし、この種のミシンにおいては、特定の長さの
ステツチにミシンを設定したことにかかわらず、
ルーパが通常状態でステツチの形成を継続し、か
つニードルがその下死点を通る垂直線に相対的に
引込められる問題が存する。

前述の型式のミシンは良く知られており、その
一例が米国特許第2266140号明細書に示されてい
る。その明細書には、ルーパを可変速度で作動す
る装置が示されており、これはその先端が針系の
ループを捕持するように、必要時にルーパの速度
を増大するようになつている。この構成におい
て、ミシンのニードルの移送運動も可変である。
この特許明細書に示される機構は満足できる程度
には所期の機能を果たすが、ある条件においは針
系のループの捕持が一貫的にはなされないという
制限を受けると共に、要素が非常に複雑な構成を
有することになる。

前述の型式の別のミシンが米国特許第3285210
号明細書に示されている。その明細書には、満足
できる程度には所期の機能を果たすが、この発明
とは異なり、ニードルの移送運動が変えられる
時、およびミシンのステツチ長さを変えようとす
る時、ルーパの作動装置を調整する必要があるも
のが示されている。このルーパ作動装置の調整が
要求されるのに加えて、所定値のステツチ長さを
得ることができるだけで、この発明の装置におけ
るように、中間の値は不可能である。この発明
は、加工片送り運動を行うニードルと、前進運動
を行うミシンのルーパ用作動装置を提供する。こ
の装置は、加工片送り運動時に送りドグとニード
ルを、同時かつ調整可能に作動すると共に、ルー
パを一定振幅で揺動させる装置を包含する。この
一定振幅の揺動は、ステツチ長さの増大により、
ルーパの先端が描く弧の始点が、ニードルの下死
点を通る垂直線から離れるように移動するように
して、開始される。ステツチ長さの減少により、
ルーパの先端が描く弧の始点は、ニードルの下死
点を通る垂直線方向に移動され、この垂直線方向
およびそれから離れる方向への移動により、選定
されたステツチ長さに比例する量が画定される。

この発明のルーパ作動装置は、上部支点を備え
るレバー部材を含み、前記支点にルーパ作動リン
クが作動的に連結される。レバー部材の他端には
レバーに連結される下部支点が設けられ、このレ
バーは、ステツチ長さが０の時には固定され、選
定されたステツチ長さにおいては、その長さに比
例する振幅で揺動される。レバー部材は一定振幅
の揺動装置に連結される中間支点を含み、前記振
幅はルーパに揺動に対応しており、ステツチ長さ
が０の場合は、ルーパの先端が描く弧の始点は固
定されており、ステツチ長さが増大すると、前記
弧の始点は、ニードルの下死点を通る垂直線から
離れる方向に比例的に移動し、ステツチ長さが減
少されると逆方向に行われる。同一垂直線上に３
つの支点が位置することにより、下死点における
ニードルの位置と、ニードルの下死点を通る垂直
線から所定距離のルーパ先端とが対応される。

送りドグとニードルをその移送運動時に、同時
かつ調整可能に作動する装置のシヤフトが、レバ
ーを支持しており、このレバーは下部支点に連結
されると共に、シヤフトが揺動しない時は固定さ
れており、これはステツチ長さが０の状態に対応
している。選定されたステツチ長さに対して、下
部支点に連結されたレバーは、ステツチ長さに比
例する振幅で揺動される。このシヤフトの軸心は
固定され、かつ３つの支点を連結すると共にニー
ドルの下死点における位置に対応する垂直線上に
配置される。

この発明の総体的な目的は、従来の装置に比較
して改良された作動特性を有する、ミシンの前進
ルーパ用作動装置を提供することである。

この発明の別の目的は、ステツチ長さの変更に
より、ルーパの位置決めが操作者の介入を必要と
せずに自動的になされる、ルーパ作動装置を提供
することである。

この発明の前述ならびに別の目的は、特許請求
の範囲および図面を参照する以下の詳細な説明か
ら、明らかになるであろう。

第１図において、選択的に可変の偏心体１が回
転駆動シヤフト２に取付けられ、かつそれと共に
回転するようになされており、その偏心度によ
り、この偏心体はこれと関連作動する連結ロツド
３に対して、可変揺動を発生し、かつ伝達するよ
うに選定される。連結ロツド３に対するこの揺動
は、偏心体が偏心度０を生じるように設定された
時は、除去される。連結ロツド３の偏心体１から
最も遠い端部には、４においてレバー５の端部が
ピポツト自在に連結される。レバー５の他端は駆
動シヤフト６に固定され、このシヤフト６はミシ
ンの送りドグ７とニードル８を、その加工片移送
運動中、同時に作動するようになつており、その
詳細は後述する。

シヤフト６が一端でレバー９に連結され、レバ
ー９は９′において、ブラケツト１０′に固定され
る支持部材１０にジヤーナル支持されており、ブ
ラケツト１０′に送りドグ７がねじ１１により取
付けられる。支持部材１０は連結ロツド１３の一
端の支点１２に、ピポツト自在に連結される。連
結ロツド１３の他端は、回転駆動シヤフト２に取
付けられる偏心体１４を画定する。ここに説明し
た要素により、送りドグ７はシヤフト６から、そ
の加工片移送運動および戻り運動を、そして偏心
体１４から、その上昇、下降運動を得ることにな
る。

シヤフト６のそのレバー９への連結部と反対側
の端部は、レバー装置１５，１６および１７に連
結され、その支点１８によりシヤフト１９のその
軸心の回りの揺動が行われる。レバー２０はシヤ
フト１９の一端に固定されると共に、そこから垂
下して、その下端はリング部材２１の一端にピポ
ツト自在に連結される。リング部材２１の他端
は、ミシンのニードルバー２３に組立てられたス
リーブ２２にピポツト自在に連結されると共に、
ニードルバー２３に対していわゆる送り運動をも
たらす。良く知られるように、ニードルバー２３
は交互直運動を有し、これは前述の加工片送り運
動と組合わされて、閉鎖旋回軌道を画定し、これ
は送りドグ７の旋回軌道と共働する。

第１図に示されるように、シヤフト６にはレバ
ー２４の一端が固定され、その他端はレバー２６
用下部支点２５を画定しており、レバー２６には
連結ロツド２８の一端にピポツト自在に取付けら
れる中央、または中間支点２７が設けられる。連
結ロツド２８の他端は、回転駆動シヤフト２に組
立てられる偏心体２９を画定する。さらに、レバ
ー２６は上部支点３０を含み、これにレバー３１
の一端がピポツト自在に連結される。レバー３１
の他端３２において、レバー３３の上端にピポツ
ト自在に連結される。レバー３３の他端はシヤフ
ト３４の一端に固定され、シヤフト３４の他端に
ルーパキヤリア３５が固定され、これにルーパ３
６がねじ３７により取付けられる。

偏心体１が、その偏心度を０と設定されてその
駆動力を供給されない時は、シヤフト６は両送り
ドグ７およびニードル８を、垂直線Ｖ（第３図）
に沿う交互運動のみを行い、移送運動を行わない
ように維持する。送りドグ７とニードル８がその
移送運動を行わない場合は、ルーパ３６は偏心体
２９によりもたらされる、下部支点２５の回りの
揺動に対応する定揺動を行う。この状態で、ニー
ドル８はその下死点Ｐ（第３図）が、ルーパ３６
の先端から距離を有する垂直線Ｖ上に存する。ニ
ードルとルーパ先端とのこの距離は、ニードルが
調整自在な加工片移送運動により揺動された時
も、一定に維持される。

偏心体１が調整されて、所定量の偏心度がもた
らされて、シヤフト６に加工片移送揺動を伝達
し、かつ同時に送りドグ７およびニードル８に伝
達されると、偏心量およびステツチ長さに依り、
０（第３図）の回りに揺動するニードル８は織物
を貫通し、傾斜軌道ＡまたはA′に従動して、傾
斜軌道ＢまたはB′に沿う加工片移送運動後、そこ
から引込められ。

第２図において、シヤフト６の揺動により下部
支点２５が、ニードル８に対応する弧Ｃ，Ｄまた
はC′，D′、および移送弧Ａ，ＢまたはA′，B′に
したがつて、反時計方向に移動される。下部支点
２５の反時計方向の移動により、上部支点３０が
左方（第２図）へ移動され、それから支点３２が
弧Ｅ，ＦおよびE′，F′にしたがつて、同様に移
動される。これらの移動はルーパにも影響をもた
らし、ルーパ３６はステツチ長さが増大される
と、ステツチ長さに比例する距離だけ、垂直線Ｖ
から離れる方向へ移動され、またステツチ長さが
減少されると、ルーパは垂直線Ｖに接近するよう
に移動され、その間ルーパの揺動は偏心体２９の
最終偏心度の観点から、一定に維持される。ルー
パの先端が描く弧は、支点３２の弧Ｆまたは
F′に対応すると共に、偏心体２９により移動さ
れる支点２７の右方への一定移動に対応する位置
で開始される。この運動は、シヤフト２の180゜
回転により生じ、かつ第２図に示される位置から
開始される。

ルーパの左方への移動により、これとニードル
との出合いに遅延がもたらされ、これはステツチ
長さが増大した時に、ニードルの加工片移送軌道
が大きくされるために必要である。

支点２５，２７および３０がシヤフト６の軸心
を通る一つの同一垂直線上にある時、ニードルは
常に下死点Ｐにあり、ルーパ３６の先端は下死点
Ｐを通る垂直線Ｖから一定の距離にある。

この発明を好ましい実施例に関連して説明した
が、この発明の範囲内で種々の修正および変更が
可能であることは明らかであろう。この修正およ
び変更はこの発明の範囲内のものと考えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の装置を示すミシンの一部の
斜視図、第２図は第１図の装置を作動するリンク
要素の側立面図、第３図はミシンのニードルの走
行概略図である。 １……偏心体、２……回転駆動シヤフト、６…
…駆動シヤフト、７……送りドグ、８……ニード
ル、３６……ルーパ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加工片の移動の間、送りドグと針を同時にか
   つ調節可能に作動させる手段と、ステツチの長さ
   を変更したとき、ルーパーの先端により画かれる
   弧の始点が変更されたステツチの長さに比例して
   針の下死点を通過する垂直面から離れる向きに移
   動するよう調節可能な振幅でルーパーを揺動させ
   る手段とを備えているタイプの針送り機構を有す
   るミシンにおいてルーパーを前に向かつて移動さ
   せるルーパー作動装置であつて、該装置が、ルー
   パーの作動リンク機構を接続せしめた第１の支点
   を一方の端部に有するとともに、ステツチの長さ
   に比例した振幅で揺動するレバー要素に接続され
   た第２の支点を他端に有し、かつ下死点にある針
   の位置に対応した同じ垂直線上の３つの支点の位
   置と針の下死点を通過する垂直線から所定の距離
   離れたルーパーの先端にあわせてルーパーを作動
   させるよう振幅を変えることができる揺動手段に
   接続され第３の支点を中間点に有するレバーを備
   えていることを特徴とするルーパー作動装置。 ２ 被加工材の移送動作の間、送りドグと針を同
   時にかつ調節可能に動作させるシヤフトが前記第
   ２の支点に接続されたレバー要素を担持してい
   て、ステツチの長さがゼロの条件に対応して前記
   シヤフトが揺動しないときは、前記レバー要素が
   固定状態に保持されるか、あるいはステツチの長
   さに比例した振幅で前記シヤフトが揺動するとき
   は、前記レバー要素も揺動するようにされている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   ルーパー作動装置。 ３ 前記シヤフトの固定軸が前記３つの支点を通
   過する垂直線上に所在しており、この状態が下死
   点における針の位置に対応していることを特徴と
   する特許請求の範囲第２項に記載のルーパー作動
   装置。