JPS6126216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、段ボール等で構成され、比較的軽量
物の梱包に用い、底部緩衝材を省略することが可
能な包装箱に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 従来、調理器具等の包装には、連搬中の振動に
対する緩衝材として発泡スチロール等が用いられ
ているが、この発泡スチロールは、コストが高
く、保管管理上かさばり、その上廃棄が困難で、
焼却すると有害ガスが出るなどの欠点があつた。
また、発泡スチロール以外の、例えば段ボール等
からなる緩衝材を、包装箱と被包装物との間に詰
め込むようにする場合もあるが、その緩衝材は通
常包装箱と別体のものであるから、包装材として
の点数が増え、従つて調達や在庫管理の面で問題
があつた。

本考案は、上記問題点を解消するためになされ
たもので、段ボール自体に緩衝効果を持たせ、発
泡スチロール等の別体の緩衝材を省くようにした
調理器具等の包装箱を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 段ボール等の包装箱の４側壁の端部に底部フラ
ツプをそれぞれ延設し、被包装物の脚孔を有する
対向する一対のフラツプで、箱の底端からやや上
方に位置する底部を形成し、他の一対のフラツプ
は１回ないし数回折り返して前記底部の下面の両
端部を支える補強部とする。

（作 用） 上記構成によれば、底部の対向する両端部が、
１回ないし数回折り返してなる補強部で確実に保
持され、底部中央の下側は空間となつているた
め、段ボール素材がもつ弾性により、被包装物を
緩衝的に保持することができる。

（実施例） 以下図面を参照して実施例を詳細に説明する。
第１図は、本考案の一実施例の段ボール箱１を展
開したもので、破線は折曲部を示している。２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄは段ボール箱の４側壁で、
それぞれ一端部に底部フラツプ３ａ，３ｂ，３
ｃ，３ｄを延設してある。箱として組み立てたと
き対向する一対の側壁２ｂ，２ｄに設けた底部フ
ラツプ３ｂ，３ｄには、被包装物の脚孔４ｂ，４
ｄを設けるとともに、先端部には、同様に脚孔と
なるＬ字形の切込５を設けてある。

次に、製函を行なうときは、まず、折曲線６に
沿つて折り曲げ、角筒状にした後、対向する一対
の側壁２ｂ，２ｄの底部フラツプ３ｂと３ｄを、
側壁２ｂ，２ｄの内面に接するように折曲線７
ｂ，７ｄに沿つて折り返し、さらに、その折返部
の上方に位置する折曲線８ｂ，８ｄに沿つて直角
に折り曲げ、底部フラツプ３ｂ，３ｄの先端を互
いに突き合わせてステープル等により繋止する。
これを底部とする。次に他の一対の底部フラツプ
３ａ，３ｃを、第２図に示したように、折曲線７
ａ，７ｃに沿つて側壁の内側上方へ折り返し、さ
らに折曲線８ａ，８ｃに沿つて下方へ折り返す。
この折り返した底部フラツプ３ａ，３ｃは前記底
部の下面を支える補強部となる。そして、箱１の
内部に調理器具等９を収納すると、その脚部９ａ
によつてＬ字形切込５の舌片１０が下方へ押し開
かれ、その先端で底部フラツプ３ａ，３ｃが開く
のを防止する。なお、第３図は段ボール箱１の底
面図であり、この箱内に収納された調理器具等の
脚部は脚孔４ｂ，４ｄおよびＬ字形切込５の舌片
１０を押し開いて形成した脚孔４ａ，４ｃに嵌め
込まれ、位置決めされる。Ｌ字形切込の舌片１０
は、調理器具等の脚の形状や大きさに左右される
ことなく、１回又は数回折り返して形成された、
底部下面を支える補強部の側面を確実に押圧する
ことができる。

以上のように構成された本実施例では、底部フ
ラツプ３ｂ，３ｄにより形成された底部の両端部
を、底部フラツプ３ａ，３ｃを１回ないし数回折
り返して形成した補強部により確実に支持し、か
つ被包装物を収納する部分の底部の下側が空間に
なつているので、段ボール素材がもつ弾性によ
り、被包装物を十分な緩衝作用をもつて保持する
ことができ、発泡スチロール等の別体の緩衝材を
省くことができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、段ボー
ル箱のみで包装ができる構成であるから安価であ
り、組立作業が単純化され、また管理経費等が削
減されてコストの大幅低減となる。しかも被包装
物を収納したとき、その脚部が脚孔に挿入される
ことにより押し曲げられたＬ字形切込の舌片が補
強部の側面を押圧して補強部の開きを防止するの
で、底部が堅牢で安定した構造となる。さらに、
廃棄や有害ガスの心配がなくなるなど実用的効果
が極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の展開図、第２図
は、組立後の要部断面図、第３図は、同底面図で
ある。 ２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ……側壁、３ａ，３
ｂ，３ｃ，３ｄ……底部フラツプ、４ａ，４ｂ，
４ｃ，４ｄ……脚孔、５……Ｌ字形切込、１０…
…舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 段ボール等の包装箱において、４側壁の端部に
   底部フラツプをそれぞれ延設し、まず対向する一
   対の側壁に延設され、略中央部に被包装物の脚孔
   と先端部に脚孔となるＬ字形切込を有する底部フ
   ラツプを前記側壁の内面に接するように上方にそ
   れぞれ折り返し、その折返部よりやや上方で水平
   に折り曲げて各端部を互いに突き合わせ、これを
   底部とし、次に他の一対の底部フラツプを側壁の
   内面に沿つて上方に折り返し、さらに前記底部の
   下面の位置で下方に折り返し、このように１回ま
   たは数回折り返して前記底部の下面を支える補強
   部としてなり、包装箱内に被包装物を収納したと
   き、被包装物の脚部によつて押し曲げられた前記
   Ｌ字形切込の舌片が前記補強部の側面を押圧して
   補強部の開きを防止するようにしたことを特徴と
   する調理器具等の包装箱。