JPS6126930B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6126930B2
JPS6126930B2 JP58002817A JP281783A JPS6126930B2 JP S6126930 B2 JPS6126930 B2 JP S6126930B2 JP 58002817 A JP58002817 A JP 58002817A JP 281783 A JP281783 A JP 281783A JP S6126930 B2 JPS6126930 B2 JP S6126930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbosilane
present
reaction
polysilane
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP58002817A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58136626A (ja
Inventor
Seishi Yajima
Kyoto Okamura
Yoshio Hasegawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO
Original Assignee
TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO filed Critical TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO
Priority to JP58002817A priority Critical patent/JPS58136626A/ja
Publication of JPS58136626A publication Critical patent/JPS58136626A/ja
Publication of JPS6126930B2 publication Critical patent/JPS6126930B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、その一部にシロキサン結合を含む新
規なポリカルボシランに関する。 ポリカルボシランとは、骨格が
【式】結 合により構成されるポリマーであり、その用途
は、このポリマーが焼成により無機炭化物SiCに
転換することからSiCの原料として用いられ、例
えばSiC繊維、フイルム、被覆膜、焼結結合剤、
含浸剤、SiC粉末などとして利用されている。他
にポリマー自体としての用途も種々考えられてい
る。 従来知られているポリカルボシランとしては、
モノシランをそのまま重合して得られるポリカル
ボシランと、モノシランを一旦ポリシランとした
のちこれを重合して得られるポリカルボシランと
の二種類がある。前者はFritz;Angew、Chem.
79p.657(1967)等により開示された方法で製造
することができ、後者は、本発明者らが先に特許
出願した特開昭51−126300号、特開昭52−74000
号および特開昭52−12700号に記載の方法で製造
することができる。しかしながら、従来の製法で
耐熱性や耐酸化性に優れ、しかも非酸化性雰囲気
中における焼成残留率の高いポリカルボシランを
得るためには、オートクレーブのような加圧容器
を用いるか、あるいはリサイクルのできる流通式
装置を用いなければならなかつた。前者の加圧容
器を用いて重合する方法では、例えばオートクレ
ーブ等を用いて、400〜470℃の温度に加熱し、80
〜110気圧の圧力下で10〜15時間の反応を行なわ
せる必要があり、耐圧設備や防災対策が不可欠で
ある上に、大量生産には適していないという欠点
がある。また、後者のリサイクルのできる流通式
装置を用いて重合する方法では、加熱反応塔、生
成物分離塔等の付属器機を備えた装置で生成する
低分子量分を分離しこれを強制循環させて、繰返
し加熱反応塔で反応させなければならないため、
600〜800℃の如き高い温度に加熱することが必要
であり、また反応時間も20〜50時間のような長時
間を必要とするなど工業的に不利な点が多い。 本発明者らは、従来法における上記の欠点を克
服するため鋭意研究を行なつた結果、加圧容器や
流通式装置等の特殊な装置をなんら用いる必要が
なく、しかも低い加熱温度において比較的短時間
でポリカルボシランを得ることのできる新規且つ
有利な製造法を発見した。更に本発明者らは上記
の方法によつて得られるポリカルボシランは、従
来法で得られるポリカルボシランよりも優れた耐
熱性と耐酸化性を有し、かつ非酸化性雰囲気中で
の焼成残留率が高いというすぐれた性能の新規な
ポリカルボシランであることを見出した。 本発明によれば、
【式】なる構造単位を有 するポリシラン(n≧3、R1及びR2はそれぞれ
独立にはCH3、C2H5、C6H5またはHを表わす)
に対して、骨格成分がB、SiおよびOよりなり、
Siの側鎖の少くとも一部にフエニル基を有するポ
リボロシロキサンを、0.01〜15重量%添加混合
し、反応に対して不活性な雰囲気下において、前
記ポリマーの混合物を加熱して重合させることを
特徴とするシロキサン結合を一部含むポリカルボ
シランの製造方法が提供される。 上記の方法によつて得られる本発明のポリカル
ボシランは、下記(A)および(B)なる構造単位から主
としてなり、 (R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にCH3
C2H5、C6H5またはHを表わす) (A)と(B)との比率が5:1〜200:1であり、数
平均分子量が500〜10000、固有粘度が0.01〜1.50
であり、耐熱性および耐酸化性に優れ、かつ非酸
化性雰囲気中における焼成残留率の高いことを特
徴とするシロキサン結合を一部含むポリカルボシ
ランである。 以下に本発明をより詳細に説明する。 本発明の方法において使用する出発原料の一つ
は、
【式】なる構造単位(n≧3、R1及び R2はそれぞれ独立にはCH3、C2H5、C6H5、H)
を有するポリシランであり、このポリシランの構
造は直鎖状あるいは環状のいずれであつてもよ
く、更にこの二種の構造が混合したものであつて
もよい。上記の式においてn≧3であり、好まし
くは5≦n≦100である。側鎖のR1、R2、R3及び
R4は、それぞれ独立にメチル基、エチル基、フ
エニル基または水素を表わし、即ち、ポリシラン
の骨格を形成する各Si原子に結合するR1及びR2
は、互いに同一もしくは異なつていてもよく、ポ
リシランの側鎖がメチル、エチル、フエニル及び
水素のうちの2種以上からなる時は、ポリシラン
中における異種の側鎖の配列順序は任意の順序で
あつてよい。 本発明の方法において出発原料として使用する
のに特に好適なポリシランは、
【式】のみを 単位構造として有するポリシラン、あるいはポリ
シラン中の側鎖の50%以上がメチル基であり残余
の側鎖がフエニル基および/もしくは水素である
ポリシランである。また直鎖状のポリシランの場
合には、末端基はOHまたはCH3であることが好
ましい。 本発明で使用するポリシランは例えば熊田らの
共著による「有機ケイ素化合物の化学」化学同人
社(1972)等に記載されている種々な方法によつ
て合成することができるが、通常は一種または二
種以上のジクロロシランをナトリウムにより脱塩
素することによつて製造される。一種のジクロロ
シランの脱塩素反応を式で示せば下記の如くであ
る。 本発明の方法において使用するもう一つの出発
原料である、骨格成分がB、SiおよびOよりな
り、Siの側鎖の少なくとも一部にフエニル基を有
するポリボロシロキサン(以下単にフエニル基含
有ポリボロシロキサンと呼ぶことがある)は、本
発明者らが、先に特許出願した特開昭53−42300
および特開昭53−50299にその製造法、構造及び
物性が詳細に開示されているものであり、例えば
ホウ酸と一種または二種以上のジオルガノジクロ
ロシラン(但し該ジオルガノジクロロシランのオ
ルガノ基の少くとも一部はフエニル基である)と
の脱塩酸縮合反応によつて製造されるものであ
る。このさい縮合反応がどのようにして進行する
かを、ジフエニルジクロロシランとホウ酸との反
応を例にとつて示せば、主要な反応は次の如きも
のであろうと考えられる。 本発明の方法の出発原料であるフエニル基含有
ポリボロシロキサンを上記の反応により製造する
場合に使用するジオルガノジクロロシランとして
好ましいものは、ジフエニルジクロロシラン及
び/又はメチルフエニルジクロロシラン、又はこ
れらとジメチルジクロロシランとの混合物であ
る。 本発明の方法で出発原料の一つとして使用する
フエニル基含有ポリボロシロキサンは、上記の脱
塩酸縮合反応のほかに、例えばホウ酸と一種また
は二種以上のジオルガノジアルコキシシランとの
脱アルコール縮合反応や、例えばB(OCH33
如きホウ酸エステルとジオルガノジアルコキシシ
ランとの脱エステル縮合反応(但しこれらの反応
で使用するジオルガノアルコキシシランのオルガ
ノ基の少くとも一部はフエニル基である)等によ
つても製造することができる。 上記の製造法における縮合反応はかなり複雑で
あるから、縮合反応生成物であるフエニル基含有
ポリボロシロキサンの構造を完全に解明すること
は困難であるが、主として
【式】 なる構造単位からなり、この構造単位が複雑に組
み合わされて全体のポリマーが構成されている。 本発明の方法で出発原料として使用するフエニ
ル基含有ポリボロシロキサンは、ポリマー中にお
ける少くとも一部の構造単位におけるR3及びR4
の少くとも一部がフエニル基でなければならな
い。好ましいポリボロシロキサンは、ポリマー中
に存在するSiに結合する全側鎖の50%以上がフエ
ニル基であり、残余の側鎖がメチル基の如き低級
アルキル基、又は水素であるようなポリボロシロ
キサンである。 本発明で使用するジフエニル含有ポリボロシロ
キサンの例示を下記に示すが、これは本発明の理
解を容易ならしめるためのものであつて、本発明
を限定するためのものではない。 上記に示したような線状、分岐状または環状の
構造を有するポリボロシロキサンのほかに、これ
らが更に架橋した複雑な構造のポリボロシロキサ
ンも、本発明で使用するジフエニル含有ポリボロ
シロキサンに包含される。 本発明で出発原料として使用するフエニル基含
有ポリボロシロキサンは、通常数平均分子量が
500〜10000であり、耐加水分解性や耐熱性に優れ
ているのが特徴である。例えば、分子量2350のポ
リボロジフエニルシロキサンの分解温度は300℃
である。 本発明の方法においては、前記
【式】なる 構造単位を有するポリシラン類の少くとも一種に
対して、前記フエニル基含有ポリボロシロキサン
を0.01〜15重量%添加混合し、その混合物を反応
に対して不活性な雰囲気下において加熱して重合
せしめる。 本発明の方法の重要な利点は、混合物を加熱重
合する装置として特殊な装置を要しないことであ
り、例えば第1図に示すような簡単な装置を用い
ることができる。 第1図において、aは例えば通常の電気炉等に
よる加熱炉であり、bは例えば硬質ガラス製で冷
却水を用いる還流器具であり、cは例えば石英も
しくはステンレスの缶状の反応容器であり、di
は反応に不活性なガスの流入口であり、dpはそ
の流出口である。 すなわち、本発明の製法においては、簡単な加
熱炉、反応容器、還流器具等を用いるだけでも十
分に優れたポリカルボシランを合成することので
きるものであり、前述した如く、従来のポリカル
ボシランの製法における如く、加圧容器やリサイ
クル可能な流通式装置等の特殊な装置を使用する
必要がない。 本発明の方法においては、加熱による重合反応
を、反応に不活性なガス雰囲気下において行なう
ことが必要である。重合反応を空気中の如き酸化
性雰囲気中で行なうと、原料のポリシランの酸化
が生じるため、反応が十分に進行しないので好ま
しくない。反応に不活性なガスとしては窒素、ア
ルゴン、水素が特に好適である。 また重合反応は一般に常圧付近で行なうことが
好ましく、真空中や高い減圧中で重合反応を行な
うと、生成した抵分子成分が系外に留出するため
著しく収率が低下するので好ましくない。本発明
の方法を実施するためには、不活性ガスを反応部
に気流として送りこみながら重合反応を行なうこ
とが好ましく、その理由は、これにより反応器内
の圧力がほぼ常圧に保たれ、温度上昇が反応中に
放出される例えばメタンのようなガスによる圧力
上昇を防ぐことができるからである。 本発明の方法における加熱温度は、従来法に比
べて低温であり、通常250℃以上、好ましくは300
〜500℃であることが本発明の方法の利点の1つ
である。反応温度が250℃以下では重合が進行し
にくく、500℃以上では、生成したポリカルボシ
ランの無機質化すなわち側鎖成分の飛散が徐々に
開始しはじめるため好ましくない。 また、本発明の方法における加熱重合は通常3
〜10時間の如き比較的短時間で完了することも本
発明の重要な利点の1つである。10時間以上加熱
しても得られるポリカルボシランに何ら実質的な
向上は見られない。 以上のような重合反応により得られたポリカル
ボシランは、溶媒に溶かして過し、その後溶媒
を蒸発させて精製することができる。必要なら
ば、50〜450℃の温度範囲で、常圧、あるいは減
圧下で蒸留し濃縮することにより平均分子量を上
げることができる。かかる溶媒としては例えばノ
ルマルヘキサン、ベンゼン、キシレン、テトラヒ
ドロフランなどが挙げられる。 本発明の方法の新規な特徴は、ポリシランに小
量のフエニル基含有ポリボロシロキサンを添加し
た混合物からポリカルボシランを製造するという
点に存する。このような新規な出発原料を採用し
たことが、本発明の方法の利点、即ち特殊な反応
装置を必要とせず、加熱温度も比較的低く、加熱
時間も短かいという利点をもたらしたものと考え
られる。以下に、ポリシランに小量のフエニル基
含有ポリボロシロキサンを添加することによつ
て、何故上記のような利点がもたらされるかとい
う機構についての考察を述べるが、これは単に一
つの推論を述べたに過ぎないものであり、この理
論によつて本発明がなんら限定されるものではな
い。 本発明の方法の1つの出発原料であるポリシラ
ンは通常150〜250℃の加熱温度において、熱分解
する。その結果生じた低分子量のポリシラン、
【式】または一部カルボシラン化 した低分子量のカルボシラン、
【式】あるいはこれらの混合物か らなる低分子量生成物が生成する。さらに温度が
上がり200〜300℃になると、フエニル基含有ポリ
ボロシロキサンのB−O結合の熱切断が部分的に
生起し、その切断部に前記低分子量生成物が結合
し、中間生成物を形成する。この中間生成物の形
成は立体障害を小さくするためより低分子のもの
に対して選択的であることが推察される。この中
間生成物は、例えば
【式】
【式】あるいは
【式】等の結 合様式を有しているものと考えられる。これらの
【式】結合を有するものは熱的に不安定 であるので、更に加熱温度が上がり250〜500℃に
なり、安定な
【式】結合が促進されてゆ く過程でホウ素は解離されて、低沸点のアルキル
ホウ素
【式】あるいはホウ素の水素化物 として反応系外に放出されるものと思われる。た
だし、重合温度によれば一部のホウ素はB−O−
Si結合を有したままポリカルボシラン中に小量残
存している可能性もある。 所で、ポリシランだけを出発原料として使用し
た場合には、その熱分解により生じた前記の低分
子量生成物は反応系外に放出され易いものである
から、重合反応を収率よく実施するためには低分
子量生成物の飛散を防止するために、加圧密閉容
器または低分子量成分をリサイクルして徐々に高
分子化するための流通式装置等の特殊な装置が必
要である。 然しながら本発明の方法に従がい、ポリシラン
とポリボロシロキサンの混合物を出発原料として
使用する場合には、先に説明したように、ポリボ
ロシロキサンのB−O結合の切断部にポリシラン
の熱分解により生じた低分子量生成物が捕獲され
るので、これによつて低分子量生成物の反応系外
への散逸が有効に防止できる。しかもポリボロシ
ロキサンは反応に対して一種の触媒的効果を呈す
るので、本発明の方法においては、加圧密閉容器
や特殊なリサイクル装置を用いることなく、開放
系の反応容器を用いて常圧で比較的低温度におい
て反応を実施しても、重合反応を円滑に且つ高い
収率で行なうことが可能となり、その結果Si−O
結合をポリマー骨格の一部に含むポリカルボシラ
ンが得られる。 本発明の方法においてポリボロシロキサンの添
加量はポリシランに対して0.01〜15重量%とす
る。その理由は、0.01%以下では、前記の低分子
量成分の捕獲効果が充分に行なわれないため、低
分子量成分の放出量が多くなり反応収率が悪くな
り、他方15重量%以上加えると、得られたポリカ
ルボシラン中におけるSi−O結合の割合が増加す
るため、ポリカルボシランが本来有する性質や有
用性をそこなうため好ましくないからである。好
適なポリボロシロキサンの添加量は0.05〜10重量
%の範囲である。 本発明の方法における重合反応は、加熱だけで
も進行するが、所望ならば、例えば過酸化ベンゾ
イルの如きラジカル開始剤またはアルミニウムや
ホウ素などを含む触媒を添加する重合法、あるい
は照射による重合法などを併用することもでき
る。 次に上記の製造法によつて得られる本発明のシ
ロキサン結合を一部含むポリカルボシランについ
て説明する。出発原料のポリシランとしてポリジ
メチルシランを使用した場合に得られた本発明の
ポリカルボシランのIR吸収スペクトルは例えば
第2図に示すごとく、波数800cm-1付近と1250cm
-1、のSi−CH3;1400、2900、2950cm-1のC−
H;2100cm-1のSi−H;1020、1355cm-1のSi−
CH2−Si;1050cm-1付近のSi−O;700、1120、
1430cm-1のSi−C6H5;の各結合に基づく吸収を
示す。然しながら、波数1340cm-1のB−O
(Si)、あるいは3220cm-1のB−OHによる吸収は
通常検出されず、従つてIRスペクトルによつて
は、ポリカルボシラン中におけるB−O結合の存
在は不明である。 また、紫外線吸収スペクトルの測定により、−
Si−Si−成分はほぼ消失していることが確認され
た。 化学分析による元素比率は一般にSi:30〜60、
C:20〜60、O:0.5〜5、H:5〜10重量%で
ある。 上記のIRスペクトル、紫外線吸収スペクト
ル、化学分析の結果より、本発明のシロキサン結
合を一部含むポリカルボシランの構造について次
の如き結論が得られる。すなわち、IRスペクト
ルの測定結果からポリカルボシランを構成する要
素が
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】であることが示されており、紫外 線吸収スペクトルの測定結果から
【式】 結合がほとんどないことが示されていることか
ら、本発明のポリカルボシランは、その構造単位
が実質的に下記(A)及び(B)からなるものである。 (但しR1、R2、R3及びR4はそれぞれCH3、C2H5
C6H5またはHである) 更に化学分析による元素比率の測定結果から、
(A)と(B)の構造単位の比率は5:1乃至200:1で
ある。 また、ポリボロシロキサンの分解が(Si)−O−
B結合で生ずることから、構造単位(B)はポリカル
ボシラン中に無秩序に分布し、ポリボロシロキサ
ンのSiの側鎖として存在していたフエニル基は、
そのまま残るものと考えられる。 以上により、本発明の方法において、例えば出
発原料としてポリジメチルシランとポリボロジフ
エニルシロキサンを用いた場合に得られるポリカ
ルボシランの構造は、下記のように推定できる。 本発明のポリカルボシランは、蒸気圧浸透法に
より測定した数平均分子量が500〜10000であり、
固有粘度は0.01〜1.50である。 本発明のシロキサン結合を含むポリカルボシラ
ンは、従来法により製造したポリカルボシランに
比べて、分解温度が高く(即ち、耐熱性に優れ
る)、耐酸化性にも優れ、しかし焼成残留率が大
きいという優れた特性を有している。 この事実は下記表1の実験結果から明らかであ
る。第1表には、従来法により加圧容器(オート
クレーブ)を用いてアルゴン雰囲気中容器内の最
終圧力110気圧、470℃、14時間でポリジメチルシ
ランから合成されたポリカルボシランと、本発明
の方法により窒素気流中、400℃5時間でポリジ
メチルシランと3.85重量%に当るポリボロジフエ
ニルシロキサンとから合成されたシロキサン結合
を含むポリカルボシランとの性質の比較が示され
ている。
【表】 本発明のポリカルボシランは、50〜300℃の加
熱により溶融する熱可塑性物質であり、またベン
ゼン、ノルマルヘキサン、キシレン、テトラヒド
ロフラン等の溶媒に可溶性であるから、様々な形
状を有する成型体とすることができ、これを700
℃以上の温度で加熱焼成して、主として無機炭化
物SiC成形体に転換させることができる。このよ
うな例としては、主としてシリコンカーバイドよ
りなる連続繊維、フイルム、被覆膜、粉末などが
挙げられる。本発明のポリカルボシランは焼成残
留率が大きいため、これらのSiC製品を得る際の
歩留りがよいので極めて有利なポリマーである。
また、本発明のポリカルボシランは前記SiC製品
の他に焼結用結合剤や含浸剤としても用いること
ができ、更に耐熱性と耐酸化性に優れているの
で、ポリマーのままでも種々の用途を有するもの
と期待される。 以下実施例によつて本発明を説明する。 実施例 1 5の三口フラスコに無水キシレン2.5とナ
トリウム400gとを入れ、窒素ガス気流下でキシ
レンの沸点まで加熱し、ジメチルジクロロシラン
1を1時間で滴下した。滴下終了後、10時間加
熱還流し沈殿物を生成させた。この沈殿を過
し、まずメタノールで洗浄した後、水で洗浄した
白色粉末のポリジメチルシラン420gを得た。こ
のポリジメチルシラン250gに、ジフエニルジク
ロロシラン759gとホウ酸124gを窒素ガス雰囲気
下、n−ブチルエーテル中、100〜120℃の温度で
加熱し、生成した白色樹脂状物を、さらに真空中
400℃で1時間加熱することによつて得られたポ
リボロジフエニルシロキサン0.125gを添加混合
し、還流管を備えた2の石英管中で、窒素気流
下で320℃まで加熱し、3時間重合し、本発明の
有機ケイ素高分子化合物を得た。室温で放冷後n
−ヘキサンを加えて溶液として取り出し、n−ヘ
キサンを蒸発させ、280℃まで真空で濃縮して84
gの固体を得た。このものはベンゼンに可溶であ
り、平均分子量960、固有粘度0.02であつた。さ
らに窒素ガス雰囲気中で1300℃まで5℃/minの
昇温速度で焼成した結果残留率は45%であつた。 実施例 2 実施例1で合成したポリジメチルシラン250g
にポリボロジフエニルシロキサン10.0gを添加混
合し実施例1と同じ装置で窒素気流中370℃まで
加熱し、5時間重合し、本発明の有機ケイ素高分
子化合物を得た。室温で放冷後、n−ヘキサンを
加えて溶液として取り出し、n−ヘキサンを蒸発
させて176gの固体を得た。このものはベンゼン
に可溶であり、平均分子量1720、固有粘度0.04で
あつた。さらに窒素ガス雰囲気中で1300℃まで5
℃/minの昇温速度で焼成した結果残留率は79%
であつた。 実施例 3 Siの側鎖の2%がフエニル基で残部の側鎖がメ
チル基であるポリシラン250gに実施例1で合成
したポリボロジフエニルシロキサン8.0gを添加
混合し、実施例1と同じ装置で窒素気流中360℃
まで加熱し、7時間重合し、本発明の有機ケイ素
高分子化合物を得た。室温で放冷後、n−ヘキサ
ンを加えて溶液として取出し、n−ヘキサンを蒸
発させて213gの固体を得た。このものはベンゼ
ンに可溶であり、平均分子量3500、固有粘度0.06
であつた。さらに窒素ガス雰囲気中で1300℃まで
5℃/minの昇温速度で焼成した結果残留率は88
%であつた。 上記の実施例1〜3のそれぞれにおいて得られ
た有機ケイ素高分子化合物における構造単位の比
率、(A):(B)、をNMRスペクトルによつて測定し
たところ、下記表2に示すような結果が得られ
た。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のポリカルボシランを合成する
装置の1例であり、図中、aは加熱炉、bは還流
器、cは反応容器、diは不活性ガスの流入口、d
pはその流出口である。第2図は実施例2で合成
した本発明のポリカルボシランのIR吸収スペク
トル(KBr錠剤法)を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記(A)および(B)なる構造単位から主としてな
    り、 (R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立にCH3
    C2H5、C6H5またはHを表わす) (A)と(B)との比率が5:1〜200:1であり、数
    平均分子量が500〜10000、固有粘度が0.01〜1.50
    であり、耐熱性および耐酸化性に優れ、かつ非酸
    化性雰囲気中における焼成残留率の高いことを特
    徴とするシロキサン結合を一部含むポリカルボシ
    ラン。
JP58002817A 1983-01-13 1983-01-13 シロキサン結合を一部含むポリカルボシラン Granted JPS58136626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58002817A JPS58136626A (ja) 1983-01-13 1983-01-13 シロキサン結合を一部含むポリカルボシラン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58002817A JPS58136626A (ja) 1983-01-13 1983-01-13 シロキサン結合を一部含むポリカルボシラン

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12763077A Division JPS5461299A (en) 1977-10-26 1977-10-26 Polycarbosilane partially containing siloxane linkage and method of making same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58136626A JPS58136626A (ja) 1983-08-13
JPS6126930B2 true JPS6126930B2 (ja) 1986-06-23

Family

ID=11539955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58002817A Granted JPS58136626A (ja) 1983-01-13 1983-01-13 シロキサン結合を一部含むポリカルボシラン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58136626A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1987005612A1 (en) * 1986-03-11 1987-09-24 The Foundation: The Research Institute For Special Organopolyarylsilane, process for its production, and fibers prepared therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58136626A (ja) 1983-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0023096B1 (en) Organometallic copolymers, process for their preparation, and shaped articles of an inorganic carbide obtained therefrom
US4719273A (en) Method for forming new preceramic polymers containing silicon
JPS6149334B2 (ja)
JP2507714B2 (ja) 新規ポリチタノシラザン及びその製造方法
US4359559A (en) Novel polymetallocarbosilane, and process for its production
JPH0647621B2 (ja) プレセラミック有機シラザン重合体の製造方法
US4590253A (en) Organosilicon polymer and process for production thereof
US4800221A (en) Silicon carbide preceramic polymers
JPH0363576B2 (ja)
KR940007325B1 (ko) 폴리실라메틸레노실란 중합체의 제조방법
US5312649A (en) Diorganosilacetylene-alt-diorganosilvinylene polymers and a process densifying porous silicon-carbide bodies
EP0596680A2 (en) Borazine derivatized hydridopolysilazane polymers
Boury et al. Stoichiometric silicon carbide from borate‐catalyzed polymethylsilane–polyvinylsilane formulations
JPS6158086B2 (ja)
JPH0118086B2 (ja)
JPS6123932B2 (ja)
JPS6126930B2 (ja)
KR100776251B1 (ko) 다단계 반응공정을 이용한 폴리페닐카보실란의 제조 방법및 그에 의해 제조되는 폴리페닐카보실란
JPS6260414B2 (ja)
JPH0233734B2 (ja) Shinkinahorichitanokaruboshiran
JPS6249299B2 (ja)
JPS6149335B2 (ja)
JP2760554B2 (ja) 新規ポリメタロシラザン及びその製造方法
JPH0233733B2 (ja) Shirikontochitanmatahajirukoniumutooganjusurujukikinzokukakyojugotaioyobisonoseizohoho
RU2125579C1 (ru) Поликарбосиланы, содержащие металлические кластеры, и способ их получения